当サイトの県民共済住宅に関する情報は2021年9月契約、2022年4月引き渡し時点での情報を元に記載されています。

当時と現在とで仕様やルール、価格などの前提条件が異なり、記事の内容が間違っている可能性があるのでご注意ください。

私の家の換気システムはダクト式の第3種換気システムで、給気口は断熱材が入っていない結露対策がされていないモデルの製品です。

冬の寒い日の給気口の蓋は外気を直接吸い込んでくるので表面温度が下がり、室内外との温度差から結露が発生してしまっていました。

私の家はUA値0.41の断熱等級6でC値1.02のそれなりに高気密高断熱住宅で普通のエアコンで全館暖房を行っている事もあり室温は24℃以上で湿度は40%位と乾燥しているのでこの冬は大型加湿器を購入して湿度50%台になるように加湿しています。

加湿器を動かすと空気の乾燥が無くなり、健康上も良いのですが空気中の水分が増える分結露しやすくなるので給気口の蓋にも結露対策する必要が出てきました。

結露する原理

給気口の蓋が無断熱なので結露が凄い
給気口の蓋が無断熱なので結露が凄い

「結露する原理」でググってみると詳しい解説があると思いますが、水分を含んだ暖かい空気が冷たい物の表面に触れると結露するのは、暖かい空気は飽和水蒸気量が多く、冷たい空気は飽和水蒸気量が少ないので冷たい物の表面に触れた暖かい空気の温度が下がり、その分飽和水蒸気量も少なくなって飽和水蒸気量を超えた分の水分が水蒸気から水となって冷たい物の表面に付着するという原理です。

なので冷たい物の表面温度が上がればその分暖かい空気の温度低下が少なくなって飽和水蒸気量もそこまで下がらず結露しにくくなるので給気口の蓋に断熱材を追加すれば蓋の表面温度が下がりにくくなり、その分結露しにくくなります。

熱伝導率が高い素材ほど結露しやすい

熱伝導率が高い素材で代表的な物はアルミや銅、鉄などの金属で、手で触ると熱かったり冷たかったりする素材は総じて熱伝導率が高いです。

熱伝導率が低い素材は断熱材に使われるようなグラスウールや木材、樹脂も熱伝導率が低く、これらの素材は冬の寒い時期に触っても冷たく感じなかったり、木製やプラスチック製の箸やスプーンを熱湯の入ったマグカップに入れても持ち手まで熱が伝わって来ずに熱くて触れなくなる事はありません。

余談ですがアルミサッシが結露しまくる原因はアルミ素材の熱伝導率が高く、サッシ外側の冷たい外気でアルミ素材の枠が冷やされて室内側のアルミ枠の表面温度が低くなって結露するというのが根本的な原因で、樹脂サッシだと枠部分が熱伝導率が高くない樹脂素材なので室内側の枠部分がそこまで冷たくならずに結露しにくくなるという訳です。

給気口の蓋の裏側に発泡ウレタンを吹き付けて断熱してみました

2021年契約の県民共済住宅のダクト式第3種換気システムで使われている給気口の蓋は断熱材が入っていないタイプのもので結露防止タイプではありません。

第3種換気システムの給気口の蓋を外した状態
第3種換気システムの給気口の蓋を外した状態

給気口自体をAmazonで買える断熱材が入った結露防止タイプの給気口に買い換える事も出来ますが、給気口自体を外して付け替える必要があって面倒そうなのでそこまでする前に試しに給気口の蓋の裏側に断熱材を追加してみてそれで駄目なら給気口自体を買い換えるのもありかなと思いとりあえず家にあった現場発泡ウレタン断熱材のアクアフォームの缶の余りを使い、蓋の裏側に発泡ウレタンを吹き付けて断熱してみました。

給気口の蓋は上にずらすと簡単に外れます。

県民共済住宅で注文住宅を建ててから2年近く住んでいますがまだ給気口のフィルターを一度も掃除していないのでそろそろ掃除しようと思います。

現場ウレタン断熱材のアクアフォームが余っていたので試しに使ってみました
現場発泡ウレタン断熱材のアクアフォームが余っていたので試しに使ってみました
ウレタン缶に付属していたノズルを使ったので量の調整が上手くいかずに吹き付けすぎました
ウレタン缶に付属していたノズルを使ったので量の調整が上手くいかずに吹き付けすぎました

アクアフォームの缶の中身を吹き付けるためにはアクアフォームに付属するノズルと別売りの発泡ガンがありますが、私は発泡ガンを持っていないので付属のノズルで施工しました。

付属のノズルだと施工性が悪くて上手く吹き付けにくいですが、発泡ガンを買うほどのヘビーユーザーでもないし、発泡ガンを買う予算があるなら給気口自体を結露防止タイプの物に買い替えたほうが良いので付属のノズルで施工しました。

吹き付けてから時間を置いて膨らみ終わって乾燥したタイミングでウレタン表面をカットし厚みを薄くします
吹き付けてから時間を置いて膨らみ終わって乾燥したタイミングでウレタン表面をカットし厚みを薄くします

現場発泡ウレタンは吹き付けた後に大きく膨れるので慣れていないと吹き付けた時は足りないかなと思っても時間経過で膨れていくと結果的に吹付けすぎていたみたいな感じになるので加減が難しいです。

膨らみ終わったらカッターでウレタンの表面を蓋の厚みに合わせてカットして給気口に収まるように加工すれば給気口の蓋の結露防止対策は終了です。

給気口の蓋の裏側を断熱したら結露した水滴が激減
給気口の蓋の裏側を断熱したら結露した水滴が激減

給気口の蓋の裏側に現場発泡ウレタンを吹き付けて断熱した結果は劇的で結露しまくっていた給気口の蓋が余程寒い日でなければほぼ結露しなくなって結露したとしても水滴がかなり少なくなりました。

サーモグラフィーで結露防止効果を確認

給気口の蓋の裏に断熱材施工前のサーモグラフィー画像
給気口の蓋の裏に断熱材施工前のサーモグラフィー画像

一応サーモグラフィーでも給気口の蓋に断熱材を追加する前と追加した後でどう変わったか見ていこうと思います。

断熱材施工前は画面右側の蓋の四角い表面全体が紺色でかなり温度が低くなっているのがわかります。

蓋の裏側に現場発泡ウレタン断熱材を追加した後のサーモグラフィー画像
蓋の裏側に現場発泡ウレタン断熱材を追加した後のサーモグラフィー画像

現場発泡ウレタンでの断熱材施工後は断熱材を追加できなかった蓋の中央部分は相変わらず紺色ですが、それ以外の部分は薄い紫色になり、表面温度も高くなっているのが一目でわかりました。

現場発泡ウレタンでの断熱は効果大だがコスパとタイパが悪いのでおすすめ出来ない

結露防止効果は確かに劇的だったのですが、正直施工の手間や難易度、現場発泡ウレタンの価格を考えると手元に現場発泡ウレタンの余り缶がある人以外はおすすめできません。

素直に結露防止タイプの給気口に買い換えるか、もっと安い発泡スチロールを両面テープで蓋の裏側にくっつけたり、通販の梱包材でたまにあるような発泡ポリエチレンシートを何枚か重ねて1cm程度の厚みにして両面テープで貼ったりやプチプチを2、3枚重ねて貼り付けるレベルでもある程度効果があるのではないかと思います。

最後に

給気口の結露が酷くてなんとかしたいなら給気口の蓋に断熱材が入った結露防止タイプの給気口に買い換えるか、今ある給気口の蓋を外して裏側に断熱材を入れるかの2択になります。

実際に断熱材を入れてみると今までだったらかなり結露していただろうコンディションでもほとんど結露しなくなったので効果は劇的でした。

わざわざ2千円近い現場発泡ウレタンを買うよりもその辺に余っている材料や100均やホームセンターで数百円で買える程度の材料でもある程度の結露対策が出来そうなので給気口の結露に悩んでいるならまずは蓋の裏側を適当な素材で断熱してみてください。