県民共済住宅で2021-2022年に注文住宅を建てた私の家ですが、冬になるとシャワーの温度がぬるくなるのが地味に不満でその分シャワーを浴びる時間が長くなり、シャワーで使う湯量が増えてお湯が足りなくなりそうになる事が度々ありました。
エコキュートの湯量が足りなくなる原因は私の契約している電気料金プランが深夜1時〜5時の4時間だけ電気代がほぼ0円で使えるEV、PHEVのオーナーが契約できるまちエネの毎晩充電し放題!プランなのでエコキュートの沸き上げもその時間帯を指定していますが冬の寒い時期だと沸き上げ時間が4時間だけでは足りず、十分な湯量まで沸き上げ出来ていないのが最大の原因です。
そしてエコキュートの機能で足りない分は太陽光発電で発電している昼間に沸かすという設定が自動で出来ず、湯量が足りなそうな日は手動で満タン湧き増しボタンを押して沸かす必要があって不便です。
そういう事情がありもっとエコキュートの効率を上げたいのでネットで一部の施主さんがやっているようにエコキュートの配管周りの断熱を強化することにしました。
実はまだ配管部分の断熱はほとんど行っておらず施工途中なのですが、エコキュートの貯湯タンクと配管の付け根の部分を断熱しただけでシャワーのお湯の温度が上がり、体感で1日で使う湯量が若干減って効果があったので冬が終わる前に記事として公開することにしました。
【追記】この施工を行う前の12月や1月はエコキュートの湯量が4段階中メモリ残量1で、それより更に湯量が少なくなるとメモリ1で点滅し始めるのですが、施工前は残湯量がギリギリで点滅する日が何日かありましたが、1月にこの施工を行ってから3月まで過ごしてみて未だに点滅したことは1度もなく、メモリ1まで湯量が減る頻度も激減しました。
配管の付け根部分に断熱材を付加しただけの簡単施工ですが実際に効果があるのでエコキュートの残湯量を増やしたいなら配管の付け根部分を断熱材で巻いて保温するという方法はDIYの労力の割に成果が大きいので結構おすすめです。
エコキュートは消費電力が大きいので断熱して熱ロスを減らす価値がある
一般住宅のエネルギー消費量全体に占める給湯エネルギーの割合は3割前後と言われています。
私の家ではHEMSは未導入ですが太陽光発電のモニターがあり時間帯別の電力使用量が見れるのでエコキュートが動作しているAM1:00〜5:00の間の電力使用量がかなり増えていて、冬だと大体1日で6〜8kWh位の電力を使っています。
エコキュートは電気を熱に変えてそれでお湯を沸かす機器なので、もしエコキュートから熱の漏れがあり、そこを断熱材で覆う事で熱ロスを減らす事が出来ればその分エコキュートの効率が上がって消費電力が少なくなり電気代も減らせるはずです。
また、お湯の配管を断熱することで蛇口からお湯が出るまでの捨て水が減り、その分の水道代とエコキュートのお湯の使用量が減って電気代だけでなく水道代の削減にもなるはずです。
給湯器と配管の付け根部分を断熱すると少ない労力の割に効果大
まずはエコキュート側の配管から断熱DIY施工を始めようと思い、最初にエコキュートの貯湯タンクと配管の付け根部分の断熱を行いました。
貯湯ユニット下部の蓋を外すと配管が見えます。
ぱっと見だともう断熱されている様に見えますが、よく見ると断熱施工が甘く配管が露出している部分があり、更に熱伝導率が高そうな金属部分が無断熱でエコキュートの根元の樹脂パーツも無断熱なのでまずは配管の付け根部分の断熱を強化します。
右端の配管は浴槽のお湯と追い焚き用の配管で配管と貯湯タンクの接続部分の断熱施工が雑だったこともありそこから熱が漏れているのがサーモグラフィーで測らなくても解るレベルだったので配管の隙間にグラスウールの端材を詰めていき、その後配管の接続部分の樹脂パーツを覆うように更にグラスウールの配管用断熱材を水抜き穴を塞がないように気をつけつつ樹脂パーツを覆っていき、耐候性のあるアルミテープでグラスウールの中身が露出して水ぬれしないようにつなぎ目をテープで覆います。
配管の付け根部分は熱伝導率が高そうな金属の接合パーツがそのまま露出していたのと、配管に巻かれていた断熱材の長さが若干短く断熱欠損になっていた箇所があったのでまずは明らかな断熱の弱点を対策しました。
一通りの配管に断熱材を巻き付けて様子見しますが、私が住んでいるさいたま市のようなそこそこ温暖な地域では別に断熱する必要のない水道用の配管まで断熱してしまいました。
DIY初日はあいにく天気が悪く作業時間が確保できずにエコキュートの貯湯ユニットから伸びる配管の根元にしか断熱施工出来ずにお湯の配管の長さで言えば1%以下の断熱しか出来ず、この段階での断熱効果はあまり期待できないと思っていました。
断熱施工後にエコキュートでお湯を作っている時間にサーモグラフィーで断熱効果を確認するとやはりまだ断熱が甘いことが判明しました。
しかしその日の夜から以前と設定温度が同じにも関わらずシャワーのお湯やバスタブの温度が若干上がって普段と同じ感覚でお風呂に入ってもいつもよりお湯の減り方が少なくなったのには驚きました。
断熱効果が出た理由
エコキュートの配管には断熱材が最初から巻かれていたものの、配管と貯湯タンクを接続する根元部分は樹脂パーツと金属製の金具が剥き出しになっていたのと、配管の断熱材が1cm位足りておらず、断熱欠損になっていた箇所があったのでそういう部分を処置したので効果が大きかったのだと思います。
特に素材が金属製のパーツは熱伝導率が高い(冷めやすい)のでそこにグラスウールを巻き付けて断熱強化出来たのと、ただの樹脂パーツも素材として金属よりは熱伝導率が低い(冷めにくい)ですが、断熱材が巻かれていないと熱損失が出てしまうので断熱材で覆って熱損失を減らしてお湯を冷めにくくした方が効果的です。
貯湯ユニットとヒートポンプユニット間の配管も断熱不足
エコキュートは大きな貯湯タンクとエアコンの室外機の様な見た目のヒートポンプユニットがありますが、お湯を沸かすための熱を作り出すのがヒートポンプユニットの役割で作った熱を貯湯タンクに届けるためにヒートポンプユニットと貯湯タンクとの間に配管が通っています。
貯湯タンク周辺の配管をサーモグラフィーで撮影してみたところ、一番熱が漏れていた箇所はお湯の配管でもなければ貯湯タンク本体でもなく、貯湯タンクとヒートポンプユニット(室外機)間の配管でした。
当然この配管にも配管用の断熱材が巻かれていましたが、それでも配管の長さが若干足りずに付け根部分に断熱欠損があり、外気温が5℃位の時にサーモグラフィーで最大39.5℃という数値が出たのはかなり驚きました。
断熱欠損しておらず配管用の断熱材が巻かれていた箇所の温度も20℃近くあり大きな熱損失が発生しているのは配管用断熱材の能力不足というか厚み不足が原因なので配管用断熱材の上から追加で配管用のグラスウール断熱材を上から巻いていきます。
写真では見えていませんが、お湯用の配管は手前部分しか断熱材を追加で巻いておらず、エコキュートの下から基礎までの区間は時間も断熱材もなくなったのでまだ断熱材を巻けていません。
貯湯ユニットとヒートポンプユニット間の配管での熱損失が減れば熱効率が上がりより短時間でお湯が沸き、それによってエコキュートの消費電力も下がるはずなので効果は大きいと思われます。
ヒートポンプユニット側の配管接合部も要対策
エコキュートの貯湯ユニット側の配管の付け根部分と同じようにヒートポンプユニット(室外機)側の配管の付け根部分も断熱欠損と言うか無断熱なので同じようにグラスウールの断熱材を金具の上から覆うように施工します。
とりあえず配管の付け根部分をグラスウールで覆ってみてその日の深夜のエコキュートの湯沸かし中の時にサーモグラフィーを持って撮影してみると断熱処置した金具部分からの熱損失は抑えられていたものの、ヒートポンプユニットの根元の断熱が甘くまだ断熱材を追加する余地があります。
と言うかヒートポンプユニット本体のアルミ部分からかなりの熱が抜けているのでプラスチック製のカバーの内側全体を断熱施工した方が良さそうです。
配管に断熱材を追加施工した後
配管に配管用グラスウールの断熱材を巻くだけの簡単な作業のはずでしたが、断熱材を巻いてテープで止めるだけでも意外と時間がかかります。
そして配管がエコキュートの下部にあり、地面の上を這っている箇所の施工が困難でかなり手間取りました。
そしてエコキュートの外装の金属が鋭利で手袋が無いと金属で手を切ってしまうので手袋着用で作業しましたが、それでも切り傷が出来てしまったので作業する際は手袋は絶対に着用することをオススメします。
今回使用したアイテム
配管用の断熱材はモノタロウブランドの「断熱材 グラスウール」をモノタロウで購入しました。
このグラスウール断熱材は長さ1,100mm、幅910mmで厚さ25mmのサイズで表面が耐候性がありそうなアルミガラスクロスシートで熱伝導率が0.43と住宅用グラスウールよりも熱伝導率は1〜2割程度性能が落ちますが、熱伝導率の記載がない配管用断熱材よりも高性能ですがかなり高価です。
Amazonでもマグ・イゾベールの配管用の断熱材は買えますが、1mあたりの単価はモノタロウブランドのグラスウールより安価ですが、長さが22mもありとてもDIYでは使い切れない量なのでおすすめ出来かねます。
プロ向けのホームセンターで買える普通の配管用保温材を使えば半額位で配管部分の断熱が出来たと思うので配管用保温材を買うなら送料がかからない実店舗に行った方が良さそうです。
テープも断熱材と同じくモノタロウブランドの「アルミガラスクロステープ」の幅50mm長さ20m 1巻を購入しました。
このアルミガラスクロステープは両面テープみたいに剥離紙が貼られていて剥がしてから貼り付ける必要があるので剥離紙がない気密テープと比べて施工性は落ちますが耐候性は高そうです。
20mの長さで1巻だけ購入しましたが、最後の方は足りなくなり黒い気密テープで代用したのでテープは多めに買っておいた方が良さそうです。
Amazonでも同じようなアルミテープを購入出来るのでモノタロウの送料無料ラインに届かない時はAmazonで購入するのもありです。
モノタロウは月2回位モノタロウブランドの商品が15%オフのクーポンが配られるタイミングがあるのと、週末はモノタロウブランドが10%オフで購入出来るクーポンがモノタロウのトップページにあるので上手くそれらのクーポンを使って購入すると多少安くなります。
最後に
これだけやってどれだけ効果が出たのかが一番気になると思いますが、私と家族の体感では以下の効果がありました。
2月の1年で一番寒い時期でも施工前の12月や1月と比べて残湯量が増えたので意外と効果がありました。
- お湯の減りが施工前よりも体感できるレベルで遅い
- お風呂のシャワーから出るお湯の温度が若干上がった
- 寒い日のエコキュートの凍結防止運転の頻度が減った
- エコキュートの残湯量のメモリの減りが遅くなった
エコキュートの配管接合部の断熱を強化しただけで体感出来るほどの効果が出たのは正直意外でしたが、それだけ配管接合部からの熱損失が大きかったのだと思います。
本当はエコキュートから基礎を通って床下のお湯の配管まで断熱するつもりでしたが、床下収納を外して基礎を見た時に小さい毛虫みたいな虫の死骸が点在していてやる気が萎えてしまったので基礎の中の配管は後回しにするか諦めます。
エコキュートの下部から基礎の中へと繋がる給湯配管にも断熱材を追加したいところなのですが、グラスウールを使い切ってしまったのと、エコキュート下部の配管に断熱材を追加するのは物理的に手が届かず困難なので施工できたとしても中途半端な効果になりそうです。
今更ですがもし家づくり中に配管周りの断熱材を強化すべき事に気づいていれば監督や水道屋さんに掛け合って施主DIYもしくは追加費用を出して配管の断熱材を追加で巻いて貰えたかもしれません。
基礎上の配管は床の断熱材が敷かれる前なら基礎に潜らず立って施工出来るので簡単だし、エコキュートのお湯の配管もエコキュートの設置前に処置していればエコキュートの下に手が届かず施工できないなんて事も無かったと思います。
エコキュート以外のエコジョーズ等のガス給湯器でもお湯の配管周りの断熱強化はガス代節約効果が見込めると思います。
もう家が完成してしまった人はどうしようもないですが、もしまだ家づくり中でこのブログを読んでいる施主さんはお湯の配管の断熱まで気を付けると冬場にお湯が出てくるまで時間がかかって捨て水が多くなるみたいな失敗が無くなると思うので参考にしてみてください。
今回エコキュートのヒートポンプユニットの熱損失があることが判明しましたが、ヒートポンプユニットはエコキュートだけでなくエアコンにも室外機としてあるので同じようにサーモグラフィーで撮影すると外気温5℃で10℃程度と40℃近い温度になっていたエコキュートよりは遥かに少ないものの熱損失があったのでエアコンの室内機と室外機間の配管も同じように断熱材を追加すればエアコンの運転効率が上がりそうなのでそれも後日記事にしようと思います。