着工51日目は給排水工事と土台敷きが行われていました。51日目で給排水工事が終わり、52日目から大工さんが入っての土台敷きになります。
私はスーパー工務店ではないローコストの県民共済住宅で高気密高断熱住宅を目指しているので、断熱材の施工や気密の施工については出来る限り現場でおかしい所が無いかこの目で確認したいと思っています。
県民共済住宅の先輩施主ブロガーの方々の施工写真を見てもたまにサッシと窓枠との隙間に断熱材を入れていない雑な大工さんがいたりするので施主レベルでチェックできることはしたいと思っています。
正直、県民共済住宅で高気密高断熱を目指す上で「高気密」かどうかを決める施工の質が一番問題だと思っています。県民共済住宅の場合は下請けの大工さんが施工を行うので大工の質が一定ではなく、腕の良い職人さんや丁寧な職人さんに当たれば良いですが、雑な職人さんに当たった場合に残念な施工になる可能性があるので自分の職人ガチャ運があることを祈るしかありません。
果たして私の家を担当する大工さんはどうだったのでしょうか。
着工51日目の現場の様子
着工51日目はまだ大工さんが現場に入っておらず、給排水工事の最中でした。雨樋からの排水管を地中に埋め込む場所がきちんと掘られていました。
給排水工事の職人さんに話を聞いてみると、赤い配管はお湯で青い配管が水との事でした。赤いお湯と青いお水の配管は薄い断熱材が入っています。
1階の洗面台下には下水管とお湯の赤い配管と水の青い配管が準備されていました。1階トイレ下は下水管と水の青い配管が準備されています。
この日は大工さんの作業が始まったかなと思って現場に行きましたが、大工さんが入るのは翌日からだったのでちょっと無駄足感がありましたが、ほぼ完成した状態の床下の配管の写真が撮れたのは良かったです。
この時期に行ったこと
監督から電話があり細かい部分の仕様について確認がありました。階段でひな壇になっているところの出っ張りをどの位にするか聞かれたので監督と相談してクロスの収まりが良い壁芯位の出っ張りにしました。
長州産業の太陽光発電のパワコンの位置(室外)とコントローラーの位置、非常用電源のコンセントの位置もどうするか聞かれて監督と相談の上決めました。一番停電で止まったら困る物は何だろう?と色々考えてみた結果非常用コンセントの位置は冷蔵庫の横に置いてもらいました。
そして監督から提案があり、気密測定をするなら室内用のコンセントに防気カバーを付けてはどうか?という提案を頂けました。普通は内壁側のコンセントには防気カバーを付けませんが気密を重視するならどうでしょうか?と監督から提案されたのでとりあえずお願いしました。追加費用は手間賃で多分3万円位になるとのことです。
内壁側のコンセントは本来気密エリア内にあるので理論上は防気カバーは不要です。費用も多少かかるのでお願いしてみたものの止めようか迷っていて多分止めると思います。ただ、防気カバーを付けることによるデメリットは価格が上がる以外はないのでどうしようかとても迷いましたが、最終的には施工状態を見る限り床の気密は取れそうなのでキャンセルしました。
また、配管穴周りはコーキングと気密テープで塞いでくれるのと、床と柱の取り合い部分にも柱の施工前と柱の施工後に2重で気密テープを貼って頂ける事になりました。
私から準防火仕様と同じ様に壁の石膏ボードを桁や梁の所まで貼って頂けないかとリクエストしてみましたが、仕様的にそれは無理なので石膏ボードからはみ出た断熱材の部分は気密テープで対応しますとの事でした。
準防火地域以外の現場では通常壁の石膏ボードは天井までの高さまでしかなく、石膏ボードの上端が桁や梁まで届かずに壁の断熱材の上の方が石膏ボードからはみ出してしまいます。石膏ボードからはみ出した部分の断熱材の固定は桁や梁や間柱にタッカーで止めているだけになるのでその部分に気密テープを貼ってもらえる事になりました。この部分は厳密には気密エリアの外になるので直接C値の値には関係ない箇所ではありますが、気密テープでしっかり塞ぐことで壁内の気流を止めて壁内の空気の温度差による対流を防ぐという意味合いがあります。
もうこれだけで通常の施工よりも気密に配慮した施工になっているのが確実なので自腹で気密測定を行う価値がありました。ちなみに監督がこれまで担当した現場で気密測定を行った事はまだ一度もないと言っていたので県民共済住宅で気密測定を行う人はほとんどいないみたいです。何よりも監督がとても協力的な方だったのも幸運でした。
気密測定のタイミングは壁と天井の石膏ボードが貼られた後で電気配線の穴が開けられた後に行うことになりました。
上棟時に何か差し入れがいるのか監督に聞いてみましたが、県民共済住宅では特に不要と言われました。どうしてもあげたいなら職人が休憩する10時頃にペットボトルの飲み物を差し入れたらどうでしょう?との事でした。
着工52日目の現場の様子
着工52日目はいよいよ大工さんが入る日です。基礎パッキン周りをチェックしたかったのと、もし1日で床の断熱材まで入っていたら断熱材がどういう風に敷かれているか見れない可能性があるので連日現場に顔を出しました。
夕方近くに現場に到着すると大工さんが作業中だったので挨拶をしてから施工をチェックしました。一番気になっていたホールダウン金物用のアンカーボルトの位置が内側に寄りすぎていると思っていた箇所は問題なかったので一安心です。
この金属製の長いホールダウン金物用のアンカーボルトは断熱エリア外の基礎のコンクリートから断熱エリア内の壁内に貫通しているのでアンカーボルトが熱橋(ヒートブリッジ)になり冬の寒い時期に結露しそうです。基礎外断熱ならこの部分はヒートブリッジになり得ませんが、床断熱と基礎内断熱だとここはヒートブリッジになります。パッシブハウスレベルの超高性能住宅を建てるような工務店だとこういうヒートブリッジ対策はきちんと行っていると思いますが、普通の住宅会社だとこういうUA値に現れない細かい所までは考えていないと思います。
監督に聞いてみた所県民共済住宅ではこの部分の処置は特に何もしないとのことでした。私の本音としては金物検査後に発泡ウレタンの断熱材でホールダウン金物用のアンカーボルト周りをスプレーして壁が入る前にDIYで熱橋対策を行いたいと思いますが、実際に出来るかどうかは監督の許可も必要になるので難しいかもしれません。
基礎パッキン周りのチェック
土台敷きの工程で施主がチェックしておきたいポイントとしては基礎パッキンの所です。室内側の土間周り(玄関土間や土間収納周り)には隙間なく気密パッキンが木材の下に敷かれて隙間がある通気パッキンはそれ以外の部分に敷かれます。
もし土間周りに間違って通気パッキンが敷かれていた場合は室内に外気が直接入ってくる事になるのできちんとミス無く施工されているかチェックしましょう。
通気パッキンは柱の下に設置されているかどうかも確認した方が良いと思います。パッキンが柱の真下にないと荷重が受け止められずに土台に負荷がかかるのであまり良い設置方法ではありません。
使用されている部材
基礎の立ち上がり部分と土台との間に敷かれる基礎パッキンですが、YPC株式会社のキソスペーサーショートウェイトタイプ(KSW-120SA)でした。
この製品はアンカーボルトの所にパッキンを入れて使うので通気パッキンとして使われます。気密パッキンが必要な玄関土間周り等は同社のキソスペーサーロング気密タイプが使われているようでした。
床の断熱材のネオマフォーム
県民共済住宅で高断熱仕様のオプションを入れると床の断熱材は66mm厚のネオマフォームになります。断熱材はプレカットされた状態で現場に納品されているのかネオマフォームにそれぞれ番号が振られていました。
県民共済住宅の断熱材についての記事は「県民共済住宅のUa値と断熱材の性能一覧」や「県民共済住宅で実際に契約した間取りのUa値を計算」の記事をご覧ください。
着工53日目の現場の様子
着工53日目は土台敷きが完了していました。現場に到着したのが14時過ぎで既に断熱材が入っていて合板が敷かれてラッピングされた後だったので断熱材が隙間なくきちんと入っているのかを確かめたかった私にとっては時既に遅しでした。
大工さんが最後の片付け中だったので挨拶してちょっとお話して、断熱材を敷いた時の写真があるというのでその写真をLINEで送って頂けたので写真上でも確認出来て良かったです。
大工さんは39歳と29歳の物腰が柔らかそうな2人組の男性でした。先月40歳になったばかりの私と年が近いので話しやすかったです。
それにしても地縄を張った時は家の大きさが小さく感じましたが、こうして土台敷きが終わると立体感が出てそこそこ大きいなと思えます。
監督から大工さんにきちんと指示が届いていたみたいで床と柱の取り合い部分に気密テープが施工されています。柱が建った後にも再度床と柱の取り合い部分に気密テープを貼ると監督と確認しているので気密施工のポイントは抑えてあります。
断熱材の上に敷かれた合板も下地のある部分に釘で固定されているので気密も取れていると思います。
通常の県民共済住宅の施工では土台敷きの段階で床と柱の取り合い部分に気密テープは貼られませんが、私が気密を気にしているので監督の配慮で特別に対応してくれました。まだ柱が建っていない状態でもここに何も貼られていないよりかは確実に良いのでとてもありがたい対応です。
この部分は良く気密の穴になると言われている箇所なので対応して頂けて本当に良かったです。もし対応を断られたら自分で気密テープを貼って良いか監督と棟梁に聞くつもりでいました。
断熱材を入れた直後の写真を大工さんから頂きました
断熱施工した所をきちんと写真に残して頂いていたので本当に助かりました。大工さんマジGJです。
写真を見て隙間が無いか確認してみましたが、断熱材のネオマフォームに番号が振られていてそれが順番にはめ込まれている様に見えるのでプレカットしてあるから多分きちんとジャストサイズにはめ込まれている可能性が高いです。現場を見てもネオマフォームが切られた跡というか端材がどこにも無かったので木とネオマフォームの間の隙間に関しては多分問題ないと思います。
もしネオマフォームと木の間に若干の隙間があったとしてもこの上に合板が貼られてその合板で気密を確保するので問題ないと思います。
ですが、もしネオマフォームがはめ込まれていない部分があったら断熱欠損になり問題なので家に帰ってから頂いた写真を拡大してじっくり断熱欠損がないか確認しました。
断熱欠損を探せ!
断熱材の写真を頂いた後に家のPCでじっくり拡大して見ていたら、1枚目の写真の左端部分に断熱欠損を見つけてしまいました。床下点検口のすぐ横の細い溝部分に断熱材が入っていません。
そして4枚目の写真の中央付近にも断熱欠損が見受けられます。
心配なので大工さんのLINEに返信を入れて聞いてみたら1枚目の写真の細い溝はネオマフォームが入らない(無理やり入れると割れてしまう)のでこういう細かい箇所は後日まとめてウレタンでスプレー処理するとの事でした。
そして4枚目の所は写真を撮った後にちゃんとネオマフォームを入れてあるとの事なので一安心です。ミス無くきちんと施工していただいて大工さんには本当に感謝です。
床の断熱欠損は合板を敷かれた後だと床下点検口が設置された後に床下に潜るか、家が完成した後に冬の寒い時期にサーモグラフィーで撮影しない限りわからないので写真だけでも確認出来て良かったです。
後地味に気になっているのがホールダウン金物用の長いアンカーボルトが基礎から土台(基礎の上の木材)を貫通している部分の穴の処理がどうなっているのか聞き忘れました。穴のままだと確実に断熱欠損かつ気密の穴になるので、土台と断熱材の上の合板の貫通部分を最低限気密テープで塞いで貰おうと思います。こうすれば断熱欠損であることには変わりありませんが気密が確保されます。本当は穴に現場発泡ウレタンを注入してその上から気密テープで覆ってしまいたいところですが、防蟻の関係で監督に断られる可能性はあります。
監督にSMSで質問したら上棟後に処理してくれるとの返答を頂きました。本当に感謝です。
最後に
いよいよ大工さんが入る工程になりました。私の家は27日に上棟なので当日が楽しみです。
監督も気密を上げるために色々配慮して頂いているので本当に感謝しきりです。まだ上棟前ですがこの監督に担当して頂いたのは本当に幸運だと思いました。大工さんもまだ2日目ですが、細かい部分もしっかり仕事をしてくれているので期待出来そうです。
とりあえず床の断熱施工に関しては問題無かったので良かったです。土台敷きが終わったので次は足場を組んで上棟という流れになると思いますが、施主が足場の状態を確認しても仕方ないので次に現場に行くのは上棟の時になると思います。