当サイトの県民共済住宅に関する情報は2021年9月契約、2022年4月引き渡し時点での情報を元に記載されています。

当時と現在とで仕様やルール、価格などの前提条件が異なり、記事の内容が間違っている可能性があるのでご注意ください。

前回の記事で契約した間取りを基にUA値を計算しましたが、今回の記事ではそのUa値の計算結果を踏まえて一次エネルギー計算も行います。

一次エネルギー計算は家の燃費性能みたいな指標なのでこの計算でどれだけ省エネ性能が高い住宅になったかが分かるという様な指標になります。

この計算結果はZEH(ゼッチ)住宅や認定低炭素住宅の様な住宅の申請の際にも必要になるので、県民共済住宅ではどちらも対応していませんが、他のハウスメーカーや工務店で家を建てた場合はこれらの書類を目にすることもあるかもしれません。

エネルギー消費性能の計算

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

エネルギー消費性能の計算を行うにはまず前回のUa値を計算した記事YKKAP省エネ性能計算ソフトの計算結果の画面右上のエネルギー消費性能の計算をするボタンをクリックします。

画面上のUa値0.41W/(m2・K)は私の契約した間取りと仕様から算出した値になります。

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

エネルギー消費性能の計算は「YKKAP省エネ性能計算ソフト」で行うのではなく、外部サイトの国立研究開発法人 建築研究所が提供する「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版) Ver 2.8.1」を利用します。

エネルギー消費性能プログラムのバージョンは現在は3.1.0が最新版になるので一応両方試してみましたがバージョンの違いで計算結果が変わることはありませんでした。今回はYKKAP省エネ性能計算ソフトからリンクが張られているV2.8.1を利用して計算していきます。

Webプログラムで入力ボタンを押下してエネルギー消費性能計算プログラムの画面を開きます。

エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)

基本情報

エネルギー消費性能計算プログラムの基本情報画面
エネルギー消費性能計算プログラムの基本情報画面

基本情報の画面では床面積を入力します。入力方法は画面の「?」マークをクリックすると詳しい説明が出るのでそれを参考にしました。

主たる居室はLDKの広さを入力します。その他の居室はLDK以外の寝室や洋室、和室といった建築基準法上の居室の面積の合計を入力します。合計は延床面積を入力します。

地域区分は建設予定地の自治体がどの地域区分に属するか調べる必要があります。私の建設予定地のさいたま市は6地域になります。

年間の日射地域区分も同じく建設予定地の自治体がどの日射地域区分に属するか調べる必要があります。私の建設予定地のさいたま市はA4区分でした。

外皮

エネルギー消費性能計算プログラムの外皮画面
エネルギー消費性能計算プログラムの外皮画面

外皮に関してはYKKAP省エネ性能計算プログラムを使う場合は後で上書きされるので特に入力値を変更する必要はありません。

YKKAP省エネ性能計算プログラムを使わなくてもここでUa値を簡易計算する事も可能です。

通風の利用や蓄熱の利用などは「利用しない」になります。

暖房

エネルギー消費性能計算プログラムの暖房画面
エネルギー消費性能計算プログラムの暖房画面

暖房については実際に利用する暖房方法を選択します。

私は市販の壁掛けエアコンでの全館空調を試みますが、「暖房方式は居室のみを暖房する」になります。「住戸全体を暖房する」は専用機器での全館暖房を想定した物になるのでここでは選びません。

主たる居室の暖房方法は想定している暖房方法を1つ選択します。私の場合は県民共済住宅経由ではエアコンを入れずに市販品のエアコンを後付して暖房を行うので「ルームエアコンディショナー」を選択して、評価方法の選択は「評価しない」になります。

もし県民共済住宅で建築時にエアコンを入れるなら「エネルギー消費効率の区分を入力する」を選択して、採用するエアコンの冷房COP値を基にエネルギー消費効率の区分を判断します。冷房COPは冷房時のエアコンの定格能力(W)÷消費電力(W)で求められます。

県民共済住宅で採用出来るエアコンのエネルギー消費効率の区分一覧

メーカーシリーズ機種名畳数定格能力
(冷房)
消費電力
(冷房)
冷房
COP
エネルギー消費効率
の区分
三菱電機BXVMSZ-BXV222162.2kW655W3.3(は)
三菱電機BXVMSZ-BXV2821102.8kW800W3.5(は)
三菱電機BXVMSZ-BXV5621S185.6kW2,380W2.3(は)
ダイキンFXS22YTFXS-W62.2kW495W4.4(は)
ダイキンFXS28YTFXS-W102.8kW730W3.8(は)
ダイキンFXF56YTFXP-W185.6kW2,000W2.8(ろ)
ダイキンRXF56YTRXP-W185.6kW1,500W3.7(い)
県民共済住宅で採用出来るエアコンのエネルギー消費効率の区分一覧

県民共済住宅で採用出来る標準エアコンとオプションのエアコンの冷房COPからエネルギー消費効率の区分を割り出してみました。冷房COPは冷房の定格能力(W)÷冷房の消費電力(W)で算出します。6畳用と10畳用エアコンは区分(は)になり、18畳用でダイキンFXシリーズが(ろ)でオプションのダイキンRXシリーズが(い)になります。このエアコンの区分は暖房のエアコンの入力欄と冷房のエアコンの入力欄でも使用します。

その他の居室の暖房方法も同じく入力します。私の場合は市販品のエアコンを後付するので「ルームエアコンディショナー」で「評価しない」です。

冷房

エネルギー消費性能計算プログラムの冷房画面
エネルギー消費性能計算プログラムの冷房画面

冷房も暖房と同じ様に入力していきます。

私の場合は市販品のエアコンを後付するので「ルームエアコンディショナー」で「評価しない」です。県民共済住宅のエアコンを建設時に入れる場合は上の「県民共済住宅で採用出来るエアコンのエネルギー消費効率の区分一覧」を参考に入力してください。

換気

エネルギー消費性能計算プログラムの換気画面
エネルギー消費性能計算プログラムの換気画面

換気は県民共済住宅の標準がダクト式第三種換気システムになります。私は換気は標準の第三種換気なので「ダクト式第二種またはダクト式第三種換気設備」を選択します。オプションの第一種換気を入れた場合は「ダクト式第一種換気設備」を選択します。

評価方法の選択は換気設備の性能値がわからないので「評価しない」を選択しました。

換気回数は0.5回/hを選択します。

熱交換

エネルギー消費性能計算プログラムの熱交換画面
エネルギー消費性能計算プログラムの熱交換画面

熱交換型換気設備の設置は標準の第三種換気システムの場合は「設置しない」で、オプションの第一種換気システムを入れた人は「設置する」を選択します。

給湯

エネルギー消費性能計算プログラムの給湯画面
エネルギー消費性能計算プログラムの給湯画面

給湯の欄は自分が選んだ給湯システムを選択します。具体的には下記の表の様に選択してください。

給湯器の種類熱源機の分類熱源機の種類評価方法の選択ふろ機能の種類
エコジョーズ
(標準)
給湯専用型ガス潜熱回収型選択しないふろ給湯器
(追焚あり)
エコキュート
(オプション)
給湯専用型電気ヒートポンプ
(CO2冷媒)
JIS効率を入力する
(機器のAPFの数値)
※コロナプレミアムエコキュートは
型番と効率4.0を入力
ふろ給湯器
(追焚あり)
エコワン
(オプション)
給湯・温水暖房一体型電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型
(熱源構成:暖房→ガス、給湯部→電気ヒートポンプ・ガス)
品番を入力ふろ給湯器
(追焚あり)
給湯器の選択肢

エコワンの場合、品番を入力する際にヒートポンプユニット、タンクユニット、熱源機の型番を半角スペース区切りでそれぞれ入力すると該当する選択肢が出てくるのでそれを選択します。

エコキュートはJIS効率を入力します。JIS効率の数値はエコキュートの機種の年間給湯保温効率(APF)の数値の値を入力します。私の場合は三菱電機のタンク容量460リットルのエコキュートでAPFが3.8なのでJIS効率は3.8になります。コロナのプレミアムエコキュートは「M1スタンダードに基づくJIS相当効率を入力する品番を入力」を選択して型番を入力しJIS効率に4.0と入力します。

配管は「ヘッダー方式」で「ヘッダー分岐後のすべての配管径が13A以下」を選択します。

水栓は全て「2バルブ水栓以外のその他の水栓」になり、手元止水機能はタッチレス水栓やシャワーのボタン付きシャワーヘッドの場合は「採用する」、水優先吐水機能は「採用する」、小流量吐水機能は「採用しない」を選択します。私の場合は台所水栓が県民共済住宅オプションのタッチレス水栓でお風呂のシャワーヘッドはTOTOサザナのボタンがないタイプの標準品で洗面化粧台の水栓も標準のエコカチットタイプなので上の画像の様な入力値になりました。

浴槽は「高断熱仕様の浴槽を採用する」を選択します。

照明

エネルギー消費性能計算プログラムの照明画面
エネルギー消費性能計算プログラムの照明画面

照明は各部屋の照明の内容を選択します。これは部屋の照明をどうするかによって選択肢は変わると思います。

私の場合は全部屋でLEDを使用して、調光器は採用せず、LDKは多灯分散照明方式を採用します。

シーリングライト1つでLDKの照明を賄うなら多灯分散照明方式は「採用しない」でOKです。

太陽光

エネルギー消費性能計算プログラムの太陽光画面
エネルギー消費性能計算プログラムの太陽光画面

太陽光は県民共済住宅オプションの太陽光発電を採用する場合に入力していきます。

私の場合は県民共済住宅オプションの長州産業の5.112kWhの太陽光発電を採用したのでその内容を入力しました。

私の屋根は南北方向の切妻屋根で、太陽光パネルは南側にのみ搭載します。屋根勾配は標準の4.5寸ではなく5寸勾配です。

パワーコンディショナの定格負荷効率は長州産業のカタログに96.5%とあったのでその値を入力しました。

太陽電池アレイの種類は「結晶シリコン系太陽電池」、設置方式は「屋根置き型」、パネル設置方位角は太陽光を設置する屋根の方位を選択します。私の場合は真南から5〜10度位しかズレがないので「真南から東および西へ15度未満」を選択しました。パネル設置傾斜角は標準の4.5寸屋根なら四捨五入して「20度」で私の場合は5寸屋根なので四捨五入して「30度」になります。

太陽熱

エネルギー消費性能計算プログラムの太陽熱画面
エネルギー消費性能計算プログラムの太陽熱画面

太陽熱は太陽熱温水器を設置した場合に入力します。県民共済住宅では太陽熱温水器のオプションはないので個別見積りで太陽熱温水器を入れた場合のみ入力します。

コージェネ

エネルギー消費性能計算プログラムのコージェネ画面
エネルギー消費性能計算プログラムのコージェネ画面

コージェネはガス給湯器のエコファームを導入した時に入力しますが、県民共済住宅ではエコファームのオプションはないので普通は特に入力する必要はありません。

全てのタブで入力が完了したら左上の「保存」をクリックして入力値のxmlファイルをローカルに保存します。

YKKAP省エネ計算ソフトとの連携

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

建築研究所のエネルギー消費性能計算プログラムの内容を入力して入力値のxmlファイルを保存したら再びYKKAP省エネ性能計算ソフトの入力を再開します。

「ファイルを選択」で先程ローカルに保存したxmlファイルを選択し、その後「アップロード」ボタンを押すと左下に計算結果のBEIの値が出てきます。

BEIの値が出てきたら「次へ」をクリックします。

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

そうすると計算結果のダウンロードボタンがある画面になります。このテキストファイルはエネルギー消費性能を知るための用途としては不要なので「次へ」をクリックします。

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

この画面の「省エネ性能 計算報告書をダウンロード」と「省エネ基準への適合性に関する説明書(国交省様式)をダウンロード」ボタンもエネルギー消費性能を知るための用途としては不要なので「次へ」をクリックします。

詳しい内容を見たいならこの資料をダウンロードしても良いと思います。ファイルはエクセル用のファイルなのでエクセルが必要です。

YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面
YKKAP省エネ性能計算ソフトの画面

最後に「帳票ダウンロード」のボタンのある画面になります。

ここで「帳票ダウンロード」ボタンを押すと計算結果が反映されたPDFファイルがダウンロード出来ます。

このPDFファイルの中に一次エネルギー消費量のレポートがあるのでその中身を見てみましょう。

計算結果のPDFファイルの帳票

一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)

これが先程ダウンロードしたPDFファイルの中身になります。エネルギー消費性能がそれぞれMJ、GJ単位で計算されています。

一次エネルギー消費量を見ると給湯と暖房の消費が大きいことがわかります。光熱費を削減するならこの給湯と暖房に高効率な設備を入れるのが費用対効果が高くなりそうです。

暖房の消費エネルギーは大きいですが、冷房の消費エネルギーはそれ程大きくありません。冬は外気温と室温の差が大きいですが夏はそれ程でもないのが要因です。

そしてこれらのエネルギー消費分と太陽光発電等のエネルギー創出分を合わせたBEI(一次エネルギー消費量基準)の値が一番重要です。BEIの数値が小さければ小さいほど省エネと言えます。省エネ基準のBEI値は1で、BEIが1よりも小さければより省エネという風になります。ZEH住宅ではBEIが0.8未満(省エネ基準から2割以上削減)である必要があるので私の家のBEI値0.42はZEH住宅の認定基準を余裕でクリアしている事がわかります。低炭素住宅もBEI0.9未満が基準なのでこれも余裕でクリアしています。

ZEH(ゼッチ)は住宅に省エネ性能を求める人なら最初に目にするキーワードで、ハウスメーカー選びでもZEH対応しているハウスメーカーが良いなとなりますが、基準は結構甘いというか緩いので普通の家に太陽光さえ載せて効率の良い給湯器を入れれば余裕でクリアできます。これをクリアできないのは窓がアルミサッシの住宅位です。

もし本物の高断熱住宅を求めるならZEH基準よりもHEAT20のG2、G3レベルをクリアするUa値やパッシブハウス認定が取れている家を探すのが良いでしょう。

一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)
一次エネルギー消費量計算結果(住宅)

残りのページもこれまでの入力内容が反映された計算結果が出ています。

BELSの自己評価ラベルの作成

BELSの自己評価ラベルの作成画面
BELSの自己評価ラベルの作成画面

先程のPDFファイルを使うとBELSの自己評価ラベルの作成が出来るようになり、せっかくなのでBELSの自己評価ラベルの作成も行います。

BELSの自己評価ラベルの作成は、建築研究所のBELSのページから「自己評価ラベル(※)の出力、及び★数の算定システム」のボタンをクリックして自己評価ラベルの作成画面へと進みます。

作成画面へと進み、まずは「仕様承諾条件に同意」して建物の延べ面積に建物の延床面積を入力して、PDFファイルに先程YKKAP省エネ性能計算ソフトで作成してダウンロードしたPDFファイルをアップロードします。

アップロードが完了すると「算出する」ボタンが出現するのでそれをクリックして次の画面へと進みます。

BELSの自己評価ラベルの作成画面
BELSの自己評価ラベルの作成画面

次の画面で建物名称と評価年月日、外皮基準への適合可否を入力、選択して「ラベルを作成する」ボタンを押すとBELSのラベル画像のJPEGファイルがダウンロードされます。

自動生成されたBELSの自己評価ラベル

自動生成されたBELSの自己評価ラベル画像
自動生成されたBELSの自己評価ラベル画像

最終的にこの様な画像が作られました。省エネ基準の半分以下の設計一次エネルギー消費量になります。

この数値を見ると私の家は「県民共済住宅で建てるエコハウス」って感じですね。私の家だとBEI0.42で58%の削減率ですが、本格的な高気密高断熱住宅はもっと一次エネルギー量が削減出来ます。35坪で税込2千万円以下の家でこれだけ省エネ性能が高められたので建築コストとランニングコストのバランスとしてはかなり良いのではないかと思います。

ZEH(ゼッチ)住宅の判定

ZEH住宅の判定は「○」でした
ZEH住宅の判定は「○」でした

ついでに一応ZEH住宅の判定もしてみました。一般社団法人住宅性能評価・表示協会のWEBサイトにZEH等計算書のエクセルファイルがあります。

水色のセルと黄色いセルに先程出力したPDFファイルの値を入力していくと右下に判定結果が出ます。結果3の削減率が126%でゼロエネルギーハウス(ZEH)になりました。

県民共済住宅はZEHビルダーではないのでZEH認定は取れませんが、オプションの太陽光発電を入れると性能的にはZEH住宅が取れるレベルにはなりました。私の場合はオプションのエコキュートなので給湯エネルギーが少ないのもプラスに作用しています。

もしかしたら標準のガス給湯器のままだとZEH基準に届かないかもしれないので給湯器もセットでエコキュートかエコワンに変える必要があるかもしれません。

標準仕様の場合どうなるか

外皮性能の計算方法

標準仕様の断熱材と窓の仕様で簡易計算
標準仕様の断熱材と窓の仕様で簡易計算

標準の断熱材と窓、ドアの仕様で計算したらどうなるのかも気になったのでついでに計算しました。こちらはエネルギー消費計算プログラム住宅版の詳細入力画面でver3.1.0の最新版の画面で計算しています。バージョンが違うと見た目や一部項目の入力方法が変わりますが計算して出てくる値は同じです。

家の大きさはこのソフトのデフォルト値の内容をそのまま使用しています。地域区分は6地域としました。

標準仕様の断熱材と窓の仕様で簡易計算

熱貫流率は前回の記事の最後にある仕様の値を使用しました。断熱材の入っている部分の熱貫流率は正確ですが、窓とドアは熱貫流率を個別の窓ではなく、窓の熱貫流率はアルミ樹脂複合サッシの仕様の2.33、ドアの熱貫流率は仕様の2.33で浴室床の熱貫流率は床の熱貫流率がわからない場合の3.4というかなり安全側に振っている数値を基に計算します。

なので、出てくるUa値は厳密に計算した場合よりもかなり悪い数値になり、最低でもこの数値よりも下回ることは無いという様な値になります。

標準仕様のエコジョーズ(GT-C2462SAWX-2 BL)で簡易計算
標準仕様のエコジョーズ(GT-C2462SAWX-2 BL)で簡易計算

給湯器はガス給湯器のエコジョーズでノーリツのGT-C2462SAWX-2 BLという機種のエネルギー消費効率94.3%という値で計算しており、給湯器に関しては正確な値が入っているので給湯エネルギー関連の数値については割と正確だと思います。

計算結果

県民共済住宅の標準仕様の断熱材と窓の仕様とエコジョーズの給湯器で簡易計算した値
県民共済住宅の標準仕様の断熱材と窓の仕様とエコジョーズの給湯器で簡易計算した値

県民共済住宅の標準仕様の内容で一次エネルギー消費量の計算を行いました。一応水栓の種類や高断熱浴槽、給湯器もエコジョーズで入力してあります。間取りや家の大きさは私の家の間取りではなくデフォルトのままで普通に1階にユニットバスがある前提での計算です。

計算結果のBEIは0.89と省エネ基準より11%だけ一次エネルギー消費量が減っています。これよりも悪い数値にはならないはずなので最低でもこの位の性能は出せます

最後に

Ua値を出したならついでに一次エネルギー消費量の計算もしてみましたが、こうして消費エネルギー量を見てみると私の家は省エネ基準の住宅の半分以下の一次エネルギー消費量になることがわかりました。

他人の家の一次エネルギー消費量なんて見ても仕方ないという意見はごもっともですが、県民共済住宅でも上手く設計すればこの位の性能は出せますよという目安にはなったのではないかと思います。これよりもっと省エネ性能を高めることも当然ながら可能です。具体的には太陽光パネルをもっと載せたりするだけでも変わってくると思います。

本来この様な計算は本来住宅会社側が行うべき事ですが、県民共済住宅ではそういうサービスはありません。設計士さん次第ではもしかしたらUa値を出してくれる人もいるかもしれませんが、基本的に自分の家の詳細な省エネ性能を知りたかったら施主自身が計算して算出する必要があります。

今回WEBプログラムで一次消費エネルギー量の計算をしてみましたが、このWEBプログラムを使えばガス給湯器とエコキュート、ハイブリッド給湯器のエコワン、石油給湯器の給湯器毎の光熱費が算出できるという事に気がついたので次回の記事では給湯器別の消費エネルギー量と年間の電気代、ガス代、灯油代を比較してみます。