4日目はオーストリアのチロル地方のツィラータール渓谷にあるマイヤーホーフェンという町からインスブルックに移動してこの日Tivoli Stadionで開催される日本代表対パラグアイ代表の試合をスタジアムに見に行ってから予約したホテルのあるイタリアのカンポディトレンスという小さな村まで移動します。
私はサッカー観戦が好きで地元の浦和レッズの試合は埼玉スタジアムに度々見に行きますが、日本代表の試合をスタジアムで見るのは実に20年ぶり位です。
日本からモスクワ経由ミュンヘン行きの航空券を取った時にはインスブルックで日本代表の試合があることを知りませんでしたが、旅程を考えている時にインスブルックでこの試合があることを知ったのでせっかくだしじゃあついでに見に行こうかとなりました。
4日目(2018年6月12日)のスケジュール
- 2泊したPosthotel Mayrhofenをチェックアウト
- マイヤーホーフェンから電車を乗り継いでインスブルック中央駅まで移動
- 駅のコインロッカーに荷物を預けてインスブルックを観光
- Tivoli Stadionに移動して日本代表対パラグアイ代表戦を現地で観戦
- インスブルック中央駅からブレンナー駅経由でイタリアのカンポディトレンス駅まで移動
- 3泊するHotel Lenerにチェックイン
4日目は移動しつつ合間でサッカーを観るという感じの1日になります。ワールドカップ観戦記という感じの旅行記ですがここに来て初めてサッカー観戦ネタの記事が書けました。
マイヤーホーフェンのホテルをチェックアウトしマイヤーホーフェン駅へ
前日と同じく無料の美味しい朝食を食べてからホテルをチェックアウトし徒歩でマイヤーホーフェンの駅へと向かいます。この日はインスブルックのスタジアムでサッカーの日本代表の試合を観戦するので日本代表のレプリカユニフォームを着ていました。
前日中に入ったマイヤーホーフェンの教会のある辺りで日本人の方から声を掛けられました。多分私が日本人で日本代表のユニフォームを着ていたから声を掛けたのだと思います。
その人と話してみると、声を掛けてくれたのはマイヤーホーフェン在住の日本人で日本人観光客向けの山岳ガイド的な仕事をしている人でした。
昨日も日本人の観光客と会いましたが、まさかこんなマイナーな所で現地在住の日本人の方がいるなんて世界は意外と狭いななんて事を思ってしまいました。
この日のインスブルックの試合の事を知っているか聞いてみたら日本代表がインスブルック近郊のゼーフェルトでキャンプしていたことは知っていたものの、この日インスブルックで親善試合があることまでは知らなかったらしく、インスブルックのTivoli Stadionで15時から日本代表とパラグアイ代表の試合がありますよと教えたら後で行くとの事でした。そんな感じで立ち話をしてその方と別れて駅へと向かいます。
電車でマイヤーホーフェンからインスブルックへ
駅に到着したらまずは切符を購入します。この日はマイヤーホーフェンからイェンバッハ、イェンバッハからインスブルック、インスブルックからブレンナー(国境駅)、ブレンナーからカンポディトレンスと電車を乗り換えて移動するのですが、MayrhofenもInnsbruckもBrennerも同じチロル州でチロル州の公共交通機関はゾーン制運賃です。
普通にマイヤーホーフェンからインスブルック、インスブルックからブレンナーと2枚のチケットを買うよりもマイヤーホーフェンからブレンナーまでのチケットを買って、インスブルックで途中下車した方が安かったです。こういう買い方をする際に気をつけないといけないのがチケットの有効期間です。幸いチロル州のシングルチケットは1日有効っぽいので途中下車も可能な様でした。
切符を買うのに自動券売機が無く窓口に並びましたが、私の前の客がやたら時間がかかっていて1本電車を逃して30分ホームで電車を待つ羽目になってしまいました。
次の電車に乗ってまずはMayrhofen(マイヤーホーフェン)からJenbach(イェンバッハ)へ。JenbachでInnsbruck Hbf(インスブルック中央駅)に向かう電車に乗り換えてインスブルック中央駅へとやってきました。
インスブルック中央駅で荷物を預ける
インスブルック中央駅構内南側の地下にコインロッカーがあったので手持ちのスーツケースを預けます。
コインロッカーに入れるのはリモワのサルサエアーの80lサイズの大きめのスーツケースでしたが、幸い普通サイズのロッカーに収まりました。価格は24時間で2.5EURでした。料金を支払う時にバーコードが記載されたレシートが出てくるので、これを返却時にバーコードリーダーで読ませて解錠する様な仕組みになっています。なのでこのレシートは絶対になくせませんね。
無事スーツケースを預けられたので身軽になって街を散策してスタジアムに行けます。
インスブルックの街歩き
インスブルックはハプスブルク家の縁の地として有名です。インスブルックは王宮や黄金の小屋根、マリアテレジア通りなど見どころが多い素敵な街ですが、今回はサッカーの試合があるのでじっくり観光する感じではなくさらっと街歩きをしてスタジアムへと向かいました。
実はインスブルックに来たのはこれが初めてではなく3回程来たことがあり、大体どんな所かはわかっていたので今回インスブルックには泊まらずにマイヤーホーフェンに2泊しました。インスブルックは見どころもあるとても綺麗な街なので行ったことがない人は是非インスブルックに泊まってじっくり観光することをオススメします。
インスブルックの街歩きをしつつインスブルック中央駅に戻って徒歩でTivoli Stadionまで行きました。
中央駅のバス停から無料のシャトルバスらしき乗り物が出ていましたがせっかくなんで徒歩で移動しました。
Tivoli Stadionで日本代表対パラグアイ代表の試合を観戦
スタジアムに到着する寸前に今朝マイヤーホーフェンの教会近くで話した日本人の山岳ガイドの方と偶然再開しました。話しながらスタジアムへと歩きました。それにしても本当に試合を見に来てくれたのは嬉しいです。
その人とゲートの所で別れてPDFのEチケットを印刷した紙を見せてスタジアムに入りました。
チケットのカテゴリーは予めJFA(日本サッカー協会)のサイトを見てサポーターの応援エリアと書いてあった北ゴール裏のチケットを10EURで購入していました。
しかし北ゴール裏はガラガラで10人もいません。北ゴール裏以外のバックスタンドとメインスタンドには沢山の日本人の観客がいるのに何故か応援エリアと明記されていた北ゴール裏には数人しかいません。
一応応援エリアなのになんでだろうと思いつつも結局試合開始時間になっても人は大して増えませんでした。日本代表の応援を仕切っているコールリーダーっぽい人はゴール裏ではなくバックスタンドにいてそっちで応援していました。
日本人以外の観客で目に付いたのは2人だけのパラグアイサポーターとインテルサポと思われる長友ファンのイタリアが2人いました。この日はヨーロッパ在住の日本人の人が結構スタジアムに来ていたみたいです。
ネットが邪魔なのでネットがないコーナーフラッグ付近のほぼ最前列に移動しました。自由席でガラガラなので席は選びたい放題です。席を決めた所でスタジアム内を散策してみます。
コンコースではビールや軽食を販売していました。トイレは結構少なめでもし満員だったら長蛇の列になりそうな感じでした。
陣取った所がカメラマン席の真後ろです。2日前にモスクワからミュンヘンにS7航空で移動してきた時に通路を挟んで隣にいた日本人の方がカメラマン席にいました。
スタジアムは全周屋根に覆われていて音響も良さそうな良い感じのヨーロッパっぽい雰囲気あるコンパクトなサッカー専用のスタジアムでした。
この日のスタメンは控え組の見極めと調子が上がらない主力の調整という感じのメンツでした。レッズからは遠藤航がスタメンで出ています。彼の守備はとても良いので是非チャンスをものにして欲しい。
この時はワールドカップ開幕直前にハリルホジッチ監督が解任されて浦和出身の西野監督に変わってからまだ3戦目で戦術の構築どころか選手の見極めも済んでいない様な状況です。私個人の意見としては一向にどういうサッカーがしたいのかが見えてこないハリルホジッチ監督の解任は遅すぎたと思っています。西野監督はこんな泥沼のチームを無茶振りされて大変だなと思ってしまいます。
前半はパラグアイに先制されて嫌な雰囲気でハーフタイムに入ります。
ハーフタイム位から隣りにいた日本人の人と話しながら試合を見ていました。
その人はドイツのハイデルベルクにサッカー留学している大学生でドイツの6部リーグでプレーしているという中々凄い経験をしている人でした。
この試合のことやサッカー留学の話やハイデルベルクからインスブルックまでFlexbus(ヨーロッパの格安バス)で来た事なんかを色々聞いたりして彼のおかげでより楽しい時間を過ごせました。
私もハイデルベルクには2回行ったことがあるのでハイデルベルクの話や今回の旅でFlexbusの利用も検討したのでどんな感じか聞いてみたり、ヨーロッパは鉄道も意外と安いよとアドバイスしてみたり他愛のない話をしていました。
後半は前半とは打って変わってリズムが出てきました。前半の不甲斐ない試合内容も後半になってきっちり修正してきた西野監督の手腕もそうだし、不調というかチームにフィットせず空回りしていたように見えた香川選手も最後の最後でゴールを決めたりワールドカップ本戦に向けた最後の試合としては良い感じでした。
また、後半は日本代表がこちら側のゴールに攻めてくるので4ゴールとも目の前で見れてとても楽しめました。結構気持ちの良い逆転勝利で来週のワールドカップ本戦のコロンビア戦への期待が高まって来ました。
正直、ワールドカップは3戦全敗も覚悟していたので1勝でも目の前でしてくれれば良いなと思っています。
隣の人とワールドカップ本戦で日本代表が勝ち上がれるかの話題になり、やはり厳しいよねという意見で一致しました。初戦のコロンビア代表もハメス・ロドリゲスの様なビッグクラブでプレーする選手が普通にいるし2戦目のセネガルも3戦目のポーランドも決して弱いチームではないので1勝出来るかも怪しいですが何とか監督解任ブーストで予選リーグを勝ち上がって欲しいです。
私はこれからロシアに行ってワールドカップの予選3試合と日本代表がベスト16に勝ち上がった時だけベスト16の試合を見ることを話したらとても羨ましがっていて僕の分まで応援してくださいという事でした。もちろん、日本代表の勝利を見るためにロシアに行くので気合を入れて応援してきます。
試合終了後に目の前で日テレの収録が始まっていてキャスターのラルフ鈴木さんと解説の北澤さんがいました。戦術ボードを使って解説していた様ですが何を話しているかまでは聞こえませんでした。
この収録を見ながら隣の席の人と今日の試合だったりワールドカップの事だったりこの後どうやって帰るかだったりを色々話していて、最初はすぐにスタジアムを出るつもりでしたが会話が盛り上がって試合終了後30分位隣の人と話していました。
彼は夜のFlexbusでハイデルベルク私はこの後インスブルック中央駅からイタリアのカンポディトレンスというオーストリア国境のブレンナー峠を超えてちょっと行った所に移動します。
スタジアムを出てすぐにインスブルック中央駅行きと思われる無料シャトルバスがあったので急いで乗り込みました。
インスブルック中央駅からイタリアのカンポディトレンス駅へ
インスブルック中央駅に戻った後はコインロッカーに預けたスーツケースを回収してSバーンでオーストリア国境のブレンナー駅へと移動しました。
終点のブレンナー駅で降りて徒歩でホームを移動してイタリア側の電車が停車している所まで移動します。ブレンナー駅のホームに国境があるので徒歩での国境超えになりました。
イタリア側のローカル線の電車はとても新しくて綺麗です。車内でフリーWIFIまで使えました。
降りる駅は国境駅のブレンナー駅から3駅先のカンポディトレンス駅です。
カンポディトレンス(Campo di Trens/Freienfeld)駅で下車してGoogleマップを頼りにホテルまでのルートを進みましたが何と駅前の道が工事中で通れません。なので引き返そうと思ったらこの辺りに住んでいると思われるフィアットの小さい車に乗っていたマダムに声を掛けられて、Hotel Lenerに行きたい事を伝えると何とホテルまで車で乗せていってくれました。
英語が出来る人だったので車内で軽く会話して3分位でホテルに到着しました。イタリアに着いていきなり超親切な地元の人に助けられてとても嬉しかったです。
Hotel Lener
このホテルを選択した理由はコスパが抜群に良かったからです。Hotel Lenerは4つ星で3泊で132EURと日本円に換算すると約17,000円で1泊辺り44EUR(約5,700円)と格安でこれに朝食も付いてきます。
更に、南チロル州の公共交通機関が1週間無料になるactiveCARDというゲストカードも貰えるのでとんでもないコスパです。
朝食も美味いしディナーも美味いしスタッフは親切でフレンドリーでホテルも新しくて満足度は非常に高かったです。ブレンナー峠付近でリーズナブルで良いホテルを探しているならカンポディトレンスのHotel Lenerをオススメします。
Campo di Trens付近で4泊する旅程なので本当はこのホテルで4泊したかったのですが、最終日に空きがなかったので仕方なくこのホテルから徒歩10分位にある隣りの村のホテルに1泊することにしました。
宿泊した部屋
室内は広くは無いもののリノベーションされたばかりで新しくて清潔です。WIFIも勿論無料で電波も良好でした。
バルコニー部分が他の客室と繋がっているのでカーテンを閉めておく必要はありましたが、それ以外に目立った欠点はありません。価格を考えるととても割安に思えます。
エアコンが室内にありませんでしたが、この辺りは山間部で涼しいので問題ありませんでした。
バスルーム
バスルームはシャワーブースのみです。バスタブはありません。全体的に新しくて清潔だったので全く問題ありませんでした。
南チロル州の公共交通機関が1週間無料になるactiveCARD
このactiveCARDというVipiteno近郊の地元の観光協会に加盟する宿泊施設に宿泊すると貰える地元の観光協会が発行するゲストカードがとても役に立ちます。
このカードが1枚あるだけで南チロル州全体の公共交通機関が無料で乗り放題な上、州内の博物館の入場料も込みの7日分のmuseumobilカード(34EUR)の機能+Vipiteno近郊の追加特典が付いている非常にお得なゲストカードです。
南チロルの他の地域でも同じようなカードがありますが、普通は博物館の入場料が含まれていない普通のMobilcard相当だったりとかなり条件の良いカードだと思います。
また、一部のケーブルカーの往復や博物館等の入場料もこのカードで無料だったり割引があります。その他にもまだまだ特典がありますが、やはり滞在中の交通費が無料になるのが一番大きいです。
使い方は簡単で、電車に乗る時は駅にあるチケットに刻印する機械に差しこめばカードの裏面のQRコードの下のスペースに使用開始日が印字されます。
バスに乗る時も車内に同じような刻印する機械があるのでそれに通して刻印して下さい。
基本的に電車やバスに乗る都度機械に通して刻印する必要があります。
博物館等では入場する際にチケット売り場等でこのカードを見せればOKです。
注意点ですがトレンティーノアルトアディジェ州全体ではなくアルトアディジェ(南チロル)州の部分のみ無料です。
Hotel Lener併設のレストランでディナー
この日は夜遅かったのと、このホテルがあるCampo di Trensという村は観光地でも何でも無い所なので徒歩圏内にレストランがほとんどありません。なのでホテルに併設されているレストランで食事をすることにしました。
ここ2日はスーパーで買った食材や日本から持ってきたカップ麺等の貧相な夕食だったのでこの日は日本代表の試合も勝ったし、良い人との出会いもあったし、せっかく飯が美味いイタリアに来たのに食事を楽しまないと勿体無いしで気分がとても良かったので高くても良いかとホテルのレストランで食事をすることにしました。
レストランに入ってみると地元の人達が沢山いてとても賑わっています。とりあえずFORSTのラードラービールとピッツァマルゲリータを頼みました。
マルゲリータは6EURとイタリアの平地部のピッツェリアの価格(4EUR〜4.5EUR)と比べてやや高めですが南チロル州はイタリアの他の地域と比べて物価が高いのでこんなもんかなという感じです。
肝心の味は超美味しかったです。私はこれまでイタリアの色々な所でピザを食べ歩いていますが、ここは5本の指に入るくらい美味しかったです。
店員さんもフレンドリーで良い感じで食事を楽しめました。ピザが予想以上に美味しかったのでカンポディトレンスに4泊(Hotel Lenerは3泊)しますがカンポディトレンス滞在中の夕食は毎日このレストランに通うことが確定しました。それくらい美味しかったです。
価格も10EUR位で安いし会計は宿泊料につけ払いでチェックアウト時にまとめて払います。
そんな感じで食事を楽しんだ後は部屋に戻りシャワーを浴びて寝ました。朝はオーストリアのマイヤーホーフェンを出て昼間から夕方にかけてはオーストリアのインスブルックで観光とサッカー観戦、夜はイタリアのカンポディトレンスでディナーと宿泊と中々目まぐるしい1日でした。
ラードラービールも美味いしピザも美味いし試合も勝ったし良い人との出会いもあったしとても素晴らしく思い出深い一日でした。
翌日はカンポディトレンスからボルツァーノに日帰りで観光します。