20日目はいよいよ日本代表がラウンド16に進むためのグループリーグ最終戦の日です。もしこの試合で勝利または引き分けならグループリーグ突破が決まり、私の持っているラウンド16のコンディショナルサポーターチケットが有効化出来るのでラウンド16の日本代表の試合が観戦出来ます。
この日は前日サマーラから乗ったロシア国鉄の2等車に乗って朝にヴォルゴグラード1駅に到着して、試合後にワールドカップ観戦者向けの無料電車で一旦モスクワに戻るという中々ハードな日程になります。
ヴォルゴグラードという街はヴォルガ川の下流にあり、カスピ海に近い所にあるのでロシアの中でもかなり南側に位置する都市です。ヴォルゴグラードという都市名はあまり聞き慣れないかもしれませんが、この街はかつてスターリングラードと呼ばれていた第2次世界大戦時に大包囲戦が行われた場所でもあります。
20日目(2018年6月28日)のスケジュール
- ヴォルゴグラードに電車で到着
- ヴォルゴグラード1駅で荷物を預けてヴォルゴグラード観光
- ヴォルゴグラードアリーナで日本対ポーランド戦を観戦
- ヴォルゴグラード1駅で荷物をピックアップしてモスクワ行きの無料電車に乗車
サマーラから寝台列車でヴォルゴグラード1駅に到着
電車は定刻通り朝8:03にヴォルゴグラード1駅に到着しました。同室で今日の日本対ポーランド戦を観戦するロシア人家族と分かれてホームへと降りました。
ヴォルゴグラードに降り立った時の感想は、「クソ暑い」という事でした。これまでロシアの北側ばかり旅してきたので夏の暑さはそこまで感じていませんでしたが、前日のサマーラから暑さが増してきています。
ヴォルゴグラードは朝8時でもかなり暑かったです。「ここ本当にロシア?」って位暑いです。私の住んでいるさいたまと変わりません。
ホームを降りて駅の出口へ。駅前広場から見たヴォルゴグラード1駅の駅舎はとても立派です。
そして荷物を預けるため一旦駅舎の中へと戻ります。駅舎の中の装飾もとても美しいです。駅には日本人サポーターの姿もちらほらありました。
スタジアムでは荷物を無料で預けられますが、往復でスタジアムへスーツケースを持って歩かないといけないのと、この日はヴォルゴグラード1駅を23:50発のモスクワ行きの無料電車に乗ってヴォルゴグラードを離れるのでそれなら駅に荷物を預けるのが一番楽です。大きな駅なので荷物を預ける場所位あるだろうと駅構内を歩いてみました。
荷物預かり所は駅地下にありました。荷物を預ける前にトイレの手を洗うスペースのシンクで洗顔や歯磨き、ひげ剃りとシャンプーを済ませてしまいました。前日にシャワーを浴びれなかったのでやはり首から上はさっぱりしておきたいです。
身だしなみを整えてから荷物預かり所で荷物を預けました。24時間で200RUB(約400円)だったので迷わずスーツケースを預けました。
駅地下には有料のシャワーブースもありました。ここで試合後にシャワーを浴びたいなと思います。
スーツケースを預けて身軽になって駅を出ます。まず向かうのはヴォルゴグラードで一番有名だと思われる巨大な女性兵士の像があるママエフ・クルガンへ行くことにしました。
ママエフ・クルガンを観光
ヴォルゴグラード1駅からママエフ・クルガンまでは無料のスタジアム行きのシャトルバスで降車ポイントのスタジアム近くのショッピングモール前まで移動して、そこからすぐ近くにあるトラムの駅からトラムに乗って1駅か2駅先のママエフ・クルガンの最寄り駅でトラムを降りました。なお、バス、トラム共にFANID(ワールドカップ観戦者用のビザみたいな物)を見せて無料で乗れました。
トラムに乗っている時から大きな女性兵士の像が見えたので初めてのヴォルゴグラードですが迷いようがありませんでした。ママエフ・クルガンはヴォルゴグラードのスタジアムのすぐ近くにあるので私と同じ様に観光している日本人サポーターが沢山いました。
昨日まで滞在していたサマーラでは日本人の姿は全く見かけなかったので試合会場に来たなという実感があります。
トラムの駅から女性兵士の像を目指して道なりに進みます。
参道を道なりにまっすぐ進みます。歩いている人は日本人やポーランド人の観光客よりもロシア人観光客が多かったです。参道から左後ろを振り向くと試合会場のヴォルゴグラードアリーナがすぐ近くに見えました。この日のキックオフは17:00なので試合開始まで後7時間以上余裕があります。
参道をしばらく歩くと男性が機関銃を持っている石像がありました。ヴォルゴグラードは第2次世界大戦時は「スターリングラード」という街の名前でした。第2次世界大戦中にドイツ軍とソビエト連邦軍とで史上最大規模の市街戦が行われた場所です。
そういう歴史がある街なのでヴォルゴグラードという名前よりもスターリングラードという名前の方が知れ渡っていると思います。
それにしても暑いです。ヴォルガ川で泳ぎたくなる位暑いです。そう言えばサマーラからヴォルゴグラードの寝台列車で同室になったロシア人家族もヴォルガ川で泳ぐって言っていました。この暑さなら泳ぎたくなる気持ちはわかります。
こんなに夏を感じるならこの後モスクワに戻る旅程ではなく黒海に抜けてソチ辺りで海を楽しんでも良かったかもしれません。もうモスクワに戻る前提で旅程を組んでしまったので後の祭りではあります。
ヴォルゴグラードの観光地は全て戦争関連です。今までロシア各地を回ってきましたがヴォルゴグラードほど戦争を感じる街はありませんでした。
慰霊碑の炎が燃え続けている祭壇に来たタイミングで衛兵交代がありました。偶然ですが凄く良いタイミングでここに来れました。
遠くから見ても大きな石像だと思っていましたが、近くで見ると本当に大きいです。
ママエフ・クルガンの丘から見えるヴォルゴグラードアリーナとヴォルガ川です。川の対岸は森林が広がっています。ロシア各地を旅していますがどの街も街の外側は森がひたすら広がっているような印象でした。
ようやく女性兵士の像の足元まで来ました。そこから上を見上げると圧巻です。
丘の裏手にはヴォルゴグラードの市街地が広がっています。こうして見ると結構大きな街ですね。
近くに戦没者の教会があったので行ってみました。
教会の中は写真撮影禁止でした。それにしても暑くて歩くのが地味にしんどくなってきました。
一通りママエフ・クルガンを見学したので今度はヴォルゴグラードの街中へと向かいます。まずは丘を降りてトラムの駅まで戻りました。
ヴォルゴグラードの街中へ
ママエフ・クルガンの次は有名な旧製粉所に行ってみます。ワールドカップ観戦者は無料で乗れたトラムに乗って旧製粉所の近くの駅で降りて歩いているとレーニン像がありました。ヴォルゴグラードに限らずレーニン像はロシア各地にあります。
旧製粉所を見学
旧製粉所近くにクヴァスというロシア名物の麦の発酵ジュースを売っていた屋台があったので1杯飲みました。すると同じクヴァスを飲んでいた日本人サポーターから話しかけられたのでちょっと会話しました。
旧製粉所の周りにはかつて使われていた兵器が展示されています。それにしても旧製粉所の建物も良く崩れずに原型を保っているなと思いました。凄まじい砲弾や銃弾の跡が残っています。
旧製粉所の隣りにあったパノラマ博物館は休館日で閉まっていました。それにしても昔の色々な車両があって中々興味深いです。日本に住んでいると昔の戦車が展示されていることなんて殆ど無いのである意味斬新でした。
主に装甲車や軽戦車の様な車両が展示されていました。
無料で見れる当時の兵器の博物館みたいな感じです。
ヴォルゴグラードから見るヴォルガ川は昨日サマーラで見たヴォルガ川よりも下流にあるので川幅が広いです。対岸の未開拓地感が凄いですね。
ヴォルガ川の対岸に見える砂浜はビーチでしょうか。サマーラからヴォルゴグラードの電車の中で同室だったロシア人家族もヴォルガ川で泳ぐと言っていました。
今の気温は多分35度以上あるので泳ぎたくなる気持ちがわかります。こんなに暑いとは思いませんでした。
旧製粉所の内部は立入禁止でした。隙間から建物の中を覗き込んでみましたが思いっきり廃墟という感じでした。
ヴォルガ川沿いを散策
旧製粉所の周りを1周した所で次はヴォルガ川沿いを歩いてみるとすぐ近くにビーチがありました。人はまばらで水はそこまで汚くは無さそうですが、ここは上流域でもなく割と工場なんかもある街なので水質的に大丈夫なのかなと思ってしまいます。
そろそろ正午になる頃でお腹も空いてきたので適当なランチのお店を探してみますが、これと言ったレストランやカフェが見つからなかったのでスタジアム近くのショッピングモールで済まそうとスタジアム近くのショッピングモールへトラムで移動しました。
スタジアム近くのショッピングモール
ヴォルゴグラードアリーナに一番近いEuropa City Mallというショッピングモールの広場がスタジアム最寄りのシャトルバス乗り場になっているのでショッピングモールの中は日本人サポーターやポーランド人サポーター、その他各国から集まった観光客で大盛況でした。
ショッピングモール入口には日本で見かけるようなクレーンゲーム系のマシンがありました。右のハサミを動かして紐をチョッキンするタイプの台が1回20RUBだったので3回位プレイしてみましたが敢えなく撃沈しました。日本だとこれで何回かぬいぐるみをゲットした経験があるので行けるかなと思いましたが甘かったです。ロシアではプライズの所に本物のルーブル紙幣が添付されていてプライズと現金がゲットできる様になっていました。こういう点は日本と違う所でお国柄が出るのかなと思います。
昼食はフードコートで食べようとフードコートのあるフロアに行くともう既に満員でした。何とか席を確保して向かったのはブリヌイ(ロシアのクレープ)を販売する店です。この店は見ての通りメニューが全てキリル文字なのでこの店の列に並んでいる日本人サポーターの姿は私以外誰もいませんでした。日本人サポーターの多くはKFCやバーガーキングの列に並んでいました。
キリル文字が読めると読み方が英語と同じだったりして意外と意味も理解できます。上の写真のコーヒーの絵に書いてあるのは左から「アメリカーノ」、「エスプレッソ」、「カプチーノ」です。まんま読みでこれなのでキリル文字さえ読めれば後は何とかなります。注文は「モージュナ エータ」(これください)を指差しでOKでした。
もうロシアに2週間位滞在しているのでその辺はバッチリです。無駄に語学力が上がっていますが、ロシア語やキリル文字は中央アジアで広く使えるので将来的にその辺を旅する機会があれば役に立つかもしれません。
キリル文字が読めた所で普段役立つ事は殆どありませんが、身近なところだと業務スーパーで売っているお菓子なんかでたまにロシアだったりウクライナだったりその辺の物があるのでそういうのを判断する時に地味に使えます。後はヤングジャンプで連載中のゴールデンカムイのロシア語の字幕が何となく読める(文字が読めるだけで意味まではわからない)とかそんな感じです。
肝心のイクラ入りのブリヌイは正直組み合わせ的にベストマッチからは遠いですが、単体では意外と美味しいです。イクラはロシア語でもイクラというかロシア語のイクラがそのまま日本語になっています。日本の所謂「イクラ」は赤い筋子をばらしたものですが、そのイクラはロシアでは厳密には「イクラ クラースナヤ」(赤いイクラ)となります。黒いイクラ(キャビア)もロシアにはあるのでスーパーでイクラを買おうとするなら赤と黒で名前が異なります。ロシア語のイクラと言うのが「魚の卵」という意味になります。
クレープにイクラを包むという日本では中々食べられないロシア名物を食べてみましたが、これはこれで良い思い出になりました。
こういうキワモノを包まない普通のクレープの様なお菓子系のブリヌイも売っていたのでお口直しにチョコバナナのブリヌイを買って食べましたが中に入っていたチョコがメチャクチャ甘かったです。チョコが甘すぎるのも海外あるあるですね。
いよいよヴォルゴグラードのスタジアムへ
昼食を食べながらフードコートのTVで放送していた他会場の試合を見ていたら時間が14:30近くになり、キックオフの2時間半前なのでスタジアムへと徒歩で向かいます。
スタジアムへの道中にオフィシャルショップがありました。今回はここのオフィシャルショップでは買いませんでしたが、地味にご当地物のマグカップみたいなグッズが売られていたので記念に買っても良かったかなと思います。
徒歩20分位でスタジアムへと到着です。距離的にはそんなに遠くないですが炎天下なので中々きつかったです。普段はスタジアムのすぐ側にトラムの駅があるのでこんなに歩く必要は無いですが、この日はスタジアムに一番近いトラムの駅が封鎖されていて使えませんでした。
入場ゲートに入る前に大きめのリュックを無料の荷物預かり所に預けます。今大会ではセキュリティ的にリュックの持ち込みもNGでした。
その後試合のチケットに印字されているゲートに行こうとしたら途中で道が封鎖されていて行けなかったのでその辺にいたボランティアスタッフを捕まえて英語でどうすれば良いか聞いてみた所別のゲート番号のゲートからでも入場自体は出来るとの事なのでセキュリティチェックを通ってスタジアムへと入りました。
スタジアムに入るとコンコースからは朝イチで行ったママエフ・クルガンの大きな女性兵士の像が見えました。
サランスクでのコロンビア戦、エカテリンブルクでのセネガル戦と2試合ともゴール裏のピッチから近い場所だったのでこの試合もそうなのかなと思っていましたが、今回はバックスタンド上段の前から4列目です。私の予約したカテゴリー3の席種は全てゴール裏かと思っていましたが違うんですね。
自分の席を探しにスタンドへと入ると思いっきり西日が当たる所で物凄く暑いです。この日の気温は38度位あったのでとてもじゃないけど席で待つのは無理となり、一旦日陰のコンコースに避難しました。
コンコースで飲み物を買ったりして時間を潰しつつ、席へと戻ると隣にはサランスクでのコロンビア戦の時に隣にいてちょっと会話した人がこの試合でもまた隣りにいたので会話が弾みました。
時間が経つと日が沈んで来て自分の座席も日陰になって過ごしやすくなります。ですが日本の真夏と変わらない暑さなのでプレーする選手は大変だと思います。
選手のウォーミングアップが終わり、選手入場と国歌斉唱です。この地で君が代を歌える喜びを噛み締めつつ、グループリーグを突破して次の試合でも君が代を歌えたら良いなと思いました。
そしてカウントダウンの後キックオフです。
この試合を勝てば勝点7でグループHの首位通過が決まり、その場合は次の決勝トーナメントのラウンド16は7月3日にモスクワで行われますが、もし引き分けて他会場のコロンビアかセネガルが勝利した場合は2位通過で次の試合は7月2日にロストフ・ナ・ドヌで行われます。
もし日本代表が負けた場合はコロンビア対セネガルの試合結果次第でグループリーグ敗退かあるいは2位通過になるので非常に緊迫感のある試合になりました。
試合は前半は0-0のスコアレスで折り返します。ハーフタイムでは水が500mlのペットボトル1本では足りなそうだったので飲み物をもう1杯追加で買いました。
そして後半ですが、グループリーグ敗退が決まっていたポーランドに1点を先制され、日本代表の決勝トーナメント進出が怪しくなってきました。
そして交代で長谷部選手が入ってきた後に試合の空気が一変します。日本代表がボールを持っても全然攻めません。
この時は負けているのに何で攻めないの?とスタンドもざわついています。私を含めて現地にいる観客は1-0で負けていてもグループリーグ突破は可能だと知らない人が殆どでした。
そしてこの試合を見ている観客は日本人やポーランド人だけではないので全く攻めない日本代表に対して大ブーイングも起こっています。ウェーブが始まったりもしました。
周りの席ではスマホを見て他会場のコロンビア対セネガル戦の状況をチェックしている人が多く、コロンビアが1-0でリードしている事は周知の事実でしたが、もしセネガルが1点取ったらその時点で日本代表のグループリーグ敗退が決まるので何で攻めないんだよと物凄いモヤモヤ感が時間が経過していく度に募ります。
この時、勝点と得失点差が同じ場合、レッドカードやイエローカードの数が少ないフェアプレーポイントが高い方が勝ち抜けるという事は知りませんでしたが、試合中にスマホを見て「ああ、そういうことね」と理解しました。だからリスクのあるプレーをしないでこのまま行こうという事なのかと頭では理解しましたが、それでもこの試合を見るために遥々世界各国から安くもない旅費を支払ってロシアまで来ている人が集まっている訳でこの試合を見せられた観客としては到底納得できないというのが素直な感想です。
結果的には試合は0-1でポーランド代表の勝利に終わり、他会場のコロンビア対セネガル戦もコロンビアが1-0のリードを守りきってコロンビアが勝利した事でグループHは1位がコロンビア、2位が勝点と得失点が同じでフェアプレーポイントの差で上位に来た日本という事になり、無事にグループリーグを2位で突破しました。
サランスクや2日前のサマーラで出会ったコロンビア人サポーターに俺達で決勝トーナメントに行こうぜと言いましたが現実になって良かったです。マジありがとうコロンビア。
選手が試合後に挨拶に来た時は拍手で迎えましたが、心の中ではブーイングという感じの物凄くモヤモヤ感が残る試合です。何はともあれグループリーグ突破を決めた事に関しては素直に喜べました。追いつけそうにないからと言ってあんな露骨に時間稼ぎするのではなく、どうせ時間稼ぎをするならもっと上手く時間稼ぎをしろよと思います。
今朝の寝台列車で同室したロシア人家族もこの試合をスタジアムで見ているので日本人でもポーランド人でもない彼らの事を思うと正直日本人として申し訳ない気持ちになりました。
2位でグループリーグ突破を決めたという事は次の決勝トーナメントのラウンド16の試合はロストフ・ナ・ドヌで7月2日に行われる事になります。私の持つラウンド16のコンディショナルサポーターチケットも日本代表が勝ち抜いたことで有効化されるのでチケットを買っておいて本当に良かったと思いました。
ただ、当然ながら1位通過だと7月3日にモスクワで、2位通過だと7月2日にロストフで試合が行われる事になり、モスクワとロストフは片道1,000km以上離れているので試合日前後の旅程は未定のまま完全に空けておいたのでこれからすぐに旅程を確定させたい所です。とりあえず今夜は無料電車でモスクワへと移動してその後モスクワのホテルで2連泊する事は確定していたので、モスクワからロストフへの移動手段の確保と可能ならロストフでの1泊、そしてロストフから次にホテルを取っているサンクトペテルブルクまでの移動手段を手配する必要がありました。
試合終了後に隣にいて仲良くなった日本人サポーターの方と夕食を食べる約束をしました。その方は別の日本人サポーターの方とも食事をする約束をしていたのでその人と合流してから3人で食べに行くことになりました。
試合終了後は私はスタジアムの荷物預かり所にリュックを預けていたので待ち合わせ場所を決めて隣の日本人サポーターの方と一旦別行動し、リュックを受け取ってから待ち合わせ場所で待っている間にスマホでbooking.comにアクセスしてロストフでの試合日のホテルをまずは確保出来ました。こういうのは早いもの勝ちなのでまずは一安心です。もしホテルが取れなかったらロストフでも試合終了後にそのまま寝台列車に乗って次の街へと移動する感じになったと思います。
モスクワからロストフへの移動手段は無料電車で行きたいと思いコンディショナルサポーターチケットの番号で予約を試みましたが、発券後のチケットの番号でないと予約できなかったのでとりあえずモスクワに着いてモスクワのチケットセンターでロストフでの試合のチケットを引き換えてから手配することにしました。
待ち合わせ場所で1時間近く待ってようやく隣の席の人と合流できました。どうもスタジアムの通路が封鎖されていて待ち合わせ場所のゲートに来るまでに超大回りして歩いてきたとの事なので、そう言えば私もスタジアムに着いた時に通行止めでどうやって行けば良いかわからず他のゲートから入ってきたなと思いその状況が理解出来ました。メアドでも交換しておけばスムーズに行ったのでちょっと反省です。
その後無事日本人サポーターの方2人と合流してスタジアムを後にします。途中ロシア人の人達から一緒に写真を撮ってくれないかと写真撮影を頼まれたりしながらスタジアムを後にしました。
ワールドカップを現地に観に行くときは目立つ格好の方が現地の人や他国のサッカーファンと交流する機会が多くなるので絶対楽しいと思います。これは実際にワールドカップを現地で見るまでわかりませんでした。私は日本代表のレプリカユニフォームを着ているだけの普通の格好でしたが、次はもう少し目立つ格好でも良いかなと思いました。
また、ワールドカップを観に行くときはレプリカユニフォームは1枚だけでなく複数枚持っていくと良いです。特に昔のもう着ないようなレプリカユニフォームがあると他国のサポーターからユニフォーム交換を求められた時に対応しやすいです。好きなクラブチームのユニフォームも持っていくと良いかもしれません。
ショッピングモールの所の駅へと行くシャトルバス乗り場まで歩いて行き、その後シャトルバスでヴォルゴグラード1駅前まで移動しました。
その後、駅近くにあった適当なケバブ屋で今日の試合の事だったり今後の予定だったりを話し合いながら夕食を済ませました。サランスクとヴォルゴグラードで隣の席だった日本人サポーターの方は山形から来たとの事で、ヴォルゴグラードで1泊してから飛行機で帰国するとの事で次の試合が見れないのをとても残念がっていました。もう1人の方は私と同じくコンディショナルサポーターチケットを購入していて、彼も一旦無料電車でモスクワに戻ってからロストフの試合を観に行くとの事でした。
ケバブ屋で会話しながら次の試合の相手となるベルギー対イングランドの試合を店内のTVで見ていました。
これから乗る無料電車はヴォルゴグラード1駅を23:50に出発し、モスクワのパヴェレツカヤ駅に翌々日の0:29に到着する予定です。乗車時間は24時間39分というこれまでで最長の電車旅になります。
夕食後はヴォルゴグラード1駅前で3人で少し会話した後解散しました。
駅の有料のシャワーブースでシャワーを浴びてから電車に乗ろうと思ったらシャワーブースの前には長蛇の列があり、これでは到底間に合わないので駅に預けていたスーツケースを受け取り、その中に入れていたバスアメニティを取り出してトイレの手洗いのシンクでシャンプーをしてひげを剃って顔を洗って歯を磨いてリフレッシュしました。
顔を洗ったり歯を磨く人はそこそこいましたが、シャンプーまでするツワモノは滅多にいなかったので隣で私と同じくシャンプーをしていた日本人っぽい人がいたので日本語で話しかけてみたら何と日系ペルー人の人で日本語が通じず英語で会話しました。
首から下はトイレの個室で予め持参した制汗シートで拭いて凌ぎます。
モスクワのホテルと電車を取っていなければヴォルゴグラードから次の試合会場のロストフ・ナ・ドヌまでは電車で10時間位と比較的近かったのですが、翌日のモスクワのホテルを既に予約&決済していたので「それを捨てるなんてとんでもない」という感じで一旦モスクワへと戻る事になりました。
その後乗る予定のモスクワ行きの無料電車に乗車すると、同室だったロシア人の人に家族で予約したら2部屋に別れてしまったので部屋を変わって欲しいと言われ問題なかったので了承して部屋を移動しました。
移動した4人部屋のコンパートメントにはカターニャから来たイタリア人の大学生の男性と、ポーランド人の初老の男性の2人と同室になりました。
今回のワールドカップロシア大会では観客向けに無料で乗れる電車が用意されていて、無料にも関わらずロシア国鉄の2等車両と同等の車両が用意されていました。
乗車してから挨拶して、夜も遅いのでベッドメイクしてから就寝してこの日は終了です。
21日目(2018年6月29日)のスケジュール
- 終日ヴォルゴグラードからモスクワ行きの電車内で過ごす
ひたすら電車内で過ごした21日目
寝台のベッドで起きてからはイタリア人の大学生とポーランド人のおじさんと3人でサッカーの事や旅のことを英語で色々会話しました。
イタリア人の大学生はイタリア代表の敗退が決まる前にこの旅を決めていたとのことで御愁傷様でした。まさかイタリア代表が予選落ちするとは思っていなかったみたいで残念でしたが、自国代表が出場しなくてもこのワールドカップの旅を本当に楽しんでいたので自国の試合が見れなくても現地でのワールドカップは楽しめると思います。
また、3人で会話していてロシア人はとても親切と言うことは私だけではなく皆が思っていたようです。ポーランド人のおじさんはロシア人の個人はとても親切だが、ロシアという国家は油断ならないと言っていました。それは完全に同意です。この感覚はロシアと国境が近い地域の国々の人なら同じことを感じているのでは無いかと思います。
そして昨日の日本対ポーランド戦の事についてどう思ったか聞かれましたが、私としては結果的には良かったけど褒められたものじゃない。ただ、自力で追いついて決勝トーナメント進出を決めてほしかった。と答えました。
ポーランド人のおじさんはポーランドは既に予選敗退が決まっていたけどあの状況ならポーランドが確実に勝てて勝ち試合が見れたからあれはあれでいいと言ってました。
イタリア人の大学生はもしセネガルが追いついたらどうすんだよと思っていた様です。それはそうですよね。誰だってそう思います。
今大会の優勝予想の話になり、私がクロアチア代表を推したら意外にも結構同意してくれました。イタリア人大学生もクロアチア推しで、大体3人共クロアチアやブラジル代表が来るのではという認識で一致していました。結果的にはクロアチア代表が準優勝で優勝はまさかのフランス代表でした。フランス代表が来ることは3人共予想していませんでした。
他にもイタリア人大学生はカターニャに住んでいるのでカターニャでプレーした森本選手の事だったり、クリスティアーノロナウドがセリエAのユベントスに移籍するから生で見れる!と興奮していたりとても楽しくて思い出に残る移動になりました。
やはりサッカーという共通の趣味があると会話も弾むし楽しかったです。無料電車という場を提供してくれたロシアにも感謝です。無料電車は国土が大きいロシア大会ならではの要素だったので国土が狭い次のカタール大会ではこういう機会は無いと思います。
今回の日本対ポーランド戦の試合内容に関してはぶっちゃけ不満タラタラでしたがグループ2位で決勝トーナメントに進出できたのはとても良かったです。
ヴォルゴグラードという街も日本で言う広島や長崎みたいなポジションの街で、街自体が戦争博物館みたいな感じで短期間の滞在でも楽しめました。ロシアを旅していているとロシアって戦争が身近だなと感じます。
今回はスタジアムで日本人サポーターの人とも仲良くなったり無料電車で同室になった人とも仲良くなったりと中々楽しい2日間でした。
翌日と言うか25:29頃にモスクワに到着した後は地下鉄を乗り継いで予約したモスクワ郊外のホテルまで移動して2泊します。