11日目はいよいよ待ちに待ったロシアワールドカップでの日本代表の初戦となるグループHの日本代表対コロンビア代表の試合があります。この試合を見る為にロシアまでやって来たと言っても過言ではありません。
私はワールドカップの試合をスタジアムで観戦するのはこれが初めてです。サッカーファンになってから20年以上経ちますが、ようやく生でワールドカップを観る機会に恵まれました。前々からワールドカップをTV越しではなく生でこの目で見てみたいと思っていたのでこの日は私の長年の夢が叶った日とも言えます。
この日は午前1時にモスクワのカザンスキー駅を出発した無料寝台列車に乗って午前11時にサランスク駅に到着した後、試合会場のモルドヴィアアリーナまで移動してスタジアムで荷物(スーツケース)を預けてから15時キックオフの日本対コロンビア戦を観戦し、その後はサランスクの隣町のルザエフカまでバスで移動して、22時発のルザエフカ駅からウファ行きのロシア国鉄の有料の寝台列車の3等車両に乗って移動するという感じの慌ただしい一日です。
11日目(2018年6月19日)のスケジュール
- 午前1:10発のモスクワのカザンスキー駅発サランスク駅行きの無料電車に乗車
- 午前11:10にサランスク駅に到着
- モルドヴィアアリーナでワールドカップの日本代表対コロンビア代表戦を観戦
- スタジアムからサランスクのバスターミナルまで移動
- バスでサランスクの隣町のルザエフカ駅まで移動
- ルザエフカ駅22:14発の有料電車の3等寝台でウファまで移動
ワールドカップの観客専用の無料電車(寝台列車)でサランスクへ
午前1:10にモスクワのカザンスキー駅を出発した無料電車は午前11:10にサランスク駅に到着する予定です。
私は昨日はドイツのミュンヘンから移動してきた事もあり疲れていたので早々に寝て朝の9時過ぎに目覚めましたが、まだ電車は走行中でサランスクには到着していませんでした。朝起きてからトイレで歯磨きを済ませて身支度も済ませて準備万端です。
同室のコロンビア人2人は昨晩3時過ぎまで起きていたらしく朝は相当眠そうでした。同室になった日本人女性の方も含めて良い人達だったので快適な旅になりました。
サランスク駅に到着する30分前位に電車は隣町のルザエフカ駅に一度停車して数分後にサランスク駅に向かって出発しました。私は今夜ルザエフカ駅発の電車に乗るのでここで一旦降りてルザエフカ駅で荷物を預けたいと思ってしまいましたが停車時間的にまず不可能でした。
その後サランスク駅に到着する直前にサランスクの試合会場のモルドヴィアアリーナの真横を通ったので電車の乗客が沸きました。
そしてサランスク駅には定刻通り11:10ジャストで到着しました。
まずはサランスクの街歩き
スーツケースを引いて駅を出ると、駅前で日本人の方から声を掛けられました。話を聞いてみると日本大使館の大使館員の方でサランスクに到着した日本人一人一人に声をかけて、トラブルに巻き込まれないよう注意して頂いたり、またトラブルに巻き込まれた際の連絡先を頂いたりとその熱心な仕事ぶりに大変頭が下がりました。
スーツケースを引きながらサランスクの街を歩きます。今夜乗る寝台列車がサランスク駅発だったらサランスクの駅で荷物を預けたかった所なのですが、隣町のルザエフカ駅発でサランスク駅は通らない電車なので荷物はスタジアムまで持っていてそこで預けることにしました。事前情報で各試合会場には荷物預かり所があるという事は知っていましたが、もし預けられなければ駅に戻って預けるしかありません。
サランスクの駅からスタジアムへと向かう方面の道は沢山のコロンビアサポーターがいました。歩きながら昨日ミュンヘンの空港で仲良くなったコロンビアサポーターの兄弟を探しますが見つかりません。
スタジアムへと向かう道からは少し逸れますが、近くに広場のような場所がありそうなので寄り道してみました。
ロシアには今後何回か来る機会があるかもしれませんが、特に有名観光地があるわけでもないサランスクという街にはこの機会を逃すと二度と来ることが無さそうなので試合開始までの空き時間に観光をしておかないと勿体無いです。
階段を上がった所で広場に出ました。相当大きな広場です。ロシアや中国などの旧共産圏の広場は無駄に広いのが特徴です。
広大な広場には沢山のコロンビアサポーターと地元の人達や日本人サポーターで賑わっていました。それにしても黄色いユニフォームのコロンビアサポーターが沢山います。誇張無しで街中黄色いシャツを着た人だらけです。街を少し歩いた感想はロシア人よりもコロンビアサポーターの方が多いのではと感じます。
コロンビアサポーターが多すぎる事もあり、逆に日本代表の青や紺色のユニフォームは少なく感じます。同じ青系でも青紫のユニフォームを着ている人はコロンビアのアウェー用のユニフォームだったりします。
広場にはワールドカップの公式グッズを販売しているオフィシャルショップがありました。私はこれから3週間以上ロシアに滞在するのでここでグッズを買うと嵩張るのでグッズは買いませんでしたが、今思えばサランスクの限定アイテムみたいなグッズもあったかもしれないので勿体無いことをしたかもしれません。とりあえず開催都市名が入ったマグカップの存在は後日確認しています。
広場の一角では特設ステージが設けられていて、ステージでロシアっぽい曲に合わせて民族舞踊を踊っている人達がいたりして広場はちょっとしたお祭りみたいな感じの雰囲気でした。
ステージ横にSARANSK 2018というモニュメントがあったので写真を撮っておきました。
広場の周りはカラフルで巨大な建物が目立ちます。広場を見た後はサランスクで一番の観光地であろう聖フョードル・ウシャコフ大聖堂の方へと徒歩で移動します。
広場から大聖堂は近いので徒歩数分の距離です。広場から大聖堂が見えるので迷うことはありません。
大聖堂の正面でコロンビアサポーターが集まってチャントを歌っていました。とてもサッカーを感じる雰囲気でこれから試合に向けてテンションを上げていました。こういう光景を見るとこれがワールドカップなんだなと嬉しくなってきます。
この教会の中を見たかったので入れないじゃないかとも思いましたが、幸い教会への入口はコロンビアサポーターが陣取っている正面側ではなく右側にあったので教会に入って内部を見学しました。
教会は写真撮影禁止だったので写真はありませんが、内装も新し目で雰囲気も明るめののロシア正教の教会という感じの内装でした。
教会のすぐ横にパブリックビューイング会場のFIFA FAN FESTがありました。このFIFA FAN FESTはFIFAワールドカップロシア大会の各開催都市に用意されていて、試合のチケットが無くてもパブリックビューイング会場に入って大画面で試合を見ることが出来ます。
サランスクでは時間がなかったので会場内には入りませんでした。
教会を出てスタジアムへと向かう前にちょっとベンチに座って水を飲んでいたら、地元のおばさんに話しかけられてサランスクのご当地マグネットを頂いてしまいました。
いきなりマグネットを出してロシア語で話しかけてきて、これあげる的な感じだったので戸惑っちゃいましたがありがたく頂きました。もちろん詐欺の類では無く純粋な親切心からの贈り物でした。
そして広場に戻って民族舞踊なんかを見たりしているとそろそろキックオフ時間が近づいてきたので試合会場のスタジアムへと徒歩で移動します。
日本対コロンビア戦の試合会場のモルドヴィアアリーナへ
広場からスタジアムへは同じ様にスタジアムへ向かう人の流れがあったので私もその後に続いてスーツケースを引きながらスタジアムへと向かって歩きました。
スタジアムへと近づくにつれ人が多くなり、スタジアム手前の橋の辺りでは物凄い数のコロンビアサポーターがいました。
スタジアムに近づくと日本人の姿もちらほら見るようになり心強いです。橋の近くで私と同じ様に1人でこの試合を観に来ていた日本人の人に話しかけられてスタジアムの入口まで話しながら歩きました。
スタジアムに着いたら入場する前にまずはスーツケースを預けなければいけません。セキュリティ上の理由でスタジアム内にはスーツケースや大きなバックパックの様な大きな荷物が持ち込めないのでまずは荷物を預ける必要がありました。
事前情報で各スタジアムの敷地内に荷物預かり所があるという情報はネットで得ていましたが、実際にスタジアムに行ってみて普通に荷物預かり所があってホッとしました。もし荷物を預けられなかったらサランスク駅まで戻って荷物を預けて戻って来る必要がありました。
私はこの試合以外でも3試合目のヴォルゴグラードで行われる日本対ポーランド戦でも同じ様に寝台列車で当日朝ヴォルゴグラード入りして試合後の夜に寝台列車で別の街に移動する旅程を組んでいたので、荷物が確実にスタジアムに預けられる事がわかったので荷物の問題がクリアになって心配事が一つ減りました。
荷物預かり所の列に並んで自分の番が来たら荷物を預ける際にチケットを見せて、引換証となるシールをチケットに貼ってもらって試合後に引き取るような感じでした。
ワールドカップグループH初戦の日本対コロンビア戦を観戦
スタジアムに到着したのが13時頃で荷物を預け終わったのが13時半近くでキックオフが15時なので結構丁度良い時間になりました。
この試合のチケットです。MATCH16 COLOMBIA v. JAPANとあります。席は一番安いカテゴリー3でゴール裏の席になります。チケット代は105USDで日本円で12,615円でした。ワールドカップとなるとグループリーグで最安の席でもこの価格になります。普段はJリーグでゴール裏が2千円とか高くても3千円とかその位の価格に慣れきっていたので凄く高く感じてしまいますが、一生モノの思い出になるので思い切ってチケットを購入しました。
チケットは抽選販売だったので日本代表のグループリーグ3試合と決勝トーナメントに出場した場合の初戦のチケットの抽選販売に申し込んで、どれか1試合だけでも当たればラッキーと思っていましたが、まさか全試合買えてしまうなんて思ってもみませんでした。
ワールドカップのチケットはグループリーグの組み合わせが決まる前のフェーズ1、グループリーグの組み合わせ抽選会が終わった後のフェーズ2、その後のフェーズ3とあり、私はフェーズ2の抽選に申し込んでいます。
荷物を預けた後はいよいよスタジアムに入場します。入場前にセキュリティチェックを受けてからスタジアム内に無事入れました。まずはここまで無事来れたのでホッとしています。日本を出発して途中ヨーロッパで寄り道して再びロシアに戻ってきて無事試合開始前に試合会場に辿り着けました。
サランスクのモルドヴィアアリーナはワールドカップ開催に向けて新たに建設されたスタジアムで、外観のデザインがバイエルン・ミュンヘンの本拠地のアリアンツ・アレナを彷彿とさせます。
スタジアムに近づくまではわかりませんでしたが、ドーナツ状の屋根の中央〜下側がグレーチングになっているので風は通る設計になっています。スタジアムの通風が悪いと芝のコンディションが保てない問題があるのでデザイン性と実用性を両立した面白いデザインのスタジアムだと思いました。
スタジアムに入って最寄りのゲートを潜ってピッチが見えた瞬間、とても見やすい素晴らしいスタジアムだと思いました。傾斜角も適度にあって観客席とピッチの距離も近いのでこれは確実に見やすいスタジアムです。
まずは自分の座席を探します。ワールドカップは全席指定席です。スタジアム内には案内係のボランティアの方がいることもあり席は割とすぐに見つかりました。
座席は6列目でこの通りピッチから非常に近くて見やすいです!これは嬉しい。私はレッズの試合を埼スタのゴール裏の上の方で見ることが多いので割と見慣れたアングルで試合を見ることが出来そうです。私は「サポーターチケット」という種類の日本代表側のカテゴリー3のチケットを購入したので周りは日本人サポーターでした。
スタジアムの椅子は跳ね上げ式でドリンクホルダーはありません。海外のスタジアムではドリンクホルダーが着いていない事が多いというか着いていることの方が稀なので飲み物をこぼさない様に注意が必要です。
試合開始の50分前位になると選手がウォーミングアップでピッチに姿を表します。この位の時間になってくると徐々に客席も埋まってきました。
私はレッズサポなので日本代表のメンバーの中には元レッズで思い入れがある選手が何人かいます。槙野や遠藤航といった現レッズの選手の他にも黄金時代のレッズで活躍してドイツに移籍した代表キャプテンの長谷部やレッズユース出身の原口元気だったりそれらの選手の活躍も見たいと思っています。
特に長谷部選手の場合は年齢的にも恐らくこれが最後のワールドカップになるだろうと思っていたのでその試合を生で見れるのは本当にファン冥利に尽きます。
この試合のスタメンは香川がスタメンで本田圭佑がサブでした。GKが川島、DFが吉田麻也と昌子の2センターバックと左SBが長友、右SBが酒井宏樹、2ボランチが長谷部と柴崎、トップ下に香川、両ウイングに乾と元気、ワントップに大迫という4-2-3-1のシステムです。
コロンビア代表はハメス・ロドリゲスが控えスタートでした。
ピッチにワールドカップのロゴと両国の国旗の布が広げられ、いよいよ選手入場です。スタジアムの観客の半分以上は黄色いシャツを着たコロンビアサポーターで物凄いアウェー感もありました。コロンビアサポーターは2万人位ロシアまで来るみたいな事を聞きましたが、2万人どころじゃなく3万人近くいるのではないかと思ってしまいます。
オー オオーオ オーオ! オー オオーオ オーオ!というリズムに合わせてスタジアムの盛り上がりも最高潮です。待ちに待った瞬間でした。
そして両国の選手が整列した後、コロンビア国歌が流れた後に君が代が流れます。ロシアの地で歌う君が代は最高でした。これほど国歌を歌って気持ちが高揚したことはあるだろうか、いや無い!!という感じです。歌い終わった後の感動と興奮が入り混じった高揚感は今思い出しても鳥肌モノです。
国歌斉唱が終わり、いよいよキックオフです。
ワールドカップのキックオフはカウントダウンしてのキックオフなので、観客も場内DJに合わせて「ten!! nine!! eight!! seven!! six!! five!! four!! three!! two!! one!!!・・・ウォオオオオオ!!!」みたいな感じでキックオフです。こういうキックオフは盛り上がるので良いですね。なんかこの試合のキックオフはコロンビア側がボールと陣地の選択が違っていたみたいでカウントダウンが台無しになり、カウントダウンなしでキックオフがやり直しになっていましたがスタジアムの興奮は最高潮のまま試合が始まりました。
キックオフ時の興奮が冷める間もなくいきなりコロンビアの選手がペナルティエリア内で決定機阻止のハンドを犯してレッドカードで一発退場&PK獲得です!!!
この時は私も周りの日本代表サポも大盛り上がりでした。
正直ほんの数分前まではグループリーグ3戦全敗もあり得ると思っていましたが、ここに来てまさかの展開が。これは勝てる!!!
キッカーは香川選手です。前半3分で数的優位な状況なのでこれを決められたら本当に大きい。
香川選手がPKをきっちり決めて先制しました。
PKが決まった瞬間は狂喜乱舞です。スマホでムービーを撮っていましたが喜びすぎてスマホを落としてしまいました。その辺にいる人達とハイタッチしたりハグしたり喜びを爆発させました。
コロンビア代表はグループリーグでは一番強いと目されていたチームだったので先制点を奪ってなおかつ数的優位という事を考えるとこの試合だけでなくグループリーグを勝ち抜く目も出てきました。本当にサッカーは何が起こるかわかりません。
その後の試合展開は数的優位になった日本代表が優位に試合を進めると思いきや一進一退の展開でした。
前半終了間際に直接FKを決められて同点になってしまいました。なんかこれ決まるの?みたいな感じのシュートだったのでこれはGKの川島が何とか出来なかったのかなと正直思いました。凄くもったいない失点です。
前半は1-1の同点でハーフタイムへ。相手が1人少ないのでこの数的優位を活かせれば絶対に勝てると思っていました。
ハーフタイムにはトイレに行ったり売店で水を買ったりしました。席に戻ってからは隣の人と話したりしながら後半のキックオフを待ちます。
後半は数的優位の日本代表が優位に試合を進めます。後半30分位に途中交代で入った本田圭佑のCKを大迫が頭で合わせて勝ち越しです。大迫半端ない!!!
このゴールの瞬間も周りの人達とハイタッチをして喜びを爆発させました。この試合は勝てる!!!
そして後半もロスタイムに入り、5分が経過した所でタイムアップです。何とグループH最強と目されていたコロンビア代表を2-1で下しての勝点3をゲットです。タイムアップの瞬間も周りの人達と喜びを爆発させました!
この試合が私にとっての人生初のワールドカップの試合観戦でしたが、まさかいきなり勝ち試合が観れるなんて最高です!!
本当にロシアまで観に来て良かった!!!と心の底から思いました。サッカーファンにとっては一生モノの経験です。モスクワからの無料電車の雰囲気、サランスクの街の雰囲気、スタジアムの雰囲気、そしてこの試合結果。もう全てが最高でした。しかもまだ初戦です。私はグループリーグのセネガル戦とポーランド戦のチケットを持っていて、日本代表がグループリーグを突破した場合はベスト16のチケットも確保出来ています。最大であと3試合もこの素晴らしい大会の試合を観れるのかと思うとたまりません。
ワールドカップを観に行く前はこんな素晴らしい経験になるなんて思いもしなかったです。私はレッズサポなのでACLの決勝やクラブワールドカップの観戦経験もありますが、レッズの場合はもっとヒリヒリした感じの物凄い緊張感がある雰囲気ですが、ワールドカップはそれとは別物のまさにサッカーのお祭りみたいな感じで、緊張感よりもワクワク感が止まらない熱狂的な雰囲気でとても素晴らしかったです。
試合後はしばらく興奮が収まらずに勝利の喜びを噛み締めていました。こんな試合の後なので隣の席の人との会話も弾みます。
そして選手達が試合後の挨拶に来てくれました。最高の試合をありがとう!!!
それにしても本当に良い試合でした。もう嬉しすぎてヤバいです。ワールドカップの生観戦がこんなに素晴らしい事だとは思っていなかったので俄然これからの旅が楽しみになってきました。
スタジアム内で飲み物を買った時に貰えたカップも良い記念になりそうです。
勝利の余韻を噛み締めつつスタジアムを後にします。スタジアムの外にはコロンビアサポーターが沢山いましたが、こんな負け試合にも関わらず皆とてもフレンドリーであまり落ち込んでいるような感じはありませんでした。それどころか頑張れよーみたいな声をかけてくれる超良い人ばかりで私の中のコロンビアの好感度がMAX近くまで上がっています。
昨日ミュンヘンの空港で出会ったコロンビアサポーターの兄弟と再会出来たら良いなと思っていましたが残念ながら会えませんでした。試合後に何人ものコロンビアサポーターからユニフォームを交換しようと声をかけられましたが、1着しかユニフォームを持ってきていなかったので残念ながら全て断ってしまいました。これは今でも未練が残っています。
ワールドカップを観に行くなら日本代表のユニフォームやTシャツは必ず複数枚持っていくべきだとこの時学びました。現地で出会って交流したサポーターとユニフォームを交換できたらとても良い思い出になります。交換するユニフォームは昔のモデルでも全然良いと思うので日本代表のユニフォームもそうですが、好きなクラブチームのユニフォームもあると役に立つこともあります。
試合後にお互いの健闘を称え合ってユニフォームを交換するのは何も選手だけではありません。ワールドカップではサポーター同士のユニフォームの交換も普通に行われていました。
スタジアムからサランスクバスターミナルへ
スタジアムを出るタイミングで預けたスーツケースを引き取り、スーツケースを引きながらサランスクの中心部へと徒歩で戻ります。
この後の予定はまずは隣町のルザエフカ駅まで何らかの方法で移動しないといけません。ルザエフカ駅はサランスク駅から電車で1駅なのですが、残念ながらサランスク駅発の電車は近郊電車が無いみたいで全て長距離電車で満席なので別の方法で移動する必要があります。
一応サランスクのバスターミナルからルザエフカ駅前へ行くバスがある事はロシア語のサイトで調べたのでそこまで心配はしていませんが、22時過ぎの寝台列車に乗らないといけないので早めにルザエフカまで行っておきたい所です。
聖フョードル・ウシャコフ大聖堂の辺りまで戻ってきました。西日が当たる教会がとても綺麗です。
本当はここら辺で寄り道してパブリックビューイング会場のFIFA FAN FESTで楽しみたいところですが、ルザエフカ行きの終バスの時間がわからない事もあり寄り道せずにバスターミナルへと向かいます。
バスターミナルは街の外れにあるので全区間徒歩では大変なので、途中からは路線バスに乗って移動するつもりで路線バスのバス停を目指して歩いています。
サランスクのバスターミナルからルザエフカ駅へ
サランスクの広場を過ぎて大通りまで歩き、サランスクのバスターミナル前まで行く路線バスのバス停を見つけたのでそこで路線バスを何分か待ってバスが来たので乗り込みます。
バスの運賃は今日の試合のチケットがあると無料でした。ロシアは社会主義国なので公共交通機関の交通費が30円とか50円とかそんな感じで激安なので大した節約にはなりませんが、ありがたいおもてなしです。
路線バスに乗り込んだら、親切な地元のロシア人の乗客がどこまで行くかを聞いてくれてバスターミナルに行きたいと言ったら降りる所を教えてくれました。
と車内で親切な地元の人にも助けられて無事サランスクのバスターミナルまで来れました。
バスターミナルの中に入ってルザエフカ行きのチケットを100RUB(約180円)で購入して、バスターミナル内の待合スペースで出発まで待ちます。バスターミナルにはコロンビアサポーターが数人いる位で後は全てロシア人という感じでした。日本人らしき人は全く見かけませんでした。
サランスクの隣町のルザエフカから移動するルートはちょっとした裏技みたいな感じなのであまり知られていなかったのかもしれません。
ルザエフカ駅
ルザエフカ駅前に到着したのが19時半頃で予約した寝台列車は22:14分発なので2時間半以上余裕があります。これだけ余裕があればまず乗り遅れることはないので一安心です。
ルザエフカ駅前でもサランスクの中心部にあった広場の様に特設ステージが設置されていて、駅前広場の周りに屋台が立ち並んでいてちょっとしたお祭りみたいな感じでした。
広場を歩いていると日本人が珍しいのか地元の人から一緒に写真を撮ってくれと沢山声をかけられて何か有名人にでもなったかの如く沢山の人と写真を撮る羽目になりました。
ルザエフカの駅前には小さいスーパーもあったので寝台列車に乗る前にちょっとした食べ物や飲み物を調達しました。
買い物をしてからルザエフカ駅周辺を軽く見て回り、その後はルザエフカ駅前の屋台で夕食を食べることにしました。
ロシアの屋台飯はどんなものだろうかと興味津々で屋台を物色していたら日本人サポーターの方々が数人いたので話しかけてみました。お互いまさかこんな所に日本人サポーターがいるとは思っていなかった事もあるので話も弾みました。なんとその人達も私の乗る予定のウファ行きの電車に乗って途中のウリヤノフスクというレーニンの生家がある街に行くとの事でした。
私もどの街に宿泊するか色々検討する際にホテル代がそれ程高騰していなかったウリヤノフスクも候補に上がりましたが、深夜1時か2時頃の到着になるのと、今日の試合会場のサランスクと次の試合会場のエカテリンブルクの中間位の場所にあるウファの方がホテル代が安く、1泊6千円で4つ星のホリデイインウファに泊まれるという事もありウファという街に泊まることにした経緯があります。
本当は試合会場のサランスクで1泊した方が楽だったのですが、サランスクで試合当日に1泊6千円の予算だと相部屋のホステルにすら泊まれない位ホテル代が高騰していたので2夜連続での寝台列車移動を選択して別のワールドカップを開催していない都市へと逃げました。
とりあえず羊肉を焼いたシシケバブっぽいいかにも中央アジアみたいな感じの物を身振り手振りと少しのロシア語を用いて注文しました。日本人の方々と同じテーブルにご一緒させて頂き食べながら今日の試合のことだったり今後の展望だったりどこに泊まるかとかそんな事を話したりして時間を潰しました。
屋台でご飯を食べた後は広場にいてもすることがないので20時半位から駅の待合室で時間を過ごしました。駅の待合室にはテレビがあり、そこでワールドカップの別の試合の中継があったのでコロンビアサポーターも日本人サポーターも皆テレビを見ています。
試合を見ていると突然停電が発生し、部屋の電源が落ちてテレビの電源も部屋の照明も消えて真っ暗になって騒然となりましたが、この場にいたロシア人の誰かが「This is Russia!!」とジョークを言って場を和ませていました。
乗る予定の電車はルザエフカを22:14発で終点のウファに翌日の19:03着の電車です。途中2回程タイムゾーンを跨ぐのでルザエフカとウファでは2時間時差があります。乗車時間は21時間49分とほぼ丸1日電車で過ごす感じです。
座席は安い3等の上段を予約しました。この旅では有料電車を何区間か予約していますが、3等はこの区間のみで他は全て2等を取りました。無料電車は何等の区別は無く全て2等相当です。
気になる運賃は1,325.5RUB(2,396円)と3等だけあって格安です。
出発の30分前に乗車する電車の到着するホームの表示が電光掲示板に出たので駅舎を出てホームへ。すっかり空も暗くなり気温も少し肌寒い中同じ電車に乗る日本人の方と話しながら電車を待ちました。
私は3等に乗りますが、その人は2等に乗るので電車が来たタイミングで挨拶してお別れして私の乗る号車の前へと移動しました。
ルザエフカ駅からこの電車の3等車両に乗る外国人はどうやら私だけみたいです。ルザエフカ駅から同じ車両に乗ったのはロシア人の乗客2人だけでした。
電車に乗車する際に車掌さんにプリントアウトしたEチケットとパスポートとFANIDを提示してから3等の車両に乗り込みました。
予約したのは車両の真ん中付近の上段です。車両の前側か後側だとドアの音が気になりそうなのと、トイレが近いので臭いリスクがあったので快適そうな真ん中付近の座席を予約しました。
私はロシアの普通の長距離電車に乗るのはこれが初めてで、3等車両も初めてで荷物をどこに置くべきかとかどうやってベッドメイクするかとかの勝手がわからなかったのですが、私と同じくルザエフカ駅から乗ってきた親切なロシア人の乗客のセルゲイさんに色々英語で教えてもらって事無きを得ました。
ウファまでは21時間以上かかるので、落ち着いた所で体を制汗シートで拭いたりしてから就寝しました。2日連続での寝台列車の移動なのでシャワーを浴びれていないのは中々きついですが、明日は4つ星ホテルのホリデイインウファに泊まるので確実にシャワーが浴びれるのでそれまでの辛抱です。
それにしてもこの日はモスクワから無料寝台列車でサランスクに移動してワールドカップの日本対コロンビア戦を観戦してからバスでルザエフカまで移動してルザエフカからウファ行きの有料寝台列車に乗るという壮絶な一日でした。
旅程はとんでもなくハードですが、この1日の充実感は中々味わえる物ではありません。1人旅ですが日本人、コロンビア人、ロシア人だったり沢山の知らない人と会話したりしてとても楽しかった1日でした。特にロシア人の方々には路線バス内やこの寝台列車内で色々親切にして頂いたのでとても助かりました。
そして何よりワールドカップを初めて生観戦して、更に勝利したので最高な1日でした。ワールドカップのスタジアムでの観戦は本当に素晴らしかったです。素晴らしいの一言では表せない位の素晴らしさがありました。この日のことは一生忘れないレベルです。本当に「サッカーファンで良かった、ワールドカップを観に来て良かった」と心の底から思いました。
翌日はウファという街に移動して3泊します。