28日目はサンクトペテルブルクを出発する日です。予約したフライトが翌日の0:30発なので実質この日がサンクトペテルブルクに滞在する最終日となります。
そしてこの日はエルミタージュ美術館に行ってみようと思います。世界三大美術館の1つとして名高いエルミタージュ美術館は他の美術館とは違い普通はロシアビザが必要になるので見に行くハードルが高く、私は絵にはそれ程興味はありませんが、せっかくサンクトペテルブルクに滞在しているのだからこの機会に見ておきたいと思っていました。
28日目(2018年7月6日)のスケジュール
- ホテルをチェックアウト
- エルミタージュ美術館を見学
- ホテルで預けた荷物を引き取ってプルコヴォ空港へ
エルミタージュ美術館へ
この日はまずホテルをチェックアウトして、翌日0:30発のサンクトペテルブルク・プルコヴォ空港発カザン行きの国内線に乗ってこの旅最後の目的地のカザンへと移動します。飛行機の出発時間までまだまだ余裕があるのでホテルに荷物を預けてから最後のサンクトペテルブルク観光を楽しんでカザンへと向かいましょう。
この日は午前中から雨が降っていました。天気が悪いと7月ですが結構寒いです。雨の中街歩きはあまりしたくないので雨が降っているなら行くべき場所は1つです。
ネヴァ川に架かる橋を歩いて渡って向かったのはエルミタージュ美術館です。悪天候でも建物の中なら関係ないのでこういう日に美術館に入ろうと思っていました。
せっかくサンクトペテルブルグにいるなら有名なエルミタージュ美術館に行っておくのは必須かなと思っていました。
エルミタージュ美術館に到着し、チケットを買う列に並びましたが、列がとんでもない位に伸びていてチケットを購入するまで2時間半も外で並ぶ羽目になりました。
丁度ワールドカップ期間中なので特に時間がかかったと思います。こんなことならネットでチケットを購入しておくべきでした。ネットで事前予約していると並びの列をショートカット出来るので待ち時間が大幅に減ると思います。
エルミタージュ美術館の中へ
3時間近くかけてチケットを無事購入していよいよエルミタージュ美術館の中へと入ります。1人で並んでいたので途中トイレに行きたくなったらやばかったですが何とか無事美術館に入れました。
これだけ並んでしょぼかったらどうしようとも思いましたが、中に入ってすぐにそんな思考は吹っ飛びました。
エルミタージュ美術館の事前情報は全然調べていなかったので中に入って内装の凄さにまず驚きました。絵画抜きにしても凄い宮殿です。
窓枠に鏡が入っている演出は中々面白いと思いました。普通の壁よりも広く感じます。
まだ絵画の展示エリアまで来ていませんが、有料級の宮殿を見ている感じです。それぞれの部屋の内装が凄いので見入ってしまいました。
豪華絢爛な部屋もありました。エルミタージュ美術館は建物自体が立派な宮殿です。外観からして宮殿でしたが中も物凄く豪華な宮殿でした。
美術品が無くてもこの建物自体が世界遺産になっていてもおかしくないレベルです。
ホール的な部屋を抜けると小さめの居室が並ぶエリアに来ました。先程までの豪華絢爛な内装と比べるとかなり質素に感じますが、家具が金で出来ていたりとお金持ちっぽい感じが凄いです。
こういうところにあるアンティーク家具は1つ1つが物凄い値段になるんだろうなとか思いながら見ています。テレビ東京のなんでも鑑定団の「イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン・・・」という音を脳内で再生しながら見ていました。
居室毎にテーマが異なるのか内装のテイストがかなり変わっていて面白いなと思いながら見ていました。
書斎の部屋が凄かったです。書斎と言うよりも図書館レベルの部屋でとてもダンディーで知的で格好良い部屋でした。
キンキラキンのやり過ぎ感のある部屋ばかり見た後にこういう木のシックな部屋を見ると逆に木の質感が際立ってとても良い感じに見えました。
書斎の先にはまたしてもキンキラキンのコッテコテな内装の部屋がありました。エルミタージュ美術館の一部屋一部屋がそれぞれ内装が異なり、どの部屋も物凄いお金がかかっているのがわかります。
昔のロシア帝国のロマノフ王朝は一体どれだけ繁栄していたのだろうと思いました。
宮殿エリアを抜けるとようやく美術品が展示されているエリアに入ります。絵画だけでなく銀細工の様な物も展示されていました。
美術品があるエリアの内装も相変わらず物凄い豪華さです。
絵画のある部屋はその空間自体が醸し出す雰囲気が凄かったです。朱色の壁と金の装飾の額縁と絵の組み合わせが醸し出す高級感と言うか上質感が凄かったです。
勿論絵も凄いので私自身は絵にはそれ程興味があるわけではありませんが、どの絵もクオリティがとても高いのでさらっと見るつもりが思わずじっくり見学してしまっています。
彫刻のあるエリアも物凄いクオリティの彫刻が沢山ありました。彫像の服が布っぽいのが本当に凄いです。
それぞれの部屋の内装も異なるので美術品だけでなく内装も含めて興味深く見学しました。
この彫刻はミケランジェロの作品です。美術には詳しくなくても昔学校の教科書にあった様な有名所の作品があるのでそういうのを見つける楽しみもありました。
この彫刻は足の筋肉の付き方が物凄くリアルで凄かったです。
エルミタージュ美術館に入るまでは相当並びましたが、中に入ってみると宮殿内が広大なので観光客の数はあまり気になりませんでした。
人だかりが出来ている絵があったので近寄って見てみると、レオナルド・ダ・ヴィンチの「ブノアの聖母」という絵でした。美術に全く興味がない人でもレオナルド・ダ・ヴィンチの名前位は知っていると思います。
これは何かで見たことがある絵なので多分教科書に載るレベルの絵だと思います。
こちらもレオナルド・ダ・ヴィンチの「リッタの聖母」という絵です。レオナルド・ダ・ヴィンチの2つの絵はエルミタージュ美術館の目玉作品なので人だかりが出来ていました。
この絵も何かで見たことがあるような無いようなという感じでした。多分中学か高校の美術の教科書に載っていたんじゃないかなと思います。
チケット購入時に貰ったパンフレットにも有名どころの作品の場所が記されていたので見逃さないように館内を回っています。
エルミタージュ美術館は絵画だけでなく金細工が展示されている部屋があったりと意外と展示品のバリエーションが豊富です。
このエリアはレンブラントの作品が多く展示されていました。レンブラントと言えばオランダ人画家で光の陰影の付け方が神がかっている作品が多い画家です。
これらの作品1つ1つについつい見入ってしまいます。やはり「本物」の絵は凄いですね。思わず絵に引き込まれてしまう魅力があります。
こういう「本物」を見るという経験が自分の審美眼を磨く事にも繋がっていると思います。こういうことも旅を通して得られる貴重な経験値です。
レンブラントの作品は陰影の付け方が本当に上手いと言うか上手いという表現では失礼な位神がかっていました。
エルミタージュ美術館はレンブラントの作品が数多くあり、どの作品も非常に見応えがありました。今回はオーディオガイドを借りていませんが、じっくり作品の背景を知りたいならオーディオガイドを借りて解説を聞きながら絵を見た方が作品を理解できると思います。
色々凄い絵が沢山あるので本気で見ようと思ったら多分丸1日では見られない位の質と量がある美術館でした。サラッと見るには勿体無いレベルの絵ばかりなのでついつい見入ってしまっています。
エルミタージュ美術館にはルーベンスの作品も沢山ありました。
何となく見たことがある様な有名な作品も混じっています。
見応えのある作品ばかりなので時間が経つのが早かったです。事前にエルミタージュ美術館にどんな絵があるのかを調べてから入ればもっと効率良く回れたのでちょっと準備不足でした。
館内は宮殿なので建物自体の部屋や内装の見応えもありました。もし館内に美術品が無くても入場料を払って入るレベルの観光地として成立する位の物凄くゴージャスな宮殿です。
入館してから2時間半程経過しましたがまだまだ見切れていない作品も多いです。ある程度ガチで絵を見るつもりなら冗談抜きで3日位必要になるかもしれません。
それにしても要所要所で内装が凄いので見飽きません。王座に相応しいような椅子がある部屋があったりと当時の様子を想像してしまいます。
「豪華絢爛」という言葉がこれほど似合う建物も珍しいと思います。もっと早く入場できればまだまだじっくり見学出来たと思いますが、もう19時過ぎです。
閉館時間は調べていませんがそろそろ閉館すると思うのと、これから空港に行くのでそろそろエルミタージュ美術館を出ようと思います。
出る前にまだ見ていなかったエリアの色々な展示をさらっと流し見しつつエルミタージュ美術館を出ました。私は日本国内の美術館位しか知らないのでこの規模感は想像の何倍も凄かったです。
エルミタージュ美術館が素晴らしかったので今度はパリのルーブル美術館にも行ってみようと思います。私もパリ自体は何度か行ったことがありますが、ルーブル美術館やオルセー美術館にはまだ行ったことがありません。
エルミタージュ美術館を出たのが19時40分過ぎです。入場券を買うための列に並んだのが12時半過ぎで入場したのが15時半なので4時間近く見学しましたがこれでも全ては見きれませんでした。
もしガチの美術品鑑賞が趣味でエルミタージュ美術館目当てでサンクトペテルブルクに来る人は最低でも2日か3日位はエルミタージュ美術館に入り浸る感じのスケジュールにしないととてもじゃないけど全ての作品は見れないと思います。
外に出たら昼間の悪天候が嘘みたいに晴れています。
やはり晴れるととても美しい街並みです。
今日でサンクトペテルブルクは最後になりますが3泊でも全然足りなかったというのが素直な感想です。まだペテルゴフ宮殿だったりエカテリーナ宮殿だったり有名所の観光地も行けていません。
サンクトペテルブルクは見所が多いのでもう3泊位しても全然ありでした。
ネヴァ川近くのホテルを取りましたが、内装やサービスはともかく立地が本当に素晴らしかったので結果的には大正解でした。毎朝ホテルを出て最初に見る景色がこれなので本当に観光したいという気持ちが湧いてきます。
ホテルに預けた荷物を引き取って最寄りの地下鉄駅まで歩いて地下鉄と路線バスでペテルゴフ空港へと向かいます。サンクトペテルブルク初日に交通カードを入手しましたが、結局使ったのは初日の空港からホテルへの移動と最終日のホテルから空港への移動の時だけだったので結果的には交通カードは要らなかったです。
プルコヴォ空港へは21時半過ぎに到着しました。21時半過ぎでもまだ太陽が沈みきっていません。ほぼほぼ白夜です。
夕日が綺麗だったので空港のターミナル内に入る前に写真を撮ってから空港内へと入りました。
今回乗る国内線はS7航空のサンクトペテルブルク・プルコヴォ空港からカザン空港へと向かう臨時便です。臨時便だったのでJMBの番号を入れてもこの区間だけはマイルが付かなかったので事後登録で搭乗券を郵送してマイルを付けてもらいました。
出発が翌日0:30なのでそれまではラウンジで軽食を食べながら待ちました。S7航空はワンワールドに加盟しているのでJALのサファイア以上のステータスがあればラウンジが使えます。
そして搭乗時間になり機内へと乗り込んで離陸しました。
サンクトペテルブルクはとても美しい街で非常に見応えがありました。毎日美しい景色を見ながらネヴァ川の橋を渡るのがとても楽しみだったのでこの景色がもう見れなくなるのは寂しいですが、3泊しても全然足りない位見応えがあったのでサンクトペテルブルクにはいつかまた再訪したいです。その頃にはビザ無しで観光出来るようになっていると良いなと思います。
次の目的地はロシア連邦内のタタールスタン共和国の首都カザンです。カザンがこの旅の最後の目的地なのでこの旅もいよいよ終わりが見えてきました。カザンに到着するのが朝の3:30なので到着後は空港で野宿です。そんな事もあるので機内ではさっさと寝ました。