24日目は昨夜にモスクワのカザンスキー駅を出発したロストフ・グラーヴヌィ駅行きの無料電車で17:30にロストフ・ナ・ドヌ入りし、いよいよ日本代表対ベルギー代表の試合をロストフアリーナで観戦します。
日本代表は未だワールドカップベスト16の壁を超えられていないので、この試合に勝てば初のベスト8進出になります。
まずは日本代表が決勝トーナメントに進出し、私が一応買っておいた日本代表のラウンド16のコンディショナルサポーターチケットでこの試合が観れる事が本当に嬉しいし、下馬評では予選リーグで3戦全敗もあると思っていた中、良い意味で期待を裏切ってくれた日本代表には本当に感謝です。
24日目(2018年7月2日)のスケジュール
- 無料電車でロストフ・グラーヴヌィ駅に到着
- 予約したホテルにチェックイン
- ロストフアリーナで日本対ベルギー戦を観戦
快適な無料電車での移動
今回の無料電車での移動は1人で4ベッドの個室を占有出来たので道中はコンパートメントのドアを閉めっぱなしにしてプライベート空間が確保出来たので実に快適な移動になりました。無料電車は途中駅での停車がないので途中駅で乗客が乗り込んで来ることもありません。
この電車は前日の19:50モスクワ発でロストフへの到着が今日の17:30と夕方の到着になるので日中は寝台列車の車内で過ごしています。
しかも今回はエアコン付き車両かつコンパートメントのテーブルの所にコンセントもあったのでノンストレスです。欲を言えばWiFiが欲しかった所ですが流石にそこまでいたれりつくせりではありませんでした。
ロシアでの長距離電車移動もこれで7回目なのでもうとっくに慣れたので車掌さんからマグカップを借りて、車内のサモワールという給湯器を使い2日前にモスクワのスーパーで買ったインスタントボルシチを飲んだりしながらの優雅なひとときです。
また、スマホに入れておいた電子書籍を読んだりヘッドフォンで音楽を聞いたりして超リラックスした移動になりました。
車内放送でどこかの車両では有料でシャワーが浴びれるという情報もゲットしましたが、昨日ホテルを出る前にシャワーを浴びて来ているのと、制汗シートを日本から持参したこともあり電車内でシャワーは浴びませんでした。
ロシアの長距離電車ではトイレの所に水が出る手洗い用のシンクがあるのでそこで歯磨きや洗顔が出来ます。トイレのシンクの水は当然ですが飲用には適さないので基本的には自分で持ち込んだペットボトルの水を飲みます。なおサモワールのお湯は普通に飲めます。
途中の車窓は結構単調で同じ様な風景が延々続きます。ロストフに近づいてくると穀倉地帯が増えてきました。
寝台列車なので座席に座ってぼーっと車窓を眺めるというよりはベッドに寝っ転がりながらスマホを見たり音楽を聞いたりみたいな感じでいたのであまり車窓の景色が単調でも気になりませんでした。
ロストフ・グラーヴヌィ駅に到着する前にベッドを片付けてリネン類を車掌さんに返却して下車する準備を整えました。
ロストフ・ナ・ドヌに到着
無料電車は定刻通り17時半にロストフ・グラーヴヌィ駅に到着しました。
荷物を持って電車を降ります。この日の日本対ベルギー戦は21時キックオフなので3時間半しか余裕がありません。それまでに予約したホテルにチェックインして荷物を置いてからスタジアムに行く必要があります。
予約したホテルはスタジアムから2km位の場所にあるのでまずはスタジアム行きのシャトルバスに乗り込みます。ホテルの近くにバス停はあるのですが、通行規制で通れなかったりバスが運行していなかったりする可能性もゼロではないので確実にホテルまで行ける方法を選びました。
シャトルバスでロストフアリーナへ
スタジアム行きのシャトルバスの中には当然ながら日本人サポーターの姿もありました。
バスの中では近くにいた日本人サポーターの方と会話して、バスを降りてスタジアムまで会話しながら歩いて行きます。
バスを降りたのが結構遠くの駐車場で、駐車場付近には地対空ミサイルの車両が配備されていたりと警備体制も万全の様です。
スタジアムの入場ゲートの所で一緒に歩いた日本人サポーターの方とお別れして私はスタジアムを右回りに歩いて行きます。この時は18時位でスタジアムからホテルまでは片道20分位の距離感なので1時間で往復できそうです。21時のキックオフまでには確実に間に合いそうなので予定通りホテルへと歩いて行きます。
途中何組かの日本人サポーターにすれ違ったりしながら予約したホテルへと向かいます。
予約したホテルへ
Okhotnichiy Clubというロストフアリーナの近くにあるホテルをヴォルゴグラードでの日本対ポーランド戦の試合終了直後に予約していました。試合会場のヴォルゴグラードアリーナにいる時に速攻で抑えたホテルになります。
1泊2,440RUB(4,412円)とワールドカップ期間中の試合当日にしては格安な上、スタジアムまで徒歩圏内という事もありロストフ・ナ・ドヌの郊外の割と不便な場所にありますが迷っていたらすぐに埋まってしまう予感がしたので即決で予約しましたが、無事スタジアムから徒歩圏内の場所にあって辿り着けてまずは一安心です。
ここのホテルではチェックイン時に英語が通じました。私がチェックインするのと同じタイミングで日本人女性っぽい人がいたので「これから試合を観に行くんですか?」と声をかけてみた所、何と日本語が通じず、英語での会話になりロサンゼルスから来たアジア系アメリカ人のカップルでした。
彼らも勿論今日の試合を観に来たとの事で、「日本頑張ってね」と言われました。今日勝てば初のワールドカップベスト8進出になるので勝ちたいです。勝って最高の気分でホテルに戻って来たいと思います。
Okhotnichiy Clubの客室
このホテルは普通のホテルの様な集合住宅っぽい感じの建物ではなく、1室1棟のヴィラタイプのホテルでした。
エアコンもついていてベッドも普通に寝れそうです。部屋自体はまずまずなのですが、この宿の最大の欠点はWIFIの電波が弱すぎて部屋の中まで電波が届かないという事です。
スマホの4Gや3Gの電波も部屋の中までは届かないので難儀しました。しかも4Gの電波はホテルから徒歩1分位のところまでは来ているので非常にモヤモヤします。
一応WIFIリピーター(中継機)にもなるTP-LINKのホテルルーターを持参していたのでそれを部屋の窓際に置いて何とか凌げましたがネットの速度も遅かったです。
部屋の中に置いてあった無料のミネラルウォーターを飲んでみたら温泉水の様なしょっぱくて独特の味がしました。
後、部屋というか建物の鍵が壊れていたのが非常に嫌でした。「ロストフ・ナ・ドヌ 治安」で検索するとヨーロッパ1治安が悪い都市とかそんな記事が出て来るような街で部屋の鍵がかからないとか怖すぎます。
ホテル自体は郊外のエリアにあり、周りにホテルとレストランが数件あるくらいで民家は殆ど無い様な場所なので人通りは殆ど無い様な場所なので治安自体は問題無さそうですが不安な事には変わりありません。
水まわりはシャワーブースとトイレが別々の部屋にあったのは良かったです。しかしシャワーブースの排水口が詰まっていてシャワーを浴びたらシャワーブース内に水が溜まって凄く不快でした。
試合前に一度シャワーを浴びて試合を観に行く準備を整えました。一応スーツケースも鍵をかけた状態で出かけます。
日本対ベルギー戦の試合会場のロストフアリーナへ
ホテルの部屋の鍵が物理的にかからないという不安を抱えつつもスタジアムへと向かいます。
キックオフの1時間15分前に試合会場のロストフアリーナに到着しました。この位の時間だとスタジアム周辺に日本人のサポーターの姿はあまり見かけません。もう既にスタジアム入りしている人が殆どだと思います。
この日の試合に勝てば次はベスト8でカザンでの試合になります。私の旅の旅程だと偶然その試合翌日にカザン入りするような予定なので、日本代表が勝利した場合、その試合のチケットは持っていませんがモスクワのチケットセンター等で何とかチケットを手に入れたいなと思います。旅程もサンクトペテルブルクのホテルをキャンセルしてカザン入りを1日早める様に変えるつもりでいます。
スタジアムに来るとベスト16まで勝ち抜いてきたんだなと実感します。初戦のコロンビア戦、2戦目のセネガル戦、3戦目のポーランド戦と決して簡単な試合はありませんでしたが何とか予選リーグを2位で勝ち抜いてここまで来れたのでこの勢いでこの試合も勝ち抜いて欲しいと思います。
スタンドに入る前に水を購入してから自分の座席へと向かいます。スタジアムでドリンクを購入するとプラスチックの容器に「2018 FIFA WORLD CUP ROUND OF 16 2 JUL. 2018」とワールドカップのトロフィーの写真が印刷されていて良い記念になります。私はこの試合含めて4試合分の容器を確保しています。
座席のあるエリアに来るとこのスタジアムはヨーロッパのスタジアムっぽい作りで臨場感も見やすさも両立している素晴らしいスタジアムでした。
座席は17列目なので割とピッチから近くてある程度高さがあり全体も見やすい場所なので良かったです。
選手がピッチ上に出てきてウォーミングアップが始まり、しばらくしてウォーミングアップが終わるといよいよキックオフの時間が近づいてきます。
オーーオオオーオーオー、オーーオオオーオーオーというワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグでも流れる定番のリズムに合わせてスタジアムが盛り上がります。
最初にチケットを購入した時はここまで来れるとは正直思っていなかったので、願望込みで応援するチームが勝ち残った時のみ有効化されるConditional Supporter Ticketを一応買っておいて本当に良かったです。
コンディショナルサポーターチケットは敗退した場合は手数料の10%分が引かれた金額が返金される様な仕組みなのでノーリスクではありません。
それに加えて、このチケットは予選リーグが終わるまで試合会場が確定しないので、日本代表のグループHの場合はこの日にロストフか翌日モスクワという2択です。両都市間は1,000km以上離れているので中間の都市に宿を取るみたいな事も不可能だし事前に旅程が決められないという難しさもありました。
ましてはワールドカップの開催中でただでさえ各都市のホテルが満室&高騰でロシアの国内線も満席というような状況だったのでこのコンディショナルサポーターチケットを買ったは良いけど旅程が決められないという難しさがありました。ロシアの場合は他の国と違って国土が尋常でなく広いので都市間の移動も気軽に出来ません。試合のチケットだけあっても交通手段と宿の手配を現地で行う必要があったのでとても大変でしたが今となっては良い思い出です。
日本とベルギーの両国の国旗がピッチに広げられてから選手が入場してきて国歌斉唱です。
ワールドカップの決勝トーナメントの会場で君が代を歌えるという誇りと喜びを噛み締めながらこの場にいる1人の日本国民として君が代を歌いました。君が代を歌いながらついに決勝トーナメントまで来たんだなと今までの旅路を思い出して結構感動しました。
学生の時は君が代を歌っても何とも思いませんでしたが、こういう特別な世界の舞台で国歌を歌うと感慨もひとしおです。サッカーもそうですがスポーツって良いですね。
この旅の4日目にオーストリアのインスブルックで日本代表対パラグアイ代表の壮行試合を見た時に隣りの席のドイツにサッカー留学している日本人の方と試合を見ながら会話した時は予選リーグは正直厳しいけど何とか勝ち抜いてほしいよねと話していた事を思い出しました。ロシアに行けない彼の分も応援してきたつもりですが、正直まさかここまで来れるとは思っていなかったので日本代表には良い意味で期待が裏切られました
この日のスタメンがスタジアムの大型ビジョンに表示されました。スタメンを見るとやはりベルギー代表よりも見劣りします。
正直10回試合をしたら9回は負けそうな相手ですが、ここまで来たらまぐれでもオウンゴールでも何でも良いので1回のラッキーを引き当てて勝ってくれることを祈ります。
日本代表はこれまで決勝トーナメントで勝ったこともなければ得点を決めた事もありません。初の偉業を生で見るチャンスがあるので是非とも勝ち抜いて欲しいです。
選手が円陣を組んでから各ポジションに散って行き、キックオフ時間が近づくと、キックオフのカウントダウンが始まります。
スタジアムDJのカウントダウンに観客も呼応してスタジアムの盛り上がりも最高潮でした。
「Ten! Nine! Eight! Seven! Six! Five! Four! Three! Two! One! ・・・ウォオオオオォォ!!!」という感じでキックオフです。物凄い雰囲気でした。観客のノリも良いのでこれはJリーグの試合では味わえない種類の雰囲気です。
私はレッズサポなので埼スタでのリーグ優勝を決めた試合やカップ戦の決勝、ACLの決勝のキックオフも見てきましたが、ワールドカップのキックオフのスタジアム全体のワクワク感と興奮は一味違います。
レッズの場合はサポーターの勝たせるぞという意気が全面に出ていてワクワク感や興奮があまり無い分、絶対に勝たせるぞという特別な緊張感とサポーターの本気度があります。ワールドカップの場合はお祭りみたいなものなので緊張感よりもワクワク感が圧倒的に勝ります。
前半はベルギー代表に押されていましたが、日本代表も最後の所で踏ん張って0-0でハーフタイムです。
日本代表の右サイドの原口元気選手と酒井宏樹選手の距離感が絶妙でベルギーの強烈な攻めからの守備の崩壊を防いでいました。
ワールドカップを生で見て酒井宏樹って本当に良い選手だなと思っていたら、3年後まさかレッズで見れるとはこの時は思いもしませんでした。酒井がレッズに加入するとニュースに出た時は嬉しすぎて思わず変な声が出ました(笑)
今年(2021年)のレッズの補強は過去にない位的確過ぎてヤバいです。
後半のキックオフです。後半は日本代表がこちら側に攻めてきます。
後半早々に柴崎選手のスルーパスに右サイドの原口選手が抜け出してDFを振り切ってGKと1対1の状況でキックフェイントを入れたシュートがファーサイドに決まり、日本代表が先制しました。
私はレッズサポなので原口選手は思い入れのある選手の一人です。そんな彼のゴールが目の前で見れて本当に嬉しかったです。周りの日本人サポーターとハイタッチをして喜びを分かち合いました。
そして強豪ベルギー相手に先制できたのは本当に大きい。もしかしたら勝てるんじゃないかという希望が見えてきました。
先制してからすぐに2点目が決まります。
一瞬の隙をついた乾選手のワンステップからのボールの芯を捉えた無回転の強烈なミドルシュートがゴールに突き刺さりました。
伸びていくシュートの弾道がゴールに突き刺さった瞬間に喜びを爆発させました。この時のゴール裏の盛り上がりは凄かったです。周りの人達と抱き合ったりハイタッチしながら雄叫びを上げました。
これは勝てるんじゃないかという希望が、この試合は勝てる!行ける!!勝たなきゃダメだ!!!と変わります。
2-0とリードした後はベルギー代表も焦っているのか今度は日本代表が試合の主導権を握って試合が進みます。
これは完全に勝てる流れです。このまま勢いに乗って試合を進めて、あわよくばもう一点取って試合を終わらせて欲しいと思っていました。
試合を見ながら次の試合のチケットの入手と旅程をどうやって組み替えて次の試合会場のカザンに行くかを考えていました。出発前に組んだ旅程ではこの後はサンクトペテルブルク入りして2泊して次のカザンでの試合の後にカザンへと飛行機で入るような旅程になっているので、サンクトペテルブルクの1泊を削るかあるいはサンクトペテルブルク行きを止めてモスクワに戻り、チケットを入手してからカザンへと行くような旅程にしようかと何となく考えていました。
しかし、ベルギーのCKから失点し2-1とされてしまいます。こちらから見ていた分には「これ入っちゃうの?嘘でしょ?」って言うようなしょうもない失点に見えたので非常にもったいなく感じます。
1点返されるとベルギー代表が勢いづいてあれよあれよという間に2点目も決められ同点に追いつかれてしまいました。
もう試合の流れ的にかなりヤバい感じです。これは完全にひっくり返される様な流れだしスタジアムの雰囲気もヒートアップしています。
この試合の観客数です。
数日前のサマーラからヴォルゴグラードへの鉄道移動で相部屋になったロシア人家族もヴォルゴグラードでの日本対ポーランド戦を見た後にロストフでラウンド16の試合を見た後黒海にバカンスに行くと言っていたので、この試合もロストフアリーナのどこかで見ていることでしょう。
日本対ポーランド戦は日本人として申し訳なく思う位の酷い試合でしたが、この試合は物凄い激戦です。この素晴らしい試合が生で観られたなら彼らもきっと満足していると思います。
その後は一進一退の攻防を繰り返して、後半終了間際に本田圭佑選手の惜しいフリーキックからコーナーキックを獲得します。
「頼む!ここで決めてくれ!!」という思いを乗せたコーナーキックでしたが、その思いとは裏腹に後日あの「ロストフの悪夢」と語り継がれる大逆転負けの引き金となってしまいました。
コーナーキックがGKのクルトワ選手にキャッチされ、全体的に前ががりでこれはヤバいと思っていたら案の定そのままカウンターの引き金となり、パスを受けたデブライネ選手がハーフライン付近まで持ち上がった時にディフェンス陣が戻りきっていないので「誰か止めてくれ!」と思いました。そしてハーフライン付近で山口蛍選手がデブライネ選手を止めに行きましたが、何も出来ずにそのまま右サイドにパスを許してしまいます。この時は「何でそこでファールで止めないんだよ!(怒)」と思ってしまいましたがそんな事を思っている一瞬の間に右サイドからグラウンダーのクロスを上げられて「頼む、外してくれー!」と思いましたが、ゴール前に走り込んだルカク選手が冷静にスルーして後ろから走り込んできたシャドリ選手に決められて言葉を失いました。
劇的な逆転ゴールにスタジアムは物凄い熱気と興奮に包まれています。私も周りの日本人サポーターも唖然として言葉を失っています。
このCKからのベルギー代表の鋭い見事なカウンターは生で見ていた日本人サポーターの1人としてはトラウマレベルの衝撃でした。3年経ってブログを書いている今でも目を瞑るとあのカウンターのシーンは明確に思い出せます。
センターサークル付近でイエローカードかレッドカード覚悟のファールで止められなかったのが全てだと思います。私はベルギーのカウンターの早い段階でカード覚悟のファールでカウンターを潰せなかった日本代表の選手達の未熟さがあの試合の勝敗を分けたと思います。
もうロスタイムの残り時間も少ない中で2-3と逆転されたのでセンターサークルから再開した直後に試合終了です。日本代表初のワールドカップベスト8への道はここで断たれました。
試合直後の感想はもう呆然としていてあのコーナーキックのカウンターからの失点は本当に鮮やかで劇的過ぎてショックです。劇的な結末過ぎて本当に呆然としてあそこで何とか出来なかったのかという悶々とした思い以上に「何でだよ、勝てた試合じゃん」と勝てた試合を逃した敗戦の悔しさがこみ上げて来ました。
日本代表のサポーターのいるエリア以外のスタジアムの盛り上がりも最高潮でした。それとは裏腹に私達日本代表サポーターがいるエリアはお通夜の様な雰囲気です。
試合終了のホイッスルが鳴ってから暫くすると段々冷静になってきて試合後に挨拶に来た日本代表の選手達へ「ここまで良く頑張った、ありがとう」という素直な気持ちで拍手と日本コールで送り出せました。
この結果に一番堪えたのは当然ながら我々日本人サポーターではなく実際にプレーした選手達だと思います。挨拶もこちらの日本人サポーターが多くいるエリアまでは来ませんでした。心情はマジでお察ししますと言うかこの場にいる日本人全員がこの悔しい劇的な結末を飲み込むのに時間が必要でした。
選手達がピッチから下がった後は暫く座席で呆然としていました。
ああ、本当に悔しい!!!
この試合の感想を一言で言うならそんな感じです。とにかく悔しかった。私はレッズサポで日本代表の熱烈なサポーターではありませんが、この時は本当に悔しかったです。
ですが、ワールドカップのラウンド16で今大会のベストゲームの1つと言える熱戦が生で観れたのはサッカーファンとしてはとても幸せな事です。負けはしましたがここまで連れてきてくれた日本代表の選手達と西野監督には本当に感謝しかありません。
ですが、日本代表がこれ以上の成績を目指すなら、この大会を「よく頑張った、感動した!」で終わらせずになぜ勝ちが見えていたこの試合で逆転負けを喫したのかをしっかりと検証していく必要があると強く思いました。
ロシアまで遥々ワールドカップを観に行って本当に良かった!!!
旅費も40万円近くかかって決して安くはありませんが、一生モノの経験や素晴らしい思い出が出来ました。
試合後は暫くこの試合の余韻に浸りつつ、悶々とした悔しい気持ちを時間をかけて消化してスタジアムを後にします。
ライトアップされるロストフアリーナを見ながらこれで私の日本代表サポーターとしてのワールドカップが終わったんだなという寂しい気持ちがこみ上げてきました。
ホテルがある方向はシャトルバスが出る方向とは逆なので、人気の少ない夜道をトボトボとホテルまで歩いて戻りました。ホテルへの帰り道の記憶はほとんどありません。
23:30頃にホテルに戻ってきてもう一度シャワーを浴びてベッドに入り寝ようとしてもやはりあの劇的な3失点目のカウンターのシーンを思い出してしまい中々寝付けませんでした。
この日はワールドカップロシア大会のベストゲームの1つと言える好ゲームを生で観れたのは本当に素晴らしい体験でしたが、負け方が劇的過ぎてもう本当に悔しかったです。
死ぬまでに1度はワールドカップを生で観てみたいという思いでこの旅に出ましたが、1回ワールドカップを生で観るとまたワールドカップを観に行きたくなりました。
この日でワールドカップの旅行記は終了ですが、私はまだ1週間以上ロシアに滞在します。これから先は純粋なロシア旅行を楽しもうと何とか気持ちを切り替えようと思いながら眠りにつきました。
翌日の夜にロストフからサンクトペテルブルクへ国内線の飛行機で移動します。21:40発のフライトなので昼間はロストフ・ナ・ドヌ市内を観光します。