前回と前々回に旅程と費用の記事を書きましたが、今回から実際のワールドカップ観戦の旅行記を書き始めます。
日本を出発したのはまだワールドカップ開幕前の2018年6月9日の土曜日でした。ワールドカップ開幕前に日本を出国したのは当然ながら日本代表の試合前後の日よりも航空券が遥かに安かったからです。
初日(2018年6月9日)のスケジュール
- 自宅から成田空港へ移動し、S7航空の成田→ドモジェドヴォ便でモスクワへ
- ドモジェドヴォ空港到着後にロシアへと入国し、空港からAeroexpressでモスクワ市内に入り、予約していたホテル(Holiday Inn Express Moscow Paveletskaya)にチェックイン
- ホテルに荷物を置いてからモスクワ市内を観光
初日は日本を出てモスクワへと移動し余った時間で観光するという感じです。翌日はドモジェドヴォ空港からミュンヘンまで飛ぶのでモスクワでは完全にトランジット目的の滞在になります。モスクワでのミュンヘンへの乗継の都合上モスクワで1泊する必要がありました。
購入した航空券の詳細
S7航空の成田からミュンヘンまでの往復航空券を諸税込77,870円で日本のエクスペディアから購入しました。マイルやポイント等の利用はせずに正攻法で購入した航空券です。
初日はモスクワ到着が15:00で翌日の13:05発のミュンヘン行きに乗るには22時間位待ち時間があるのでモスクワ市内にホテルを取って一旦ロシアに入国しています。復路のモスクワ乗継で4週間位ストップオーバーしています。
- 6/9 S7 4122(JL 421) NRT-DME(10:45-15:00)
- 6/10 S7 897 DME-MUC(13:05-15:15)
- 6/18 S7 898 MUC-DME(16:15-20:25)
- 7/10 S7 4121(JL 422) DME-NRT(17:15-8:35+1)
こんな長期日程でストップオーバー可能で、成田とモスクワ往復がJAL運行という事を考えると超絶コスパの航空券です。マイルもJMBに加算率25%ですが貯められました。
成田からJALのモスクワ線でロシアへ出発
今回購入したロシアのS7航空の航空券は成田モスクワ間が往復ともJAL運行のコードシェア便なので成田空港ではJALのカウンターでチェックインを行います。
今回の旅は1ヶ月以上と長期の1人旅で寝台列車等での都市間移動がやたら多いので荷物は最小限にして旅立ちました。最小限と言ってもリモワの大きいスーツケース1台とミレーの35L位の登山用のリュックを背負って行きました。
スーツケースをチェックインカウンターで預ける際にミュンヘンまでスルーで預けずにモスクワでピックアップする事を伝えて手続きして貰いました。今回はコードシェア便でJALのWEBサイトで事前にWEBチェックインをしていなかった(コードシェア便でWEBチェックイン出来ることを知らなかった)のでカウンターで発券された座席は2-4-2の4の列の真ん中という1人旅では最悪の場所に座ることになってしまいました。
私はJGC会員なのでワンワールドサファイアのステータスがあり、S7航空はJALと同じワンワールドに加盟しているのでラウンジの利用が出来ます。成田のサクララウンジで一休みしてからモスクワ行きのJL421便に搭乗しました。
機内はほぼ満席でJAL運行なので日本人も多く乗っていました。機内サービスも安定のJALなのでモスクワまでの移動は快適でした。ドモジェドヴォ空港へは定刻より早く到着出来ました。
ドモジェドヴォ空港でロシアに一旦入国
今回ロシアに旅立つ際にワールドカップの試合チケットを購入した人は必ずFANIDというロシアへの入出国がワールドカップ期間前後は無制限に出来るロシアのマルチプルビザの様なシステムに事前登録する必要があり、ワールドカップ前にFANIDが自宅に郵送されてくるのでパスポートとFANIDを持って入国手続きを行いました。
日本人がロシアに入国するとなると極東ロシア(ウラジオストク)以外はビザが必要なので中々大変です。
トランジットビザなら航空券があればネットで手続きをしてから六本木にあるロシア大使館に行ってビザの発行が出来ますが、観光ビザは個人で取得しようとすると結構ハードルが高かったのでビザ無しで入国できるのは大変助かりました。
入国審査は割とあっさり終わりロシアに入国できました。モスクワへは2017年にもトランジットで往復1泊ずつしているので通算3回目のロシア入国になります。前回のロシア入国から1年も経っていないので変な緊張感は全くありませんでした。
今回の旅では一応4週間位ロシア国内に滞在することもあり、NHK教育のロシア語教育の番組を録画して何回か見て、キリル文字が読めてロシア語の挨拶や飲食店での注文が出来る位の簡単なロシア語が話せるレベルまでロシア語力を付けてから旅に出ています。ロシアは英語があまり通じないのと、今回は地方都市に行くので単語の意味がわからなくても文字が読めて簡単な言葉でも話せると結構違います。
ドモジェドヴォ空港からモスクワ市内へはAeroexpressを利用
Domodedovo空港からMoscowへは普通にAeroexpressという電車で向かいました。日本で言うなら成田エクスプレスやスカイライナーみたいな空港と街を繋ぐ運賃がちょっと高い電車です。Aeroexpressの切符は普通に駅で往復を購入すると500RUBですが、Aeroexpressのサイトからネットで購入すると420RUBになるので事前購入していきました。当時のレートで1RUBが1.8円位なので150円位の節約でしょうか。
アエロエクスプレスはフリーWIFIが使えました。まだロシア国内で使えるSIMを入手していないのでWIFIが使えるとホテルへの道のりがGoogleマップで確認出来たり色々便利です。
ロシア国内で使うプリペイドSIMは期間が1ヶ月単位の物が多く、初日の6月9日に購入して使用すると7月9日までしか使えず、7月10日の最終日に使えないので初日はプリペイドSIM無しで来週モスクワに戻ってくる際に購入することにしました。
Paveletskaya駅からホテルへ
この日宿泊するホテルはHoliday Inn Express Moscow Paveletskayaです。このホテルはPaveletskaya駅から徒歩10分もかからない位の場所にあり、今回の様なドモジェドヴォ空港での1泊のトランジットには最適な立地です。
駅からホテルへは特に迷わず到着できました。
Holiday Inn Express Moscow Paveletskaya
このホテルは私が良く利用するIHG系のチェーンホテルです。日本だとANAインターコンチネンタルやANAクラウンプラザと同系列です。ホリデイインエクスプレスはホテルのグレードとしては3つ星位で日本のちょっと良いビジネスホテル位のグレードです。Holiday Inn Expressの特徴としては朝食が無料で付いてくるのが一番の特徴でしょうか。
アメリカ系の国際的チェーンホテルなので英語が通じます。当然ですが日本語は通じません。
私はIHG系のゴールド会員でポイントも貯めています。ゴールド会員だとアップグレードの確約は明記されていませんが、結構アップグレードしてくれる確率が高いのでお得に旅が出来ます。ホリデイインエクスプレスだと高グレードの部屋の設定が無いのでアップグレードの恩恵はあまり無いですが、これがホリデイインやクラウンプラザ、インターコンチネンタル位のブランドの場合一番安い部屋からスイートやジュニアスイートと言った3ランク位上の部屋にアップグレードされることもたまにあるのでついついIHG系のホテルを多用してしまいます。
この日はIHG系のポイントを貯めるプロモーションのAccelerateプロモーションが丁度良い感じに今回の旅だけでクリアできるので価格はちょっと高いですが立地が良いこのホテルに宿泊しました。
宿泊した部屋
予約した部屋は「1bd With Sofa Bed Nonsmoke」という禁煙の一番安い部屋です。これで税込み1泊3,532RUB(6,469円)でした。この時はまだワールドカップ開幕前なのでホテルがそこまで高騰していません。1年前にトランジットで宿泊した時は近くの別のホリデイインが5千円位で泊まれたので普段よりちょっと高い位の価格です。ちなみにワールドカップ開幕後はホテルが常に満室でした。
このホテルは新しい事もあり部屋は綺麗で内装の雰囲気もカジュアルモダンと言う感じです。IHG系のホテルはデスクやカウンターにコンセントがちゃんとあってノートPCがあっても作業しやすい環境が整っているのが気に入っています。
WIFIも無料で速度も割と早くて安定していました。このホテルに限らずロシアはネット環境がかなり良くて驚きました。
バスルーム
ホリデイインエクスプレスなので水回りはやや質素な感じです。
バスルームはシャワーブースのみでバスタブは無く、普通のホリデイインエクスプレスという感じです。シャンプー、リンス、ボディーソープは備え付けの3in1タイプの物が用意されていました。
ホテルの部屋に荷物を置いて一休みしてからモスクワの街中へ
時刻は20時を過ぎていましたが、このままホテルで過ごすだけではわざわざモスクワ市内のホテルを取った意味が無いのでモスクワの観光をするために赤の広場の方へホテルからトラムで移動しました。
モスクワの街の中心部付近にやって来ると中々良い感じの綺麗な街並みが広がっています。チェコのプラハの様な東欧の素敵な街という感じで社会主義的な味気ない建物が建ち並ぶ街並みとは一線を画しています。
しばらく歩いてモスクワ川にかかるボリショイ・モスクヴォレツキー橋まで来ました。遠くには聖ワシリイ大聖堂が見えています。モスクワの街を歩いてみて感じるのは意外と治安が良いという事です。ヨーロッパでたまに見かける物乞いは全くいませんでした。
ボリショイ・モスクヴォレツキー橋から見たモスクワ川の景色です。右側がクレムリンです。結構良い感じの景色です。東欧系の街並みが好きな人ならモスクワは気にいると思います。
橋を渡ると聖ワシリイ大聖堂の裏側に出ます。この玉ねぎ屋根の教会はロシアのシンボル的な建物なので映像や画像で見たことがある人も多いと思います。
そして赤の広場へとやってきました。グム百貨店がイルミネーションでライトアップされています。観光客も結構いますね。
赤の広場の南側に聖ワシリイ大聖堂があります。中に入るにはチケットを買って入る必要がありますが、この日は既に閉館している時間だったので中には入りませんでした。
この門の内側はクレムリンです。時計台の時刻が21時半を過ぎていますがこの明るさです。緯度が高いと夏の日照時間が長くなる代わりに冬の日照時間が短くなります。
赤の広場では数日後のワールドカップ開幕に向けてまだ色々準備中な感じがしました。観光客やメディアもちらほらいてワールドカップ開幕に向けて静かに盛り上がってきている感じがしました。
赤の広場の先の方は工事中で行けなかったので引き返します。
この日はもう21時半を周っていたのでホテルに戻ります。22時間のトランジット中なので観光自体はちょっとしかしていませんが、ドモジェドヴォ空港付近のホテルに泊まって何もしないよりは充実した時間を過ごせました。
ワールドカップロシア大会のオブジェクトが街角に設置してありました。手前のキリル文字はロシア語でロシアと書いてあります。明日からは1週間ヨーロッパに移動しますが、1週間後のサランスクでの日本代表対コロンビア代表を見るためにまたモスクワに戻ってきます。本当に来週のワールドカップ開幕が楽しみです。
22時位で割と暗くなってきました。ボリショイ・モスクヴォレツキー橋からの夜景が良い感じで綺麗だったのでカメラで何枚も写真を撮影しました。
正面の建物はこれぞ「ザ・社会主義」的な感じの建物ですね。
モスクワ川の夜景がとても綺麗でした。写真を撮ってからホテルに行きと同じルートでトラムに乗って戻ってこの日は終了です。夕食は機内食でお腹いっぱいだったので抜きました。
初日は成田空港からモスクワへの移動がメインでしたが無事ロシアにFANIDで入国出来てちょっとした観光も出来たので上々のすべり出しです。翌日はドモジェドヴォ空港に戻りドイツのミュンヘンへとS7航空で移動し、ミュンヘンからオーストリアのマイヤーホーフェンというチロル地方の町へと電車で移動します。