10日目はいよいよロシアに戻ります。この旅の目的はワールドカップの日本戦を観に行くのが一番の目的なのでようやくサッカー色が濃い旅になってきました。

旅の2日目〜10日目まではホテル代が高いロシアを離れてヨーロッパに滞在していましたが、日本対コロンビア戦が翌日にモスクワから電車で8時間程の所にあるサランスクで開催されます。

10日目はS7航空898便のMUC-DME(16:15-20:25)でミュンヘン国際空港からモスクワのドモジェドヴォ国際空港まで飛行機で移動します。モスクワに到着した後はモスクワのカザンスキー駅を25:10に出発するサランスク行きの寝台列車に乗らなければいけません。

10日目(2018年6月18日)のスケジュール

  • Holiday Inn Munich Unterhachingをチェックアウト
  • ミュンヘン国際空港へ電車(Sバーン)で移動
  • S7航空のミュンヘン→ドモジェドヴォ(モスクワ)便でモスクワへ
  • モスクワでSIMカードを調達
  • 寝台列車が発着するカザンスキー駅へ移動
  • カザンスキー駅でサランスク行きの無料列車に乗車

ミュンヘン国際空港からモスクワへ

ミュンヘン国際空港のターミナル

朝に2泊したホテルをチェックアウトしてから最寄り駅のタウフキルヘンまで徒歩で移動し、タウフキルヘン駅でミュンヘン国際空港までの切符(15EUR/1,525円)を購入してから近郊電車のSバーンでミュンヘン東駅でミュンヘン国際空港行きのSバーンに乗換えてミュンヘン国際空港へ移動しました。

飛行機に絶対に乗り遅れるわけには行かないので出発時刻の2時間半前にミュンヘン国際空港に到着しましたが、S7航空のモスクワ(ドモジェドヴォ)行きチェックインカウンターがまだ開いていませんでした。

チェックインカウンターは開いていませんでしたが、既に乗客が並んでいたので私も列に並ぶと、近くにコロンビア代表のレプリカユニフォームを着ている2人組がいたのでつい話しかけてしまいました。

彼らに(日本対コロンビア戦の試合会場の)サランスクに行くの?と英語で聞いてみたら勿論!との答えが返ってきました。

私はその時に普通の服装だったので彼らに「何で日本代表のレプリカユニフォームを着ていないの?」と聞かれましたが、リュックの中にあるから後で着替えるんだよと答えたりしながらチェックインカウンターが開くまで沢山会話しました。

日本の報道ではコロンビアのファンが2万人くらいロシア入りするらしいと言われているけど本当?と聞いたら本当みたいです。凄いなコロンビアサポーター。人生賭けてる感じが本当に凄い。その情熱には頭が下がります。旅費がない人は車を売ったお金でロシアまで来たとか凄い話も聞けました。

チェックインカウンターが開いてチェックインをしたタイミングで彼らと一旦お別れして出国審査を終えてからラウンジに行きました。S7航空はJALと同じワンワールドに加盟する航空会社なのでJALのサファイア以上のステータスがあればラウンジを使うことが出来ます。私は毎年自動的にサファイアのステータスが付与されるJGC会員なのでラウンジが使えます。

ラウンジで飲み食いしながら出発までの時間を過ごそうかと思っていたら何と先程のコロンビアサポーターの2人組も同じラウンジにいて思いがけない再会に私も彼らも驚きました。空港ラウンジって誰でも入れる場所ではないので彼らもステータス持ちだったようです。

ラウンジでも同席させて貰って軽食を食べながらどうやってドイツまで来たのかとかモスクワからサランスクにどの電車で行くのかとか1時間位色々話したりしていました。

コロンビアサポーター2人組の彼らは兄弟でコロンビアの首都のボゴタからマドリードに飛んでそこからミュンヘンに移動してモスクワ入りするみたいです。モスクワからサランスクへは私の乗る無料電車とは別の無料電車で移動するとの事でした。

コロンビア代表はサランスクでの日本戦の後にサマーラでの試合があり、彼らはサランスクで数泊した後にサマーラに移動するとのことでした。サランスクで泊まるの超高くない?ホテル取れたの?と聞いたら彼らはホステルに1泊6千円位払って宿泊するとの事でした。ホステルでその価格は超高くない?と聞いたら超高かったけど仕方ないから予約したと言っていました。

私は日本戦の後はサランスクには留まらずにサランスクの隣町のルザエフカから寝台列車でウファという別の街に移動します。というのもサランスクはワールドカップ開催都市の中では一番の小都市で市内の宿泊施設が少なくまともな価格でホテルが確保出来ませんでした。なので旅費を節約するためにホテルには泊まらず寝台列車で別の都市に行ってしまおうという考え方で旅程を組んでいます。

そんな感じで雑談しつつ、彼らと交代でラウンジのシャワールームに入ってシャワーを浴びました。2夜連続で寝台列車の移動になるので次にシャワーを浴びれるのは2日後のウファのホテルです。そんな事をしみじみ考えながら念入りにシャワーを浴びました。シャワーを浴びた後は日本代表のレプリカユニフォームに着替えました。

その後ラウンジに居た日本人夫婦と会話する機会があり、その人達はリバークルーズを楽しんで日本行きの飛行機に乗るみたいでした。私も2回程海のクルーズ旅行の経験がありますが、リバークルーズの経験は無かったので色々聞いてしまいました。

クルーズ旅行に関しては実際に船に乗ってみないと良さがわからないと思います。クルーズ旅行は高齢者御用達のイメージがありますが、移動がとにかく楽なので子連れにも向いていると思います。「クルーズ=お金持ちしか乗れない、敷居が高い」という様なイメージを持っている人も多いと思いますが、クルーズ船にもホテルの星みたいなランクがあり、カジュアル船と呼ばれている様な敷居も価格もそこまで高くないクルーズも普通にあります。

そんな感じでちょっと会話した後飛行機の出発時刻が近づいてきたのでコロンビアサポーターの兄弟と一緒にモスクワ行きの搭乗ゲートまで行きました。

搭乗ゲートでは彼ら以外のコロンビアサポーターも数人いて、クロアチアサポーターも1人いたのでみんなで即席の写真撮影会みたいなってロシア入りする前から盛り上がりました。皆サッカーが好きでわざわざロシアまで観に行く様な人達なので言葉が通じなくても心が通じ会えると言うかお互い何となくで会話が出来るのが中々面白かったです。

流石にミュンヘン→モスクワ便に乗っている日本人は見かけませんでした。

1週間ぶりにモスクワのドモジェドヴォ国際空港へ

モスクワ郊外のドモジェドヴォ国際空港に到着

S7航空898便のMUC-DME(16:15-20:25)でモスクワに到着し、入国審査は各国のサッカーファンでごった返していて1時間位費やしました。その間にミュンヘンの空港で仲良くなったコロンビアサポーターの兄弟とはお別れして一人で行動しています。

私は成田発モスクワ経由ミュンヘン行きのS7航空の航空券を購入して旅しているのでこれが3区間目です。これから3週間モスクワでストップオーバーする旅程になっています。単純にモスクワ往復にしなかったのはモスクワ往復よりもミュンヘンまで飛んだ方が航空券が安かったのと、ワールドカップ期間中のロシアのワールドカップ開催地のホテル価格が軒並み高騰していて予算的にロシア滞在は最小限にしたかったというのもあります。

その後空港内で通信がロシア全土で有効で通話がモスクワ圏内のみ有効な1ヶ月有効のMTSの50GBのプリペイドSIMを2,000RUB(約4,000円)で購入しました。正直割高感がありましたが、この日はもう22時近くでなおかつ25:10発のカザンスキー駅発の寝台列車に乗らないといけなかったので時間的な余裕もないし、次にモスクワに戻ってくるのは約2週間後です。

なのでSIMはこの日になんとしても手に入れておきたかったという事情があったので外国人でも確実にプリペイドSIMが入手できる空港内で割高でも購入しました。

その後空港のmegafonのカウンターでは25GBで1ヶ月有効なSIMが1,000RUBであったので正直そっちの方が良かったですが、既にMTSのSIMを買ってしまった後なので仕方ありません。

とりあえずこのSIMのおかげでロシア滞在中のネット環境を確保することが出来ました。後はドモジェドヴォ空港からカザンスキー駅に移動するだけです。寝台列車の出発まで3時間位ですが、ドモジェドヴォ空港からモスクワのパヴェレツカヤ駅まで45分、パヴェレツカヤ駅からカザンスキー駅まで地下鉄で1回乗換えて25分位なので時間的には間に合いそうです。

ドモジェドヴォ国際空港からカザンスキー駅へ

アエロエクスプレスの片道チケット
アエロエクスプレスの片道チケット

ドモジェドヴォ国際空港からモスクワ市内へはaeroexpressという空港とモスクワ中心部に近いパヴェレツカヤ駅を結ぶ電車があり、45分程でモスクワ市内に移動できます。日本で言うなら成田エクスプレスとか京成スカイライナーみたいな電車です。運賃は片道420RUB(約760円)で駅の発券機で買うよりもネットで購入する方が安かったので早速プリペイドSIMとスマホでオンラインでチケットを購入してQRコードを改札でスキャンさせてホームへと向かいます。

この辺の仕組みは地味にロシアの方が日本よりも進んでいました。アエロエクスプレスでパヴェレツカヤ駅までは特に遅れもなく到着したので寝台列車に乗り遅れることは無さそうです。

モスクワの地下鉄は地下深くにあり、エスカレーターは長くて速い

パヴェレツカヤ駅からカザンスキー駅までは地下鉄で移動します。地下鉄の車内で日本人の方がいたので話してみると大阪から来たガンバサポの方で私と同じくカザンスキー駅からの無料電車に乗るみたいなので一緒に移動しました。

モスクワの地下鉄はバリアフリー化されていないので大荷物があると地味に大変です。地下鉄駅のエスカレーターの長さと速さはロシアならではでした。日本の遅いエスカレーターに慣れているとロシアのエスカレーターのスピードに面食らいます。

キリル文字で書かれているカザンスキー駅の電光掲示板
カザンスキー駅にはサランスク行きの電車を待つコロンビアサポーターと日本サポーターで溢れていました

カザンスキー駅に到着したのが23:49でまだ1時間半程余裕があります。電光掲示板を見てみると一番左下にキリル文字でSARANSK FIFA 01:10とあるのでこれが私の乗る無料電車でしょう。

私はロシアに行く前に最低限のキリル文字が読めるようにNHK教育のロシア語の教育番組を録画してお金をかけずに勉強しました。今回の旅ではロシア各地に4週間近く滞在するので簡単なロシア語も覚えてきています。

サランスク行きの電車は電光掲示板を見る限り5本あります。FIFAと目的地の後ろに書いてあるのがワールドカップ観戦者用の無料電車で3本、普通の有料電車が2本ありました。

駅のホーム付近では電車を待つコロンビアサポーターと日本サポーターが沢山いて人で溢れかえっていました。割合としてはコロンビアサポーターが8か9:日本サポーターが2か1位でコロンビアの方が圧倒的に多かったです。昼頃ミュンヘンの空港で仲良くなったコロンビアサポーターが言っていた2万人位ロシア入りするという話は本当みたいでした。

午前0時のカザンスキー駅前
カザンスキー駅の向かい側にあるレニングラーツキー駅

時間的に余裕があったのでガンバサポの方とはここで別れてグーグルマップで近くのスーパーを検索したら地下鉄で1駅位の所にスーパーマーケットがあったので徒歩でスーパーマーケットに行って飲み物や食材なんかを買ってから戻ってきました。

ロシアは意外にも24時間営業の店が多く深夜でも普通にスーパーが開いているのでとても便利でした。

いよいよ無料寝台列車に乗車してサランスクへと向かいます
試合の観戦チケットを持つ人だけが予約出来る無料電車のEチケット
試合の観戦チケットを持つ人だけが予約出来る無料電車のEチケット

スーパーからカザンスキー駅に戻ってきて10分位待ってからいよいよ寝台列車に乗車します。自分の予約した車両に乗り込む前に駅員さんに無料電車のEチケットとパスポートとFANID(ビザ代わりになるワールドカップ観戦者用のID)を提示してから乗車しました。

この無料電車はワールドカップの試合のチケットを持っている人なら試合日の前後3日間で試合会場の都市が出発地もしくは目的地なら予約出来ますが、無料電車の本数が多くなかったので争奪戦になりました。私も良い時間の電車の予約が取れませんでしたが、幸い予約を入れることが出来ました。

もしこの電車の予約が取れなければ普通のロシア国鉄の有料の寝台列車でモスクワからサランスク入りするつもりでした。

ロシア国内の移動は飛行機の国内線か有料の普通の電車、ワールドカップ観戦者用の無料電車と大体3パターンがあります。国内線は短時間で移動出来ますが、満席で予約がそもそも取れずに運賃も非常に高騰していました。普段は3千円や5千円程度で乗れる区間が片道6万円とか凄い値段に高騰していた事もありました。

普通のロシア国鉄の電車は普段よりは価格が高いものの、普段の安い時が2千円で行ける区間が3千円とか4千円とかになる位の値上がり幅でなおかつ寝台列車なのでホテル代がかからないというメリットがあります。

今回乗ったワールドカップ観戦者用の無料電車はロシア国鉄の2等寝台相当の席に無料で乗れるので予約時は争奪戦になったものの予約さえ出来ればこれが一番最安の移動方法でした。飲食は有料ですがシーツやタオル等のリネン類も無料で提供されます。ただ、無料電車の設定は開催都市とモスクワ間の運行が多く、モスクワではない都市に行きたい場合はこの方法がほぼ使えないというのが欠点でした。

4ベッドの2等相当の寝台列車のコンパートメント内

車内はロシア国鉄の2等寝台の車両で、左右に上下2段ずつの寝台です。下段は今は座席になっていますが、背もたれを手前に倒すことでベッドになる仕組みです。大きいスーツケースを持ち込んでの乗車なので荷物が入るか若干心配でしたが、下段の座席の下に入れることが出来たので良かったです。

この車両はエアコンがついている車両でしたが発車前はエアコンが入っておらず暑かったです。発車後はエアコンが効きますが、天井にエアコンがついているので上段は冷気が直撃するので寒かったです。また、コンパートメント内にコンセントも無く、トイレは微生物で分解するバイオトイレではなく線路に垂れ流す古いタイプのトイレでした。垂れ流すタイプのトイレは街中を走行している時はトイレが使えません。設備面では外れの車両と言えます。窓の上にWIFIマークがあったのでWIFIが使えるものだと思っていましたが、実際にはWIFIが使えませんでした。

荷物を置いて乗客も乗ってきた所で、丁度隣のコンパートメントのコロンビアサポーターの人に声をかけられ、どうも家族が私が乗っているコンパートメントと隣のコンパートメントとで別れてしまったので席を変わって欲しいと言うことなので席を変わってあげました。

移動した先のコンパートメントで同室になったメンバーは私(日本人男性)の他に日本人女性1人とコロンビア人男性2人でした。

コロンビア人2人は深夜2時過ぎでも超ハイテンションでしたが、私と日本人女性は早く寝たかったので彼らより先にベッドで寝ました。翌朝何時まで起きていたか聞いてみたら3時過ぎまで起きていたようです。

この日はドイツのミュンヘンからロシアのモスクワまで飛行機で移動し、更にモスクワからサランスクまで寝台列車に乗っていどうするという中々ハードなただの移動日でしたが、日本人やコロンビア人のサッカーファン同士で会話して盛り上がったりすることも多く楽しかったです。翌日はいよいよサランスクに到着してワールドカップの日本代表対コロンビア代表の試合を観戦します。