私の家は県民共済住宅で可能な限り高気密高断熱を突き詰めてエコハウスを建てて新居に2022年4月末に引越しました。そこから2ヶ月新居で暮らした訳ですが電気代は月1万円を超えていて思っていたよりも高かったです。
私の家は5.1kWの太陽光発電、オール電化、エアコン1台か2台での全館冷暖房、更にEV(電気自動車)を所有していて大人2人、子供2人の4人家族でだれかしら毎日在宅しているので電気はかなり使う家庭だと思います。
実際の電気代はどれ位になった晒してみるので参考にしてみて下さい。契約している電力会社は東京電力で料金プランはオール電化向けのスマートライフSでアンペア数は60Aの契約になります。
2022年5月分の電気代
2022年5月分の電気代は1万円どころか14,613円と15,000円近くになってしまいました。正直な感想としては思っていたよりも高いと言うか、月7千円位で済んだら良いなとか思っていたので想定外も良い所です。この消費電力の424kWhには太陽光発電の自家消費分も含まれています。
5月は寒い日も何日かあったのでエアコンの暖房を入れたり、暑い日はエアコンの冷房をした日もありました。どれ位の消費電力になるか知りたかった事もあり節電はあまり考えずに窓は開けないで基本的にエアコンはつけっぱなし、24時間換気システムはトイレの換気扇も浴室換気も含めて常に動かしっぱなしでした。
そんな感じで節電は意識せず、むしろ全く節電しないで電気代がいくらになるか知りたかったので思っていた以上に電気代がかかってしまっています。
2022年5月の太陽光発電の稼働状況
太陽光発電のモニターを見ると実際に使った電力は600kWh超えだったので200kWh以上太陽光発電で賄えた感じです。太陽光発電のモニターの消費電力量と東京電力の明細は計測期間が異なるので消費電力量は一致しませんが、目安だとこんな感じです。
5月6日から太陽光発電の稼働が始まったのでそれまでは昼間は太陽光発電の発電分で消費電力が相殺されない状態でした。5月6日からは太陽光発電が動き出して自家消費に回せるようになったので晴れた日の昼間の消費電力が抑えられていますが売電を行うための系統連系がまだなので太陽光発電で余った分の売電が出来ず、余剰電力は捨てているような状態でした。
2022年6月分の電気代
6月は5月よりも電気代が減りました。これは昼間の太陽光発電を上手く活用出来るようになってきてエコキュートの焚き上げ時間と消費電力の調整だったり、電気自動車の充電だったり、食洗機を動かす時間だったりを太陽光発電で発電している時間帯に意識的に行うようにした結果です。
現状の課題としてはせっかく東京電力のオール電化向けのスマートライフSの電力プランにも関わらず電気代が安い深夜帯に動かしている機器がないので効率的な運用方法をもっと考えていく必要がありそうです。
エアコンは少しでも暑かったり寒かったりした時は基本つけっぱなしにしていますがエアコン無しでも問題ない日は消していました。エアコンの設定はまだ最適化出来ていないので試行錯誤している最中です。
本音としては夏冬以外の季節は月1万円を切りたいと思っていますが、良く考えてみると私の場合は家族4人で誰かしら常に在宅していてオール電化に加えて車がEVなのでこの電気代にガス代とガソリン代が含まれていると考えると月12,052円はそこまで悪くないのかなと思います。
2022年6月の太陽光発電の稼働状況
6月は梅雨の時期なのでエコキュートは昼間に焚き上げて太陽光発電で自家消費するよりも普通に深夜電力で焚き上げた方がトータルの金額は安いと思いますが、まだ売電が始まっていなかったので太陽光発電の電力を使い切らないと勿体無いという発想で出来るだけ昼間の時間に色々動かしているので太陽光発電のモニター上の自家消費率が49%と5月分よりも向上しました。
6月25日に系統連系がスタートしてようやく売電出来るようになり、これからは売電収入も発生するので実質的な電気代がいくらになるのか楽しみです。
家の性能
私の家は地域区分だと6地域にあり、性能はUA値が0.41W/(m2・K)、C値が1.02(中間気密測定での値)とHEAT20 G2レベル(断熱等級6)をクリアしているそこそこ高性能な家になります。BELSの値は0.42とこれも中々良い値で2021年契約の県民共済住宅で建てた家の中ではトップクラスに良い数値だと思います。
私の家の性能を客観的に見てみると県民共済住宅の中では間違いなくトップクラスの性能で、普通のHM基準でもかなり良い性能ではありますが、一条工務店やパッシブハウスの様な超高気密高断熱住宅を建てる様なUA値0.2台の家を普通に作っているスーパー工務店の基準からするとUA値、C値共に標準未満という感じで普通の新築住宅として見ると高性能ですが、高気密高断熱住宅というカテゴリならそこそこ位の性能な家です。
太陽光発電は南側の屋根に5.112kW分乗っていて、換気システムは県民共済住宅標準のダクト式セントラル第3種換気システムです。
太陽光発電を入れたことによる金銭的なメリット
年月 | 発電量 (kWh) | 消費電力量 (kWh) | 実際の買電量 (kWh) | 消費電力量と買電量の差分 (kWh) | 電気代単価 (昼間) | 再エネ 賦課金 | 燃料費 調整額 | 自家消費分 | 売電量 (kWh) | 売電単価 | 売電価格 | 利益 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022年5月 | 573 | 660 | 379 | 281 | 25.80 | 3.45 | 2.74 | 8,989.19 | 291 | 0 | 0 | 8,989.19 |
2022年6月 | 619 | 683 | 347 | 336 | 25.80 | 3.45 | 2.97 | 10,825.92 | 283 (72.6) | 0 (17) | 1,234.2 | 12,060.12 |
合計 | 1,192 | 1,343 | 726 | 617 | 19,815.11 | 72.6 | 1,234.2 | 21,049.31 |
太陽光発電を導入したことで電気代がいくら得になったかを計算してみました。上の表の数値は太陽光発電のモニターの数値から算出しています。
太陽光発電の電源を入れたのが5月4日からになり、5月分はまだ売電が始まっていないので自家消費分の8,989.19円分が太陽光発電を入れたことによる利益になります。
6月分は6月25日から系統連系が始まり売電が始まったので6月25日〜6月30日の売電量は72.6kWhで売電収入が1,234.2円程発生していて、自家消費と売電収入を足した利益が12,060.12円となりました。
来月以降は売電収入がフルに入ってくるので収支がより改善するはずです。
仮に5月と6月の売電料がフルで入ってくる前提で計算すると5月の売電料が291kWh×17円=4,947円で自家消費分を合わせた利益が13,936.19円で、6月の売電料が283kWh×17円=4,811円で自家消費分を合わせた利益が、15,636.92円となります。
この計算だと1ヶ月で大体15,000円位の利益が出ているので太陽光発電の税込オプション価格の1,392,600円を回収するのに1,392,600円÷15,000円=92.84ヶ月÷12=7.74年かかる計算です。
ここ最近は再エネ賦課金が高いのとウクライナ情勢の影響もあり燃料費調整額が高騰している関係で太陽光発電の設置費用がペイできるまでの期間が短くなっています。「県民共済住宅の太陽光発電オプションの手続きとFIT価格別の損益計算」という記事で損益分岐点をシミュレーションした時は電気代単価を大雑把な1kWh/30円として再エネ賦課金と燃料費調整額を含めていなかったので損益分岐点が10.9年程と見込んでいましたが、シミュレーション結果よりも3年位損益分岐点が短くなりそうなので良かったです。
太陽光発電の売電前ならではの工夫
太陽光発電を設置してもすぐに売電が始まるわけではなく売電が始まるまで2〜3ヶ月位かかってしまいます。その間はいくら発電しても自家消費出来ない余剰分は捨てている状態になり勿体無いので最大限太陽光発電の電気を自家消費するため色々工夫しました。
エコキュートは裏技を使い昼間に焚き上げ
エコキュートは普通オール電化の電気代が安い深夜帯に焚き上げを行うのが普通で、基本的に昼間の時間帯には焚き上げの設定自体が出来ません。HEMSと連動させて晴れそうな日の昼間に焚き上げを設定できたり、最近は「おひさまエコキュート」という太陽光発電と組み合わせて昼間焚き上げを行う機種もありますが、普通のエコキュートは昼間に焚き上げる設定ができなくなっています。
私の家は太陽光発電はありますが、おひさまエコキュートでも無ければHEMSもありません。
そこで、私の場合は夜中10時から消費電力少なめで長時間焚き上げを行う様に設定し、エコキュート本体の時計を12時間遅らせて太陽光発電でしっかり発電し始める午前10時から焚き上げを行っています。
東京電力のスマートライフプランに対応する様にしたまま12時間遅らせると焚き上げが午後1時から始まり、夕方の発電量が減ってくる時間帯までに焚き上げが終わらない事が多かったので注意しましょう。時計を12時間遅らせると浴室内やリモコンの表示時間を見た時に余計な混乱が最小限で済むのでおすすめです。
コツとしてはエコキュートの焚き上げは消費電力を少なくして長時間焚き上げる様にすると発電量が少ない曇りの日でも消費電力が発電量で収まりやすいです。雨の日だと流石にエコキュートの消費電力は賄えないので深夜帯に沸かした方がお得になりますが、エコキュートの設定をいちいち変えるのが面倒なので天候関係なしに昼間に沸かすようにしています。
太陽光発電の売電価格は2022年度のFIT価格のkW単価が17円と東京電力のオール電化向けのスマートライフプランSの深夜帯料金の17.78円+再エネ賦課金よりも安いので可能なら深夜帯よりも昼間に焚き上げたい所ですが、都合よく毎日晴れているわけでもないので普通に深夜電力で焚き上げた方が月額ベースで見ると節約になりそうではあります。
とりあえず最近は連日晴れなのでこの設定のままにしていますが天気が悪くなる日が来たら普通に夜間に焚き上げるように設定を戻すと思います。
EV(電気自動車)は晴れた日の昼間に自宅充電
私は4年前に三菱自動車のアイミーブという軽のEVを中古で購入して今も乗り続けています。自宅周辺に無料充電スポットがないので基本的に充電は自宅で晴れた日の昼間に行って屋根上の太陽光発電で発電した電気で電気自動車を動かしています。
EV充電時は常に3kW位の電流が流れ続けるので5.1kWの太陽光パネルだと曇りの日や晴れていてもIHクッキングヒーター、食洗機等の消費電力が大きな物を動かしながらEV充電を行うと発電量よりも消費電力量が上回ってしまう事も多々あるのでEV充電中は出来るだけ他の消費電力が大きな物を動かさない様にしています。
私の家にV2Hは設置していませんが余剰電力をEVに充電する事で極めて安価に自家用車を運用出来ています。太陽光で発電した電気でEVを動かすと環境負荷が少なく本当の意味でエコになるのでこれからも積極的に晴れた日の昼間に充電したいと思います。
食洗機は昼間に稼働
IKEAの60cm幅のフロントオープン食洗機をDIYで設置して活用していますが、食洗機が巨大なので1日分の食器を入れてもまだ余裕があり、小さい食洗機とは異なり毎食後動かさないと食器が足りなくなる事が無いので食洗機は昼間に動かしています。
私の家は2階にLDKがあり、キッチンの真下に寝室があるので深夜に食洗機を動かすと下の寝室に排水音が響いてうるさいので寝室に人がいない昼間に食洗機を動かしています。LDKにいる時は食洗機の騒音や排水音は全く気になりませんでしたが、下の階に排水音が響くのは想像していませんでした。
音が響いていた原因ですが、ビルトイン食洗機の脚の高さの調整が悪くてきちんと3本の脚が床上になるように調整した所騒音が無くなりました。
最後に
高気密高断熱でエコハウスを目指した割に電気代が高いなというのが素直な感想でした。と言うか下手すれば普通の家よりも電気代が高いと思います。
よく考えてみるといくら高気密高断熱にしてエアコンの消費電力量を削減してもIHクッキングヒーターやテレビ、電気自動車の充電なんかの消費電力は断熱性能が高かろうが低かろうが関係ないので毎月ある程度の電気代がかかるのは仕方ないとも言えます。
電気代が思っていた以上に高かったのでエアコンの最適な設定を探すのもそうですが、テレビのバックパネルの明るさや冷蔵庫の温度設定等を見直しています。来月の電気代は夏本番でエアコンが本格的に稼働するのでもっと凄い事になりそうで恐ろしいですが、1万5千円位で収まるように頑張りたいと思っています。
太陽光発電を南側の屋根に5.11kW載せましたが、私の家は電力を多く使う事もあり載せて良かったです。もし太陽光発電が無かったら電気代は2万円近くになっていた可能性が高いので私の場合は自家消費分だけで月6千円位の節約は出来ていると思います。売電分と自家消費分を合わせて毎月12,000円位節約できると太陽光発電のオプション代の130万円が10年位で回収できる計算になるので来月の売電価格がいくらになるか非常に楽しみです。