2022年4月末に県民共済住宅で建てた延坪35.7坪の総二階の家の電気代です。私の家は2021年度契約の県民共済住宅で最大限高気密高断熱を目指した家でオプションで高断熱仕様の断熱材を導入してUA値は0.41、C値は1.02とそれなりに高性能な家になります。

換気システムは県民共済住宅標準仕様のダクト式第3種換気で、2021年度契約なので換気システムのモーターはDCモーターではなくACモーターの機種です。

大人2人、子供2人の4人家族で誰かしら24時間在宅している事が多く、冷暖房は1階(寒冷地仕様の6畳用エアコン)と2階(8畳用エアコン)のエアコンで全館冷暖房しており、春秋のエアコンがいらない時期を除いて基本的にエアコンは24時間つけっぱなしのオール電化住宅で、更に車は電気自動車(BEV)なので普通の家庭よりも電力を多く消費している家庭だと思います。

ライフスタイル的に電気代が結構かかる事が想定できたのでオプションで長州産業の5.112kWhの太陽光発電を導入しています。

実際にかかった電気代

年月
[A]
電力
使用量
(kWh)
[B]
燃料費
調整額
(円/kWh)
[C]
再エネ
賦課金
(円/kWh)
[D]
電気代
(円)
[E]
売電量
(kWh)
[F]
売電収入
(円)
[G]
実質電気代
(円)
[H=E-G]
電力会社
料金プラン
2022年5月4242.743.4514,6130014,613東京電力
スマートライフS
2022年6月3372.973.4512,0520012,052東京電力
スマートライフS
2022年7月3974.153.4514,3912724,6249,767東京電力
スマートライフS
2022年8月4745.13.4514,0514177,0896,962まちエネ
毎晩充電し放題!プラン
2022年9月5346.53.4516,3822995,08311,299まちエネ
毎晩充電し放題!プラン
2022年10月4898.073.4514,8373365,7129,125まちエネ
毎晩充電し放題!プラン
2022年11月5849.723.4518,0254347,37810,647まちエネ
毎晩充電し放題!プラン
2022年12月68711.923.4529,3921592,70326,689まちエネ
毎日充電し放題プラン
合計3,926133,7431,91732,589101,154
2022年の毎月の電気代と売電収入

電気代については大体月15,000円程度で安定しています。太陽光発電を入れており、売電収入が月5千円程度あるので請求金額から売電収入を差し引いた実質電気代は月1万円前後で安定しています。

これから冬になるともっと電力使用量が増えるのと、燃料費調整額が11.92円/kWh(2022年12月分)、12.99円(2023年1月分)と更に値上がりするので、仮に月500kWh程電力を使ったとすると燃料費調整額だけで6千円位行く事を考えるとおそらく月2万円台を突破して下手すれば3万円位行くかもしれないと思っていましたが、実際に12月は29,392円と約3万円になりました。

一応普通の壁掛けエアコンで夏は玄関以外の全部屋の室内ドアを開放しての24時間全館冷房をしていて、冬も玄関ホール以外の全部屋の室内ドアを開放して、LDKは22℃、その他の部屋は最低18℃、概ね20℃を下回る事が無いように夕方〜朝まで全館暖房していてこの金額なので満足度は高いです。

エアコンだけで家が快適な状態をキープ出来ているので石油ストーブ、こたつ、ホットカーペット等のエアコン以外の冷暖房器具は必要性を感じておらず、一切使用していません。

高気密高断熱住宅でもそんなに電気代が安くないと思った方も多いと思いますが、私の家は車はEV、キッチンはIH、給湯器はエコキュートとオール電化で普通の家が支払うガス代(都市ガス、プロパンガス)に加えて車のガソリン代や石油ストーブの灯油代も一切かかっていないので家全体の光熱費を考えるとやはり最新の住宅は燃費が良いと思います。

電気代が思っていたよりも安くならなかった理由は燃料費調整額の高騰

家を建てる前は正直もっと電気代が安くなるかと思っていましたが、まさか燃料費調整額がこんなに高騰するとは思っていなかったので例年よりも月数千円は高くなっています。

2022年11月の請求だと燃料費調整額(9.72円/kWh)だけで5,676.48円もかかっていました。ちなみに前年の2021年11月の燃料費調整額は-1.51円/kWhなので2022年11月は前年同月比で11.23円/kWhも燃料費調整額が値上がりしていることになります。

もし2022年11月の燃料費調整額がゼロだった場合は「電力会社からの買電価格-太陽光発電の売電価格」の実質電気代が5,000円以下で済んでいたので昨年までの水準のままなら電気代が安いと感じていたと思います。

契約した電気料金プラン

東京電力 スマートライフS【オール電化】(2022年5月〜7月)

県民共済住宅から引き渡しを受ける際に契約したのが東京電力のオール電化向けプランのスマートライフSです。オール電化向けプランですが、昼間のkWh単価が25.8円、深夜帯が17.78円とそこまで安い訳でもなく、今は燃料費調整額が高騰しているので燃料費調整額の上限が5.13円の従量電灯Bの方が安くなる可能性すらあります。

まちエネ 毎晩充電し放題!プラン【EVオーナー専用】(2022年8月〜11月)

自宅に駐車スペースがあり、BEV、PHEVと言った電気自動車のオーナーなら電力プランは現状まちエネの毎晩充電し放題!プラン一択と言えます。毎日充電し放題プランは深夜1時から5時までの時間帯の電気使用量が実質定額制みたいなもので、燃料費調整額と再エネ賦課金はかかりますが、kWh単価はゼロ円みたいなものなので電気代を気にせずに電気自動車の充電が出来ます。

まちエネ 毎日充電し放題プラン【EV実証実験用】(2022年12月)

私の場合はまちエネの毎日充電し放題プランより毎晩充電し放題!プランの方が旨味がありますが、実証実験に参加すると参加協力金として6万円が貰えるという事もあり、電気代が数千円高くなったとしても協力金6万円の方が旨味があるので実証実験期間中はこの料金プランに切り替えました。

太陽光発電の採算性

県民共済住宅オプションの長州産業の太陽光発電
県民共済住宅オプションの長州産業の太陽光発電
県民共済住宅の長州産業の太陽光発電オプション
県民共済住宅の長州産業の太陽光発電オプション

5.1kWの太陽光発電の設置にかかったオプション代は税込1,392,600円(税抜1,266,000円)と県民共済住宅で選べる数あるオプションの中でも超高額オプションと言えますが、採算性がある数少ないオプションなので高くても元が取れるなら入れても良いと考えている施主さんも多いと思います。

kW単価は税抜247,652.58万円(税込272,417.84円)で県民共済住宅の太陽光発電オプションは太陽光パネル、パワーコンディショナ、配線、モニター画面、足場、施工費、配線、設定、補助金申請手続きなど全て含まれている全てコミコミの価格なのでkW単価だけだとそこまで安くは感じませんがトータルで見ると良心的な価格設定だと思います。

2022年8月の太陽光発電のモニターの数値
2022年8月の太陽光発電のモニターの数値
2022年の太陽光発電のモニターの数値
2022年の太陽光発電のモニターの数値

太陽光発電に付属してくるモニターの月別の数値を元に太陽光発電を入れたことによる利益を計算してみます。ここで言う利益とは余剰電力の売電収入だけでなく、太陽光発電で得た電力を売電せずに自家消費した分も含みます。

年月発電量
(kWh)
[A]
消費電力量
(kWh)
[B]
実際の
買電量
(kWh)
[C]
自家消費
電力量
(kWh)
[D=B-C]
昼間
電気代単価
(円)
[E]
再エネ
賦課金
(円/kWh)
[F]
燃料費
調整額
(円/kWh)
[G]
自家消費分
(円)
[H=D×(E+F+G)]
売電量
(kWh)
[I]
売電単価
(円/kWh)
[J]
売電価格
(円)
[K=I×J]
利益
(円)
[L=H+K]
備考
2022年5月57366037928125.803.452.748,989.19291008,989.19自家消費多め
2022年6月61968334733625.803.452.9710,825.92283
(72.6)
0
(17)
1,234.212,060.12自家消費多め
2022年7月61869740129625.803.454.159,886.4322175,45515,341.4自家消費多め
2022年8月59773449723725.803.455.18,140.95360176,12014,260.95売電多め
2022年9月55370949821125.803.456.57,543.25342175,81413,357.25売電多め
2022年10月51567350516825.803.458.076,269.76347175,89912,168.76売電多め
2022年11月54275356119225.803.459.727,482.24350175,95013,432.24売電多め
2022年12月5731,09470838625.803.4511.9215,891.62187173,17919,070.62自家消費多め
2022年合計4,5906,0053,8962,10975,029.331,980.633,670.2108,699.53
太陽光発電の収支(電気料金は東京電力のスマートライフSの昼間の単価を前提)

太陽光発電を設置して発電を開始したのが2022年5月のGW明け位で、電力会社への売電が始まったのが2022年の6月末位からなので最初の2ヶ月は売電収入が無い分利益が小さくなっています。

2022年5月〜12月の8ヶ月で約11万円の利益が出ていて、このままのペースで行けば固定価格買取制度(FIT)が終わる10年後にはオプション代が全て回収出来た上で更に利益が出ていそうな雰囲気です。

パワーコンディショナと太陽光パネルの保証期間が15年間なので15年単位で見ると50〜100万円位の利益が出そうな感じです。

備考欄の売電多めと自家消費多めの違いですが、東京電力のスマートライフSの様な「深夜帯の買電単価(17.78円/kWh)+燃料費調整額+再エネ賦課金>売電単価(17円)」なら発電した電力を売らずに自分で使った方が得なので自家消費多めで、逆にまちエネの毎晩充電し放題!プランの様な「深夜帯の買電単価(ほぼ0円/kWh)+燃料費調整額+再エネ賦課金<売電単価(17円)」なら自分で使うより売電した方が得なので深夜帯に電力消費を集中させて、昼間は売電メインで運用している月になります。

実際に生活してみて太陽光発電を入れたことによるデメリットは特に感じておらず、電気代が安くなるメリットしか感じていません。長州産業の太陽光発電のパワーコンディショナと太陽光パネルの保証期間は15年間あるのでそれまでにはかなりの利益が出ていると思います。

太陽光発電の季節毎の発電状況

太陽光発電は太陽が出ている時にしか発電しないので、年間を通して一番日照時間が長く、14時間30分位の日照がある夏至と9時間45分位しか日照時間がない冬至でどれ位発電量が変わるのか見ていきたいと思います。

冬至は夏至の3分の2位の時間しか太陽が出ていないので、冬至の太陽光発電の発電量も夏至の3分の2位に減ってしまうのでは?と思っている人は少なくないと思います。私も何となくそんなイメージを持っていたので実際に1日の発電量データを見比べてみた所、意外な結果に驚きました。

2022年の夏至は6月21日で冬至は12月22日ですが、夏至と冬至の当日は天候が悪くてあまり発電していなかったので夏至、冬至付近の晴天日の太陽光モニターに記録されている発電状況を見てみます。

5.1kWの太陽光発電を設置した屋根の方角は西側に5〜10度振れた南〜南南西で、周囲に日照を妨げる障害物はありません。

夏至

1年で一番日照時間が長い夏至では朝5時過ぎ〜18時頃まで発電しています
1年で一番日照時間が長い夏至では朝5時過ぎ〜18時頃まで発電しています

夏至の前後で1日中晴天だった日が6月19日です。発電量のグラフを見てみると朝5時過ぎ〜18時まで発電しているので13時間位発電しています。

時間帯別に発電量を見てみると発電量のピークは10〜13時になり、9〜14時までは3kWh以上発電しています。

1日の発電量は31.2kWhで年間を通してもトップクラスの発電量がある日になります。

冬至

1年で一番日照時間が短い冬至では朝7時〜16時頃まで発電しています
1年で一番日照時間が短い冬至では朝7時〜16時頃まで発電しています

冬至の前後で晴天だったのが冬至の翌日の12月23日でした。朝7時過ぎ〜16時頃まで発電していて大体9時間位発電している感じになります。

冬至の時期の発電量のピークは10〜13時になり、9〜14時までは3kWh以上発電しているので夏至の時期と比べて発電ピークの時間帯と発電量はほぼ変わりません。

1日の発電量は27.6kWhと冬至の日照時間は夏至の時よりも4時間位減少していますが、発電量は4kWh程度しか減っていないのは意外でした。

こうして発電データを見るまでは太陽光発電の発電量は日照時間と比例すると何となく思っていましたが、実際は夏至でも冬至でも発電ピークの時間帯は大差ないので1日の発電量は日照時間程比例しないという事がわかりました。

最後に

家を建てる前は高気密高断熱住宅にすれば電気代が安くなると思ってそれなりの性能の高気密高断熱住宅を建てましたが、燃料費調整額の高騰もあり実際はそこまで電気代が安くなったと感じた訳ではありませんでした。

ただ、今年に関しては燃料費調整額の異常な高騰もあり、2021年までの電気代と比べると前年同月比で燃料費調整額が10円/kWh以上値上がりしている月もあるので新居の電気代が高く感じるのは時期的に仕方ないという感想です。

私の場合はオール電化住宅で冷暖房はエアコンのみで車がEVなので電気代単体ではなく実質的なガス代とガソリン代と灯油代が電気代に含まれている事を考えるとトータルでは安く済んでいると感じています。

太陽光発電に関してはオプション代は高かったですが費用対効果が予想以上に大きかったので本当に載せて良かったと思っています。太陽光発電があれば電気代高騰へのある程度のリスクヘッジが出来るので長い目で見ると良い投資でした。

太陽光発電で発電した電気を貯められる蓄電池も初期費用が安ければ導入したかったですが、2022年時点では蓄電池の初期費用が高すぎて蓄電池を入れても元が取れないもしくは太陽光発電単体で蓄電池を導入しない方が採算性が高いのが現実なので蓄電池の導入はFIT期間が終わる10年後位に再考するのがベストだと判断しています。

ちなみに蓄電池なしで太陽光発電の自家消費の割合を増やしたいならエコキュートの沸き上げを昼間に行うのが効果的です。エコキュートは電気代が安い時間に電力を熱(お湯)に変えて貯めているのである意味蓄電池みたいなものです。特に埼玉県の様な太平洋側の関東地方は冬場の晴天率が非常に高いので冬の時期は特におすすめな節約技です。