私は契約時に県民共済住宅オプションの長州産業の5.112kWhの太陽光発電を採用しました。太陽光発電で売電収入を得るには太陽光パネルを屋根に載せて実際に売電する為の手続きも必要になります。

県民共済住宅で太陽光発電オプションを採用する人はあまり多くなく、いつ頃どんな手続きを行えば良いかの情報はネット上にも殆どありません。

今回私の自宅に県民共済住宅の太陽光発電工事を請け負っている会社から申請書関連を請け負っている行政書士から書類が届いたのでその書類の書き方を紹介します。

同封されていた書類の中にさいたま市中央区の気象データを用いた年間想定発電量のデータがあったのでそれを用いて年度別のFIT価格で損益計算をしてみました。

自宅に私宛の1通の封筒がいきなり届きました

行政書士から太陽光発電に関する手続きの書類が届きました
行政書士から太陽光発電に関する手続きの書類が届きました

自宅に私宛のA4サイズのグレーの封筒が届いたので開封してみると太陽光発電の手続きに関する書類が入っていました。そう言えば県民共済住宅で太陽光発電のオプションを採用しましたが、こういう手続きについては設計士からも監督からも特に何も言われていません。

早速中身を見てみると何枚かの書類が同封されていました。

電力受給契約申込書兼低圧配電線への系統連係申込書(低圧:再生可能エネルギー発電設備用)

電力受給契約申込書兼低圧配電線への系統連係申込書(低圧:再生可能エネルギー発電設備用)
電力受給契約申込書兼低圧配電線への系統連係申込書(低圧:再生可能エネルギー発電設備用)

この書類には現在の住所(新居の住所ではありません)、氏名、電話番号、メールアドレスと振込口座の情報を記入します。

受給開始希望日は工期との兼ね合いがあるので空欄のままで良いと行政書士からの案内にありました。振込先口座情報は白枠内だけでなくグレーの枠内も記載する必要があります

委任状

委任状
委任状

行政書士に手続きを委任することになるので委任状も記載する必要があります。委任状にはこの委任状に記入した日の日付と印鑑証明と同じ現在住んでいる所の住所(「大字」を付けたり「○○番地○」みたいな正式な住所)と氏名を記入して実印(印鑑証明と同じ印鑑)を押します。

この2枚の書類に記入した上で、印鑑登録証明書が1通と県民共済住宅との契約書の太陽光発電があるページの内容明細書のコピーが1通と請負契約のページのコピーが1通必要になります。

さいたま市の場合、印鑑登録証明書の発行手数料は各区役所で発行すると300円、郵便局の窓口でも300円ですが、コンビニのマルチコピー機だと200円で発行できます。コンビニのマルチコピー機で印鑑登録証明書を発行する際にはマイナンバーカードが必要になるので忘れないようにしましょう。私は近所のファミマで印鑑登録証明書を発行しました。

もしまだ印鑑登録をしていない場合は市区町村の役所で印鑑登録をする必要があります。その際は当然ですが登録するための印鑑が必要になります。

その他の必要書類

県民共済住宅との契約書の該当ページのコピーが必要
県民共済住宅との契約書の該当ページのコピーが必要
工事請負契約書のページ
工事請負契約書のページ

まずは県民共済住宅の契約書の冊子の中の工事請負契約書ページのコピーが必要です。

明細書の「OP住宅用太陽光発電システム」があるページ
明細書の「OP住宅用太陽光発電システム」があるページ

次に同じ県民共済住宅との契約書の中にある見積明細書の太陽光発電のオプションの項目がある明細ページのコピーが必要です。自宅にプリンタとスキャナーがない方は印鑑証明をコンビニで発行するついでにこれらの書類をコピーすると余計な手間がかかりません。

これらの必要書類を同封されていた返信用封筒に同封して行政書士へ郵送します。

期限が2週間位しか無い上、単に記入して捺印するだけではなく印鑑証明や契約書のページのコピーが必要になるのでこの書類が届いたら早めに必要書類を集めて返送しましょう。

太陽光発電の提案プラン

長州産業の提案プラン(県民共済住宅オプションの5.112kWh)
長州産業の提案プラン(県民共済住宅オプションの5.112kWh)
長州産業の提案プラン(県民共済住宅オプションの5.112kWh)
長州産業の提案プラン(県民共済住宅オプションの5.112kWh)

行政書士からの書類に提案プランも同封されていました。これを契約後に貰っても今更・・・という感じですが、この見積書は担当の設計士の所には届いていて過去の打ち合わせでチラ見したことがありますが、この書類は頂いていなかったのでじっくり見たのはこれが初めてです。

使われている部材

長州産業の製品カタログから抜粋
長州産業の製品カタログから抜粋

この書類から読み取れるのは使われるモジュールの型番は「CS-284B61」、回路構成は「SSITL55B4CS:6, 6, 6」との事です。回路構成については正直良くわかりません。

CS-284B61のパネルのモジュールの変換効率はスペック表にはありませんが19.1%になります。

パワーコンディショナは屋外設置タイプのSSITL55B4CSでした
パワーコンディショナは屋外設置タイプのSSITL55B4CSでした

パワーコンディショナはSSITL55B4CSという屋外用の出力が5.5kWの物が使われていました。変換効率が96.5%と標準的なものです。

年間推定発電量から損益計算を行いました

県民OPの長州産業5.112kWhのさいたま市中央区の年間推定発電量
県民OPの長州産業5.112kWhのさいたま市中央区の年間推定発電量

県民共済住宅の新都心本店があるさいたま市中央区で上記の構成で過去の気象データを用いてシミュレーションした発電量の紙も同封されていました。ちなみに私の現住所も新住所もさいたま市中央区ではありません。本当はさいたま市中央区の与野駅周辺やさいたま新都心〜イオンモール与野周辺の県民共済住宅の新都心本店がある辺りのエリアに土地が欲しかったですが金額的に全く手が出ませんでした。

過去記事の「県民共済住宅の太陽光発電と蓄電池のオプションで元は取れるか」で太陽光発電の収益性を検証した際に使用した時の長州産業の5.112kWの年間推定発電量は全国平均の6,165kWhでしたが、さいたま市中央区のデータだと6,249kWhと発電量が多少増加していて埼玉県は晴天率が高いので全国平均よりも多少上回ったみたいです。

今回はこのさいたま市中央区のデータを利用して県民共済住宅オプションの長州産業の5.112kWの太陽光発電を採用した場合の損益計算をしてみました。

2021年度のFIT単価(19円)の場合

年度別
FIT単価
オプション価格
(税込)
年間推定発電量
(kWh)
年間自家消費分
(30円)
年間売電価格
(FIT単価)
10年後の売電
+自家消費分
10年後の
損益
FIT後年間売電価格
(8.5円)
15年後の売電
+自家消費分
15年後の
損益
損益
分岐点
2021年度
19円
1,392,6006,24956,24183,1121,393,52792737,1821,860,640468,04010年
2022年度
17円
1,392,6006,24956,24174,3631,306,041-86,55937,1821,773,154380,55410.9年
2023年度
16円
1,392,6006,24956,24169,9891,262,298-130,30237,1821,729,411336,81011.4年
長州産業5.112kWのパネルで自家消費分が30%、売電分が70%という前提で損益を計算

前提として自家消費と売電の割合は単純に年間推定発電量から3:7としています。この計算ではパワーコンディショナや太陽電池モジュールの経年劣化は考慮していません。

年間自家消費分の求め方は「6249(発電量)×30(年間自家消費分の電気代単価)×0.3(自家消費の割合3割)」で求めていて、年間売電価格も同じ様に「6249(発電量)×年度別のFIT単価×0.7(売電の割合7割)」で計算しています。10年後の売電+自家消費分の計算は先程求めた「(年間自家消費分+年間売電価格)×10(10年)」で算出しています。

10年間のFIT期間終了後は最初に求めた年間自家消費分とFIT期間終了後の年間売電価格として「6249(発電量)×8.5(FIT後の売電価格)×0.7(売電の割合7割)」で求めて、太陽光発電の保証期間が切れる15年後の売電+自家消費分は「(先程求めたFIT期間の10年分の合計金額)+(年間自家消費分+FIT後年間売電価格)×5(5年)」という計算で算出しました。損益分岐点は10年経過後に利益が出ているかどうかで計算方法が変わります。

5年前位まではFIT価格が電気代単価よりも高額で売電すればするほど儲かるという時代でしたが、現在は売電価格<電気代単価なので自己消費する割合を上げると損益分岐点が短くなります。

2021年度のFIT単価は19円、2022年度は17円、2023年度は16円と年々値下がりしていくのでそれぞれのFIT単価別の損益計算を行いましたが、19円だと損益分岐点が10年、17円だと10.9年、16円だと11.4年とFIT単価が1円下がると損益分岐点が0.5年(半年)延びるという感じになります。私は昨年9月末に契約して家の引き渡しは今年の5月になるので19円のFIT単価は多分間に合わずに17円のFIT単価が適用になりそうです。

太陽光発電のパワーコンディショナ等の構成機器の保証期間は15年、太陽電池モジュール(太陽光パネル)の保証期間は25年あるので15年あれば投資分の元は取れそうです。2023年度のFIT単価16円でも保証期間内の15年間で30万円は利益が見込めて、保証期間が切れた後は機器が故障しなければずっと利益が出続けます。パワーコンディショナは保証期間前後で故障して交換する可能性が高いですが太陽光パネル自体はそうそう壊れるものではないと思うので損をする可能性は限りなく低いと思います。

太陽光発電の採算性を年率換算してみるとFIT期間中の年利はFIT価格が19円だと10%で、FIT価格17円だと9.4%、FIT価格16円だと9.1%でFIT期間が終わる10年後以降の売電価格8.5円だとそれぞれ年利6.7%になる計算です。こうして年利で考えるとなかなか良い利率と言えるのではないでしょうか。

ゼロ金利政策が続く中この利率を超える金融商品は多くないはずです。日本株の高配当株でもせいぜい配当利回りが5%前後です。太陽光発電の場合は最初に載せてしまえば後は基本的にトラブルが起きない限り放置でOKです。金融商品の様に運用するための知識も必要なければ株や投資信託と違い大きく値下がりした時のストレスも無く、保証期間中は損切りの概念もありません。

最後に

あまり情報がない太陽光発電の手続きについて記事にしてみましたが、正直特に難しいことはないので記事にするまでもないと言うのがネット上に情報がない最大の理由だとこの記事を書きながら思い至りました。

県民共済住宅の太陽光発電のオプションは最低でも100万円以上で県民共済住宅のオプションの中でも屈指の超高額オプションなので導入を躊躇する人は多いと思います。

エコとか環境負荷の為と言ってもそれだけの理由で100万円以上をポンと出せるような人は多くないと言うか、そういう人達はそもそも自宅を県民共済住宅の様なローコスト住宅メーカーで建てないと思うので普通の人は環境に良いかどうかよりも現実的な採算性が一番気になると思います。

そんな超高額な太陽光発電のオプションですが実際に損益計算してみると実は結構採算性が高いオプションということがわかります。ただ、5年位で元を取れるほど甘くはなく初期費用も高額なので導入のハードルは高いですが電気代の先払いという感覚なら悪い投資ではないと思います。その辺の考え方は人それぞれだと思うので、太陽光パネルの撤去の事なども考慮した上で決めると良いと思います。

私は太陽光発電を推奨する住宅系のYouTuberの方々の意見に結構影響されたので自分で採算性を計算してみて納得して太陽光発電を入れました。撤去に関しては「わざわざお金を払って撤去せずともそのまま屋根上に放置で良くない?」という考え方です。ただ、場合によっては火災リスクもあるのでそういう時は撤去するなり修理するなりする必要があります。

今回の記事を書き上げた後に過去記事の「県民共済住宅の太陽光発電と蓄電池のオプションで元は取れるか」の太陽光発電と蓄電池の損益計算の前提条件を本記事と揃えて再計算しました。