
私は外壁に県民共済住宅の標準仕様のALC(ヘーベルパワーボード)を採用するつもりなので神保町にある旭化成建材のショールームに行ってきました。
県民共済住宅は窯業系サイディングとALCが標準でオプションでタイル外壁が選べますが、デザインはともかく性能面とコスパを考えるとALCが一番良い様に思えます。
県民共済住宅の展示コーナーにも外壁の色や柄のサンプルがありますが、なかなかあれだけではイメージしにくい所もあるので大型のパネルが展示されているショールームに行って確認してきました。
外壁の色を決める際はブログの写真ではなく自分の目で見るのが確実です。写真は撮る側のカメラの性能や見る側のディスプレイの違いにも影響されてしまうのでどうしても正確な色では無くなります。その点はご了承下さい。
旭化成建材ショールーム(建材gallery)
旭化成建材のショールームは2021年7月現在ではWEBサイト上での予約が出来ないので電話での予約が必要でした。予約した際にカタログ数冊とイベリアンのカラーサンプルを事前に自宅に送付してくれました。旭化成建材のイベリアン(大橋化学のシャイニートーン)のカラーサンプルは色を決める際にとても参考になりました。
ショールームの場所も都内の神保町のその辺にある普通のビルに入っていてビルの外側にはショールームの案内がありません。本当にここで良いのかな?と思いながら建物の中に入りました。
ビルの中に入ってエレベーターで2階に行くと建材galleryがありました。
エレベーターから出てすぐにショールームの入口がありました。案内して頂くショールームのスタッフに案内されて席に荷物を置いて県民共済住宅の標準仕様の色や柄の確認をしてからパネルの展示を見学しました。
私はJB-761やJB-793のイエロー系の色を採用しようかなと考えているのでその辺りを重点的にチェックしました。柄はレリーフ砂岩ブロック、ジーファスタイル50、ジーファスチェック75辺りが気になっています。
案内して頂いたスタッフのアドバイスを聞いたりしながら30分位パネルを見学しました。
県民共済住宅の標準で選べるALCの色と柄
県民共済住宅の標準仕様のALCは柄が8種類、色が8色から選択出来ます。
色に関してはオプションでイベリアンの標準外の色も選べると思います。
県民共済住宅標準のALCのデザイン
ジーファスタイル50
ジーファスタイル75

ジーファスチェック75

タテライン50

シェイドカット

レリーフ砂岩ブロック
レリーフ木目

フラット

県民共済住宅の標準で選べるヘーベルパワーボードについて
標準ではジーファスの3種類、レリーフの2種類、タテライン、シェイドカットとフラットパネルが選択出来ます。ヘーベルパワーボードの定価ではレリーフ>ジーファス>タテライン、シェイドカット>フラットという順番になります。標準外の柄は県民共済住宅のオプション制限の欄に不可とあったので採用は難しいと思います。
レリーフ柄は表面が型押しなので全く同じ柄のパネルを張り合わせる感じになります。県民共済住宅の標準では隅のコーナーパネルはレリーフコーナーではなくフラットコーナーになります。
ジーファス柄は1枚1枚機械で溝を彫っているので全く同じ柄になることはないそうです。隅のパネルもジーファスコーナーになります。ジーファス柄は他と比べて目地の場所が目立たないのと重厚感が出るのが特徴との事でした。
タテライン50は隅のコーナーパネルがフラットコーナーになります。
フラットは表面がフラットですが、パネルの上下左右の所が凹んでいるので塗り壁のような外壁みたいに完全にフラットにはなりません。
レリーフ系のパネルは厚みが他よりも2mm薄い35mmでその他のパネルは厚みが37mmとの事でした。
パネルのサイズは長さが1,820mmで幅が606mmで厚みが35〜37mmになります。基本は横張り(長辺が横になる)との事でした。
県民共済住宅標準のALCの設定色
JB-701(グレー系)

JB-711(グレージュ系)

JB-793(イエロー系)
JB-761(イエロー系)

JB-786(オレンジ系)

JB-792(ローズ系)

JT-851(アクセント系)

JT-853(アクセント系)

県民共済住宅の標準で選べる塗料について
県民共済住宅で使用しているALCの塗料は大橋化学のシャイニートーンという塗料を使っていますが、シャイニートーンとイベリアンは商品名が異なるだけで中身は全く同じ塗料の様です。大橋化学で製造したシャイニートーンという塗料を旭化成建材が仕入れてイベリアンという名前で売っているというのが実情みたいです。
色は標準でイベリアンの塗料の8色が選択出来ます。定価ベースだとアクセント系の2色は割増になる色なのでアクセント系>その他という順番になります。塗料は多彩色のイベリアンのみですが、ヘーベルパワーボードの多彩色の純正塗料の中でも一番高いグレードのアクリルシリコーン系塗料なので耐候性が高く、期待耐候年数は約30年と長持ちする非常に良い塗料です。
イベリアンは全24色のラインナップなので標準色以外の塗料もオプションで入れられると思います。
ショールームで見た色合いは日光の下で見る色合いよりも濃く見えるとの事で実際は明るい色はより色が薄く見えるとの事でした。上の方の写真だと同じ色でも旭化成建材ショールームの展示と県民共済住宅の展示スペースの展示とでは見え方が全然違っているので照明の色合いだったり太陽の当たり方だったりで同じ色でも見え方が変わってきます。
ALCはパネル自体に色がついているわけではなく建設現場で塗装する関係上、コーキング(シーリング)の部分が塗料の下になり劣化しやすいコーキングが塗膜で覆われるのでコーキング部分も長持ちすると思います。
ALCは素材自体に防水性はなく、素材の上に塗る塗料で防水性能を確保しています。なのでチョーキング現象が起こってくる頃には塗り替えが必要になってきます。県民共済住宅では15年毎位に塗り替えが発生するようなメンテナンス周期ですが、イベリアンの塗料だと30年近く持つみたいなので実際のメンテナンス周期はもっと長そうです。
県民共済住宅のALC外壁の制限事項
県民共済住宅ではオプション制限があります。外壁のALCに関連する部分だとALCとタイルやサイディングの組み合わせは不可で、柄変更も不可、シャイニートーン(イベリアン)以外の塗料も不可となりますが、色違いと吹き分けが可なのでイベリアンの塗料なら何色でも塗装出来そうです。また、吹き分けが可能なのでツートーンカラーも出来るはずです。
また、県民共済住宅のオプションに長期耐用光触媒コーティングのデュラ光の設定もあります。
ヘーベルパワーボードの特徴
パネルの見学を終えてからALCの性能を体感できるコーナーに案内されました。
断熱性能の比較では60度位の熱源に接する3種類の外壁材(左:ALC、中央:モルタル、右:窯業系サイディング)があり、左側のヘーベルパワーボードはうっすらとした温かみなのに対してモルタルと窯業系サイディングは非常に熱かったです。
この断熱性能に関しては県民共済住宅の場合はALCと壁内の断熱材との間に通気層があるので冬の場合はほとんど関係ないと思いますが、夏に関しては外壁自体が太陽の熱で60度近くまで加熱されてしまうと通気層があっても外壁自体の熱が断熱材に伝わってしまうと思うのでALCの断熱性能は頼りになると思います。特にアクセント系カラーの2色の様な濃い色の壁の場合はより顕著になると思います。
ヘーベルパワーボード(ALC)は軽量気泡コンクリートというコンクリートを発泡させた素材で軽石みたいな感じの材料です。そのため同じ大きさのコンクリートよりもかなり軽かったです。
遮音性能も体感できる機械があったので実演してもらいましたがかなり騒音を低減させる効果がありました。遮音性能については今住んでいる県民共済住宅で築23年位の実家もALCの外壁なので実際に住んでみて防音性の高さは実感しています。
その他ショールームで出来ること
旭化成建材のショールームでは3パターンのパース図の作成も行ってくれます。私は図面を持参していたのでその図面を基にパースを作成して頂けました。なのでショールームに行く際は図面を持参しましょう。
また、気になっている色のA4サイズ位の大きいカラーサンプルも後日自宅に送って貰えます。カラーサンプルがあれば日中や夕方、晴れた日や雨の日での色の見え方の違いが確認出来そうです。
最後に
私は家の外観を県民共済住宅の標準の範囲で欧風っぽくしたいと思っています。実際のヨーロッパの戸建住宅は塗り壁にオレンジや赤系の瓦屋根が多いので県民共済住宅で真似するのは難しいですが最終的には変じゃないレベルで実現出来たら良いなと思います。
ALCだと県民共済住宅の標準外になりますがPBフラット目地工法というのが理想に限りなく近いです。ただ、華音さんのブログを見ると追加費用が物凄い事になるのでこれは無理だと思って次点としてレリーフ砂岩ブロックにしようかなと思います。
色は今の所イエロー系のJB-761で県民共済住宅の展示のパネルの組み合わせで行くつもりです。屋根はプライム40のグレイでフランス風で行くかスーパートライ110 TYPE-Iのナチュラルレッドで東欧風にするか微妙に迷っています。
県民共済住宅の施主ブロガーさんやその他の家ブログであまりレリーフ砂岩ブロックを使っている人と黄色っぽいJB-761の色を使っている人を見かけないので作例が想像できないのが怖い所です。重厚感が出てしまいますが無難なジーファス系にしておこうか非常に迷う所ではあります。ただ、ジーファス系にJB-761だと柄と色があまり合わない可能性があるので同じイエロー系でもJB-793の白っぽい色にするのが良いのかなとか色々悩みます。
私は家の性能面にはお金をかけるつもりですが、見た目の部分にはお金をかけたくないのでALCの塗り分けもしないで標準で済ませたいと思っています。
旭化成建材のショールームでは実物のパネルを確認できたのとパースの作成や色のサンプルを後日送って貰えるので外観を決める上ではとても参考になりました。外観にあまりこだわりがない人ならわざわざ行くほどのショールームではないと思いますが、外観に拘って細かい色味の違いを見たい人なんかはある程度図面が出来てから行くと良いと思います。
ALCにするならヘーベルパワーボードのカタログとイベリアンのカラーサンプルはあると便利なのでそれらは請求すると役に立つと思います。
1週間後にパース図が送られてきました
パース図の作成は本当は3つまでですが、レリーフ砂岩ブロックの色違いが見てみたかったので4パターンお願いしたら作成して頂けました。
JB-761はパース図で見る限りどれも結構良い感じです。家の図面は昔の物なので今の外観とは異なりますがそれでもかなり参考になるパース図でした。
パース図に同梱されていたA4サイズの大きなカラーサンプルを見ると黄色よりはベージュっぽい黄色なのでこれは意外と良い色かもしれません。上の画像だと色味がちょっと赤っぽくなっていますが、実際に届いたパース図の色味はもう少し黄色くなります。
このパース図とカラーサンプルのおかげで柄は迷いどころですが外壁の色はJB-761で行こうと決心出来ました。
JB-793はネット上でもリアルでもジーファスタイル75やジーファスタイル50の組み合わせを良く見かけるのであまり作例がないレリーフ砂岩ブロックで作って頂きましたが、正直色と柄があまりマッチしていないと思いました。JB-793ならジーファス系が良さそうです。
最終的に選んだ外壁の仕様
後日仕様選定を行って、最終的に選んだのはジーファスタイル50とJB-761の組み合わせです。ジーファスタイル50は結構人気の柄なのでネット上でも採用している人は見かけますが、黄色〜ベージュのJB-761の色は割と不人気なのかネット上で採用している人を見かけません。
ベージュっぽい色なら白の窓枠との相性も良さそうなので楽しみです。リアルやネット上で施工例が見つからない色や柄を採用するのは中々勇気が要りますが、ショールームを見学して色と柄を見た上でパースも作って頂いたので不安感はかなり軽減されました。