当サイトの県民共済住宅に関する情報は2021年9月契約、2022年4月引き渡し時点での情報を元に記載されています。

当時と現在とで仕様やルール、価格などの前提条件が異なり、記事の内容が間違っている可能性があるのでご注意ください。

県民共済住宅では標準でもオール樹脂サッシのAPW330が選択できるのでUa値が0.5前後になり6地域のZEHやHEAT20 G1グレードを達成出来る断熱性能がありますが、オプションの導入等で最大限高断熱にする場合どこまで出来るのか考えてみました。

この記事は一条工務店みたいな超高断熱の家が本当は欲しいけど予算的に厳しいからローコストメーカーの県民共済住宅はどうだろう?という人向けの記事になります。私もハウスメーカーなら一条工務店、工務店ならパッシブハウスを作れる位のスーパー工務店に建ててもらうのが理想でしたが高いので性能面は妥協して県民共済住宅で家を建てる事にしました。

当ブログでも「県民共済住宅のUa値と断熱材の性能一覧」という記事で断熱性能についてより詳しく分析していますが、この記事はそのダイジェスト版です。

県民共済住宅では標準的なUa値を公表していませんが、設計時に追加費用を払えば自分の建てる家のUa値を計算してくれます。ですがどのハウスメーカーや工務店で家を建てるか検討中の段階ではUa値を知ることが出来ません。

Ua値は断熱材の性能と窓の性能がわかればUa値を簡易計算するサイト等で大体のUa値は把握出来ます。実際に県民共済住宅の断熱材のU値を使って計算すると標準で0.5前後、高断熱仕様で0.4台前半になると思います。という事は県民共済住宅でも最大限断熱性能を高めれば6地域のHEAT20 G2レベルのUa値0.46はクリア出来ます。

【追記】「県民共済住宅の県民共済住宅で実際に契約した間取りのUa値を計算」という記事で私の間取りと窓の種類をベースにUa値を標準計算ルートで計算したところ高断熱仕様でUa値が0.41、標準仕様で0.47になりました。

C値(隙間相当面積)は県民共済住宅では気密測定を行っていないのでどの位になるかはわかりませんが、気密測定なしで袋入りグラスウールの時点であまり期待は出来ません。

高断熱仕様の断熱材がオプションで選べます

県民共済住宅の断熱材
県民共済住宅の断熱材

県民共済住宅では割と最近高断熱仕様のオプションが設定されました。この高断熱仕様のオプションはその名の通り標準の断熱材よりも断熱性能が高くなっています。

県民共済住宅では天井断熱(勾配天井の場合はその部分だけ屋根断熱)、充填断熱(内断熱)、床下断熱(床断熱)になります。基礎断熱や外断熱にしたいとか断熱材の厚みや種類を変えたいという要望は受け付けて貰えません。

断熱材を入れる箇所標準仕様のR値高断熱仕様のR値標準仕様のU値高断熱仕様のU値
天井(屋根や下屋、ルーフバルコニーの下等)4.15.70.2320.168
2.3〜2.43.10.459〜0.4790.380
床下2.2〜2.43.30.4110.362
外気床(ガレージの上やオーバーハング部分等)3.36.60.3250.177
県民共済住宅の断熱材の熱抵抗値(R値)と各部位の熱貫流率(U値)

この表は断熱材の熱抵抗値(R値)と各部位の熱貫流率(U値)を表にしたものです。U値の方は断熱材の他に熱橋部分や石膏ボード等も含まれた計算値です。この値は設計士さんとの打ち合わせの時に「部位U値計算シート」という資料を頂いてそこから転載したものなので正確な値です。

高断熱仕様のオプションは概算で税込20,900円+坪11,000円(平屋は+坪16,500円)となり、大体35坪の2階建てなら40万円位のプラスになると思います。

高断熱仕様のオプションの正確な金額は壁部分の断熱材の単価(2,400円/坪)×壁面積(坪)、天井の断熱材の単価(6,600円/坪)×天井の面積(坪)、床部分の断熱材の単価(7,700円/坪)×床の面積(坪)と床下収納の蓋(1箇所6,000円)と大工手間(13,000円)が加算されます。この単価は2021年9月契約時の物なので契約時期によっては価格が増減することもあり得ます。

標準仕様の場合、担当の設計士さんによって旭ファイバーグラスかマグ・イゾベールのどちらかの断熱材が使われる事になります。どちらが良いとかは選べないのでどっちになるかは運次第となります。性能的にはマグ・イゾベールの方が多少良いです。

断熱材は標準仕様でも高断熱仕様でも天井、壁、外気床は袋入りのグラスウールになります。床下はEPSやフェノールフォームの断熱材です。

標準仕様から高断熱仕様に変えることで大体Ua値が0.06〜0.1位小さくなるのでUa値が0.45前後になると思います。

窓はオール樹脂サッシのAPW330が標準で選択可能だがAPW430へのアップグレードは不可

YKKAPのAPW330
YKKAPのAPW330

窓はYKKAPの樹脂サッシのAPW330が標準仕様で選択可能です。標準仕様のAPW330はスペーサーがアルミスペーサーでアルゴンガス入り、ガラスは遮熱Low-eタイプのペアガラスになります。

県民共済住宅では外皮性能に関わる部分の変更が出来ないという社内ルールがあるのでAPW330のペアガラスをトリプルガラスにしたり、トリプルガラスのAPW430を入れたりということは出来ません。また、遮熱タイプのガラスしか使えないので南面だけ断熱タイプにして日射取得を最大化するというのも残念ながら不可能です。

県民共済住宅では建物の性能に関する箇所は変更出来ないというルールがあるので性能に関わる部分の自由度は低いです。

窓の選択肢としては標準でYKKAPの樹脂サッシのAPW330の他にLIXILのアルミ樹脂複合サッシのサーモスII Hも選択出来ますが、アルミ樹脂複合サッシという事もあり樹脂サッシのAPW330よりも窓の断熱性能が落ちるのでこの窓の採用はオススメしません。

使える窓の種類はシャッター付き引違い窓、引違いテラス戸、たてすべり出し窓、すべり出し窓(横滑り出し窓)、高所用横滑り出し窓、片上げ下げ窓、FIX窓(ジョイント窓含む)、テラスドア、勝手口ドア辺りです。他の窓が使えるかどうかは担当の設計士さんに確認してみて下さい。

後は内窓も費用がかかりますが導入できます。

準防火地域の場合はサーモスII Hの防火窓になりYKKAPのAPW330シリーズが使えないという情報をネット上で見かけたので、準防火地域で県民共済住宅を考えている方は住宅相談時に準防火地域の窓は何が使えるのかを確認しましょう。準防火地域の場合はガラスの種類が断熱Low-eタイプになります。

玄関ドアは標準でヴェナートD30のD2仕様が選択可能だがイノベストD50へのアップグレードは不可

県民共済住宅標準仕様の玄関ドア
県民共済住宅標準仕様の玄関ドア

玄関ドアは標準でYKKAPだとヴェナートD30のD2仕様、LIXILだとジエスタ2のK2仕様が選べます。この2種類のドアはメーカーが異なりますがドアの熱貫流率は全く同じです。U値は片開きの採光なしのタイプが1.79、片開きの採光ありのタイプが2.25となります。

玄関ドアも県民共済住宅では性能が変わるイノベストD50等の高性能なドアへと変更することはルール上出来ません。

県民共済住宅で最大限高断熱化するのに必要な事

  • 高断熱仕様のオプションを選択
  • 標準仕様の窓は樹脂サッシAPW330を選択
  • 内窓を追加(コスパが非常に悪いのでオススメしません)
  • 玄関ドアはガラスなしの物を選択

内窓なしで大体Ua値で0.4台前半になると思います。内窓を追加しなければ建物の大きさや窓の数にもよりますがプラス40〜60万円位で標準からUa値を0.05〜0.1位向上できる感じです。窓の数をかなり減らしたり面積を小さくすることでUa値をもっと良く出来ると思います。

設計(間取り)で高断熱化出来る部分

  • ユニットバスは2階に設置
  • 土間部分は最小限にする

県民共済住宅の場合、土間部分の基礎の立ち上がりの壁部分には断熱材が入りません。そのため土間部分が広いと断熱の穴となりUa値も多少悪化します。

また、県民共済住宅は基礎断熱ではなく床断熱になり、ユニットバスを1階に設置した場合の断熱処理は本来ユニットバス部分は気密パッキンでユニットバス回りだけ基礎断熱とすべき所が県民共済住宅では残念ながら通気パッキンとユニットバス本体の断熱材頼りになるのでどうしても断熱の穴になります。

ユニットバスを2階に設置すると断熱エリア内にユニットバスが入るのでこの問題は解決出来ます。ユニットバスを1階に設置する事でUa値は微々たる差で悪化しますが、恐らくUa値の差以上に体感は結構変わるのではないかと思います。

YKKAPのプラマードU(内窓)
YKKAPのプラマードU(内窓)

内窓の追加は元々断熱性能が高い樹脂サッシのペアガラスに内窓を入れても窓のU値(Uw値)は0.1位しか改善しません。しかも内窓は1箇所数万円するので断熱性能のためだけに全窓内窓付きにするのはコスパが悪すぎると思います。ここまでやればUa値は0.40位で窓の数次第では0.3台後半も狙えないことはありません。

内窓はアルミサッシのような性能が悪い窓につけると絶大な効果があります。私の今住んでいる家でもアルミサッシのペアガラスで冬は窓際が寒くてたまりませんでしたが内窓をつけたら窓際の寒さが劇的に改善して窓際にいても寒くなくなりました。内窓をつけた際のU値はYKKAPのプラマードUのカタログに詳しく載っているので内窓を検討するなら窓のU値がどう改善するかをカタログで確認してみて下さい。

断熱性能以外で快適性を向上出来そうなところ

換気システムは標準がダクト式の第3種換気でオプションで全熱交換型の第1種換気に変更可能

県民共済住宅の第3種換気システム
県民共済住宅の第3種換気システム

換気システムは標準でダクト式の第3種換気になります。オプションで全熱交換型の熱交換率70〜80%のダクト式の第1種換気に変更可能です。

オプションの全熱交換型の第1種換気システム
オプションの全熱交換型の第1種換気システム

第一種換気システムはフィルターのメンテの手間が第三種換気よりも大変になりますが、きちんと換気が出来るメリットと熱交換換気なので換気の熱損失が減り快適性は向上すると思います。

オプションの第一種換気システムの機種は各階に1台換気システム本体が必要になるタイプなので2階建てだと2台本体が取り付けられることになり、メンテの手間も2倍になってしまうという欠点があります。

ルールの縛りはあるものの自由設計なので施主自身が理解していればパッシブ設計も取り入れられる

間取りが一定のルールの制約はあるものの自由に決められるので施主自身がパッシブ設計をきちんと理解して間取りに落とし込める事が出来ればそれなりにパッシブ設計の建物に近づけられます。県民共済住宅は温熱環境に力を入れている工務店ではないので間取りを考える上で周辺の建物を考慮した日射のシミュレーションや光熱費の計算は行っていない上、間取りや窓の配置を決める際に土地の周辺の建物の状況について聞かれたことが全く無いのでパッシブ設計については当てにしない方が良いと思います。窓の配置や種類、大きさ、設置高、ガラスの種類(透明or型ガラス)は施主がある程度指定出来るので冬の日射取得や夏の日射遮蔽だったり、隣家の窓と被らない様にしたりと施主が考えることは多いです。

窓の項目でも触れましたが、県民共済住宅では窓のLow-eガラスが全て遮熱タイプになり、南面だけ断熱タイプには出来ないので冬の日射取得は不利になります。

窓の外側にアウターシェード等の設置も個別見積で可能です。私は今の所アウターシェードを設置する予定はありませんが、他の県民共済住宅の施主ブロガーさんで採用していた人を見たことがあります。

キッチンのレンジフードを同時給排気式に変更可能

採用するキッチンメーカーにもよりますが標準のレンジフードだと排気のみで同時給排気に対応していないレンジフードがついています。レンジフードをオプションで高いグレードの物に変更すると排気のみから同時給排気式に変更出来る物があるのでキッチンメーカーのショールームでキッチンの見積もりを作ってもらう際にレンジフードを同時給排気式に出来るか忘れずにお願いしましょう。

県民共済住宅のタカラスタンダードのグランディアのオプションにあるVRASタイプのレンジフードだとレンジフードのオプション金額に2万円位のプラスで同時給排気式に出来ました。

設計士さんに確認した所、レンジフードの換気扇のダクトにも断熱材が巻かれているとの事なので吸気側のダクトの結露リスクも少なそうです。

タカラスタンダードの標準及びオプションのレンジフードだと排気口のシャッターが標準だと風圧式シャッターなのでこれを電動シャッターに変えることで気密性を向上できます。なお同時給排気式は給気口、排気口共に電動シャッター式になっているので大丈夫です。

クリナップやリクシル、ウッドワンのキッチンのレンジフードの排気口のシャッター方式については調べていないので不明ですが、風圧式から電動式に変えられるなら変えた方が気密性が高くなります。気密性能にこだわりがある方はレンジフードのシャッターについてもキッチンメーカーのショールームで気密性能が高いものに変更出来るかどうか確認してみて下さい。

三菱電機のエアパス用ファン(部屋間の換気扇)も個別見積で導入可能

三菱電機のエアパス用ファン(三菱電機のWEBサイトから転載)
三菱電機のエアパス用ファン(三菱電機のWEBサイトから転載)

県民共済住宅では三菱電機の製品も取扱っているのでエアパス用ファン(部屋間の換気扇)も個別見積で導入出来ます。間取りを決める打ち合わせの時に使いたい換気扇の型番を指定して各部屋の室内ドアの垂れ壁の上や壁の空きスペースに設置すれば普通のエアコンを使った全館空調がやりやすくなります。注意点としてはハイドアだと垂れ壁の上に換気扇を設置するスペースが無くなる事と担当の設計士さん次第で対応してくれない可能性がある事です。私の担当の外部設計士さんは対応してくれました。

このエアパス用ファンは上の画像の様に隣の部屋にエアコンがあるならその空気を引っ張ってくれば良いじゃないというコンセプトの換気扇なので書斎のようなエアコンを設置するには勿体無いような小さい部屋にはうってつけの換気扇です。これを上手く使えばエアコンの設置台数を減らせるのでエアコンの機器代も電気代も削減出来ます。

参考までに私の契約時の見積もりではスイッチ・電源込で1箇所2万5千円でした。

施主自身が理解していれば普通のエアコンを使っての全館空調も出来なくはない

県民共済住宅では全館空調システムのオプションはありません。

普通のエアコンを使っての全館空調もやろうと思えば可能です。勿論エアコンの風通しが良くなるような間取りや上記のエアパス用ファンを補助的に利用すればの話です。設計士さんは普通のエアコンでの全館空調の設計なんてしたことがないと思うのでこの辺は施主自身が勉強するしかありません。

ダイキンのマルチエアコンの様なタイプのエアコンや天井埋込み型のエアコンは県民共済住宅では導入できないと思います。エアコンは標準やオプションで取扱のあるシリーズしか入れられないようなので三菱電機のBXVシリーズかダイキンのFXシリーズかRXシリーズのみになります。建築基準法上の居室にはエアコン用の配管穴とコンセントは用意出来るので上記以外の機種を入れたい場合は引き渡し後に自分でエアコンを手配する感じになります。

【追記】建築基準法上で居室ではない部屋はエアコンが設置不可能みたいなので、そういう場所にエアコンをつける場合は設計士さんにこの部屋にエアコンがつけられるかを早めに確認しておいた方が良さそうです。配管穴とエアコン用のコンセントに関してはグレーゾーンみたいで担当者次第な所があるみたいですが、基本的に引き渡し後に自分で配管穴やコンセントを用意する必要があるみたいです。

県民共済住宅で出来ること

  • 断熱材をオプションの高断熱仕様の断熱材に変更
  • 標準の窓でオール樹脂サッシのAPW330(アルミスペーサー)を選択
  • 防犯ガラスに変更する
  • 型ガラス、透明ガラスを使い分ける
  • 個別見積で内窓を追加して二重窓にする
  • 標準の玄関ドアをヴェナートD30のD2仕様の採光なしのタイプを選択
  • 換気システムをオプションで全熱交換型の第一種換気に変更
  • キッチンのレンジフードをオプションと個別見積で同時給排気式に変更
  • アウターシェードやオーニング、電動スリットシャッター、外付けブラインドの採用
  • 軒の長さを変更する(標準だと最大で柱の中心から最大720mm+雨樋100mm、それ以上は横に壁か柱が必要になる)
  • 庇をつける(下屋の様なタイプでもコンバイザーでも採用可能)
  • 施主自身がパッシブ設計を理解して間取りに落とし込む
  • 施主自身がエアコンを使った全館空調を理解して間取りに落とし込む
  • 個別見積で部屋と部屋の間の壁にエアパス用ファンを設置
  • 部屋(建築基準法上の居室)にエアコンの配管穴とコンセントだけ設置して引き渡し後に好きなエアコンを設置
  • Ua値0.4台の性能

県民共済住宅で出来ないこと

  • 断熱の方法を変える(床断熱→基礎断熱など)
  • 断熱材の種類を変える
  • 断熱材の厚みを変える
  • 付加断熱(外断熱)をしてもらう
  • 吹付け断熱をしてもらう(2021年3月契約で取扱が終了しました)
  • APW330とサーモスX以外の窓シリーズを採用する(APW430等)
  • 気密測定
  • APW330のトリプルガラスに変更する
  • 窓ガラスを遮熱Low-eと断熱Low-eで使い分ける
  • APW330のスペーサーを樹脂スペーサーに変更する
  • 窓ガラスの色を変更する
  • 玄関ドアのシリーズを変更する(イノベストD50など)
  • 標準やオプションにない換気システムを採用する
  • 全館空調システムの導入
  • 床下エアコン暖房の設置(基礎断熱では無く床断熱なのでそもそも無理)
  • 県民共済住宅を通して三菱電機(BXVシリーズ)とダイキン(FX、RXシリーズ)以外のエアコンを採用する(エアコンの施主支給は不可能だが居室にエアコン用の配管穴とコンセントだけ設置することは可能なので家の引き渡し後に好きなエアコンを入れられます)
  • Ua値0.3台の性能

県民共済住宅では外皮性能に関わる部分の制約が多く自由度は高くありません。断熱材周りだと外断熱や付加断熱が出来ないので県民共済住宅でUa値を0.2台や0.3前半にする事は不可能です。後は構造的な所も制約が多いのでスキップフロアや地下室なんかも受け付けていませんが外壁を90度以外の角度で曲げて土地の形状に合わせた形にする事は構造計算が必須になりますが可能なようでした。

ただ、標準仕様でもUa値は0.5位になるので決して断熱性能は悪くありません窓が標準でオール樹脂サッシのAPW330が選べるのが大きいです。県民共済住宅よりも高価格のハウスメーカーや工務店でもアルミ樹脂複合サッシが標準の所も多いので樹脂サッシが標準で選べる県民共済住宅は窓の性能面でアドバンテージがあります。

最後に

高気密高断熱住宅を建てたいけど予算的にローコストメーカーしか無理という人でも県民共済住宅なら6地域のHEAT20 G2レベル(Ua値0.46以下)の家はオプションの高断熱仕様の断熱材を入れれば十分クリア可能な水準です。私の場合は窓を少なめにしてUa値が0.41W/(m2・K)でした。

実際にUa値を計算して思ったのが、県民共済住宅でUa値0.3台を目指すのは断熱材の性能的に難しいです。窓を極力減らしても県民共済住宅の高断熱仕様の断熱材だと0.40か0.39位が限界だと思います。Ua値0.3台や0.2台を目指すなら壁の付加断熱が出来る別の工務店を選びましょう。

ただし、県民共済住宅ではUa値の計算はしてくれないので自分の家の正確なUa値が知りたければ窓やドアの正確なU値を使い、建物の面積を考慮した標準計算ルートで計算して貰うように外注してもらうか、自分でUa値を計算するしかありません。

気密に関しては断熱材が袋入りグラスウールでなおかつ気密測定を行っていないのとオプション等で気密性能を上げられそうな物はないので妥協するしかありません。C値1以下がマストという感じで気密性能を妥協出来ないなら県民共済住宅で建てるのは止めたほうが良いと思います。県民共済住宅で気密性能を上げたければ床下断熱なのでユニットバスを2階に設置するとか外壁部分にコンセントを少なくするとか最上階の天井に施工性が悪いダウンライトを極力入れないとか建物の構造を単純な総二階にして気密処理が複雑になりそうな箇所を減らすとかそういう工夫をする位が限界です。もしくは施工中に現場に顔を出して断熱材の貼り方を細かくチェックするとか現場監督に相談して気密テープを要所要所にきちんと貼ってもらうとかあるいは自分で気密テープを貼るとかそれ位でしょうか。後はレンジフードの排気口のシャッター部分が標準だと風圧式シャッターになっていると思うのでそこを電動シャッターに変えると気密性が向上すると思います。

県民共済住宅は坪単価が31.8万円と激安の部類に入るローコストメーカーですが、建物の外皮性能や設備の内容を見る限り決して安かろう悪かろうではありません。施主自身の家づくりの知識とやる気と時間があれば結構良い家が建てられると思います

高気密高断熱に拘って完璧を目指す(HEAT20 G3レベルやパッシブハウス)となると県民共済住宅はまだまだ全然物足りないですが気密性能や断熱性能にある程度妥協出来る人なら価格が安くコスパが高い県民共済住宅で建てるのはありだと思います。