以前の「東京電力エリア内の60A契約で一番安い電力会社を検証しました」という記事で東京電力エリア内の60A契約を前提条件として実際に電気代を比較してみましたがオール電化だと九電みらいエナジーのNプラン、オール電化以外だと四国電力のシンプルコースが2022年7月時点で最安でした。

その記事では実費だけを考慮して計算したので加算されるポイントやマイル等は含んでおらず、今回の記事ではポイントやマイルを含めた実質価格で比較してみたいと思います。

オール電化住宅向けの九電みらいエナジーのNプランと基本料金ゼロ円の中国電力のシンプルコース

九電みらいエナジーのNプランにはkWh単価が一番安い分マイルやポイントがつかないNプランと、NプランよりもkWh単価が若干高くなるものdポイントが100円につき2ポイント加算されるdポイントプランNやJALマイルが100円につき1マイル加算されるJALでんきN、WAONポイントが100円につき2ポイント加算されるWAONプランNという料金プランが存在します。

電力会社料金プラン基本料金
(60A)
深夜以外
kWh単価
深夜帯
kWh単価
深夜帯特典
東京電力スマートライフS1,71625.8017.781:00〜6:00
九電みらいエナジーN(ナイト)プラン1,711.1425.2617.7223:00〜7:00
九電みらいエナジーdポイントプランN1,711.1425.7717.7723:00〜7:00dポイント
100円:2ポイント
九電みらいエナジーJALでんきN1,711.1425.7717.7723:00〜7:00JALマイル
100円:1マイル
九電みらいエナジーWAONプランN1,711.1425.7717.7723:00〜7:00WAONポイント
100円:2ポイント
中国電力シンプルコース026.09エネルギアポイント
200円:1ポイント
九電みらいエナジーのNプランのバリエーション

金額が一番安いのは何もポイントやマイルがつかないNプランになりますが、ポイントやマイルが付くkWh単価がスマートライフSとほぼ変わらないプランでも東京電力のスマートライフSよりも深夜帯の時間が長い分電気代が安くなります。

東京電力エリア内のオール電化向けプランは各社とも料金の差があまり無いので実質価格で一番お得なプランを探してみたいと思います。

比較に使用するデータ

私の家の2022年5月分の明細のデータを使います
私の家の2022年5月分の明細のデータを使います

今回の比較に使用するデータは私の家の2022年5月分の明細のデータを利用します。私の家は東京電力エリア内にあり60A契約でオール電化向けのスマートライフSを契約しています。

5月分の使用電力量は424kWhで、スマートライフSの安い電気代単価が適用されたのが83kWh(他季深夜時間)、スマートライフSの普通の時間帯の料金が適用されたのが292kWh(他季その他時間)と49kWh(他季夜間時間)になります。

九電みらいエナジーの深夜帯の時間は23時〜午前7時でスマートライフSの明細の他季夜間時間(23時〜午前1時、午前6時〜午前7時)と他季深夜時間(午前1時〜6時)を足した時間帯と同じになります。

電力会社プラン基本料金昼間
使用量
昼間
単価
昼間
合計
深夜
使用量
深夜
単価
深夜
合計
合計東電
との差額
Nプラン
との差額
東京電力スマートライフS1,71634125.808,797.88317.781,475.7411,989.540-563.44
九電みらいエナジーN(ナイト)プラン1,711.1429225.267,375.9213217.722,339.0411,426.1563.440
九電みらいエナジーdポイントプランN1,711.1429225.777,524.8413217.772,346.9611,583.2406.3-157.1
九電みらいエナジーJALでんきN1,711.1429225.777,524.8413217.772,346.9611,583.2406.3-157.1
九電みらいエナジーWAONプランN1,711.1429225.777,524.8413217.772,346.9611,583.2406.3-157.1
中国電力シンプルコース042426.0911,062.1611,062.16927.38363.94
5月分の電気代をオール電化用のプランで比較

まずは単純に電気代だけを比較してみると、オール電化向けプランの中で一番安いのが九電みらいエナジーのNプランで、その次に九電みらいエナジーのマイルやポイントが貯まるプランが安くなり、Nプランとの差額は157.1円なので金額的にはあまり大きくありません。

最安はオール電化向けではなく基本料金ゼロ円の中国電力のシンプルコースでした。オール電化住宅でも太陽光発電がついていて昼間の電力はある程度賄えるような家だとこの料金プランとの相性は良いと思います。その場合、深夜電力を使う必要が無くなるのでエコキュートの設定(昼間に沸かす設定が出来ないならエコキュートの時計を半日ずらす)を変えて昼間に沸かすようにすると効率良く太陽光発電で発電した電気を自家消費出来ます。

この方法は最近屋根上に太陽光発電を載せて売電単価(FIT価格)が普通に電力を買うよりも安い場合に有効です。

次はマイルやポイントの価値を考慮した上での計算をしてみます。

電力会社プラン税込電気代Nプラン
との差額
ポイント対象
電気代
ポイントサービス加算レート
(円:ポイント)
加算ポイントポイント価値税込実質電気代Nプラン
との実質差額
東京電力スマートライフS11,989.54-563.44コミュニケーションポイント
(dポイントに交換可)
くらしTEPCO webに毎月ログインで50ポイント501ポイント:1ドットマネー:1ポイント11,939.54-513.44
九電みらいエナジーN(ナイト)プラン11,426.1011,426.10
九電みらいエナジーdポイントプランN11,583.2-157.110,530.18dポイント100:22101ポイント:1円→210円11,373.252.9
九電みらいエナジーJALでんきN11,583.2-157.110,530.18JALマイル100:11051マイル:1円→105円11,478.2-52.1
九電みらいエナジーWAONプランN11,583.2-157.110,530.18WAONポイント100:22101ポイント:1円→210円11,373.252.9
中国電力シンプルコース
JAL&エネルギア・ふるさとメニュー
11,062.16363.9411,062.16エネルギアポイント
(JALマイルに交換可)
200:1

200:150(75%)
551ポイント:0.75マイル:0.75円→41.25円11,020.91405.19
中国電力シンプルコース
NTTドコモメニュー
11,062.16363.9411,062.16エネルギアポイント
(dポイントに交換可)
200:1
→100:120(120%)
551ポイント:1.2dポイント:1.2円→66円10,996.16429.94
5月分の電気代をオール電化用のプランで比較

九電みらいエナジーのオール電化向けプラン

1ポイント:1円、1マイル:1円換算で実質的な電気代を計算してみるとNプランよりもdポイントプランNやWAONプランNの方が52.9円安くなる計算になりました。

九電みらいエナジーのポイント分は税抜金額が対象になり、中国電力のポイントは税込金額がポイントの対象になります。

dポイントはスマホ決済のd払いを利用すると普段の買い物で1ポイント1円として使えるのでポイントの価値も1ポイント1円分あると思います。WAONポイントも同じくイオン系のお店で1ポイント1円として使えます。

JALマイルに関しては普段飛行機に乗らない人だったり、旅行をしない人にとっては1マイル1円の価値もないと思いますが、普段からJALマイルを貯めていて特典航空券に変えている人にしたら1マイルの価値は1円どころか安く見積もって2円、どこかにマイルやおともでマイル等のサービスを使ったり、国際線のビジネスクラスやファーストクラスの特典航空券に変えれば確実に1マイル3円以上の価値になるので一概にいくらと決めつけるのが難しく、利用方法で1マイルの価値が大きく変わります。

私はdポイントが使えるスマホ決済やネット決済のd払いも良く利用していますが、JALのマイルも日常的に貯めているので九電みらいエナジーのNプランの中ではJALでんきNが一番惹かれます。JALでんきNは1年間継続すると1,000マイルがボーナスマイルとして貰えるのも魅力的です。

九電みらいエナジーのオール電化向けプランは普段自分が良く使っているポイントサービスがあればそれに応じた料金プランを選択した方が実質的な電気代が安くなるのでお得ですが、dポイント、JALマイル、WAONポイントのどれも普段使っていなければ普通に一番安いNプランにするのが良いと思います。

中国電力のシンプルコース

中国電力のシンプルコースも利用金額に応じてエネルギアポイントというポイントが加算(200円につき1ポイント)され、エネルギアポイントはJALマイル(200エネルギアポイント:150マイル)やdポイント(100エネルギアポイント:100dポイント、期間限定で100エネルギアポイント:120dポイント)に交換できます。

エネルギアポイントは利用料金に応じて加算される他にもゲームをプレイしたりアンケートに回答したりすると加算されるみたいですが純粋な利用料金以外で獲得できるポイント数は無視して計算してみます。

中国電力は直接JALマイルやdポイントが付与される訳ではなく、一旦中国電力のエネルギアポイントにした上で100エネルギアポイントや200エネルギアポイント単位で交換するのでポイント余りが出てしまうデメリットもありますが、一旦エネルギアポイントを介するのでマイルやdポイントの有効期限を実質的に伸ばせるというメリットもあります。

月に1万円電気代を支払っても50エネルギアポイントしか貯まらないので年間で貯められるdポイントやJALマイルは多くないですが、何もないよりはマシなので実質価格の計算に含めてみました。

最後に

月の電気使用量が300kWh程度と少ないならオール電化住宅でも非オール電化住宅でも基本料金ゼロ円の中国電力のシンプルコースが2022年7月時点で契約可能なプランの中で最安だと思います。

オール電化住宅で電気使用量が500kWh以上あるようなら九電みらいエナジーのNプランの方が安くなると思うので普段JALマイルを積極的に貯めているならJALでんきN、ドコモユーザーでdポイントを日常的に貯めていたり、スマホ決済のd払いを良く使っているならdポイントプランNイオンで良く買い物をするならWAONプランNで、これらのライフスタイルに当てはまらない場合は普通のNプランが良いと思います。

前回の記事「東京電力エリア内の60A契約で一番安い電力会社を検証しました」で色々シミュレーションしてみましたが、今回は前の記事でシミュレーションした中で最も安かった2社のプランを掘り下げてみました。

で、結局私はどの電力会社のどのプランにしたのかですが、前回の記事でEV(電気自動車)を持っている私はまちエネの「毎晩充電し放題!プラン」というEV所有者向けプランにすると良さそうだと思ったのでまちエネの毎晩充電し放題!プランに切り替えてみました。このプランは午前1時〜午前5時までの間が定額料金(どれだけ使っても各月の決められた電力使用量で固定)で、EVをその時間帯に充電すれば実質無料でEVに乗れるというプランです。

1回5kWhのEV充電を週2回行うとすると大体月に40kWh分の充電が実質無料で出来るようになり、更にエコキュートの沸き上げ時間をその時間内に行うようにすればより恩恵を受けられます。太陽光発電の電気を自家消費すべく昼間に行っていたエコキュートの沸き上げとEVの充電を夜間の充電し放題の時間帯に回すことで、今まで自家消費していた分を売電に回せる事もあり私にとって非常にメリットが大きいと判断しました。