先週半ばから今週にかけて天気予報では10年に1度の最強寒波が到来するとの事で、私の家があるさいたま市でも最低気温が氷点下に落ち込む日々が続きました。

そんな寒い日が続いた中、昨年県民共済住宅でローコストながら施主が勉強して高気密高断熱住宅のセオリー通りに建てた家で寒かったのか寒くなかったのかはこれから家を建てようとしている方々が一番気になる所だと思います。

私の家の性能はUA値が0.41で6地域のHEAT20 G2レベル(断熱等級6)の0.46以下でC値が1.02で、家の大きさは35.7坪(118.2m2)で換気システムはダクト式第三種換気の総二階の家です。

暖房器具は1階にある日立の寒冷地仕様の6畳用エアコン(RAS-HK22J)1台と2階にある三菱重工の8畳用エアコン(SRK25SV)1台のみで、そのエアコン1台もしくは2台併用で3帖の玄関ホールを除く35.7坪(118.20m2)の家全体を全館暖房していて、エアコン以外の暖房器具はありません。

つまり35坪(70帖)位の空間を6畳用エアコン(寒冷地仕様)1台と8畳用エアコン1台で暖房している事になり、一般常識からしたら小さすぎる畳数のエアコンを使っているわけですが、これでも設計時に自分で暖房負荷を計算した上であまり余裕を持たせず丁度良い畳数のエアコンを選びました。

そんな小さい畳数のエアコン1台か2台でしかも全館暖房(玄関ホール以外の室内ドアを常に開け放ってエアコンの暖気が行くようにしています)してエアコンだけで家が本当に暖まるのか疑問に思う人もいるかと思いますが、理論上はともかく、実際の所はどうだったのでしょうか。

外は極寒、家の中はいつも通り

気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月25日のさいたま市の気温グラフ
気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月25日のさいたま市の気温グラフ
気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月26日のさいたま市の気温グラフ
気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月26日のさいたま市の気温グラフ

最強寒波が到来した1月25日は最高気温が2℃台、最低気温が-3℃台と1月の平均気温より5℃位気温が低い上、外は強風で体感的には半端ない寒さでした。

気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月のさいたま市の気温
気象庁のWEBサイトから抜粋した2023年1月のさいたま市の気温

翌日の26日は朝の冷え込みが激しく、最低気温は何と-7.1℃という記録的な寒さでした。

2023年1月25日の週のLDKの室温と湿度
2023年1月25日の週のLDKの室温と湿度

外気温はとても低かったですが、幸い家の中にいる分には特別寒さも感じる事もなく普段より0.5〜1℃位低い程度で体感的にはそこまで変わらない室温でした。

私の家のC値は1.02と高気密と言えば高気密ですが、そこまで高気密な訳でもなく、一般的に全館暖房するなら最低でもC値1以下と言われている中でギリギリオーバーしている気密性能ですが、今の所隙間風は一切感じません。

換気システムは県民共済住宅標準仕様の第3種換気システムですが、弱運転で24時間稼働させています。換気システムを止めたらもう少し家の暖房負荷が下がってもう少し暖かくなりそうな感じはしますが、換気システムを止めるほど室内が寒くはありませんでした。

室温はほぼいつも通りでもその裏でエアコンの消費電力量が増大

寒波が来た日(2023年1月25日)の消費電力は43.4kWh
寒波が来た日(2023年1月25日)の消費電力は43.4kWh

幸い室温はほぼいつも通りでしたが、外が寒かった影響で暖房負荷が増大していて1日の電力消費量は普段よりも10kWh位増えていました。

2023年1月の1日あたりの消費電力量
2023年1月の1日あたりの消費電力量

普段の消費電力は35kWh前後で、EVを充電した日は40kWhを超える事がありますが、寒波が来た1月25日はEVの充電は行っていないにも関わらずEVを充電した日と同程度の43.4kWhという消費電力になっています。

ちなみに私の家は給湯器がエコキュートでオール電化住宅かつ車は電気自動車(BEV)なので一般的な家庭よりも電力消費量は多いと思います。上のカレンダー上の消費電力量には太陽光発電で自家消費した分は含まれていないので、実際に電力会社から購入する電力量はもっと少ないです。

まちエネから2023年1月分の電気代の請求はまだ来ていませんが多分3万円を少し超える位になると思います。これだけ電気代が高騰すると太陽光発電で自家消費分の恩恵が月2万円位になるので太陽光発電は載せておいて良かったです。

寒波が来た2023年1月25日の時間別の電力消費量
寒波が来た2023年1月25日の時間別の電力消費量

太陽光発電のモニターで1月25日の時間帯別の消費電力量を見てみると、普段は1〜1.5kWh前後で推移する事が多い夕方以降の消費電力が2kWhを超えている時間帯が多くなっていました。

20時頃はIHを使ったので消費電力が高くなっていますが、それ以降の時間も消費電力が減っていないのはエアコンが定格能力を超えて最大能力に近い状態で稼働して効率が落ちていた可能性が高いです。

私のエアコンの能力選定は能力に余裕はあまり持たせておらず、暖房負荷は家の大きさと断熱性能を元に冬の最低気温に定格能力が収まるのではなく、冬の平均気温に定格能力が収まり、なおかつ最低気温が最大能力に収まる様な感じにして、極端に寒い日以外の効率が良くなるように暖房能力を決めたので、極端に寒い日に電力消費量が増えるのはある意味仕方ない面もあります。

最低気温-7.1℃まで冷え込んだ2023年1月26日の時間別の電力消費量
最低気温-7.1℃まで冷え込んだ2023年1月26日の時間別の電力消費量

翌日に太陽光発電のモニターで消費電力を見てみたら、夕方以降の消費電力が凄いことになっていたので電気代的にこれはヤバイと思い、翌日から1階のエアコンの設定温度を21℃→20℃へ1℃下げました。そのおかげか25日以降は1日の消費電力が少なくなり、EV充電をしていない日の消費電力量が30kWh台に戻ったので良かったです。

パッシブデザインを考慮した高気密高断熱住宅なら昼間は無暖房で過ごせる

上の時間帯別の電力消費量グラフで14時と15時の消費電力が0.5kWh台と少ないのは、基本的に晴れた日の日中は南側の窓のカーテンを全開にして日射を入れる事で無暖房でも寒くないのでエアコンを止めて過ごしているためです。

私の家のエアコンの使い方は1階の寒冷地仕様の6畳用エアコンを21℃設定で16:30〜翌日8:30までタイマー運転して、2階の8畳用エアコンを朝4:30に点けてから晴れた日は10時頃に消して、夕方の16時頃〜0時頃まで点けるような感じにしていて、天候が悪く日射が入らない日は2階エアコンは昼間もつけっぱなしにしています。

エアコンの運用を色々試してみたところ、24時間エアコンをつけっぱなしにするよりも昼間はエアコンを切って窓から入る日射熱で室内を暖めた方が1日3〜5kWh位節電になる事がわかったので晴れた日の昼間はエアコンを切っています。

2階の窓なしユニットバスは外が氷点下でも寒くない

私の家のユニットバスは建物の断熱層の内側に収まるように2階に持ってきて更に窓なしなので寒さ対策はバッチリです。

県民共済住宅は床断熱工法を採用していますが、1階ユニットバスの周りは基礎断熱になっておらず、床下に収まるユニットバス下部は床の断熱材よりも断熱性能が劣るユニットバス本体の薄い断熱材しかないので断熱の穴になりますが、2階にユニットバスを持ってくることでユニットバス全体が建物の断熱材の内側に来るので断熱の穴が無くなります。

そのおかげか外気温がマイナスでも浴室は寒くないので非常に快適です。浴室の隣の脱衣室も普段全館冷暖房しているので寒くない事もあり、県民共済住宅の標準仕様で浴室暖房乾燥機が付いてきましたが、そもそも浴室と脱衣室が寒くならないので暖房機能はまだ使ったことがありません。

浴槽のお湯については窓なしで断熱層の内側にユニットバスがあり、浴槽にも薄い断熱材があるので通常よりも浴槽のお湯が冷めにくい環境ではありますが、外気温が低いとエコキュートの凍結予防機能が働き、エコキュートからお風呂までの配管に貯まっている冷めたお湯と言うか冷たい水が浴槽内に定期的に流れ込んでくるので全くお湯が冷めないという訳ではありませんが、2〜3時間で追い焚きが必要になる程冷める訳ではないので今の所は追い焚きや足し湯も使っていません。

最後に

10年に1度レベルの寒波が来て1月25日のさいたま市の気温グラフを見ると、最高気温が2℃で最低気温が-3℃という極端に寒い日になり、翌日の26日は最低気温が-7.1℃まで冷え込みましたが、2021年度の県民共済住宅で最大限高気密高断熱を追求して建てた新居は寒くなかったのでホッとしています。

むしろこんな寒い日でも晴れていたので昼間はエアコンを切って何時間かは無暖房で過ごせたのは凄いと思います。

この日は極端に寒かった事もあり、暖房負荷が高まった分1日の消費電力は普段より10kWh位増加しましたが家の中が暖まらないみたいな事はありませんでした。もしかしたら6畳用とは言え寒冷地仕様のエアコンを入れた事もありこのレベルの寒い日でもエアコンがきちんと効いて家が暖かかったというのもあるかもしれません。

私の家の断熱性能(UA値0.41)ならこのレベルの寒さでもエアコンだけで快適性を損なわずに凌げる事がわかりましたが、エアコンの消費電力が馬鹿にならない事もわかりました。

エアコンの消費電力についてはもう少し余裕のある畳数のエアコンを入れれば多少マシになっていた可能性はありますが、それだとそこまで寒くない日の消費電力が増えて1ヶ月単位で見ると逆効果になりそうな予感もするのでなんとも言えません。

ここまで寒い日は年間で数日あるかないかだと思いますが、そんな日でも一応快適に過ごせたのでローコストな県民共済住宅で断熱性能を追求して高気密高断熱住宅に最大限寄せた家を建てたのは間違っていなかったと実感しています。