当サイトの県民共済住宅に関する情報は2021年9月契約、2022年4月引き渡し時点での情報を元に記載されています。

当時と現在とで仕様やルール、価格などの前提条件が異なり、記事の内容が間違っている可能性があるのでご注意ください。

2022年4月末に県民共済住宅で新築した家が引き渡しされてから5ヶ月経過してようやく夏が終わりました。

私の家は「県民共済住宅で高気密高断熱住宅を目指す」というコンセプトで終始一貫して家づくりをしましたが、何のために高気密高断熱にしたのかと言えば夏でも冬でも1年中快適に過ごしたいからです。

表向きは「高気密高断熱」というテーマを掲げていますが、単に断熱材を高断熱仕様にしただけではなく高断熱化したことによる性能向上をどういう風に活かすかという点で間取りやエアコンの配置を工夫して普通のエアコンを使った全館冷暖房を裏テーマとして掲げています。

全館冷暖房は普通に居室のみを冷暖房するよりも光熱費が嵩むので建物を高断熱化して冷暖房負荷を下げて省エネを図りつつ、太陽光発電を載せて冷暖房エネルギーをある程度自活するという両面からのアプローチで快適性を最大化しながら光熱費を下げる事を目論みました。

「高気密高断熱」+「パッシブデザイン」+「普通のエアコンでの全館冷暖房」+「太陽光発電」+「オール電化」=「光熱費そこそこで超快適?」

みたいな仮説を立てて家づくりを進めてきた訳ですが、実際にひと夏過ごしてみた感想を綴ってみます。

県民共済住宅でも夏涼しい家は実現可能

冷房用の8畳用エアコン(ビーバーエアコンSRK28SV)
冷房用の8畳用エアコン(ビーバーエアコンSRK28SV)

まず伝えたいのが県民共済住宅でも夏暑くない家は実現可能です。

これは当然ながらエアコンを使っての涼しさになります。埼玉県内の7月や8月の暑さは通風でどうにか出来るレベルを超えているのと、夏は気温もそうですが湿度が高く、外気温が26℃位でも湿度が高くて快適ではないので暑い時期は素直にエアコンを最大限有効活用しています。

過去記事でも何度か触れましたが、私の家のエアコンは2階の階段近くに冷房用の8畳用エアコン1台と1階の階段近くに暖房用の寒冷地仕様の6畳用エアコンが1台あるだけで35坪(70畳)の空間を冷暖房するようなエアコンの配置になっています。

普段動かしているのは2階の8畳用エアコン1台だけで家中涼しくなりますが、35℃を超える猛暑日は8畳用エアコン1台だけだと涼しさにムラが出るので1階の6畳用エアコンも併用して家中涼しい状態にしています。

同じ「涼しさ」でも普通の家でエアコンの風を人に直接当てて涼しいと感じさせるような「暑い中だからこそ実感出来る涼しさ」ではなく、空間全体が均一に涼しいので家の中が避暑地みたいな感じの「そもそも暑いと感じない」ような涼しさが保たれています。

湿度を下げれば無垢床でなくても床が気持ち良い

家中エアコンで冷やすことで相対湿度が50〜65%位にまで下がるので空気がベタつかず、県民共済住宅標準仕様のニレの床もサラッとした感じで気持ちいいです。

ちなみにエアコンを止めると室温はあまり変化がありませんが、湿度60%程度から1〜2時間程度で一気に湿度75%位まで上がってしまい不快指数が急上昇するので気温がそんなに高くない日でもエアコンが止められません。

なお湿度が65%辺りで床のベトつきを感じ始めて65%以上だと明らかに快適度が落ちます。

エアコンの畳数は小さい方が暑くない日の湿度コントロールが容易

冷房用には本来10畳用のエアコンを入れるつもりでしたが、予算の都合で旧宅で使用していた8畳用エアコンを冷房用に使っています。

ひと夏過ごしてみて思うのは10畳用よりも能力が低い8畳用エアコンで良かったと言うか、むしろもっと能力が低い6畳用エアコンでも良かったと思っています。

外気温がそこまで高くなく、湿度が高い日に8畳用の冷房用の再熱除湿があるエアコンで湿度を下げようと思うと設定温度低めかつ風量最弱での冷房運転でも冷えすぎてしまいます。冷房運転(弱冷房除湿)で湿度を下げるにはエアコンの熱交換器を冷やして結露させて結露水を屋外に排出することで湿度が下がるので、畳数が大きいパワフルなエアコンだと冷えすぎてしまいます。

気温が26℃前後で相対湿度が50%台の快適な環境に慣れてしまうと外気温が25℃位で相対湿度が65%位の日でもエアコンの弱冷房運転もしくは除湿運転で湿度を下げたいと思ってしまうのでそういう日は部屋を冷やしすぎない小さい畳数のエアコンが最適です。

C値1.02程度の家でも普通のエアコンでの全館冷房は可能

中間気密測定でのC値
中間気密測定でのC値

私の家はUA値が0.41、C値は中間気密測定で1.02と断熱性能は6地域のHEAT20 G2レベルをクリアしているものの、C値は一般的には高気密と言って良い数値ですが、高気密高断熱住宅のカテゴリ内だと決して「高気密」と呼ばれるほど良い数値ではありません。

換気システムはダクト式の第3種換気システムなので熱交換器もなく、エアコンは今流行りの床下エアコン暖房でも小屋裏エアコン冷房でもなく、1階と2階の階段ホールにそれぞれ普通の高さで設置しています。

エアコンでの全館冷暖房を行うのに参考にしたのは「F式全館冷房」と呼ばれる一条工務店の施主ブロガーのフエッピーさんがブログで公開しているエアコンの運用手法を大いに参考にしました。

私の家の冷房用の8畳用エアコンは設定温度を下げても送風口から極端に冷たい風が出るわけではなかったのでエアコンから出る風と室温との温度差を利用して下の階の遠い部屋まで冷気を届けるというF式本来のエアコン運用が難しく、私の家ではサーキュレーターを併用して冷気を遠くの部屋まで届けています。

その時点でF式の思想とは若干異なっていますが猛暑日以外なら1階も満遍なく冷房出来ていて、猛暑日だと2階のエアコンだけだと温度ムラがあるので1階のエアコンも併用する事で温度ムラが無い快適な空間を実現出来ています。

県民共済住宅の断熱性能は一条工務店よりもかなり落ちますが、それでも問題なく家中冷やせていて相対湿度も概ね60%前後を維持出来ています。

外の空気をダイレクトに取り込む第3種換気でなおかつC値1という事もあるので相対湿度は50%台後半までは落とせますが、40%台になることはありません。

湿度コントロールを行うならワットチェッカーと温湿度計は必須アイテム

湿度コントロールをメインにエアコンを動かそうとするとエアコンのリアルタイムの消費電力を常に把握した上で温湿度計の数値を見る必要があります。