当サイトの県民共済住宅に関する情報は2021年9月契約、2022年4月引き渡し時点での情報を元に記載されています。

当時と現在とで仕様やルール、価格などの前提条件が異なり、記事の内容が間違っている可能性があるのでご注意ください。

県民共済住宅で高気密高断熱を可能な限り追求した家を建てて、せっかく高気密高断熱住宅にするなら冷暖房計画も全館冷暖房出来るようにして家中どこでも涼しくなる事を目指して間取りやエアコンの配置を考えました。

快適性を突き詰めると普通の家の様にリビングや寝室はエアコンが効いて涼しいけどエアコンが付いていないトイレや廊下、玄関は暑いみたいな家には住みたくなかったので全館空調の家が理想でしたが、予算的に県民共済住宅位でしかまともな家が建てられなかったので全館空調オプションが存在しない県民共済住宅で冷暖房計画を自分でしっかり練り上げて全館冷暖房を実現出来そうな感じの間取りとエアコンの配置を決めました。

そんな感じで高気密高断熱住宅の冷暖房計画について色々勉強して知識をつけてそれを自分なりにアレンジして「ぼくのかんがえたさいきょうの全館空調」を間取りに落とし込んでみたわけですが、実際に住んでみて絵に書いた餅になって死ぬほど後悔しているのか、それとも普通に家中どこでも涼しい快適空間を満喫しているのかは気になるところだと思います。

【2022年7月20日追記】エアコン1台での全館冷房について追記しました。

我が家のエアコンと家のUA値・C値

私の家は35坪(70畳)の総二階の家でエアコンは1階に1台、2階に1台設置しています。寒い時期は1階のエアコン1台で暖房し、暑い時期は2階のエアコン1台で冷房するという運用で考えていて、1台のエアコンで冷暖房出来なかった場合はもう1台のエアコンを補助的に動かすような感じでの運用を考えていました。

適切な能力の高性能エアコンを入れたかったのですが予算的な問題もあり真夏と真冬以外は1台で冷暖房を行い、真夏や真冬はエアコン1台だけだと能力不足になる可能性が高いのでもう1台のエアコンも併用して冷暖房出来るように保険をかけました。

家のUA値は0.41でC値は1.02(中間気密測定時)で換気システムは第3種のダクト式になります。家の断熱工法は床断熱、充填断熱、天井断熱になり、壁と天井の断熱材は袋入りグラスウールなのでローコスト住宅や普通のHMで良くある感じの家です。

2021年契約の県民共済住宅だとトップレベルの性能で、断熱性能に力を入れていないローコスト住宅や普通のHMだと断熱性能はトップレベルで気密はそこそこ位の性能になりますが、パッシブハウスが比較対象になるような高気密高断熱住宅というカテゴリだとUA値はまずまずで気密は悪い方になります。

実際こういう普通スペックの家で普通のエアコンを普通に設置して全館冷房をしたらどうなるかという実例は多分あまり情報がないと思うのでサーモグラフィーの画像付きで載せているので参考にしてみて下さい。

【1階】日立の寒冷地仕様の6畳用エアコン

日立のメガ暖 白くまくん RAS-HK22J(寒冷地仕様の6畳用エアコン)
日立のメガ暖 白くまくん RAS-HK22J(寒冷地仕様の6畳用エアコン)

1階のエアコンは主に暖房用として使うつもりでエアコンを選定しました。エアコンの暖房能力的には10畳用エアコンが最適だと思いましたが、寒冷地仕様の6畳用エアコンだと10畳用エアコンと同等の暖房能力があり、更に10畳用エアコンよりも安かったので型落ち品の寒冷地仕様の6畳用エアコンを入れました。

エアコンの機種は日立のメガ暖 白くまくんの2018年モデルの6畳用(冷房2.2kW、暖房2.5kW)のRAS-HK22Jという機種です。APFも6.7と優秀で最上位モデルには届きませんがかなり優秀な数値です。

普通の6畳用エアコンだと最大暖房能力が4kW前後ですが、寒冷地仕様だと暖房の最大能力が6.6kWと10畳用の高性能エアコン並に強化されているのが特徴です。最大冷房能力は3.1kWと普通の6畳用エアコンと高性能な6畳用エアコンの中間位の能力になります。

【2階】三菱重工の8畳用エアコン

三菱重工のビーバーエアコン SRK25SV(8畳用エアコン)
三菱重工のビーバーエアコン SRK25SV(8畳用エアコン)

2階のエアコンは主に冷房用として使うつもりです。こちらは旧宅で使っていた三菱重工の2017年モデルのビーバーエアコンSシリーズの8畳用エアコン(冷房2.5kW、暖房2.8kW)のSRK25SVという機種です。

三菱重工のビーバーエアコンの中でも最上位モデルだけありAPFが6.9と非常に高効率で捨てるには勿体無さすぎる事もあり、これ1台での全館冷房にはやや能力不足ですがこのエアコンを使い続けるために1台での全館冷房に拘らず、もしこのエアコン1台で厳しそうなら1階のエアコンと併用して2台での全館冷房を行うように考え方を変えました。

理想と現実

過去記事でも度々触れていますが理想はエアコン1台だけを稼働させて家中涼しくする事を目指していました。冷房は2階の8畳用エアコン1台を稼働させて35坪(70畳)の空間を冷やすという事を試みています。

間取りを考える時に夏の時期の直射日光が窓から日射が入らないように適切な長さの軒や庇を南側の全ての窓に用意して東側は窓の大きさや数を最小限にして西側は窓ゼロなので冷房負荷は大きくないはずですが、35℃を超える猛暑日に2階のエアコン1台だけだと2階は概ね涼しいものの、1階がそこまで涼しくないので残念ながら2階の8畳用エアコン1台だけでの冷房は難しかったです。

8畳用エアコン1台だけでも家全体がある程度冷えているのは確かですが、エアコンから遠い部屋は冷風が届かずにやや暑いという感じでした。エアコンのある2階は概ね快適ですが1階の階段から遠い居室は快適ではないのでエアコン1台だけでの全館冷房は中々難しいです。エアコンの風が届かない所にはサーキュレーターを使用していますが暑さがマシにはなるものの涼しいとまではなりませんでした。

この8畳用エアコンだけで全館冷房するとなるともっと気密、断熱性能を上げた上でエアコンに最適化した間取りや上下階の空気の流れを生み出すためのダクトやアローファン、あるいは吹き抜けが必要になりそうです。換気システムも熱交換出来る第1種換気にした方が良いかもしれません。

一応外気温が32℃位のそこまで暑くない日なら2階のエアコン1台でも全館冷房が出来ていて家全体がそれなりに涼しいので猛暑日はエアコンの能力不足になっていた可能性が高いです。

【追記】エアコンの温度設定と風量設定、風向きの設定を色々試した所、2階の8畳用エアコン1台でも上手く全館冷房出来る方法を確立しました。

【更に追記】最高気温が35℃以上の猛暑日だと2階のエアコン1台だけだと室温が1〜2℃位、相対湿度が10〜15%位しか下がりません。猛暑日は1階と2階のエアコンを稼働させて、そこまで暑くない日は2階のエアコン1台で除湿を目的とした使い方をすると良い感じでした。

解決策は意外とあっさり見つかった

試しに2階の8畳用エアコンの冷房運転に加えて1階の6畳用エアコンの冷房運転を併用してみた所、これまで試行錯誤しても解決できなかった家中の温度ムラが無くなり家中均一に涼しいと言うか、暑いとも寒いとも感じない位の本当に快適な空間になりました。

エアコンの設定温度は2階が26℃、1階が27℃とそこまで冷やしている訳ではありません。この設定だと家中が26〜28℃位になり暑い場所が無くなる上、消費電力的にも2階のエアコン1台だけを動かした時と大差ないか微増した程度で家中涼しくなって効果は抜群でした。

今は室内が一番暑くなる夕方以降にタイマーで補助的に1階のエアコンを使う様にしています。

【追記】エアコン1台での全館冷房が出来ました

2台のエアコンを動かすと室温は安定しますが、まだ湿度コントロールが上手く出来ておらず家の湿度が60〜65%であまり下がらず、室内干しした洗濯物が乾きにくいという問題を抱えていました。

どういう風にすれば湿度を下げられるか色々調べてみた所、一条工務店の施主ブロガーのフエッピーさんが提唱するF式というエアコンの運転方法を私の家でも試した所非常に上手く行きました。

F式のエアコン運転方法

  • 設定温度23℃(冷房運転)
  • 風量最弱
  • 24時間つけっぱなし
  • エアコンのセンサー類は全てオフ(送風運転にならないようにするため)

エアコンを冷房運転で微風運転することで弱冷房除湿と同様になるという仕組みです。

この方法を私の家でも採用しました。私はサンワサプライのワットモニターを1個持っていたのでそれをエアコンのコンセントに差し込んで使ってみて、2階のLDK(リビング階段の近く)のビーバーエアコンSシリーズの8畳用エアコンだと設定温度が18℃でも23℃でも25℃でも設定温度よりも室温が低ければ風量最弱運転(静)だと300W位の消費電力になり、吹き出し口から出てくる冷風の温度は変わらなかったのですが、設定温度とエアコンのセンサーが示す室温がほぼイコールな26℃設定だと消費電力が100〜350Wの範囲で送風運転にも切り替わらず常に冷房出来ていて、エアコンからの冷気が階段を伝わって1階まで緩やかに冷やせています。

冷房用として使っている8畳用エアコンのSRK25SVの定格冷房消費電力が485kWなので35坪(70帖)の家でも安定して定格能力以下で運用できています。

以前は26℃設定で風量は「中」設定でしたが、それよりは消費電力が100〜150W位増えたものの部屋の湿度が50%台まで下がるようになり、フローリングのベタつきも解消され家中の室温もあまり変わらないのでより快適な空間になりました。

以前F式の運転方法を試した時は10分位してもあまり冷えなかったので止めてしまいましたが、この運転方法は微風運転なので短時間で家全体が冷えるわけではなく、もっと長い時間をかけてじっくり家中を冷やしていくような感じなのでもっと長い目で見れば良かったです。

私の家は日射遮蔽がきちんと出来ていてなおかつエアコンの周囲が開けているのでF式の全館冷房が上手くハマったと思います。

私の家のエアコンだと消費電力は多い時が350W位、少ない時は100W位で1日平均だと200〜300W位になるので、0.3kWh×24時間×30日=216kWhが月の冷房の消費電力になります。これに電気代の単価として30円を掛け算すると6,480円となるので全館冷房にかかる電気代は6,500円位になりそうです。

F式だと湿度が低く保てるので室内干しした洗濯物も乾きやすくなるし、浴室換気扇も回さずに浴室に向けてサーキュレーターで風を送って乾燥させれば良いのでメリットが大きいです。浴室換気扇を回さない理由は第3種換気システムだと浴室換気扇で排気したのと同じ量の空気を外から引っ張ってくるので、換気扇を回せば回すほど外の湿った空気が室内に入って来てしまい浴室の湿度は下がるものの、家全体の湿度はむしろ上がってしまうという現象が起こります。

夜にエアコンを切って窓を開けて過ごしている家ならともかく、24時間エアコンをつけていて湿度まで気を使っている高気密高断熱住宅では浴室換気扇は不要かもしれません。

【さらに追記】35℃を超えるような猛暑日でエアコン1台での微風運転だと家全体を冷やしきれないので2台のエアコンを併用しています。

サーモグラフィーで見る2台のエアコンで全館冷房した室内の状態

LDKは全体的に26℃台なので快適です
LDKは全体的に26℃台なので快適です

2022年7月10日の晴れた日の16時過ぎにサーモグラフィーで室内を撮影してみました。この日は最高気温が33℃位でそこまで暑い日ではありません。

2階のLDKは上下で温度差が2〜3℃位ありますが概ね26℃台なので快適です。このサーモグラフィーの画像を見ると暖気は上に上がり冷気は下降するということが良く分かります。画像の左側が窓のある南側で奥側が西側です。

この空間を均一に冷やそうとするならサーキュレーターで天井付近の熱気をかき混ぜるのが良さそうです。

MAXの29.6℃はスマホの充電器が刺さっているコンセントなので問題ありません。

このサーモグラフィーは相対的な温度差で色味が変わるのでエアコンの送風口を映すと全体的に暑そうな色味になります
このサーモグラフィーは相対的な温度差で色味が変わるのでエアコンの送風口を映すと全体的に暑そうな色味になります

エアコンがあるLDKの北側です。全体的にオレンジ色になっていて色味だけ見るとめちゃくちゃ暑そうですが、このサーモグラフィーは相対的な温度差で色味を変えるのでエアコンの送風口の様な極端に温度が低い部分を映すと全体的に暑そうな色味になってしまいます。

エアコンの設定温度は26℃で風量は中間、風向きは一番上方向で正面に風が出てくるようにしています。

ですがMAX30.6℃でAVG28.1℃なので全く問題なく全体的に緩やかに冷房出来ています。MAXの30.6℃の部分はエアコンのすぐ下に設けた第3種換気の吸気口の部分ですが、エアコンの真下に吸気口を設けただけあって外から給気されてくる暑い空気はすぐエアコンで冷やされるので問題なくなります。

エアコンの真下に吸気口があれば常にエアコン周辺に暖かい空気が供給されるのでエアコンの周りだけ冷えてエアコンが送風運転に切り替わってしまい家中が冷えないという事も無くなるのかなと思ってこの位置に吸気口を付けました。サーモグラフィーで見てみると正に狙い通りなので嬉しかったです。

LDKのサーモグラフィー画像で正面が東側、右側が窓のある南側
LDKのサーモグラフィー画像で正面が東側、右側が窓のある南側

ダイニング側からリビングを見てみるとこちらも概ね26〜28℃位なので問題ありません。15〜30分位前にテレビを消した状態で撮影していますがテレビとサウンドバーの発熱が目立っています。

家の中央にあるリビング階段
家の中央にあるリビング階段

2階のLDKに通じて家の中心付近に位置するリビング階段の温度も一定です。

冷暖房効率を上げるために階段は仕切るみたいな考え方がまだまだ一般的ですが、最近の家は断熱性能が高く、昔の無断熱住宅とは違い同じエアコンでも冷暖房出来る範囲が3倍以上広くなっているのでこれからは家全体を冷やすという考え方にシフトしていくんじゃないかと思います。

1階の階段ホールにあるエアコン
1階の階段ホールにあるエアコン

セカンドリビングとして使っている1階階段ホールのサーモグラフィー画像です。エアコンの下に第3種換気の吸気口がありますがそこから給気されてくる外気が一番暑くなっていて、暑い空気は上昇してエアコンによって冷やされているのでこちらの給気口も夏の暑い時期に関しては狙い通りになっています。

画像正面のエアコンがある面が東側になり、この画像は直射日光が当たらない16時過ぎに撮影しています。サーモグラフィーの画像を見ると03611サイズの縦すべり出し窓のハニカムシェードのある辺りが壁よりも多少温度が高いので樹脂ペアガラスのAPW330でも壁よりは断熱性能が落ちることが見て分かります。

1階階段ホールと寝室との間にあるウォークスルークローゼット兼廊下
1階階段ホールと寝室との間にあるウォークスルークローゼット兼廊下

こちらは家の1階北側にあるウォークスルークローゼットで奥には納戸があり、奥の左側に寝室がある廊下的な空間です。1階のエアコンがある階段ホールを背にして撮影しています。

室温が26〜27℃で一定に保たれていて、MAXの30.1℃の箇所は稼働中のサーキュレーターなので全く問題ありません。

一番奥にある寝室
一番奥にある寝室

1階南西側の寝室です。

2階のエアコンがあるLDK→リビング階段→1階エアコンがある1階階段ホール→ウォークスルークローゼット→納戸→寝室という動線になり、2階のエアコンだけだとここまで冷気が届きにくいので室温がやや高くなってしまっていましたが、1階のエアコンを併用するときちんとここまで冷気が届いています。

寝室は27〜28℃位で室温が一定ですが、窓の断熱が壁よりも劣るので若干ですが窓から熱の侵入が見受けられます。この窓は薄いリネンカーテン1枚でしか隔てていませんが、窓側の壁全体を天井から床までカーテンで覆うようにしているので窓からの熱をカーテンである程度防げていると思います。

特殊設備なしで全館冷暖房を行うなら無理にエアコン1台に拘る必要はない

「エアコン1台で全館空調」という魅力的なキャッチコピーに心動かさられる気持ちはとても良くわかります。私も実際それを目指していて、家づくりの終盤までエアコン1台だけで何とかするつもりでした。

高気密高断熱住宅で流行っている床下エアコン暖房と小屋裏エアコン冷房は暖気は上昇し冷気は下降する特性を活かして床下エアコンを暖房専用のエアコンとして稼働させ、小屋裏のエアコンは冷房専用として稼働させるような仕組みになり、床下エアコンで冷房運転や小屋裏エアコンで暖房運転は出来ません。

ですが普通に壁上にエアコンを付けた場合は最上階のエアコンで暖房しても1階のエアコンで冷房しても別の階に冷気や暖気を届けるのは難しいものの、エアコンのある階は部屋のドアさえ開けておいて風が通る状態にしておけばきちんと冷暖房出来るので冬は1階のエアコンをメインに動かして補助的に2階のエアコンを併用したり、夏は2階のエアコンをメインで動かして1階のエアコンを補助的に稼働させるような運転方法も可能です。

実際にエアコン1台だけで家中冷やそうとなると同一フロア内なら部屋のドアを開けておけばきちんと冷えてくれますが、別の階までは中々上手く冷気が届きません。2階のエアコンは階段近くに設置したにも関わらず1階に降りる冷気は多くなく室温的には1階よりも2階の方が涼しくなりました。

私の家の場合はUa値も0.41、C値は1.02(中間気密測定の値)と気密があまり良くない上、換気システムも第3種換気で熱交換が出来ないのでエアコン1台での全館冷暖房を難しくしていると思います。

高気密高断熱住宅のスペシャリスト(スーパー工務店)が床下エアコン暖房とか小屋裏エアコン冷房を設計してくれるならともかく、普通の施主が自分で冷暖房計画を考えるようならエアコンは1フロア1台位にしておいた方が無難です。

最大の暖房負荷や冷房負荷を考えて大きめの14畳用エアコン1台で全館冷房や全館暖房を行う位なら、6畳用エアコン2台で全館冷房を行った方がランニングコストは多少高くなるもののエアコンの購入費用は安く済む上、室温のムラも少なくなります。

全館冷房で失敗したと思う点

エアパスファンは大きめの物を推奨

ドア上の直径10cmのエアパスファン
ドア上の直径10cmのエアパスファン

エアコンのない部屋の個室のドアを閉めていても冷気が入ってくるように各部屋のドア上にエアパスファンを設置しましたが、直径10cmのエアパスファンだと能力不足であまり冷気が入ってこずにドアを閉めた状態だと暑いです。

ドアさえ開けておけばきちんと個室の中まで冷えるので致命的な問題にはなっていませんが、直径15cmのエアパスファンを付けた部屋はドアを閉めていても暑さがマシだったので2帖や3帖の小さい部屋でも15cmのエアパスファンをつければよかったと後悔しています。

ドア上はむしろエアパスファンではなく開くタイプの室内窓やドア上にスリットを設けたり、ドア上が開くタイプの建具を入れても良かったかもしれません。

あるいは、エアコンがある側からの吸気用のエアパスファンだけではなく、排気用のエアパスファンを設けて風の流れが出来るようにすれば良かったかもしれません。

最後に

旧宅ではエアコンをつけている部屋は快適でもトイレや廊下、玄関が暑くて不快でしたが、家中エアコンで冷やすように設計した新居では居室以外の廊下やトイレも快適です。

トイレは窓なしにしたのと、県民共済住宅のトイレの換気扇は手動シャッタータイプになので普通に換気扇のスイッチを止めた場合は換気扇の穴から外気が入り込んできてトイレが暑くなるのでトイレの換気扇は常に回しっぱなしにしています。トイレの換気扇が回っているとトイレのドア下の僅かな隙間から冷気がトイレに入ってトイレも涼しくなります。

玄関だけは敢えて玄関ホールの引戸(玄関ドアではなく室内側の建具)を閉めて玄関から入ってくる虫や玄関の臭いが生活空間に入り込まないようにしていることもあり他の部屋よりもやや暑い(外よりは涼しい)ですが、玄関に滞在する時間は極めて短時間なので特に問題ありません。

35坪(70畳)の家を8畳用エアコン1台と補助的に6畳用エアコン1台で冷暖房しているわけですが、これは家の断熱性能以前に日射遮蔽(窓の日よけ)が上手く出来ているからこそ出来る事なので夏にエアコンで涼しく過ごしたいなら間取りにパッシブデザインの考え方を取り入れる事をオススメします。もし私の家が軒ゼロ住宅や東や西側にも大きな窓がある家だったらこのエアコン2台で家全体を冷やし切るのは冷房負荷的に絶対に無理でした。

全館冷房と聞くと盛大に電力を消費しているように思えますが、家の性能もそれなりにあるので大容量のエアコンをガンガンつけている訳でもないし、8畳用エアコン1台と場合によっては6畳用エアコン1台を併用しているだけなので各部屋にエアコンがある普通の家よりももしかしたら省エネかもしれません。

小さいエアコン2台で家中が涼しいので本当に快適です。エアコンがある部屋もない部屋も含めて家全体が快適なのは本当に素晴らしく、高気密高断熱に拘って冷房計画も全館冷房にチャレンジして良かったと思っています。

室温はコントロール出来るようになったので次は湿度計を購入して最適な湿度になるように試行錯誤していこうと思います。

【追記】一条工務店の有名施主ブロガーのフエッピーさんが提唱するF式エアコンの運転方法を真似してみた所、2階のエアコン1台で湿度コントロールも出来るようになったので室内がより快適な空間になりました。湿度が65%以上で高い時は県民共済住宅の標準フローリングのニレだとベタつきがありますが、湿度が50%台まで来るとベタつきも解消されて良い感じになっています。