県民共済住宅では標準で制震装置または6畳用と10畳用のエアコン2台を選ぶことが出来ます。エアコンを選定するなら日々の光熱費に直結する省エネ性能が高いモデルを選びたいですね。この記事では省エネ性能を軸に県民共済住宅で選べる三菱電機かダイキンのどちらが良いかをカタログスペックから検証しました。
実際に計算してみた結果は10畳用、18畳用は両社とも大差ないもののややダイキンの方が高性能で、6畳用はダイキンが明らかに高性能です。18畳用を入れるなら三菱電機のBXVシリーズやダイキンのFXシリーズではなくオプションのダイキンのRXシリーズがランニングコストを考えると一押しでした。
三菱電機とダイキンの両社共に2020年度版のエアコンと2021年度版のエアコンのカタログやWEBサイトを見てみると型番以外のカタログスペックに差がなかったので比較対象は両方共2021年度版のエアコンで行っています。
【追記】県民共済住宅に行った際にエアコンの展示が2021年モデルに変わっていました。2020年モデルとの変更点は型番のみで省エネ性能で変わった点はありませんでした。
機能面では三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズはヘルスエアー機能という集塵フィルターで空気中のウィルスやPM2.5や花粉をキャッチする空気清浄機のような機能が追加されていて、ダイキンのFXシリーズは2021年モデルから2020年モデルでは別売りだった無線LAN接続アダプターが内蔵されていてスマホやスマートスピーカーとの連携機能が強化されています。
価格表記が2020年モデルが税抜価格で2021年が税込価格に変わっていますが、税込価格にすると同額になります。
県民共済住宅ではオプションや個別見積で導入出来るエアコンは三菱電機のBXVシリーズとダイキンのFXシリーズとRXシリーズの県民共済住宅の標準品もしくはオプションに設定があるシリーズのエアコンのみです。三菱電機のBXVシリーズ以外やダイキンのFXとRXシリーズ以外の機種は入れられないとのことです。
ただ、県民共済住宅で取扱のあるシリーズのエアコンの畳数はオプションに設定のない畳数のエアコンも入れられるとの事です。
三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズ
三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズは家電量販店で売られている一般家庭向けモデルではなく住設向けのモデルになります。
このエアコンは三菱電機のエアコンのラインナップの中でも中位〜下位に位置している機種で高さがコンパクトなのが特徴でしょうか。ただ、性能的には普通のエアコンですね。
2021年モデルと2020年モデルでは価格や省エネ性能の変化は無いものの、型番が変わったのと機能面でヘルスエアー機能という集塵フィルターで空気中のウィルスやPM2.5や花粉をキャッチする空気清浄機のような機能が追加されていました。
ダイキンホームエアコンFXシリーズ
ダイキンのFXシリーズも三菱電機と同じく家電量販店で売られている一般家庭向けモデルではなく住設向けのモデルです。こちらの機種もダイキンのエアコンの中では中位〜下位に位置する機種で普通のエアコンという感じです。
ダイキンFXシリーズは2020年モデルと2021年モデルで省エネ性能や価格の差異はありませんが、機能面で2021年モデルから2020年モデルでは別売りだった無線LAN接続アダプターが内蔵されていてスマホやスマートスピーカーとの連携機能が強化されています。
オプションのダイキンホームエアコンRXシリーズ(18畳用)
オプションで18畳用のみ選べるダイキンのRXシリーズも参考までに掲載しておきます。RXシリーズはダイキンのエアコンの中でも最上位モデルなのでダイキンのエアコンを入れるならこれを入れておけば間違いない様なエアコンです。
【追記】オプションファイルには載っていませんがRXシリーズの18畳用以外の畳数の機種も選べるようです。
RXシリーズは最上位モデルだけあり省エネ性能が中位〜下位モデルに位置するFXシリーズの18畳用と比べると別物になっていてランニングコストと機能差を考えると県民共済住宅で18畳用エアコンを入れるならこちらのRXシリーズの方が良いと思います。
2020年版と2021年版のオプションファイルではエアコンの価格が異なっていますが、2020年版は税抜価格、2021年版は税込価格なので税込価格ベースだと価格の変更はありません。
エアコンの大きさ(寸法)は地味に大切
エアコンを選ぶ上で地味に大事なのがエアコン本体の大きさです。新築の場合はエアコンが思っていたよりも大きくて考えていた場所に着けられないという事態にはならないと思いますが、カタログスペックを見比べているとどうしても機能や通年エネルギー消費効率(APF)の数値に目が行ってしまい本体や室外機のサイズの事は忘れがちです。
標準とオプションで選べるエアコンの大きさを一覧表にまとめてみました。
県民共済住宅で選べるエアコン本体(室内機)の寸法一覧
メーカー | シリーズ | 機種名 | 畳数 | 高さ(mm) | 幅(mm) | 奥行(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2221 | 6 | 255 | 799 | 338 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2821 | 10 | 255 | 799 | 338 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV5621S | 18 | 255 | 799 | 338 |
ダイキン | FX | S22YTFXS-W | 6 | 295 | 798 | 272 |
ダイキン | FX | S28YTFXS-W | 10 | 295 | 798 | 272 |
ダイキン | FX | F56YTFXP-W | 18 | 295 | 798 | 272 |
ダイキン | RX | F56YTRXP-W | 18 | 295 | 798 | 370 |
エアコン本体(室内機)の大きさは三菱電機とダイキンのメーカー間で異なりますが、上記の表を見ると同一シリーズ内なら畳数が小さくても大きくても同じサイズになることがわかります。三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズは高さが低く抑えられていてコンパクトですがその分奥行が長い感じになり、ダイキンのFXシリーズは霧ヶ峰BXVシリーズと比べて高さがある分奥行が短くなる感じになります。
三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズは高さが普通のエアコンよりも低いので普通サイズのエアコンがギリギリ取り付けられない窓上のスペースに取り付けられるかもしれないのが間取り次第では代えがたいメリットになります。窓上の様な高さが狭い場所にエアコンを着ける場合は窓の上にカーテンレールがあるとスペースが足りなくなりエアコンが取り付けられなくなる可能性もあるのでカーテンを付けた時のことまで考えておく必要があります。
ここで注意点ですが、三菱電機のBXVシリーズのエアコンの高さは255mmとコンパクトですが、ダイキン等の他社や三菱電機の他機種のエアコンは295mm位の高さで作られているものが多いです。エアコンの本体の大きさが小さいことはとても良いですが、配管穴を開ける位置に注意が必要になってきます。
天井からBXVシリーズの寸法に合わせてエアコンの配管穴を開けた場合、将来的にエアコンを買い替えた時に同じ高さのエアコンを選ばないと新築時にせっかく開けたエアコンの配管穴が使えず、新たに壁を貫通させて配管穴を開け直すことになりかねないので霧ヶ峰BXVシリーズのようなコンパクトなエアコンを選ぶ場合、エアコンを設置する場所の上下のスペースに余裕があればエアコンの設置高さを通常より4cmは最低でも下げて将来的に高さ295mmのエアコンに入れ替えられる位の余裕を持たせて配管穴を開けた方が良いでしょう。
エアコンの仕組み的に室内機から発生した水が配管穴を通って室外に捨てられるので配管穴は室内機よりも高い位置に開けると逆流して水が流れないので室内機よりも低い位置に穴を開ける必要があります。
配管穴の位置はダイキンのエアコンでもそうですが、左右の壁に寄せすぎず、天井に寄せすぎずで将来的にもっと大きなエアコンに買い換える事も考えて多少の余裕を持たせておくのが良いでしょう。新築時に入れたエアコンが故障したり古くなったりして新しいエアコンに交換する時に壁に余計な穴をわざわざ開けたくないですよね。
新築時ならエアコンの配管穴もしっかりとした気密処理が出来ますが、建てた後で配管穴を入れる場合、普通に壁をホールソーでぶち抜いてスリーブ(塩ビの管)を入れて(丁寧な業者の場合、雑な業者はスリーブが入らない事もある)、隙間をパテで埋める感じになり、丁寧な施工を行うエアコン設置業者でも貫通した断熱材の周りを気密テープで止める事までは普通しないので気密と断熱の穴がどうしても出来てしまいます。断熱材と防湿フィルムごと穴を開けることで壁内結露のリスクが高まるのも怖い点です。
県民共済住宅で選べるエアコン室外機の寸法一覧
メーカー名 | シリーズ | 機種名 | 畳数 | 高さ(mm) | 幅(mm) | 奥行(mm) |
---|---|---|---|---|---|---|
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2221 | 6 | 453 | 679(+55) | 249(+36) |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2821 | 10 | 538 | 699(+56) | 249(+36) |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV5621S | 18 | 550 | 800(+62) | 285(+60) |
ダイキン | FX | S22YTFXS-W | 6 | 555 | 675(+65) | 284(+42) |
ダイキン | FX | S28YTFXS-W | 10 | 555 | 675(+65) | 284(+42) |
ダイキン | FX | F56YTFXP-W | 18 | 595 | 795(+78) | 300(+42) |
ダイキン | RX | F56YTRXP-W | 18 | 786 | 850(+74) | 320(+66) |
室外機の大きさも一覧表にしてみました。室外機はエアコンの畳数によって大きさが変わる傾向があります。畳数が増えるほど室外機の大きさも大きくなる傾向にありますね。オプションのダイキンRXシリーズの18畳用の室外機は寸法の数値を見るとかなり大きくて驚きます。室外機は全体的に三菱電機の方がダイキンよりもコンパクトですね。
機能面では除湿機能に差があります
三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズもダイキンのFXシリーズも自動お掃除機能やスマホアプリからのリモート操作だったり同じ様な機能が搭載されています。
除湿に関してはどちらも再熱除湿ではありませんが、三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズがスマート除湿という弱冷房除湿で室温を下がりにくくしたものに対してダイキンのFXシリーズはさらら除湿(新・ハイブリッド方式)という最上位機種や上位機種に搭載されているのと同じ除湿機能がFXシリーズにも搭載されています。三菱電機のスマート除湿とダイキンのさらら除湿(新・ハイブリッド方式)を比べてみるとダイキンの方が良さそうに思えます。
省エネ性能を深堀りしてみます
省エネ性能を表すもう一つの指標としてCOP(エネルギー消費効率)という昔よく使われていた値があります。COPの計算は簡単で「能力(単位kWを×1000してWにする)÷消費電力(単位Wでそのまま)」で求められます。
県民共済住宅の標準仕様のエアコンのCOPを計算してみます。COPは冷房と暖房でそれぞれ異なるので両方計算しました。エアコンのカタログのスペック欄を見ると能力の欄とその横に消費電力の欄があるのでその値を元に計算します。
COPは1の電力でX倍の熱量を得ることが出来るかという値で、COPが3なら消費電力1kWで3kW分、つまり3倍の熱量を得ることが出来るという事です。COPの値が大きければ大きいほど高効率になります。
COPが1より大きい冷暖房機具はヒートポンプ技術を使っている家電(エアコン等)しか現状はありません。例えば電気ストーブや電気のパネルヒーターやこたつ等のエアコン以外の電気を使う暖房はCOPが1、つまり使用した電力と同じ量の熱しか発生しない(1kWの電力で1kWの熱しか生み出せない)ので、他の冷暖房機具と比較してエアコンの高性能さがわかるかと思います。
冷房時のCOPを比較
メーカー | シリーズ | 機種名 | 畳数 | 定格能力 (最低〜最高能力) | 消費電力 (最低〜最高能力) | APF | 冷房 COP |
---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2221 | 6 | 2.2kW (0.6kW~2.8kW) | 655W (165W~940W) | 5.8 | 3.3 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2821 | 10 | 2.8kW (0.8kW~3.4kW) | 800W (165W~1,080W) | 5.8 | 3.5 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV5621S | 18 | 5.6kW (0.8kW~5.8kW) | 2,380W (125W~2,510W) | 5.0 | 2.3 |
ダイキン | FX | S22YTFXS-W | 6 | 2.2kW (0.6kW~2.8kW) | 495W (135W~720W) | 6.3 | 4.4 |
ダイキン | FX | S28YTFXS-W | 10 | 2.8kW (0.6kW~3.3kW) | 730W (135W~890W) | 5.9 | 3.8 |
ダイキン | FX | F56YTFXP-W | 18 | 5.6kW (0.6kW~5.7kW) | 2,000W (120W~2,080W) | 5.1 | 2.8 |
ダイキン | RX | F56YTRXP-W | 18 | 5.6kW (0.5kW〜6.0kW) | 1,500W (85W~1,620W) | 6.4 | 3.7 |
県民共済住宅の標準エアコン2社の6畳用と10畳用、オプションで選べる18畳用エアコンの冷房能力を表にまとめました。6畳用と10畳用は100Vの電源で使えますが、18畳用は200Vの電源が必要になります。
表を見ると畳数が増えるほど定格能力、最大能力が上がっていき、反比例して冷房COPが低下する(熱効率が悪くなる)という傾向が見えてきます。
また、三菱電機のBXVシリーズよりもダイキンのFXシリーズの方が冷房COPの数値が大きく全体的に高効率だと判断できますね。
ダイキンの18畳用エアコンを見てみるとFXシリーズの冷房COPが2.8に対してRXシリーズだと3.7とFXシリーズの10畳用エアコンと変わらない数値になっています。最上位機種は価格と機能だけでなく性能もきちんと上がっていることがよく分かります。
暖房時のCOPを比較
メーカー | シリーズ | 機種名 | 畳数 | 定格能力 (最低〜最高能力) | 低温暖房 能力 | 消費電力 (最低〜最高能力) | APF | 暖房 COP |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2221 | 6 | 2.2kW (0.8kW~3.9kW) | 2.8kW | 470W (135W~1,315W) | 5.8 | 4.6 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2821 | 10 | 3.6kW (0.8kW~4.8kW) | 3.5kW | 910W (135W~1,485W) | 5.8 | 3.9 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV5621S | 18 | 6.7kW (0.8kW~9.2kW) | 6.8kW | 1,980W (125W~2,970W) | 5.0 | 3.3 |
ダイキン | FX | S22YTFXS-W | 6 | 2.2kW (0.7kW~4.6kW) | 3.3kW | 420W (130W~1,370W) | 6.3 | 5.2 |
ダイキン | FX | S28YTFXS-W | 10 | 3.6kW (0.7kW~5.0kW) | 3.6kW | 830W (130W~1,460W) | 5.9 | 4.3 |
ダイキン | FX | F56YTFXP-W | 18 | 6.7kW (0.6kW~9.1kW) | 6.6kW | 1,830W (110W~3,240W) | 5.1 | 3.6 |
ダイキン | RX | F56YTRXP-W | 18 | 6.7kW (0.4kW~12.2kW) | 9.1kW | 1,430W (85W~3,730W) | 6.4 | 4.6 |
暖房COPも計算しました。冷房と同じく暖房も畳数が増えるほど能力が上がり効率が落ちる傾向は同じです。
暖房でも三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズよりもダイキンのFXシリーズの方が高効率でした。暖房でもオプションで導入出来るダイキンRXシリーズの18畳用エアコンの性能が際立っています。暖房COPがFXシリーズの6畳用〜10畳用の間に収まる数値でなおかつ低温暖房能力がFXシリーズの同じ18畳用と比べても段違いに高くなっていますね。
注目すべき点としてはダイキンFXシリーズの6畳用エアコンのS22YTFXS-Wは暖房の最高能力が4.6kWあり、三菱電機の6畳用エアコンの最大能力が3.9kWしかないのでダイキンの6畳用の方がよりパワフルですね。外気温が2℃の時の低温暖房能力もダイキンのFXシリーズ方が高性能です。6畳用の暖房能力は目に見えて差がありますが、10畳用と18畳用では大差ないのも面白い所です。
省エネ性能を考えるとダイキンFXシリーズの方が高性能
冷房COPと暖房COPを計算してみるとダイキンのFXシリーズの方が全体的に高性能という事が分かりました。特に6畳用エアコンの暖房能力がダイキンの方が高いので県民共済住宅標準の6畳用エアコンを入れるならダイキンの方がオススメです。
18畳用エアコンに関してはオプションで導入出来るダイキンのRXシリーズの圧勝です。最上位機種と中位〜下位機種の性能の違いをまざまざと見せつけられた形です。
エアコン機種別の年間電気代を試算してみます
メーカー | シリーズ | 機種名 | 畳数 | オプション 価格 | APF | 冷房 COP | 暖房 COP | 期間消費電力量 (年間) | 年間電気代 (1kWh=30円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2221 | 6 | 75,600円 | 5.8 | 3.3 | 4.6 | 717kWh | 21,520円 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV2821 | 10 | 88,800円 | 5.8 | 3.5 | 3.9 | 913kWh | 27,390円 |
三菱電機 | BXV | MSZ-BXV5621S | 18 | 130,600円 | 5.0 | 2.3 | 3.3 | 2,118kWh | 63,540円 |
ダイキン | FX | S22YTFXS-W | 6 | 75,600円 | 6.3 | 4.4 | 5.2 | 671kWh | 20,130円 |
ダイキン | FX | S28YTFXS-W | 10 | 88,800円 | 5.9 | 3.8 | 4.3 | 913kWh | 27,390円 |
ダイキン | FX | F56YTFXP-W | 18 | 130,600円 | 5.1 | 2.8 | 3.6 | 2,077kWh | 62,310円 |
ダイキン | RX | F56YTRXP-W | 18 | 198,000円 | 6.4 | 3.7 | 4.6 | 1,655kWh | 49,650円 |
上記2機種では6畳用の三菱電機の霧ヶ峰BXVシリーズがAPF5.8、ダイキンのFXシリーズがAPF6.3と意外と差があります。各エアコンメーカーの中位〜上位機種ではAPFが6.7程度はあるので中位機種以上のエアコンと比べると省エネ性能が劣ります。
せっかくなのでエアコンのカタログやWEBサイトに掲載されている機種別の期間消費電力量から年間の電気代を試算してみました。10畳用の三菱電機のエアコンとダイキンのエアコンの期間消費電力量と電気代が同じになっていますが誤植ではありません。
電気代の単価はとりあえず計算しやすい1kWh=30円としていますが、これは当然契約する電力会社やプランによって異なります。計算式は期間消費電力量に電力単価30円を掛け算しただけです。
18畳用エアコンを見ると顕著ですが、最上位機種と中位〜下位機種との性能差が凄いですね。同じダイキンでも最上位機種のRXシリーズと中位〜下位機種のFXシリーズだとRXシリーズの方が年間の電気代が12,660円安くなる計算です。オプション費用がFXだと130,600円でRXだと198,000円で初期費用の差額が67,400円となり、年間電気代の差額を元に計算すると5.3年で初期費用の差額分を回収し、それ以降は年間の電気代が安い最上位機種のRXシリーズの方がトータルコストが安くなり得になります。たった5〜6年程度で差額が回収できるなら省エネ性能も高くて高機能な上位機種を選ばない理由がありません。
こうして計算してみると導入コストの安さだけで省エネ性能が低い中位〜下位機種のエアコンを入れると長い目で見ると損をすることが分かりました。特に畳数が大きいエアコンでその傾向が顕著です。
結論としては6畳用のエアコンならダイキンがおすすめで、10畳用なら除湿機能とCOPの差でややダイキンがおすすめですがどちらでも大差なく、18畳用なら初期費用が高いが年間電気代が安いダイキンRXシリーズがおすすめという感じです。
逆に6畳用のような畳数の少ないエアコンの場合、電気代の差額が畳数の大きなエアコン程は出ないので初期費用の差額を電気代で回収するのが難しくなります。表には載せていませんが、ダイキンRXシリーズの6畳用でも期間消費電力量が630kWhとダイキンFXシリーズの6畳用の671kWhと比べて41kWhしか差がなく、電気代を計算しても年間1,230円程の差しかありません。三菱電機の霧ヶ峰BXVの6畳用なら期間消費電力量が717kWhと87kWhの差がありますが、それでも電気代が年間2,610円しか差がないことになります。勿論、上位機種のエアコンは中位〜下位機種の同じ畳数のエアコンと比べて冷暖房時の最大能力や低温暖房能力が高かったり、メーカーによっては除湿が弱冷房除湿ではなく再熱除湿だったりと電気代以外のメリットもあります。
個別見積りのダイキンRXシリーズの価格
個別見積りでダイキンRXシリーズの6帖用と10帖用の金額が出たので追記しておきます。
6帖用が153,439円と設置費用で5,000円がかかり、10帖用が186,615円と設置費用の5,000円がかかります。価格は多分税抜価格だと思うのでオプションに設定がない帖数はとても高いという事がわかりました。
標準のFXシリーズの6帖用エアコンが税抜75,600円で期間消費電力量が671kWh、RXシリーズの6帖用だと期間消費電力量が630kWhで年間41kWhの差になり、電気代のkW単価が30円だとするとRXシリーズだと年間1,230円電気代が安くなりますが、この程度ではFXシリーズとRXシリーズの差額を回収することは不可能です。
10帖用ではFXシリーズのエアコンが税抜88,800円で期間消費電力量が913kWh、RXシリーズだと期間消費電力量が779kWhで年間134kWhの差になり、電気代のkW単価が30円だとするとRXシリーズの方が年間4,020円電気代が安くなります。10年で4万円位しか節約にならない事を考えるとこの程度ではFXシリーズとRXシリーズの差額を回収することは不可能です。
この価格はあくまで私が担当の設計士さんに個別見積りで出して貰った価格なので、見積りを出した時期等で実際に出てくる価格が変わる可能性があります。
最後に
こうして県民共済住宅で選べる標準エアコンとオプションで導入出来るエアコンを比較して見ると同じ畳数のエアコンでも6畳用と18畳用は性能差がありますが、10畳用だとほぼ同性能だったりと面白い点が見えてきました。
エアコンはコンセントと配管穴の工事だけお願いしてエアコン本体は引き渡し後に設置出来るのでわざわざ県民共済住宅で買う必要は薄いですが、ダイキンの6畳用のエアコンが意外と高性能だったり、18畳用の様な畳数の大きなエアコンは下位機種を選ぶよりも上位機種を選んだ方が数年後のトータルコストが逆転する可能性がある事が今回の比較で分かりました。
エアコンは設置する部屋に応じた適切な容量のエアコンを計算してから選ぶことがエアコンの電気代を減らす上で重要で、部屋のどこに設置するかも意外と大事だったりするのでその辺りの事も踏まえてどのエアコンを入れるか検討してみてください。