私は家を新築する際に今住んでいる所とは別の場所の土地を購入し、そこに県民共済住宅で注文住宅を建てました。住宅ローンは組まずに現金払いという事もあり登記に関しては住宅メーカーと提携する行政書士や土地家屋調査士にはお願いせずに節約のため自分で登記を行いました。

新築時に行う登記は建物表題登記と建物の所有権保存登記があります。その他に私の購入した土地は市街化区域内にあるものの、地目が「畑」だった土地なので地目変更登記も行う必要がありました。

私は行政書士や土地家屋調査士でも何でもない普通の一般人なのでどうやって登記すれば良いのかわかりませんでしたが、法務局のWEBサイト上に建物表題登記以外の申請書類のフォーマットがあるのでそれをダウンロードして記載しました。

実際に自分で登記をやってみての正直な感想ですが、難しいか簡単かで言ったら難しいけど出来ない程でもないと言う感じで必要書類を集めたり書いたりするのが面倒という印象です。建物表題登記に関しては法務局のWEBサイト上にサンプルが無いのでテンプレートなしで書類を作る必要があったり図面の作成が大変でした。

新築時の一連の登記の流れ

建物の全部事項証明書で建物表題登記は「表題部」を作成し、所有権保存登記は「権利部」を作成する為に行います
建物の全部事項証明書で建物表題登記は「表題部」を作成し、所有権保存登記は「権利部」を作成する為に行います

私は新築時に登記をする必要があるというのは何となく知っていましたが、具体的にどういう手続きをすれば良いかまでは知りませんでした。

色々調べて新築時(住宅ローンを組まない場合)に行う登記は「建物表題登記」と「所有権保存登記」の2つです。この2つの登記は新築された建物に対して行います。

建物表題登記は建物の全部事項証明書の表題部の欄を作成するための登記で、所有権保存登記は権利部(甲区)を作成する為の登記になります。両方の登記が終わると上の画像の様に建物の全部事項証明書に表題部と権利部が記載されます。

家を建てた土地についても地目変更があったり、土地の所有権保存登記を行った時の住所から新居に引っ越して住所が変わるような場合は土地に対して「地目変更登記」や「登記名義人住所・氏名変更登記」を行う必要がありました。

建物表題登記の流れ

  1. 施工業者から書類を入手する(確認済証、検査済証、工事完了引渡証明書、施工業者の印鑑証明書)
  2. 役所で必要な書類を入手する(住民票の写し)
  3. 原本が必要な書類のコピーを取り、コピーした書類に原本証明を行う
  4. 法務局のWEBサイトから各種申請書のフォーマットをダウンロードして記載
  5. 法務局のWEBサイトにサンプルが掲載されていない建物表題登記申請書と建築図面・各階平面図を作成する
  6. 法務局へ行き書類を提出する
  7. 書類に不備があった場合法務局から連絡が来るので訂正した書類を法務局に再提出する
  8. 法務局の人が新築した家まで確認に来るので対応する
  9. 期限を過ぎて法務局から連絡がなければ無事登記出来ているので法務局に原本証明した書類の原本を受け取りに行く

建替えではなく新築した家と以前居住していた家の住所が異なる場合、建物表題登記を行うついでに新築した土地の登記名義人住所・氏名変更登記申請書も書いておくと良いと思います。建物表題登記と土地の地目変更登記と土地の登記名義人住所・氏名変更登記は同時に申請可能でした。

土地の登記名義人住所を変更したりする関係上、新居に引越して転居関係の手続きを終えた後に新しい住所の住民票の写しを入手してから建物表題登記を行うのがスムーズです。

所有権保存登記の流れ

  1. 住宅用家屋証明書を取得するための添付書類を施工業者から入手する(確認済証、検査済証)
  2. 住宅用家屋証明書を取得するための添付書類を役所で入手する(住民票の写し)
  3. 住宅用家屋証明申請書・証明書を記入して役所に提出し、住宅用家屋証明書を入手する
  4. 建物表題登記が完了した後に所有権保存登記申請書を記載する
  5. 法務局へ所有権保存登記申請書と添付書類を提出する

所有権保存登記は建物表題登記と同時に申請は出来ません。建物表題登記が完了してから所有権保存登記の申請を行うという流れになります。

今回行った登記

  • 建物表題登記
  • 地目変更登記(家を建てた土地の地目が「宅地」でなく「畑」だったため)
  • 登記名義人住所・氏名変更登記(土地は以前の住所で登記していた為)
  • 所有権保存登記

以上の4種類になります。建物表題登記と所有権移転登記は今回新築した「建物」に関する登記で、地目変更登記と登記名義人住所・氏名変更登記は家を建てた「土地」に関する登記になります。

所有権保存登記については建物表題登記と同時申請出来ないので建物表題登記が完了した後に所有権保存登記を行いました。私の場合は建替えではなく何もない土地に建物を建てたので「建物滅失登記」は行っていません。

登記を行った土地の特徴

  • 都市計画道路予定地
  • 市街化区域
  • 地目が「畑」(土地の地目変更登記が必要)
  • 建替ではなく昔から建物が建っていない土地(建物滅失登記が不要)
  • 接道部分のセットバック用のスペースが分割されて地番が異なる土地あり
  • 所在に小字がある地域(「大字〇〇字△△1234番地5」みたいな表記)

都市計画道路予定地だったり市街化区域で地目が畑と割と特殊な条件の土地になりますが、登記を行う上で地目が畑だったので地目を宅地にする為の地目変更登記は行う必要がありました。なお、登記では「都市計画道路予定地」という事は全く関係なく普通の土地と同じ必要書類と手続きで地目変更登記や建物表題登記、建物の所有権保存登記が出来ました。

所在に小字がある地域なので住所と所在の表記が異なります。住所を書く時は小字部分を省略しますが、所在を書く時は小字部分まで全て書く必要がありました。

建物表題登記(建物)

法務局に提出した建物表題登記申請書
法務局に提出した建物表題登記申請書

建物表題登記は法務局のWEBサイト上に申請用紙のサンプルが見当たらなかったので法務局の他の登記申請書のサンプルをベースにネット上の情報を参考に自分で作成しました。

上の写真の書類をWordで作成してプリントアウトして名前の横に認印を捺印してから提出して登記申請が完了しました。

上の書類の「令和4年6月3日申請」の申請日は法務局にこの登記申請書を提出する日付で、「さいたま地方法務局」はこの登記申請書を提出した法務局を記載します。私の場合は令和4年6月3日にさいたま地方法務局にこの登記申請書を提出したのでそのように記載しています。

所在の欄は土地の全部事項証明書の所在欄通りに記載して家屋番号は空欄にして提出しました。

建物の種類は「居宅」で私の家の構造は木造2階建てで屋根は洋瓦の家なので「木造かわらぶき2階建」としています。なお、瓦屋根ではなくガルバリウム屋根やスレート屋根だと「かわらぶき屋根」ではなく別の表記になるので気をつけて下さい。

床面積は自分で作成する添付書類の各階平面図上の各階の求積表で算出した数値(小数点第3位以下を切り捨て)を記載します。

検査済証
検査済証

登記原因及びその日付は新築した日付を記載します。新築した日付は施工業者から建物が引き渡しされた日ではなく、検査済証にある日付(上の写真だと令和4年4月15日)になります。

私の場合は検査済証にある日付が令和4年4月15日なので、登記原因及びその日付欄は「令和4年4月15日新築」としています。

必要な添付書類

建物表題登記の登記申請書の添付書類には「建物図面」、「各階平面図」、「所有権証明書」、「住所証明書」の4つを記載しましたが、実際に添付する書類は以下の通りです。

  • 【所有権証明書】確認済証(検査済証とセットで必要)
  • 【所有権証明書】検査済証(確認済証とセットで必要)
  • 【所有権証明書】工事完了引渡証明書(施工業者の印鑑証明書とセットで必要)
  • 【所有権証明書】施工業者の印鑑証明書(工事完了引渡証明書とセットで必要)
  • 【建物図面】【各階平面図】建物図面・各階平面図(自分で作成する必要あり)
  • 案内図(Googleマップ等をプリントアウトして場所が分かるように自分の土地の場所に色を塗る)
  • 【住所証明書】マイナンバーが記載されていない住民票の写し

所有権証明書は「所有権証明書」という書類がある訳ではなく、確認済証及び検査済証、工事完了引渡証明書と施工業者の印鑑証明書のセットで所有権証明書として認められます。

建物図面・各階平面図

法務局に提出した建物図面・各階平面図
法務局に提出した建物図面・各階平面図

添付書類の建物図面・各階平面図の用紙はB4サイズで、各階平面図は250分の1スケール(1mが4mm)建物配置図は500分の1スケール(1mが2mm)で記載する必要がありました。

この建物図面・各階平面図の作成が建物表題登記の中で一番難しいと思います。私の家は長方形の総二階で吹き抜けが無い間取りと言う事もあり各階平面図の作成は比較的簡単でしたが、土地の形状が複雑だった事もあり建物図面の作成は結構大変でした。

建物図面・各階平面図の用紙はB4サイズという事もあり私は市販されている「登記 98/建物図面各階平面図」という用紙を購入してその用紙を自宅のA3複合機で差し込み印刷しました。この用紙は10枚入りで500円前後で購入出来るので何枚か印刷や記入をミスっても大丈夫です。

上の図面はPCでドローソフトを使って記載しました。用紙の枠の部分はPCでは作成せずに「登記 98/建物図面各階平面図」の専用用紙にプリントしています。PCでも手書きでも縮尺を合わせる必要があるので製図に使うソフトは単位をmmとかm単位に出来るソフトで記載するのが良いと思います。

私はCADが使えないのでInkspaceというフリーのドローソフト(Adobe Illustratorの代わり)とGIMPというフリーのレタッチソフト(Adobe Photoshopの代わり)で無理やり書きましたが、CADを使える人はCADで書くのが良さそうでした。

建物図面側の周りの土地は土地に登記されていた地積測量図をスキャンして縮尺を考慮した上で拡大・縮小してそれをベースにドローソフトで線を引いて地番を記載しました。

こんな形の総二階の家の登記を行いました(この図面は登記に必要ありません)
こんな形の総二階の家の登記を行いました(この図面は登記に必要ありません)

これらの図面では不動産登記法上では建物面積に含まれないバルコニー部分は記載しません。上の立面図の私の家は3方が壁で囲まれておらず屋根もない普通のバルコニーなので建築面積には含まれません。

専用用紙を買うのが勿体無い人は書類の枠の部分もPCで作成してコンビニでB4サイズの用紙にプリントするのが一番安いと思います。

地目変更登記(土地)

法務局に提出した土地地目変更登記申請書
法務局に提出した土地地目変更登記申請書

私の土地の場合、土地購入時の地目が「畑」なので地目を「宅地」に変更する必要がありました。畑から宅地への地目変更では許可証(地元の農業委員会が受理した農地転用届出書)が必要になりますが、その書類は土地購入時に不動産屋さんが用意してくれていたのでそれをこれから記載する「土地地目変更登記申請書」に添付して提出する必要があります。

実際の記載については法務局のWEBサイトの「1)土地地目変更登記申請書」を参考にしました。

登記原因及びその日付は上の用紙の2の地目と3の地積が変更になるので、「2、3 新築年月日(検査済証の日付)地目変更」という風に記載すればOKです。間違って新築年月日に今日の日付を書いたり、住宅会社からの引渡日を書いたりしないように気をつけましょう。

地目を畑から宅地に変える際は面積の小数点第2位まで記載する必要があるので登記されている土地の地積測量図に記載されていた地積の値を記載しました。

必要な添付書類

  • 【許可書】地元の農業委員会が受理した農地転用届出書
  • マイナンバーが記載されていない住民票の写し

地目変更登記については許可証が入手済みかつ登記されている土地の地積測量図があれば特に迷うこともなく難しいこともありませんでした。通常この許可証は土地売買の際に不動産屋が農地転用届出書を用意してくれると思いますが、無い場合は自分で農地転用届出書を用意する必要があります。

登記名義人住所・氏名変更登記(土地)

法務局に提出した登記名義人住所・氏名変更登記
法務局に提出した登記名義人住所・氏名変更登記

家の建替えではなく新規に土地を購入した場合は新築の家の住所ではなく以前住んでいた家の住所で登記していると思うので、新居に引っ越し済みなら登記されている土地を新居の住所に変更する必要があります。法務局のWEBサイトの「10)登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合)」の書類を参考に記載しました。

私の場合は建物を建てる部分の土地と接道する道路のセットバック部分の土地とで地番が分かれていたので両方とも住所変更を行いました。

原因の欄には引っ越した日付(住民票の「住所を定めた年月日」の日付)を入力します。

土地の全部事項証明書(この書類は登記に必要ありません)
土地の全部事項証明書(この書類は登記に必要ありません)

登記の目的の所に「X番所有権名義人住所変更」とあるので、この番号は土地の全部事項証明書の権利部の何番の欄の人の住所を変えるかを記載します。私の場合は3番なので「3番所有権名義人住所変更」になります。

私は建物用の土地と前面道路のセットバック用の土地が2つありますが、どちらの土地も土地の全部事項証明書の権利部が3番だったのでまとめて申請しました。

なお土地の全部事項証明書が無い場合は法務局で入手する事が出来ます。

必要な添付書類

添付書類として「登記原因証明情報」とありますが、住所移転の場合は住民票の写しを提出すればOKです。

  • 【登記原因証明情報】マイナンバーが記載されていない住民票の写し
  • 収入印紙(1件につき1,000円分)

住民票の写しは自治体にもよりますが市区町村役場(市役所、区役所等)で取得できます。例えばさいたま市の場合は区役所に行かなくてもマイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機で取得出来ます。また、さいたま市の場合各区役所の窓口だと手数料が300円ですが、コンビニのマルチコピー機だと手数料が200円で済むのでコンビニで発行するのが一番安いです。

登記に使用するための住民票の写しを発行する際に注意するのが、マイナンバーの記載をしないことです。マルチコピー機を操作しているとマイナンバーの記載の有無の選択肢が出てくるのでそこでマイナンバーを記載しない方を選択して下さい。

登記名義人住所・氏名変更登記は無料では出来ないので登記1件につき収入印紙が1,000円分必要です。土地の地番が複数ある場合は地番毎に登記名義人住所・氏名変更登記を行う必要があるので、例えば家を建てた土地の地番と前面道路のセットバックの為に分けた土地の地番が異なる場合は2件分の収入印紙が必要です。

添付書類にコピーを使用する際の注意

原本を返して欲しい書類(確認済証や検査済証など)を登記申請書に添付する際はそれらの書類をコピーして原本とコピーした書類をセットで提出すれば原本は登記申請が受理された後に返還されます。

その際、コピーした書類の原本証明が必要になります。原本証明の方法はコピーした書類の空きスペースに「原本と相違ありません。」という一筆と署名・捺印が必要です。私は紙の裏に「この書類は原本と相違ないことを証明します。令和○年○月○日 氏名」というように記載して氏名の横に認印を捺印しました。複数枚ある時はホチキス止めした全ての紙に「原本と相違ありません」と書いて認印を押す方法もありますが、割印でも良いとの事だったのでホチキス止めした書類の1枚に「この書類は原本と相違ないことを証明します。令和○年○月○日 氏名」というように記載して氏名の横に認印を捺印して、残りの紙は割印で済ませました。

なお、コンビニ発行の住民票の写しは表面の他に裏側のQRコードが印刷されている面のコピーも必要でした。

ややこしい点

「住所」と「所在」の違い

私の土地は「所在」が「大字〇〇字△△1234番地5」みたいな「小字」が入っていて、「住所」を記載する際には住民票通りの「大字○○1234番地5」という表記で記載しますが、不動産の「所在」を記載する際には土地の全部事項証明書にある所在と同じ「大字〇〇字△△1234番地5」の様な小字付きの表記で記載する必要がありました。

「住所」と「所在」は似ているようで別なので誤記に注意が必要です。

「新築年月日」の日付

新築年月日の日付は建物をHMから引き渡しを受けた日でも無ければ新築の家に引越した日でもありません。新築年月日の正解は検査済証に記載されている日付になります。

「住民票の写し」のコピーの原本証明

コンビニ発行の「住民票の写し」は表側に住所などの情報が記載されていて、裏側は点字みたいな柄とQRコードがあります。住民票の写しのコピーを提出する場合は表側だけではなく裏側のQRコードがある面のコピーも必要でした。

私は表側だけのコピーで良いのかと思っていましたが、後日書類不備でその面のコピーが必要との事を知り、裏面のコピーは法務局の担当者がコピーしてくれたので原本証明のための割印を押すために後日法務局まで出向きました。

住民票の写しは法務局での建物表題登記の他にも所有権保存登記や登記名義人住所・氏名変更登記など各種登記で必要になる他、役所で住宅用家屋証明書を取得する際も必要になるので住民票の写しを1通入手してそれをコピーして法務局へ提出する際は原本証明を付けて使い回すと安価に済みます。

登記申請書提出から登記完了までの期間

さいたま地方法務局の受付
さいたま地方法務局の受付

法務局で登記申請書と添付書類を提出したら「登記完了予定日のお知らせ」という登記申請の完了予定日の日付が書いてある紙が貰えると思います。

登記完了予定日までに登記申請書に書いた電話番号に電話が無ければ問題なく登記完了で、書類に不備があれば法務局の担当者から電話がかかってきます。提出書類に不備がある場合は不備を修正する必要があるので登記完了予定日が延長されます。

無事登記完了日を迎えたら登記完了予定日以降に「登記完了予定日のお知らせ」の紙と書類に押したのと同じ印鑑を持参して法務局に出向く事になります。

建物表題登記の場合は提出した図面通りかどうかを確認しに法務局のスタッフが家(登記する建物)まで来るので対応する必要がありました。

無事建物表題登記が完了しました

建物表題登記の登記完了証
建物表題登記の登記完了証

法務局に書類を提出してから2〜3週間程で登記が完了しました。何も不備がない場合は2週間で登記完了という感じで、書類に不備があった場合は修正できるまで登記できないのでその分登記完了予定日が延びます。

書類に不備があると登記申請書に記載した電話番号に法務局の担当者から連絡があるのでその時は不備があった部分を修正する必要があります。

私の場合、住民票の写しのコピーを表面しか用意していなかったのと、確認済証の1ページ目のコピーを入れ忘れたので法務局の担当者から電話があり、担当者の方で足りない部分を原本からコピーしてくれていたので原本証明の為の割印を押しに法務局へ行きました。

法務局の担当者から電話があった時に重要なのは担当者の名前をメモして忘れないようにしましょう。法務局に行った時に「○○さんをお願いします」みたいな感じで受付で呼び出す必要がありました。私は外出中に電話がかかってきて担当者名をメモれず忘れてしまい担当者を呼び出すまで時間がかかってしまいました。

土地の登記名義人住所変更の登記完了証
土地の登記名義人住所変更の登記完了証

土地の登記名義人住所変更も問題なく終わりました。

建物用の土地と道路のセットバック用の土地で地番が2つあり、どちらも3番目の登記名義人だったので登記申請書1通でまとめて2件分申請しましたが問題ないみたいで良かったです。1件ずつ登記申請書を書くとそれぞれ添付書類に住民票の写しの原本証明したコピーが必要なので1通で行けるかなと思い楽をしてみましたがきちんと登記出来て良かったです。

地目変更登記の登記完了証
地目変更登記の登記完了証

地目変更登記も問題なく終わってホッとしました。

建物表題登記の不動産番号はこれから行う所有権保存登記に必要です。私は建物表題登記が完了して法務局に確認済証等のコピーに原本証明した書類の原本を引き取ってから予め不動産番号以外の項目を記入しておいた所有権保存登記の登記申請書に手書きで不動産番号を記載して登録免許税の収入印紙を購入し、再度法務局の窓口へ行き所有権保存登記の申請をしました。

所有権保存登記

所有権保存登記の登記申請書
所有権保存登記の登記申請書

所有権保存登記を行う前に建物表題登記が完了している必要があります。また、登録免許税の軽減措置を受けるために必要な住宅用家屋証明書を取得する必要がありました。登記申請書の記入は法務局のWEBサイトの「2)所有権保存登記申請書」の書類を参考に記載しました。

上の画像の「令和4年6月23日法第74条第1項第1号申請」となっている部分はわかりにくいですが「令和○年○月○日」の部分は登記申請した日付で、「法第74条第1項第1号申請」の部分は登記申請人が不動産登記法74条1項の第何号の資格を有するかを記載します。

第二款 所有権に関する登記
(所有権の保存の登記)

第七十四条 所有権の保存の登記は、次に掲げる者以外の者は、申請することができない。
 表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人
 所有権を有することが確定判決によって確認された者
 収用(土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)その他の法律の規定による収用をいう。第百十八条第一項及び第三項から第五項までにおいて同じ。)によって所有権を取得した者

 区分建物にあっては、表題部所有者から所有権を取得した者も、前項の登記を申請することができる。この場合において、当該建物が敷地権付き区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。

平成十六年法律第百二十三号 不動産登記法」より抜粋

私の様に建物表題登記を行った本人が所有権保存登記を行う場合は不動産登記法第74条第1項の第1号の表題部所有者に該当するので「法第74条第1項第1号申請」になります。法令の内容については、e-gov法令検索というサイトを使いました。

課税価格ですが、さいたま地方法務局のWEBサイトに「不動産登記における評価額のない建物の課税基準について」というページがあるのでそのリンク中のPDFファイルの「居宅」の課税価格から算出します。

私の家は木造で床面積は118.40m2なので、課税基準の金額は埼玉県の「木造」で「居宅」の課税価格の93,000円×118.40m2=11,011,200円の1,000円以下切り捨てで11,011,000円となります。

登録免許税は課税基準の金額に原則0.4%の税率で計算しますが、「住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置」という軽減措置があり、軽減税率を適用するためには「住宅用家屋証明書」が必要になり、新築後1年以内に登記する必要があります。なお住宅用家屋証明書は市区町村の役所で取得できます。

令和4年度の登録免許税の軽減税率は長期優良住宅でも認定低炭素住宅でもない普通の新築住宅なら0.15%で、長期優良住宅や認定低炭素住宅は0.1%になります。税率については法務局のWEBサイトの「令和4年4月1日以降の登録免許税に関するお知らせ」より抜粋しました。

私の家は登録免許税が優遇される長期優良住宅でも認定低炭素住宅でもない普通の新築の居宅なので登録免許税は課税基準の金額に住宅用家屋の所有権の保存登記等の税率の軽減(租税特別措置法第72条の2、第73条)が適用された税率の15/10000(0.15%)の11,011,000円×15÷10,000=16,516.5円の100円以下切り捨てで16,500円となります。

税率については年度や減税措置の有無によって異なるので必ず最新の税率を法務局や国税庁のWEBサイトで確認してください。

必要な添付書類

  • 【登録免許税軽減の為の必要書類】住宅用家屋証明書
  • 【住所証明情報】マイナンバーが記載されていない住民票の写し

住宅用家屋証明書

さいたま市の住宅用家屋証明書
さいたま市の住宅用家屋証明書

さいたま市の場合、住宅用家屋証明書を取得するためには住宅用家屋証明申請書・証明書を記入し、添付書類として住民票の写し(コピー可)と確認済証(コピー可)、検査済証(コピー可)が必要で、その他に住宅用家屋証明書の取得には1,300円(現金)が必要でした。

住宅用家屋証明申請書・証明書はさいたま市のWEBサイトからエクセルファイルのテンプレートが落とせるのでそれに記入します。新築の場合に記入する項目は記入例のサンプルと同じ様に租税特別措置法施行令(○をつける)、提出日の日付、住所、氏名、電話番号、申請者の住所、申請者の氏名、家屋の所在地、新築年月日(家の引渡日ではなく検査済証の日付を記入)、申請家屋への居住(○をつける)、床面積の項目でそれ以外の取得年月日と取得の原因、工事費用の総額、売買価格は空欄でOKでした。

私の場合、さいたま市のWEBサイトの記入例を参考にしながらExcelで書類を記入してプリントアウトして区役所で提出したら、取得年月日と取得の原因の欄も書いてしまったのと、新築年月日を家の引渡日を記入していたのですが、確認済証と検査済証にも記載のない日付で本来新築年月日は検査済証の日付を書くという事を教えられたので区役所で書類を書き直して再提出しました。

住宅用家屋申請書・証明書については市区町村の役所で申請できる上、法務局での申請とは違い必要書類さえ揃っていれば申請書に不備があっても役所で教えてもらいながら書き直せるし、住宅用家屋証明書は当日発行出来るので気楽に行きましょう。

所有権保存登記も完了しました

所有権保存登記の登記完了証
所有権保存登記の登記完了証

所有権保存登記は手直しが入らずそのまま申請が受理されて登記完了となりました。

所有権保存登記に関しては登録免許税の計算式と不動産登記法74条1項の第何号の資格を有するかさえ分かれば後は住民票の写しと住宅用家屋証明書を入手するだけなので図面を書く必要がある建物表題登記よりは遥かに簡単でした。

無事登記完了日を迎えたら登記完了予定日以降に「登記完了予定日のお知らせ」の紙と書類に押印した印鑑と免許証等の身分証明書を持参して法務局に出向いて登記完了証と原本証明した添付書類を取りに行きました。

法務局で全部事項証明書を取得しました

建物の所有権保存登記が完了して書類を取りに法務局に寄った帰りに今回登記を行った土地と建物の全部事項証明書を取得してきました。

全部事項証明書は1件に付き600円の収入印紙が必要です。今回は土地が2件、建物が1件なので1,800円分の収入印紙を購入して法務局の端末を操作して全部事項証明書の取得を行いました。

地目変更と住所変更した土地の全部事項証明書
地目変更と住所変更した土地の全部事項証明書

地目変更と登記名義人の住所変更した土地の全部事項証明書です。地目変更は表題部の一番下の欄にあり、畑から宅地に地目変更が出来ました。

住所変更は権利部の一番下の項目になります。

住所変更したセットバック部分の土地の全部事項証明書
住所変更したセットバック部分の土地の全部事項証明書

道路のセットバック部分の土地も登記名義人住所変更を行い、権利部の一番下の欄に新しい住所が入りました。

建物表題登記と所有権保存登記を行った建物の登記事項証明書
建物表題登記と所有権保存登記を行った建物の登記事項証明書

建物表題登記と所有権保存登記の両方の登記が完了したので建物の全部事項証明書も取得しました。

この書類は建物を建てた土地の不動産取得税の軽減措置の為に必要になると思います。

後は不動産取得税の手続きをするだけ

住宅の登記事項証明書が不動産取得税の軽減の為に必要になります
住宅の登記事項証明書が不動産取得税の軽減の為に必要になります
住宅の登記事項証明書が不動産取得税の軽減の為に必要になります
住宅の登記事項証明書が不動産取得税の軽減の為に必要になります

住宅の登記が完了したら法務局で住宅の登記事項証明書を取得する事が出来るようになります。

住宅の登記事項証明書は新築住宅を建てた土地の不動産取得税の軽減制度を利用するために必要になります。私は以前住宅用土地の不動産取得税の徴収猶予手続きをしているので猶予期限内に軽減措置の手続きをする必要があります。

県税事務所で新築した土地の不動産取得税の軽減制度の手続きを行う際には登記事項証明書の他に納税番号が分かる書類が必要になります。

軽減措置を受けずに納付済みでも減額手続きをすれば還付されます
軽減措置を受けずに納付済みでも減額手続きをすれば還付されます

もし登記完了前に土地の不動産取得税の軽減措置をせずに満額支払ってしまっていても「減額の手続きを行えば軽減額に相当する税額が還付される」とあるので該当する方は最寄りの県税事務所に問い合わせてみて下さい。

登記事項証明書を入手してから県税事務所で不動産取得税の軽減制度を適用する手続きをしてきましたが、92,460円の不動産取得税が0円になったのできちんと手続きして良かったです。

最後に

家の引き渡しから2ヶ月半でようやく建物の登記が終わりました。自分で登記を行いましたが家の引き渡し直後は引越しやら色々な行政手続きやらで忙しくて登記は後回しにしていて本来1ヶ月以内に行わないといけない登記が1ヶ月半後の6月初旬に法務局に建物表題登記の申請書を出して建物表題登記と所有権保存登記が完了するまで1ヶ月程かかりました。

私は行政書士でも土地家屋調査士でもないので知識ゼロからのスタートでしたが無事登記完了出来てホッとしています。

県民共済住宅でも他のHMや工務店で建てた施主ブロガーさんでも登記を自分で行う人は少ないのでまとまった情報がネット上にあまり無く、情報集めに苦労した事もあり出来るだけ詳しく登記の記事を書いてみました。

現金購入ではなく住宅ローンを組んでいる人は自力での登記は銀行に断られると思うので難しいと思いますが、現金購入なら登記を自分で行うことで15万円近く節約出来ると思います。

法務局に行ってみると明らかに「一見さんお断り感」が強く、対面での相談窓口もコロナ禍で電話相談のみとなっていたりして敷居が非常に高い印象がありました。

法務局に来ている人は大抵が土地家屋調査士事務所や行政書士事務所みたいなプロの人ばかりでしたが、私のような一般人と思われる人も中にはいたので自力で登記をしている人も少なからずいるようです。

実際に登記を行ってみた感想は「ややこしいし面倒くさいけど出来なくもない」という感じで、建物表題登記の書類集めや図面の作成なんかはテンプレートが無かった事もあり大変でしたが、所有権保存登記は一発OKだったので簡単でした。

さいたま市の中央区役所近くにあるさいたま地方法務局に行く際は駐車場が非常に混雑している事が多いので注意しましょう。駐車場入口付近に駐車待ちの列が出来ている事もあるので法務局に入るまでに時間がかかる事があります。