県民共済住宅で気になるのがオプション費用です。オプションファイルにはオプションの価格が掲載されていますが、全てのオプションを網羅しているわけではないので実際に見積りを取ってみないと費用感が全くわからないオプションが幾つもあります。
今回はそんな見積りを取ってみて判明した2021年9月契約時点での追加費用についてまとめてみました。
オプションの金額や導入可否は契約時期によって異なります。
特に最近は物価高で建材の値上げ傾向にあるのでオプション費用も高くなっていると思いますが、県民共済住宅の場合一切の値引きは行っていないので、この記事を出して昔の金額よりも高いから安くしてくれみたいな交渉は一切不可能で交渉するだけ時間の無駄で色々迷惑になるのでそういう事には使わないで下さい。
これらの項目は見積りを出した時期や担当の設計士さんの解釈次第で金額が変動する可能性もありますが、それ程大きくは変わらないと思うので費用感の参考にしてみてください。
なおこれらの価格は2021年9月契約の私の見積り上にあった金額を税抜価格で記載しています。オプションファイルの内容については別記事の「2021年9月現在の県民共済住宅オプションファイル」をご覧ください。
基礎工事系
玄関ポーチと玄関土間のタイル面積が標準の8m2を超過した場合
玄関ポーチと玄関土間のタイル面積が標準の面積(8m2)をオーバーした場合、「OP玄関ポーチ土間コンクリート」という項目が1m2当たり11,400円追加され、更にタイル工事で「OP玄関ポーチ土間コンクリート仕上割増費」という項目で1m2当たり11,400円が追加されます。なのでタイル工事の超過分は合計で1m2当たり22,800円が計上される事になります。
木工事系
可動棚を造作した場合の費用
可動棚は「OP造付化粧棚」という項目で1mにつき3,000円が計上されます。その他に「OP可動棚部材(下地含む)」という項目で「棚柱セット(ステンカラー)4本+棚受セット1セット」が1セットに付き4,600円計上されます。
可動棚を3箇所作るならOP可動棚部材が3セット必要になるのと、棚板の幅と数の合計分OP造作化粧棚の金額がかかる形になります。私の場合は可動棚3箇所でOP造作化粧棚が12.74mで38,220円とOP可動棚部材が3セットで13,800円で合計52,020円が計上されています。3箇所の可動棚の幅や段数も異なりますが、1箇所当たり17,340円でした。
カウンターを造作した場合の費用(県民共済住宅支給品のカウンター部材)
カウンターを造作する場合はカウンター材の価格に加えて施工費がかかります。私の見積りに計上されていた県民共済住宅のカウンター材の価格は以下の通りです。
- 奥行450で厚み30、幅2,800が1枚14,600円
- 奥行360で厚み30、幅2,800が1枚12,200円
- 奥行600で厚み30、幅2,800が1枚18,600円
- 奥行600で厚み30、幅1,950が1枚13,600円
それに加えて大工手間がカウンター1箇所につき2,600円発生します。
床をかさ上げした場合の費用
床をかさ上げした場合、「OP床 かさ上げ工事」という項目で1坪当たり14,000円の費用が発生します。例えば小上がりを作るとして、ダイケンのMiSELの様な建材メーカーの小上がりユニットを使わずに床の高さだけ上げた場合にかかってくる費用になります。
折り上げ天井にした場合の費用
折り上げ天井は1室当たり33,000円の費用が発生します。
壁に下地を入れた場合の費用
壁に合板下地を入れた場合、「OP壁・天井下地補強割増」という項目が材工込で1枚に付き4,700円加算されます。下地合板は1枚910mm幅の様でした。
壁にニッチを造作した場合の費用
ニッチは1箇所9,500円で追加できました。
トイレ以外の洋室建具に鍵を付けた場合の費用
標準のウッドワンの引き戸に鍵を追加しましたが、「OP洋既製建具鍵割増」という項目で1箇所5,980円が計上されていました。
ホスクリーンを増設した場合
室内干し用のホスクリーン(SPC-W-J)は1箇所(2本)は標準で付いてきますが、数を増やす場合は「OP室内物干金物 標準超過分」という項目で川口技研のホスクリーン(SPC-W-J)が1本2,500円で取り付けることが可能です。
注意点としては1箇所増やす場合はホスクリーンが2本必要になります。なお、ホスクリーンの竿は付いてきません。標準でもホスクリーンの竿は付いてこないのでホスクリーン専用の竿が欲しい場合はオプションになります。
ホスクリーン専用の竿が欲しい場合(室内干し用)
ホスクリーンの竿は別売りなので、県民共済住宅でホスクリーンの竿が欲しい場合は「OPホスクリーンQL 室内用物干し竿」QL-23-W(1.45〜2.34m)という専用品の竿が1本3,400円で導入できます。
クローゼット用のポールを室内干し用のポールとしてクローゼット外に設置する場合の費用
室内干し用のポールとしてクローゼットに取り付ける室内干し用のポール(ハンガーパイプ)を壁と壁の間に取り付けた場合、「OPパイプ(6尺)」という項目で1本2,300円が計上されていました。私の場合は1,820の壁間にポールを設置したので6尺のパイプが使用されています。
2箇所目の室内干しを検討するなら価格的には2本で5,000円のホスクリーンを増設するよりもクローゼット用のポールを入れた方が安くなります。特にホスクリーンの竿を出しっぱなしにするような使い方ならホスクリーンを増設しないでクローゼット用のポールを壁と壁の間に入れるという選択肢もあります。
ただ、あまりにも壁間の距離が長いとパイプの強度的に付けられない可能性があります。その辺りは担当の設計士さんに相談してみて下さい。
窓周り
庇代わりに1階に屋根を着ける場合の費用
総二階の様な1階の壁の上に2階がある場所に下屋の様な屋根を着ける場合、「OP付屋根」として材料費と工事費で1m当たり13,000円が計上されていました。庇については建材メーカーの庇を使った方が安くつきます。
私はYKKAPの「ひさし5PR」という商品の庇の出が44cmで幅が036、165、256の3種類を採用しますが、それらの見積りは1式で60,580円でした。OP付屋根だと10.01mで130,130円が計上されていたので約7万円も安くなった形になります。
すべり出し窓のオペレーターハンドルへの変更費用
縦すべり出し窓や横すべり出し窓のハンドル部分を標準のグレモンハンドルからオペレーターハンドルへ変更した場合の費用ですが、「OPオペレーターハンドルに変更」という項目で窓1箇所に付き2,600円が計上されていました。
オペレーターハンドルへ変更することでAPW330の網戸がはめ込み式になります。網戸がはめ込み式になると窓の開閉時に一旦網戸を開けてから窓を開ける必要が無くなり、網戸を閉めっぱなしにして窓の開閉が出来るようになるので虫が入ってきにくくなります。
クリアネット網戸への変更費用
クリアネット網戸の見積りは「OPクリアネット仕様」で窓1式で出てきたのであくまでも参考価格としてお願いします。私の場合は窓9箇所(縦すべり出し窓8箇所、横すべり出し窓1箇所で全てはめ込み式網戸)で42,900円で縦すべり出し窓を1箇所減らした見積りでは窓8箇所で38,140円になりました。単純計算で1箇所4,800円位になりますが、窓の大きさや種類によって異なる可能性があります。
標準外サイズへの窓の変更費用(060XX→069XX)
私の場合、06913と06905幅のFIX窓と06913の縦すべり出し窓が採光上の都合でオプションサイズの窓を使わざるを得ませんでした。FIX窓と縦すべり出し窓の標準では036幅と060幅の2種類だけなので、069幅はオプション扱いになりました。
ただ、丸々オプションになった訳ではなく、標準差額という形で差額分だけが見積りに計上されていました。「OP06913縦辷り」が1箇所2,600円、「OP06913・06905FIX」が1箇所1,950円となっていました。この辺の価格は家の窓の数や担当の設計士さんや県民共済住宅の見積りシステムがどう解釈するか次第で変わる可能性が高いのであくまで参考までにお願いします。
16003FIX窓の導入費用
APW330の横長のFIX窓を導入しましたが、こちらは標準からの差額ではなく窓1つで9,100円が計上されていました。
キッチン(共通)
キッチンを2階に設置する場合の追加費用
キッチンを2階に設置すると「OPキッチン2階設置割増費」という項目で15,000円程追加費用がかかります。
標準のビルトイン浄水器をなしにした場合の払い戻し
標準で付いてくるビルトイン浄水器が不要の場合、何と1台-16,000円が計上されていて丸々捨てるのではなく16,000円が戻ってきました。
キッチン(タカラスタンダード・グランディア)
ワークトップ(天板)をステンレストップへ変更
ワークトップを標準の人造大理石からステンレストップ(オーバルエンボス加工)へ変更するのは差額なしで可能でした。
キッチンのワークトップの高さを変更(標準850mmから変更)
キッチンのワークトップの高さを標準の850mmから800mm(タカラスタンダードは820mm)か900mmへ変更する場合は差額なしで可能です。
キッチン幅を2,550mmから2,700mmへの変更費用
私の場合は「OP L2700仕様」という項目が見積りに反映されていて6,500円でした。なお天板はステンレストップです。キッチンの幅を広げるとそれだけ収納スペースも広がります。追加費用がとても安いのでキッチンの幅を広げられるなら広げた方が作業スペースも収納も増えて使い勝手が向上します。
間仕切り名人の追加費用
間仕切り名人は「OP間仕切り名人」という項目で3,380円でした。
VRASタイプのレンジフードを同時給排気タイプに変更
同時給排気タイプのVRASタイプのレンジフードの価格は50,700円でした。これはVRASタイプへの変更費用と同時給排気タイプへの変更費用の両方が含まれた金額になります。同時給排気でないVRASタイプとの税抜価格ベースの差額だと19,500円程でした。なお、同時給排気タイプの換気扇は給気口、排気口の両方が電動シャッターになります。
タカラのカタログにあるグースネックタイプのタッチレス水栓への変更
KM6071ETKという型番のグースネックタイプのタッチレス水栓への変更費用は68,900円が計上されていました。県民共済住宅オプションのタッチレス水栓(LIXILのナビッシュ)は51,850円なので17,050円程高くなります。
60cm幅の食洗機を後付する場合の追加費用
私はIKEAで売っているエレクトロラックス社製の60cmフロントオープン食洗機をショールームで後付出来ないか相談してみて、食洗機を後付出来るようにキッチンの構成をカスタマイズして貰いました。また、担当の設計士さんにはその食洗機が後付出来るようにキッチンの配管の用意もお願いしました。
追加で発生したのが「OPW600食洗機用キャビネット」が10,400円と給排水設備工事の所で「OP食洗機給排水工事」の「配管のみ(接続なし)」という項目で16,900円が計上されていました。合計27,300円が追加でかかった計算になります。
リンナイフロントオープン食洗機を入れる場合の追加費用
国産で唯一のフロントオープン食洗機がリンナイの45cm幅のフロントオープン食洗機ですが、これをタカラスタンダードで入れる場合は「OP食洗機リンナイRSW-F402CM-SV」という項目で194,350円が計上されていました。
ホーロークリーンキッチンパネルを延長したり、県民オプション外カラーを採用する場合の費用
見積りを見ると正直かなり割高でした。ホーロークリーンキッチンパネルが1枚位で収まるような小さい範囲ならホーロークリーンキッチンパネルで良いと思いますが、何枚もパネルを貼る必要があるようなパネルの範囲が広い場合はエマウォールを採用した方が逆に割安になる可能性があるので両方見積りを取って見ることをオススメします。
エマウォールの方が1枚辺りの大きさも広ければ選べる柄も豊富です。特にエマウォールをキッチン以外の所で採用しているならホーロークリーンキッチンパネルを入れるよりもエマウォールの枚数を増やした方が県民共済住宅が出した見積りの金額が安くなる可能性があるのでエマウォールの採用を検討してみてください。
実際に私の場合、HDタイプのトラバーチンホワイト柄のホーロークリーンキッチンパネルをウッドワンの幅1800のカップボードの吊り戸と引き出しの間の幅1,800、高さ600の範囲の壁に貼ろうとタカラのショールームでプランをお願いした所、県民共済住宅に上がってきた見積りが「OP背面収納部ホーローパネル」という項目で範囲の割に50,700円と高かったです。
私は別の所で同じトラバーチンホワイト柄のエマウォールを採用していたのでホーロークリーンキッチンパネルではなくエマウォールをもう1枚追加する形で見積りを出して頂いた所、50,700円の所から19,500円減額されて31,200円で出来ました。
カップボード
カップボードを2階に設置する場合の追加費用
「OP食器棚2階設置割増費」という項目で9,000円が計上されていました。
キッチンメーカーとカップボードのメーカーが異なる場合の追加費用
「OP施工費」という項目で23,500円が計上されていました。キッチンとカップボードのメーカーは別々で選べますが、可能なら同一メーカーにした方がこの追加費用が掛からないのでお得です。
ユニットバス(共通)
ユニットバスを2階に設置するための費用
ユニットバスを2階に設置する場合、「OPユニットバス2階設置割増費」という項目で30,000円が加算されます。
入口の扉を開き戸から変更する場合の費用
これは仕様選定用紙に書いてありますが、折れ戸は標準扱いなので差額なし、片引き戸は22,000円、2枚引き戸は26,000円になります。
ユニットバス(TOTO・サザナ)
カウンターを人工大理石に変更する場合の費用
TOTOのショールームで水栓下のカウンターを標準のFRP素材の物から人工大理石のカウンター(ジュエリーホワイトN)に変更した場合、「OPカウンター人工大理石」という項目で40,794円が計上されていました。
エプロンを人工大理石に変更する場合の費用
TOTOのショールームでエプロン部分(浴槽横のパネル)を標準のFRP素材の物から人工大理石(ジュエリーホワイトN)に変更した場合、「OP浴槽エプロン人大」という項目で24,492円が計上されていました。
差額なしで変更できる物
- ダウンライトの色を昼白色から電球色へ
- 浴槽をフラットなクレイドル浴槽から段差のあるゆるリラ浴槽へ
- シャワーバーを手すりになる直線状の物からラウンドしているコンフォートシャワーバーへ
TOTOのショールームでこれらの項目を変更しましたが、差額は発生しませんでした。
その他水まわり
バルコニーに水栓を設置する場合の費用
バルコニーに水栓を設ける場合、「OPバルコニー水栓 材工共(給水のみ)」という項目で、仕様が「LIXIL水栓(LF-7RE-13U)含む」で1箇所13,900円が計上されていました。
洗濯パンを設置する場合(オプションファイル下の2のPF-6464AC)
普通の洗濯機用の洗濯パン(幅640、奥行640)を設置する場合、「OP洗濯機パン(LIXIL)」という項目で標準排水金具との差額として1箇所7,800円が計上されていました。
洗濯機用の水栓をお湯が出る混合水栓に変更した場合
混合水栓にすると、「OP混合水栓」という項目で1式12,740円という費用と、「OP給湯工事」で洗濯混合水栓用として1箇所16,700円の2つの費用が計上されていました。合計29,440円がかかる計算になります。
タカラスタンダードのエマウォールの導入費用
エマウォールは2700サイズの石目調の柄1枚の見積りが材工含めて79,300円で、2枚の時の見積りが111,800円と差額が32,500円でした。エマウォールを入れる場合は高額な施工費がパネル1枚でも数枚でも職人が1日で施工出来る範囲内なら変わらないので1枚だけではなく複数枚入れた方が1枚当たりの施工費が割安になるようです。
エマウォールは壁のホーローパネルの他に施工キットやエッジセットと言った付属部材もあるのでエマウォールを貼る枚数や貼り方によってもその辺りの費用が変わってくるのであくまでも参考価格としてお願いします。
その他の費用
構造計算費用(2階建て)
許容応力度計算をする場合、構造計算費用が90,000円計上されていました。構造計算費用は3階建てを建てる場合は必ず発生します。それ以外でも外壁を斜めにする様な間取りや大きな吹き抜けを設ける場合でも構造計算をする必要があるようです。
私の場合は2階建てで吹き抜けも無いので間取り的には構造計算は不要なのですが、許容応力度計算で耐震等級3を確保しておけば県民共済住宅で可能な地震対策としてはこれ以上無い対策になるので許容応力度計算をお願いしました。
都市計画道路予定地に家を建てる場合の申請費用
都市計画道路予定地に家を建てる場合は「都市計画法53条申請費」という申請費用が12,000円かかりました。この費用は担当の設計士さんが申請を依頼する業者によって変動する可能性があるのであくまで参考までにお願いします。
埋蔵文化財包蔵地に家を建てる場合の申請費用
埋蔵文化財包蔵地に家を建てる場合は「埋蔵文化財申請費」として申請費用が25,000円かかりました。この費用は担当の設計士さんが申請を依頼する業者によって変動する可能性があるのであくまで参考までにお願いします。
最後に
オプションファイルにないオプションの価格は誰しもが気になる所です。担当の設計士さんに見積りを出してもらうのが一番正確ですが、特にまだ契約が見えない時期だと実際は見積りをお願いしても中々出てこないので費用感が掴めません。
これらの金額は2021年9月契約の私の見積りからピックアップしました。契約時期や担当の設計士によって金額が変動する事もあるのであくまで参考程度にお願いします。
可動棚やカウンターの費用が分かれば造作で作る前提の間取りにするか家具を買う前提の間取りにするかの判断に役立つと思うのでそういう用途でお使いください。
結構はっきり価格を出しておいて言うのもあれですが、担当の設計士や監督に対して「この人はこの価格でやってるじゃん!」みたいな感じには使わないで下さい。