県民共済住宅の給湯器は標準でガス給湯器のエコジョーズ、オプションで電気のエコキュートや電気とガスのハイブリッド給湯器のエコワンが選択できます。給湯器はどの種類の給湯器を選択するかで住んでからの水道光熱費が随分変わってくるので毎月の光熱費を考えると省エネ性能が高くて月々の電気代やガス代が安くなる給湯器を選びたい所です。

これから県民共済住宅で建てる私の家はオール電化にするつもりなのでオプションのエコキュート一択なのですが、オプションのエコキュートは三菱電機とコロナの2社から6機種を選べるのでどのエコキュートを選ぶのが良いのかを調べてみました。

結論としてはエコキュートを入れるならコロナのプレミアムエコキュート(タンク容量370l)か三菱電機のエコキュート(タンク容量460l)のどちらかを入れるべきです。それ以外のモデルは省エネ性能でこの2機種に劣るのでオススメしません。

県民共済住宅で採用できる給湯器

2021年9月契約の仕様選定用紙
2021年9月契約の仕様選定用紙
  • 標準かオプションのエコジョーズ(ガス給湯器)
  • オプションのエコキュート(電気ヒートポンプ給湯器)
  • オプションのエコワン(ガスと電気のハイブリッド給湯器)
  • オプションの石油給湯器(灯油)

上記の4種類の給湯器が採用できます。ハイブリッド給湯器がオプションでも採用出来るのは中々珍しいのではないでしょうか。この4種類の給湯器にはそれぞれメリットデメリットがあります。

標準のガス給湯器のエコジョーズ

標準のエコジョーズ
オプションのエコジョーズ

県民共済住宅では標準でエコジョーズの給湯器が採用できます。エコジョーズは普通のガス給湯器ではそのまま捨てていたも排熱を利用する分普通のガス給湯器よりも少しだけ高効率になっている給湯器です。

機器はノーリツの24号でオプション扱いで16号が採用できる様ですね。

エコジョーズ給湯器を採用する最大のメリットは機器本体の価格が安いので故障しても15万円位で新品に入れ替えれるのが一番のメリットです。

私が今住んでいる県民共済住宅で20年以上前に建てた実家でも数年前にエコジョーズ給湯器が落雷で故障したので県民共済住宅のリフォーム部でエコジョーズ給湯器を13万円位で入れ替えることが出来ました。ちなみに落雷での故障だったので県民共済の火災保険で全額補償されました。

デメリットは月々の光熱費がエコキュートやエコワンよりも高くなる事です。都市ガスならまだ良いですが、プロパンガスで単価の高い会社と契約しているなら特に顕著になります。

エコジョーズのランニングコストを下げたかったら水道直圧式の太陽熱温水器と組み合わせて使うという方法もあります。県民共済住宅で太陽熱温水器のオプションは多分無いと思うので入れるなら施主支給かリフォームで後付する事になると思います。太陽熱温水器の導入は補助金が出る自治体もあるので導入前に補助金もチェックしてみると良いと思います。

私の購入した土地は都市ガスのエリア内ですが目の前の道路に配管が来ていなかったのでオール電化にしましたが、もし私の購入した土地に都市ガスの配管が通っていたら標準のエコジョーズを導入して、その後に水道直圧式で真空管式の太陽熱温水器を庭に設置して給湯器に接続するリフォームを行ったと思います。

オプションで導入出来るエコキュート

県民共済住宅ではオプションでエコキュートが導入できます。エコキュートは普通の電気温水器と違ってエアコンで暖房するのと同じ様にヒートポンプでお湯を加熱するので普通の電気温水器で加熱するよりも熱効率が高く電気代が安くなります。

オール電化の場合は給湯器は必然的にエコキュートになります。従来型の電気温水器だと熱効率が非常に悪く電気代が相当高くなるので初期費用の差が多くても電気代が安いエコキュートにしないと長期的に大損する事になりかねません。

オプションで導入出来るコロナのエコキュート
オプションで導入出来る三菱電機のエコキュート

県民共済住宅ではコロナのCHP-HXE37AY4のエコキュートや三菱電機のSRT-S465Uのエコキュートを導入することが出来ます。県民共済住宅では普通の電気温水器の設定がないのでオール電化にするならエコキュートの導入が必須になります。

エコキュートは初期費用こそ高いもののランニングコストが格安なのが一番のメリットです。エコキュートを入れるならIHクッキングヒーターを入れてオール電化にするとガスの基本料金やガス代が掛からないのでその分の節約になります。

エコキュートのデメリットは導入コストの高さがまず挙げられます。ランニングコストまで計算すると長く使えば使うほど得になりますが、最初に30万円以上かかるのがやはり一番の導入を躊躇う所だと思います。また、エコキュートはエアコンと同じヒートポンプを使ってお湯を沸かしているのでエアコンと同じく寒い時期になると熱効率が下がります。そうなると電気代が高くなってしまうので寒冷地だとエコキュートのメリットが小さくなります。

もう一つのデメリットとしてはエコキュートの貯湯タンクのサイズは普通のエコジョーズの様なガス給湯器と比べるととても大きいので貯湯タンクと室外機を設置できるスペースが必要になります。エコキュートを入れる予定の人は最初に入れたいエコキュートの機種を伝えておくと設計士さんの方でそのエコキュートを置けるスペースを考慮した建物の配置になりますが、何も言わなければ多分スリムタイプのエコキュートを採用する前提で話が進むと思います。

シャワーの水圧が弱いというのもエコキュートを導入している人からよく聞かれる点ですが、県民共済住宅のオプションで採用できる三菱電機とコロナの全ての機種が290kPaという高圧タイプなのでシャワーの水圧の心配は無さそうです。

県民共済住宅で取扱のあるエコキュートの機種

2021年5月時点の県民共済住宅のオプションファイル

県民共済住宅のオプションで取り扱いのあるエコキュートは三菱電機が1機種、コロナが5機種の計6機種です。それ以外の機種を入れたい場合は個別見積りで対応できるとの事ですがオプションに設定のある機種より割高になると思うのでオプションで導入出来る機種を入れると良いと思います。

価格はオプションファイルを見ると両社共365,200円で価格差はありません。ハイブリッド給湯器のエコワンも同価格でした。エコキュートの保証期間は三菱電機もコロナも無償で2年(コンプレッサーは3年、タンク部分は5年)で有料で延長保証が5年(両社共11,800円)、8年(コロナは25,520円、三菱電機は25,562円)、10年(コロナは31,130円、三菱電機は31,220円)と追加費用を払うことで保証期間を延長できます。

エコキュートはエコジョーズと違って機器代が高額なので買って数年で故障して買い替えとなると大損するリスクがあるので有料でも延長保証に入っておいた方が安心です。

それぞれの機種を一覧表にまとめてみました。

メーカー型番特徴貯湯タンクのサイズ
(幅×奥行×高さmm)
タンク容量
(リットル)
水圧
(kPa)
年間給湯保温効率
(APF)
三菱電機SRT-S465Uハイグレード630×760×2,1604602903.8
コロナCHP-HXE37AY4プレミアムエコキュート630×730×1,8603702904.0
コロナCHP-E372AY4薄型省スペース1,090×450×1,6203702903.0
コロナCHP-E462AY4薄型省スペース1,090×450×2,2254602903.0
コロナCHP-HXE37AY4K寒冷地仕様630×730×1,8603702903.3
コロナCHP-HXE46AY4K寒冷地仕様700×795×1,8504602903.2
県民共済住宅のオプションで選べるエコキュート一覧

表の最後の項目の年間給湯保温効率はエアコンで言うAPFの様な数値で省エネ性能や燃費性能を表す数値になっています。この値は大きければ大きいほど高効率なのでエコキュートの選定に迷ったらとりあえず年間給湯保温効率の数値が高いモデルを選択すると良いでしょう。

エコキュートの設置スペースが確保できるなら機種選定はほぼ2択

この一覧表の年間給湯保温効率を見る限り、選ぶべきエコキュートはタンク容量が370lならコロナのCHP-HXE37AY4のプレミアムエコキュートの機種かタンク容量が460lなら三菱電機のSRT-S465Uで決まりです。これらのエコキュートが設置できるスペースが確保できるなら悩む必要はありません。

逆に設置スペースが確保できない場合は必然的にコロナの薄型省スペース型のエコキュートになります。エコキュートを入れる予定なら設計士さんに入れたいエコキュートの機種を早い段階で伝えておくとそのエコキュートを置けるだけのスペースを確保して建物の配置を考えてくれるので良いと思います。

コロナのCHP-HXE37AY4はコロナのエコキュートの中でも最上級モデルになります。年間給湯保温効率も4.0と県民共済住宅で取扱のあるエコキュートの中でも一番高い数値なので3人家族ならこれを選んでおけば間違いありません。4人家族でも全体的にお湯をあまり使わないならこちらの機種を選ぶと給湯にかかる光熱費が一番安くなります。

三菱電機のSRT-S465Uは三菱電機のエコキュートの中ではハイグレードで上から2番目のグレードのモデルになります。年間給湯保温効率は3.8とコロナのプレミアムエコキュート数値にはわずかに及ばないもののかなり高い数値なので4人家族以上ならこのエコキュートを選んでおけばまず問題ないと思います。

県民共済住宅のオプションで入れられるエコキュートに関してはエアコンと違って相当良い機種を入れられるのでオプションでエコキュートを入れるのはおすすめできます。

私は4人家族なので460lの三菱電機のエコキュートを導入するつもりです。

オプションで導入出来るエコワン

オプションのハイブリッド給湯器のエコワン(シングルハイブリッド・ふろ給湯・床暖房タイプ)
オプションのハイブリッド給湯器のエコワン(シングルハイブリッド・ふろ給湯・床暖房タイプ)
オプションのハイブリッド給湯器のエコワン(シングルハイブリッド・ふろ給湯タイプ)
オプションのハイブリッド給湯器のエコワン(シングルハイブリッド・ふろ給湯タイプ)

県民共済住宅ではエコキュートの他にも電気とガスのハイブリッド給湯器のリンナイのエコワンが選択出来ます。

エコワンを一言で説明するとエコキュート+エコジョーズの機能を持った給湯器で、通常時はエコキュートで電気を使いヒートポンプで貯湯タンクのお湯を沸かし、貯湯タンクの湯量が足りない時はガスでお湯を沸かすという感じです。

エコワンは一般的に温水式床暖房を入れる時にセットで入れることが多い給湯器です。

エコワンのメリットはガスと電気のハイブリッド式なので給湯に使用するエネルギーはエコキュートよりも高効率という事です。ただし、エネルギー効率がエコキュートより高くてもエコキュートより光熱費が安いわけではないという点に注意が必要です。また、エコキュートと違いガスも使うのでオール電化に出来ないのでガスの基本料金も必要です。この辺りは電気代とガス代のバランスで変わってくるので一概にどちらが高いとは言えませんが、一般的にガス代の方が電気代より高いのでハイブリッド式だとガス代の分で高くなる傾向があるようです。

県民共済住宅で導入出来るエコワン

オプションファイルを見る限りふろ給湯・床暖房タイプのシングルハイブリッドの160lの定価880,000円のエコワンふろ給湯タイプのシングルハイブリッドの160lの定価836,000円のエコワンが入れられる様です。

シングルハイブリッドは温水式床暖房使用時にガス給湯器のみで床暖房用のお湯を沸かすので、ヒートポンプとガス給湯器を併用して床暖房用のお湯を沸かせるダブルハイブリッドよりも床暖房使用時の光熱費は高くなります。温水式床暖房を多用するつもりならダブルハイブリッドのモデルを個別見積りで設計士さんに入れられないか確認したほうが良いかもしれません。差額次第ではダブルハイブリッドにするのもありだと思います。温水式床暖房を入れずに風呂の給湯のみに使うならシングルハイブリッドとダブルハイブリッドの差は無くなるのでシングルハイブリッドで十分事足ります。

石油給湯器という第4の選択肢もあるようです

県民共済住宅では石油給湯器も導入出来るみたいです。寒冷地ではない埼玉県で石油給湯器をわざわざ入れる人は少ないと思いますが一応チェックしてみましたが、石油給湯器はエコジョーズやエコキュート、エコワンと違い燃料が灯油なので定期的に給油する必要があります

ランニングコストが安くても定期的に灯油を補充する手間がかかるのは非常に面倒です。灯油販売の業者に定期的に入れに来てもらうにしても電気やガスと比べて手間がかかります。この手間が許容出来れば石油給湯器を選ぶという選択肢もありなのかもしれません。

最後に

一応4種類の給湯器について書いてみましたが、本当はエコジョーズのガス給湯器なら月々幾らになってエコキュートなら何円削減できるという数値まで出したかったのですが、エコキュートでもガス給湯器でもまず何度の水を何度まで何リットル分沸かすのかという前提条件だったり、都市ガスやプロパンガスでガスの単価やエネルギー効率が各社バラバラで光熱費の計算が困難な上、ハイブリッド給湯器の電気代とガス代を算出する場合どういう計算をすれば良いのか見当がつかないので目安の光熱費が出せませんでした。

別記事の「県民共済住宅で選べる給湯器の年間電気代とガス代をシミュレーション」で住宅のエネルギー消費量を計算するプログラムを使ってこれらの給湯器の一次エネルギー消費量と電気代、ガス代、灯油代をそれぞれ算出して光熱費の比較を行いました。公平な条件での比較になるので「結局どの給湯器が良いの?」という疑問を解消し得る記事だと思うので是非参考にしてみて下さい。

ガス会社のWEBサイトを見るとエコキュートよりもエコジョーズのメリットが強調されているし、逆もまた然りで公平な条件での比較がなかなか無いですが、一般的にはエコキュートの方がエコジョーズより光熱費が安いと言われています。

どの給湯器が良いかは一概には言えませんが、ランニングコストだけで言うならオプションのエコキュートで初期費用と機器交換費用が安いのは標準のエコジョーズです。

給湯は地味に家庭のエネルギー消費の3割近くを占めていて暖房や冷房よりもエネルギー消費が多い部分です。エネルギー消費が多い=光熱費がかかるという事なのでこの給湯を高効率化出来れば割合的に結構な光熱費の削減になると思うので新築時にどの給湯器を入れるかの選択が重要になってきます。

高額な機器を入れる場合は有料の延長保証に入る事で思ったよりも早く機器が壊れて初期費用分の差額が回収できないリスクを回避する事も重要です。特にエコキュートやエコワンは買い替えとなると30〜50万円位かかってしまうので出来るだけ長く使いたい所です。