2022年4月に県民共済住宅で家を新築した際にEV(電気自動車)充電用コンセントを自宅に用意しました。私は三菱自動車のアイミーブという軽のEVを所有しているので自宅のEVコンセントは日常的に使用しています。

結論から言えば自宅に駐車スペースがある一戸建てに住んでいて、将来的にEVやPHEVを購入する可能性があるならEVコンセントは用意しておいて損はありません。新築時ならEVコンセントを後付するよりもトータルの設置費用も安いと思うし無駄に壁に穴を開ける必要もありません。

逆に自宅に駐車スペースが無い場合はEVコンセントは全く持って不要です。

EVは充電時間が長かったり航続距離が短いというデメリットばかりが強調されていますが、それらのデメリットはスマホの様に自宅の敷地内で毎日充電出来る環境さえ用意出来ればそれらのデメリットをかなり相殺出来て超絶コスパの乗り物に早変わりします。

EVコンセントは決して高額な設備ではない

家庭用のEVコンセントはそんなに高いものではありません。参考までにパナソニックのEVコンセントのアフィリエイトリンクを貼っておきますが、EVコンセントの部材自体は実売3,000円台とかその程度で安価です。

実際はコンセントの機器代の他に配線費用や工事費がかかるので1〜5万円位になると思いますが、それでも上のパナソニックのEVコンセントを設置して10万円以上になることはまずありません。充電ケーブル付きの門柱の様なスタンドタイプのEVコンセントを外構で設置する場合は部材費が高いので10万円は超えると思います。

純粋なEVコンセントは安価ですが、V2Hという電気自動車を家庭用蓄電池代わりに使う設備を入れると数十万円〜200万円位はかかってきます。自宅用のEVの充電設備は高額だと思い込んでいる人はもしかしたらV2Hと普通のEVコンセントを混同している可能性があります。

県民共済住宅で新築時のEVコンセントは約1万円で設置可能

2021年9月契約の県民共済住宅でのEVコンセントは材工込で税抜9,600円と安価
2021年9月契約の県民共済住宅でのEVコンセントは材工込で税抜9,600円と安価

県民共済住宅で新築した場合は契約時期にもよりますが約1万円でEVコンセントが設置できると思います。私は2021年9月契約ですがその時は材工込で税抜9,600円でEVコンセントを設置できました。

EVコンセントは決して高額な設備ではないので自宅の敷地内に駐車出来るスペースがあって将来的にEVに乗る可能性が僅かでもあるなら設置しておいた方が良いと思います。

EVコンセントは駐車スペースの近くに設置する

EVコンセントと駐車スペースが遠いと充電ケーブルが届かないなんて事もあり得ます(写真の車は三菱アイミーブでケーブルの長さは5m)
EVコンセントと駐車スペースが遠いと充電ケーブルが届かないなんて事もあり得ます(写真の車は三菱アイミーブでケーブルの長さは5m)

EVの充電ケーブルの長さは大体5mや7.5m程度です。駐車スペースとEVコンセントの位置が遠いと車の充電口までケーブルが届かないということにもなりかねないのでどこにEVコンセントを設置するかというのは言うまでも無い基本的な事ですが一番重要です。

車の充電口の場所は車種によって異なり、日産リーフだと車の前側中央で三菱のアウトランダーPHEVやアイミーブはガソリン車の給油口と同じ様な車の右後方に200V用の充電口があります。

リーフのような車の前方に充電口がある車種でバック駐車する場合、家の外壁に設置したEVコンセントから充電口まで充電ケーブルが届かないという可能性もあるので特にEVコンセントの設置場所には気をつけましょう。

上の写真は三菱アイミーブで充電ケーブルの長さは5mの物です。旗竿地の玄関前にEVコンセントを用意していますが余裕は1.5m位しかありません。もし何も考えずにドアの右側にEVコンセントを付けていたら充電ケーブルが充電口まで微妙に届かなかった可能性があります。

EVコンセントの設置高さはやや高めを推奨

EVコンセントは高い位置に設置しないといろいろ不便です
EVコンセントは高い位置に設置しないといろいろ不便です

EVコンセントを設置する高さは通常の外用コンセントよりも高い位置にしておいた方が無難です。と言うのもEVの充電ケーブルはかなり大きて重い上、EVコンセントは差込口にカバーがあるのでカバーを片手で開いてから重い充電ケーブルをもう片方の手で差し込むような感じになるのでEVコンセントが低すぎる位置にあると地味に抜き差しが大変です。

地面から1m位あれば問題ないですが、地面から30cm位だと低すぎて不便だと思うのでEVコンセントの高さは重要です。EVコンセントの位置は車の近くにする事はEVを持っていなくても想像できると思いますが、EVコンセントの高さについては実際にEVに充電したことが無い人は想像しにくいと思います。

上の写真のEVコンセントは家の建設工事中にEVコンセントの設置高さの指示をし忘れてしまったので普通の外コンセントと同じ高さに設置してありますが、もう30〜50cm位高いところに設置した方が使い勝手が良かったと思っています。

丁度玄関ポーチの階段の1段目の所にEVコンセントがあるので多少高さが確保できていますが、もし玄関ポーチの上だったら充電ケーブルのコントロールボックス(四角いユニット)が地面に着いてしまって抜き差しもかなり不便になるし汚れるしで後悔度が跳ね上がっていたと思います。

室内側のスイッチはあると便利

SwitchBotでEVコンセントをタイマー化
SwitchBotでEVコンセントをタイマー化

新築時にEVコンセントを設置すると室内側のスイッチ(盗電防止用のスイッチ)でオンオフ出来る様になると思います。現実的にEVコンセントから盗電されることなんてまず無いと思うので盗電防止用途としては不要ですが、室内側のスイッチは無料で付けられるなら付けた方が良いです。

室内側のスイッチが便利に使えるシチュエーションは、特定の時間帯に電気代が安くなる電気料金プランに加入した時です。

室内側にスイッチを付けなかった場合は深夜電力で充電しようと思うと深夜1時に外に出て充電ケーブルを接続する必要がありますが、スイッチがあると普段はスイッチをオフにしたまま帰宅時に充電ケーブルをEVに接続し、深夜1時になったら室内側でスイッチをオンにすると充電が始まるので深夜に充電する時の手間がかなり軽減されます。

結局深夜1時にスイッチをオンにする手間があるから意味ないと思いがちですが、スイッチを押す動作をSwitchBotのタイマー機能で自動化すればスイッチを押す手間から開放されます。

EV充電用のスイッチは可能なら他のコンセントやスイッチと一緒にせずに独立させておくとスイッチボットを設置しやすくなります。

コスモワイド21のスイッチをSwitchBotできちんと押すためのコツ

パナソニックのコスモワイド21のラウンドタイプのコンセントプレートでスイッチボットを機能させるためにはボットに押されるスイッチ側の高さを上げないとボットの可動部分が浅すぎてスイッチがオンオフ出来る部分まで押し込めません。

上の写真はボットに押されるスイッチ側の高さを嵩上げするためにとりあえずその辺にあったIKEAのクングスフォルス(アームが当たる部分の厚みは5mm)というマグネットクリップをマスキングテープで固定してみたところいい具合にオンオフ出来るようになりました。

厚みが5mmある割り箸やプラスチックやアクリルの角棒みたいな物があればそういう物を加工してスイッチ側に取り付けると良いでしょう。出っ張り部分の厚みが薄いとオンは出来てもオフに出来なかったり、厚みが厚すぎるとそもそもボットが押せなかったりと絶妙な厚み(5mm)を探すのに苦労しました。

押すスイッチが小さい場合はボットのアーム部分が当たる部分だけを出っ張らせても重心が偏らないので大丈夫だと思いますが、上の写真のEVコンセントみたいな大きなスイッチだと上端だけ出っ張らせても重心が傾いてうまくボットの押す力が伝わらずにオンは出来てもオフが出来ないみたいになる事があるのでそうなった場合はできるだけ広い範囲を割り箸やプラ棒などで覆うように加工すると重心が安定してスイッチが押しやすくなります。

200V30Aの電流が流せる配線にすべし

EVコンセントの配線はVVFケーブル2.6mm
EVコンセントの配線はVVFケーブル2.6mm

EVコンセントは200V15Aのタイプが現在の主流ですが、より高速に充電できる200V30Aの充電に対応する車種が出てきているので家の分電盤からEVコンセントまでの配線は将来を見据えて200V30Aの電流が流せるφ2.6(VVFケーブル2.6mm)の様な配線を用意しておきましょう。

EVコンセントが200V15A対応でも200V30A対応の配線さえコンセントまで来ていればコンセント部分を付け替えれば良いので安価に入れ替えできますが、家の中を通ってくる配線を交換となるとそもそも不可能だったりするので、EVコンセントに繋ぐ配線にも気を配る必要があります。

200V15Aだと1時間で3kWhしか充電出来ませんが、200V30Aだと倍の6kWhも充電できる事になるので多くの車種で1晩でフル充電出来るようになります。

県民共済住宅の2021年9月契約で2022年4月引き渡しの私の家では200V30Aの2.6mmのVVFケーブルで配線されていたので問題ありませんでした。ちなみにEVコンセントはパナソニックのWK4322Sという200V15Aの物なので1時間に3kWh分しか充電できません。

電力会社との契約が60Aだとブレーカーが落ちる?

自宅でEVを充電する際の注意点ですが、200V15AのEVコンセントからEVを充電するとその時点で3kWhの消費電力になり、その時点で電力契約のアンペア数の30A分を使ってしまっている事になります。

EVを充電するなら最低でも40A以上の契約が必要ですが、40Aだと電気自動車を充電しながらエアコンを付けてドライヤーや電子レンジを使ったりした時点でブレーカーが落ちてしまうと思うので実質的には最低でも50A以上のアンペア契約が必要になり、多少余裕を見るなら60Aは必要です。

60Aは6kWhまでの消費電力ならブレーカーが落ちないのでEVだけを充電するなら60Aでも問題無いですが、EVを充電しながらIHクッキングヒーターで調理して海外製の食洗機を同時に動かしたりすると消費電力が6kWhを超えてブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

私はオール電化住宅に住んでいてまちエネの毎晩充電し放題!プランを契約しているので電気代が安い深夜の1〜5時の間にEV充電、エコキュート、海外製食洗機、洗濯機を動かしていて、その時間帯に一時的に消費電力量が6kWhを超えて何度かブレーカーを落としてしまった事があります。

ただ、一度に集中して消費電力が高い家電を動かさなければ良いので運用でカバー出来る範囲ではあります。オール電化住宅で絶対にブレーカーを落としたくないなら8kVAは必要だと思います。

8kVAでもEV充電、IHクッキングヒーター、食洗機、電子レンジ、電気ケトル、エアコン、ドライヤーを一度に使えば多分ブレーカーは落ちると思うので本当に余裕を見るなら10kVAで契約するのが良いと思います。

もし200V30AのEVコンセントを設置した場合はEV充電だけで6kWhの消費電力があるのでアンペア契約は60A(6kVA)より大きい8〜10kVA契約が必要になります。

アンペア容量は実際にEVを充電器から充電した時に関係してくるので、まだEVやPHEVは持っていないけどとりあえずEVコンセントだけ設置した場合は関係ありません。EVを購入して充電する必要に迫られた時に必要に応じてアンペア数を変更しましょう。

最後に

新築時にEVコンセントをどうするかは現時点で必要が無くても1〜2万円程度で設置できるなら屋外に200Vの専用配線を用意しておく意味でも設置しておくと良いと思います。

EVコンセントは決して高額な設備ではないので既存の住宅でも工事費込みで3万円か5万円程度で増設出来ると思いますが、分電盤から外壁に配線する都合上壁に穴を開けての配線になると思うので、将来的に外壁に余計な穴を開けない意味でも迷ったらEVコンセントを付けておくか、EVコンセント用の配線だけでも駐車スペース近くの壁まで用意しておきましょう。

当然ながらそもそも自宅に駐車スペースが確保出来ない土地ではEVコンセントは不要です。自宅に充電設備がある駐車場がない場合はEVに乗る多くのメリットが消えてデメリットが際立つので現状はまだEV(BEV)に無理して乗る事は無いと思います。

EVは自宅に充電器がある駐車スペースがあると充電に関するデメリットの大半が消える上、有料の急速充電器や普通充電器を使うよりも格段に電気代が安く済むのでEVやPHEVを買う予定があるなら入れておいて損は無い設備になります。

EVに乗る可能性があるなら自宅の屋根に太陽光発電を載せるかどうかも検討しておきましょう。太陽光発電とEVは相性が良いので太陽光発電があれば非常に安価にEVを維持することが出来ます。

太陽光発電とEVは一部でボロクソに叩かれていますが、偏見や思い込みを捨ててフラットな視点で見てみると結構メリットもあるので一度きちんと最新の情報を調べて家づくりに反映させられないか検討する事をおすすめします。