県民共済住宅では間取りがある程度確定した時点で地盤調査が入ります。地盤調査で地盤が緩いと判断されてしまうと地盤改良が必要になり100万円前後の出費が発生してしまいます。
土地を購入する際にその土地の地盤改良の必要性は地盤サポートマップ等で事前にある程度は判断出来ますが、実際の地盤改良の必要性は実際に現地を調査してみないとわかりません。
私は地盤改良が無ければ儲けもの位の感じで地盤調査の結果を待っていました。一応100万円位の出費は見込んでいたのでこれが無くなれば相当ラッキーです。
購入した土地について
購入した土地は地盤サポートマップでも地盤的にそこそこ強そうな土地です。土地を買う際にはハザードマップの他にこの地盤サポートマップも参考にして購入しました。地震時の揺れやすさが「やや揺れやすい」という所が気にはなりますが、液状化の可能性が「非常に低い」となると地盤は安定していると推測出来ます。浸水の可能性が無いのも良い材料です。
この地盤サポートマップはジャパンホームシールド社の無料サービスです。後日設計士さんに届いた地盤調査報告書もジャパンホームシールド社が作成した物でした。
家を建てようと思ってまだ土地を買っていない人はハザードマップの他にこの地盤サポートマップも活用すると地盤の良し悪しが大体判断出来ます。
また、国土地理院の地形分類の地図も見ておくとヤバい土地を掴まされるリスクが減ると思います。
地盤調査当日の様子
地盤調査の数日前に調査会社から電話があり、その電話でいつ調査するのかを教えて頂いたので立会いを希望して了承して頂きました。
地盤調査の方法はスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)と呼ばれる方法で、建物の中心部1箇所と建物の端の部分4箇所の計5箇所を掘削して調査していました。
当日は朝8時位から調査に入っていたようですが、私が現場に到着したのが11時位で最後の5ポイント目を掘削しているところでした。
現場に到着して地盤調査会社のスタッフさん2人に挨拶して多少話を聞いてみると地盤は結構良さそうな感じです。8m位の所に硬い地盤がある事やこの土地は昔から家が建った形跡が無いこととかをスタッフさんから聞きました。具体的に地盤改良の有無は試験結果を分析してみないとわからないとの事なので地盤改良が無いことを祈っています。
調査会社のスタッフさんの1人がこの土地が都市計画道路にかかっている事に気づいていて「この土地めっちゃ良いっすね。道路が開通したら旗竿じゃなくなって16m道路に面する土地になりますね」と言っていました。自分から話を振ったわけでも何でもなかったのでそこに気がつくとはこの人は相当不動産や土地に詳しいなと思ってしまいました。
5分か10分程雑談しつつ説明を聞いてこれ以上現場にいてもする事がないので挨拶して現場を離れました。立会いを希望したのはブログネタの為でしたが、実際に立ち会ってみてそれなりに有意義な話は聞けたものの、別にわざわざ立ち会う必要性は感じませんでした。当然ですが施主が立ち会わなくても調査はきちんと行われます。
気になる地盤調査の結果
地盤調査の結果は調査日の2週間後に設計士さんとの打ち合わせが入っていたのでその時に担当の設計士さんから聞かされました。打ち合わせの最初の話題が地盤調査の結果です。地盤調査報告書を渡されてそれぞれのページの内容について設計士さんから説明を受けながら報告書を見ました。
基礎と地盤補強の提案書
地盤調査の結果です。報告書の内容を見てみるとこの地盤についての考察があり、
調査の結果、自沈で沈下する軟らかい層が確認されますが、全体的には建物荷重を支え得る良好な測定値が得られており、概ね安定した地盤だと推察されます。よって、直接基礎による対応が可能な地盤だと考察致します。
地盤の長期許容応力度:36kN/m2
地盤調査報告書より引用
という事なので地盤改良無しで普通のベタ基礎で行ける様です。これを設計士さんとの打ち合わせ中に聞いて内心「キターーー!!!!」と心の中でガッツボーズを決めました。
こうして考察を見てみると私の土地は事前に地盤サポートマップで調べた情報と相違がなかったです。
施工に関する情報
敷地の状況も知ることが出来ました。この辺りの情報は実際に掘ってみないとわからないので土地購入の時点では知りえない情報です。
評価の内訳
地盤調査の報告内容を見てみると、地盤的には結構良い土地みたいで安心しました。地盤はガチャ要素が強いので周りの土地で地盤改良が不要でも自分の土地では地盤改良が必要だったみたいな話もよく聞くので本当にラッキーでした。
評価の解説
地盤の長期許容応力度が36kN/m2とあります。この数値だけ見ても「?」でしたが、「地盤の長期許容応力度」でググったら36という数値はまあまあ良い感じみたいでした。
沈下、変形に対する検討が必要とあるのがやや気になります。周辺が平地だったので盛り土に関しては心配していませんでしたが調査結果を見ても盛り土された土地では無いみたいで良かったです。
沈下に関する事は問題なしとあるのでそこまで深刻では無さそうです。良かった。
調査地チェックシート
地盤調査では自分の土地だけでなく、近隣の家屋や道路の状況までチェックするんですね。
これは土地を買う際に目当ての土地周辺の道路が波打っていたり、近くの家屋が傾いていたり壁にヒビが入っていたらその周辺の地盤が弱い可能性が高いと言えそうです。土地を買った時は周辺の道路が波打っているかなんて気にもしたことが無かったのでそういう方法で地盤を推測する方法もあるんだと今更ながら知りました。
勾配がある所の土地は盛り土されている可能性もあるのでそういう土地を買う場合は地盤改良が入る可能性が高そうです。
調査地の地形
調査地に関する情報です。地図の所は土地の場所が書いてあるのでモザイクをかけています。
地形情報資料
地図記号や一般的な土地区分の沈下に対する安全性の一覧です。
旧版地形図は昔の地図がありました。下の土地条件図は今の地図です。地図が見えると位置バレするのでモザイクをかけています。
調査敷地状況図
調査敷地情報図には自分の土地の情報が記載されています。
試験結果
試験結果の見方は表の右側の棒グラフみたいになっている部分のメッシュ部分が右にあればあるほど地盤が固いという判断で、逆にメッシュ部分が左側にあればあるほど地盤が弱いとなります。
設計士さん曰く、地盤が弱い土地は殆どが荷重欄の左側の1マスか2マス位に収まる感じになるそうです。私の土地は表層と5m付近の地盤が緩いですが、表層は基礎工事で穴を掘るので問題ないのと、5m付近だけがちょっと弱い位なので問題ないだろうとの事でした。
試験結果は測定した5箇所全ての試験結果がそれぞれありました。
調査結果報告書の基礎と地盤補強の提案書にあった「調査の結果、自沈で沈下する軟らかい層が確認されますが、全体的には建物荷重を支え得る良好な測定値が得られており、概ね安定した地盤だと推察されます。」というのがこの試験結果を見ると「なるほどね」と思えました。
自沈で沈下する軟らかい層というのが5m付近のメッシュが2つか3つしか無い部分を指していますね。
表の詳しい見方を知りたい人はジャパンホームシールド社の資料ダウンロードのページにある「地盤調査テクニカルガイド」というPDFファイルの中に表の見方なんかが記載されています。
現場写真
こちらは現場写真がありました。ちゃんと調査しましたよという証拠ですね。こういう写真があると施主が立ち会わなくてもちゃんと調査したんだなと思えるので安心です。
最後に
私の土地は地盤改良が無くて本当に良かったです。私の土地は都市計画道路予定地なので都市計画道路の開通が決まった際は更地にして行政に引き渡す必要があるので、その際に地盤改良の杭を打ち込んだら地中の杭も撤去することになると思うので撤去費用が余計にかかるのは嫌だなと思っていたので結果的に地盤改良なしで杭を地中に打ち込む必要が無くなって本当に良かったです。
施工現場が自宅から近い人や地盤調査に興味がある人は立ち会って地盤調査会社の人に色々話を聞いてみるのも良いと思いますが、地盤調査で立ち会おうかどうか迷っているなら正直わざわざ立ち会う必要も無いと思います。施主がわざわざ立ち会わなくても調査はちゃんと実施されていて報告書には現場の写真が何枚もあるのできちんと調査した感がありました。
そして土地を購入する際に参考にした地盤サポートマップも有用でした。地盤サポートマップで良い感じの土地を選びましたが、調査結果も地盤サポートマップの情報とほぼ相違ない結果で地盤改良無しで行ける土地だったので地盤サポートマップを参考にして正解でした。これから土地を買おうと思っている方は自治体のハザードマップの他にもこの地盤サポートマップを使って土地を選ぶと変な土地を掴まされるリスクが減ると思います。
今回の地盤調査報告書を見て自分の購入した土地について初めて知ったことも多かったので中々興味深かったです。