私は県民共済住宅で2021年9月に契約し、2022年4月末に新築の家の引き渡しと引っ越しをしてから早いものでもう1年経ってしまいました。

当時は県民共済住宅で全館空調を行う前提で高気密高断熱に拘った施主がいなかったので、どうせなら自分がリアルな爪痕をブログに残してみるかと思ってブログを書いてきました。

そんな感じで実際に1年住んでみた訳ですが、春夏秋冬と過ごして1年経って思うことは春秋はともかく、夏はすこぶる快適で、冬もそれなり以上に快適だったので県民共済住宅で高気密高断熱に寄せた家を建てたのは間違っていなかったと確信しています。

家づくりは大変だったけど楽しかった

家を建てる前は面倒くさいと思っていた建材メーカーのショールーム見学も家を建てている時は楽しみでした(写真はウッドワンプラザ新宿)
家を建てる前は面倒くさいと思っていた建材メーカーのショールーム見学も家を建てている時は楽しみでした(写真はウッドワンプラザ新宿)

私にとっては2千万円の注文住宅はとても大きな買い物で、そのお金の重みを考えると家づくり自体の過程も最大限楽しまないともったいないと思ったので快適かつ自分好みの家にすべく色々勉強しました。

県民共済住宅の場合、申し込みから家の引き渡しまで1年以上かかるのが普通なので、その期間は家づくりの事を第一に考えて楽しみながら家づくりが出来ました。

快適性は最大限、省エネ性も最大限、水回りは豪華に、それ以外は普通位の感覚で拘るところはきちんと予算を投入しつつも自分にとってはどうでも良い部分は予算をかけずに標準仕様で行きました。

私の場合は予算ありきだったので現実と理想のバランスが良いメリハリのある家が出来たと思います。

高気密高断熱住宅は今後の家づくりのスタンダードになると思う

という様な想像と言うか、ほぼ確信を持ちながら家づくりに入りました。

実際にUA値0.41、C値1.02の一応「高気密高断熱住宅」と言える自宅に1年住んでみて思うのは、1997年に県民共済住宅で新築した実家と比べて快適さのレベルが全然違って、夏にちょっと涼しいとか冬ちょっと暖かいとかのレベルではなく今の家ってこんなに快適なのかと衝撃を受けました。

快適性が上がって光熱費も安くなると思うのでメリットが非常に大きい割に建築コストが上がる以外の大きなデメリットもなく、国の政策としてCO2削減が現実課題としてある中、今後高気密高断熱住宅が普及しない理由が無い様な状態です。

私が次に家を建て直す機会があれば次も間違いなく全館冷暖房前提の間取りで断熱性能、気密性能も追求した上で太陽光発電ももちろん載せて、間取りなんかはその時その時で変えると思いますが、基本的には今回県民共済住宅で新築した家のマイナーバージョンアップみたいな感じを目指すと思います。

後悔ポイントは正直ほとんどない

私は基本的に全部自分で決めるというスタンスで家づくりをしました。

最初から自分の中でどういう家が欲しいかの理想がはっきりしていたので、後は県民共済住宅の仕様と自分の予算で理想に一番近づけるにはどうするのが良いかを自分の中の理想から逆算していきました。

その上で家づくりに全力を注いでわからない事はいろいろ勉強したり、住宅系のYouTubeや先輩施主ブログ等を見て家づくりの情報収集をしたり、かなり細かく仕様を調べたりした上で、あまり人任せにせず自ら選択、決断しています。

担当の設計士さんには不安のある部分のアドバイスを求めたり、プロから見てどうなのかとかの意見を聞いたりして最後は自分で決めるみたいな感じで家づくりを進めた結果、必然的に自分好みの家が出来たので今からでもお金を払ってやり直したいレベルの後悔ポイントは幸いながらありません。

後悔まで行かない小さな失敗ポイントは流石にいくつかありますが、生活に支障がないレベルの小さい失敗ポイントなんてどんな家でもあるので細かいことは気にせず、新居を満喫しましょう。

そういう失敗ポイントは新居に住み始めてすぐの時は気になると思いますが、何ヶ月かすればもはやそんな事はどうでも良くなって気にしなくなります。

県民共済住宅を選んで良かったか

県民共済住宅
県民共済住宅

私の場合、これに関しては間違いなく良かったと言えます。

県民共済住宅は施主が選べる選択肢が地味に多いので決められる事は自分で決めたい派の私には非常に向いていました。

他のハウスメーカーとは異なり担当営業がいないので施主が設計士さんや現場監督と直接やり取りする必要があるのも私にとっては大きくプラスでした。

担当になった外部設計士さんも私の希望通りの設計をしてくれた上、現場監督は超仕事が出来るマジで神みたいな監督さんでした。

唯一非常に心配だった施工品質に関しても現場監督の優秀さに加えて私の家を担当してくれた職人さんが丁寧な仕事をしてくれる素晴らしい大工さんを筆頭にきちんと良い仕事をしてくれた職人さん達のおかげで良い家を建てることが出来ました。

2ボウル洗面台は忙しい朝に真価を発揮する
2ボウル洗面台は忙しい朝に真価を発揮する

税抜の坪単価だと50万にギリギリ届かない位のローコスト住宅ですが、快適性や水回りのレベルも高くコスパで言うと超絶レベルの家が出来たと思います。

私の場合はこだわりポイントとそうでない所で露骨に価格差を出しているので、床は全部県民共済住宅オリジナル床材のニレだったりと標準仕様も多いですが、県民共済住宅の標準仕様は総じて建材メーカーの同じ様な部材でも5段階中上から2番目もしくは最上位クラスの物が基本的に選ばれているので住んでから標準仕様で済ませた所で不満に思ったことはありません。

季節ごとの住心地

1年を通して住んでみての素直な感想です。地味に一番快適なのが夏でした。

春は窓から入る日差しが暖かくて気持ちいい

春は断熱性能が低くてもそれなりに快適な季節なのであんまり参考になるかはわかりませんが、エアコン無しでも玄関以外は最低でも20℃以上に保たれている感じで朝晩そこまで冷え込みを感じず、昼間は窓から入る太陽光だけでエアコン無しでも23〜26℃位まで上がります。

夏は全館冷房で室温だけでなく家中の湿度まで抑えられているのですこぶる快適

夏の2階LDK北側のサーモグラフィー
夏の2階LDK北側のサーモグラフィー

夏に関しては全館冷房のおかげですこぶる快適でした。

室温も湿度も快適な状態に保てていて、空間自体が蒸し暑くないのでエアコンから遠い部屋やトイレなんかでも普通に快適です。

地味に家の中の湿度が50〜60%前半で保てるので家中どこでもカラッとしていて、エアコンの冷風が当たらないと快適さを感じないような家とは根本的な快適さのレベルが違いました。

家中の湿度が低いと室内干しでも乾くのでベランダで洗濯物を干さなくても良くなり、エアコンで24時間冷房運転をしている為、そもそも窓を開けないので虫がほとんど家の中に入ってこないという地味に嬉しいポイントもあります。

秋は意外とエアコンを使う

秋も春と同じく断熱性能が低くても快適な季節ですが、思っていたよりもエアコンを使う時期が長かったので光熱費が若干かかります。

冬は全館暖房で家中寒くなく概ね快適だが光熱費がちょっと高い

契約している電力会社の料金グラフ
契約している電力会社の料金グラフ

冬は全館暖房で家中寒くない状態を保っていて快適でしたが、太陽光発電があってもオール電化で電気代が月3万円位かかりました。

2022-2023の冬は燃料費調整額が10円を超えていて、自分にとってはあまりにも電気代が高かったので冬の後半はエアコンを消して窓から入る直射日光を最大限利用したりして快適性を損ねない範囲で節約しました。

窓の結露はそこそこ寒い日の朝でこの程度
窓の結露はそこそこ寒い日の朝でこの程度

窓の結露に関しては窓がYKKAPのAPW330のアルミスペーサー、遮熱Low-Eペアガラスのアルゴンガスで残念ながら結露はありますが1月〜2月の極端に寒い日の朝に窓のガラス部分の下部にうっすら小さな水滴が現れるレベルで、昼頃になるといつの間にか自然乾燥しているのでカビが生えるような事もありません。

最後に

家づくりをしていた頃はこれだけ調べ尽くして家を建てれば後悔しないだろうとは思っていましたが、予想通り後悔ポイントもなく満足出来る家が出来ました。

家づくりで良く聞くキーワードは「家は3回建てないと理想の家にならない」的な格言?がありますが、ガチで自腹を切って真剣に家づくりをしてみて思うことは、決してそんな事はないということです。

1回で絶対に成功させる(失敗出来ない!)という強い覚悟を持って施主自ら本気で家づくりの勉強が出来る人なら注文住宅の家づくりはきっと上手く行くと思います。

私の場合、2千万の自腹を切っているのでもし家づくりが失敗したら一体何年分の時間を無駄にするんだろうと思うと絶対に失敗したくない、いや失敗出来ないので必然的に家づくりの勉強をしてしまったという面と、どうせ2千万も支払うなら家づくりの過程も最大限楽しまないと損でしょと思ったこともあり家づくりに全力を注ぎましたが、結果良い家が出来て1年経った今でも非常に満足しています。

地味に新築後に困っているのが旅先で泊まるホテルの客室と結構ガチのホテルライクを目指した自宅をどうしても比べてしまい、日本国内で1室1泊1〜2万円程度のちょっと良いビジネスホテルや4つ星レベルのシティホテルでは全然満足出来なくなってしまったのが誤算でした。