私は海外旅行が好きで旅先では良くIHG(Intercontinental Hotels Group)系のチェーンホテルに泊まります。代表的なブランドはインターコンチネンタル、クラウンプラザ、ホリデイイン、ホリデイインエクスプレス辺りが有名所で世界各地にホテルを展開しているので重宝しています。

家を建てるなら寝室はホテルライクにしたいと思い、数多くのIHG系ホテルへの宿泊経験を踏まえてホテルライクな寝室を作るために外せないポイントを考えてみます。

北京のHoliday Inn Beijing Shijingshan Parkview
北京のHoliday Inn Beijing Shijingshan Parkview

私は当然IHG系以外のホテルにも泊まりますが、小規模なチェーンホテルや個人経営のホテルやアパートメントと比べると世界的なチェーンホテルの方がホテルのブランドを保つための独自の基準やノウハウがあり、実際に世界中のどのホテルに泊まっても当たりハズレが少なく品質が安定しているので快適な寝室の作り方として非常に参考になるためその他のホテルは今回は除外して考えてみます。

ベッドの配置がおかしいとホテルライクな寝室にならない

まず、寝室にベッドをどういう風に配置するか。これが変だと絶対にホテルライクな寝室にはなりません。

過去に宿泊したホテルの部屋の画像を見て、壁付けしたベッドの頭側から見て前後左右のどの方向に窓が配置されているかを検証してみました。

宿泊サンプルは私が海外のIHG系ホテルに過去10年間に宿泊したホテル38箇所です。国内のIHG系ホテルにも宿泊していますが国内はANAホテルがリブランドしたホテルが含まれているので除外しています。リピートしたホテルや複数部屋を取ったホテルは合計しています。角部屋で複数ヶ所窓がある部屋の場合はそれぞれの方角の窓にカウントしています。

過去に宿泊したIHG系チェーンホテルのベッドの頭側から見た窓の位置

統計を表に書き出してみます。向きの基準は普通にベッドに寝る際、ヘッドボードや枕がある頭側が後側、足がある方が前側で、左右はそれぞれ左手と右手側となります。

ホテル名(順不同)後側前側左側右側
Holiday Inn Express Dijon1
Holiday Inn Bern Westside1
Holiday Inn Strasbourg Illkerch1
Crowne Plaza Padova1
Holiday Inn Rimini1
Holiday Inn Express Reggio Emilia1
Intercontinental Hong Kong22
Intercontinental Aphrodite Hills Resort Hotel1
Holiday Inn Express Frankfurt Messe1
Holiday Inn East Taipei1
Intercontinental Istanbul1
Holiday Inn Istanbul Airport1
Intercontinental Athens1
Intercontinental Singapore1
Crowne Plaza Riyadh Minhal1
Holiday Inn Express Guilin City Center1
Holiday Inn Hangzhou Xiaoshan1
Holiday Inn Hangzhou CBD1
Holiday Inn Express Shanghai Zhabei11
Holiday Inn Helsinki Expo11
Holiday Inn Beijing Shijingshan Parkview1
Holiday Inn Express Tianjin Dongli1
Crowne Plaza Tianjin Meijiangnan1
Holiday Inn Hohhot1
Holiday Inn Samara1
Holiday Inn Ufa1
Holiday Inn Munich Unterhaching1
Holiday Inn Express Moscow Paveletskaya1
Crowne Plaza Abu Dhabi Yas Island1
Holiday Inn Suzhou Jasmine11
Holiday Inn Shanghai Hongqiao1
Crowne Plaza Shanghai Noah Square1
Crowne Plaza Pudong Shanghai1
Crowne Plaza Hong Kong Kowloon East21
Holiday Inn Express Stuttgart Airport1
Holiday Inn Moscow Tagansky1
Holiday Inn Express Affoltern Am Albis1
Holiday Inn Express Milan Malpensa1
合計051823
ベッドの位置から見て窓のある方向一覧

過去の写真を見て計算してみましたが、圧倒的にベッドの頭側から見て右側か左側に窓があります。ベッドの正面に窓は殆どないことが集計してみて見えてきました。集計前から薄々感づいていましたが当然ながらベッドの頭側の壁に窓があることは皆無でした。

また、日本国内のビジネスホテルの狭小シングルルームであるようなベッドの頭側と横側の2方向が壁寄せされている事もありませんでした。

なお、各ホテルの窓のある方角までは流石に覚えていないので方角との関連性は無視して考えてください。

ホテルの客室では窓のある壁側にベッドの頭側(ヘッドボード側)を絶対に配置しない

ヘルシンキのHoliday Inn Helsinki Expo。この部屋はベッドの頭側から見て左側に窓がある
ヘルシンキのHoliday Inn Helsinki Expo。この部屋はベッドの頭側から見て左側に窓がある

県民共済住宅に限らず寝室の間取りや写真を見ていて違和感を覚えた正体がこれでした。窓の下にベッドの頭側がある設計の寝室をよく見ますが、ヨーロッパ、中東、アジアのサンプルが40件近くあるにも関わらず、1件も頭側に窓(小窓も含む)が無いのは偶然ではなく頭側に窓を設けてはいけないセオリーもしくは基準があるのだと思います。理由は恐らく快適性を阻害する何かがあるのでしょう。

頭の正面側に窓があったケースが5件ありましたが、いずれもジュニアスイート以上の広い部屋でした。それを踏まえると通常の部屋ではヘッドボード側を背にして全て左右側に窓があった事になります。

部屋の構成はベッドの後ろ(ヘッドボード部分)に窓のない壁があり、ベッドの両側にナイトテーブルとその上にベッドサイドランプがあり、ベッドの正面側に机や造作のカウンターが付いた壁があり、テレビもその正面側の壁に付いています。左右の窓のある方にベッドと窓の間にスペースがあればそこにソファーやテーブル、エキストラベッドやスタンドライトやフロアランプが配置されていて窓のない反対側にバスルームやクローゼット、部屋の入り口があるケースがほとんどです。

寝室の照明も非常に重要

ホテルライクな寝室にする上で照明も非常に重要です。ホテルではベッドサイドにシェード付きのテーブルランプがあって、テーブルランプ以外にもスタンドライトが主に窓際の部屋の隅にある事が多いです。

部屋全体を間接照明で明るすぎなくするとホテルライクな寝室の雰囲気になります。

たまにベッドの真上の天井にダウンライトが埋め込まれている客室に当たることがあります。そんな部屋で寝てみると想像通り眩しくてホテルの客室の照明がフロアランプ等の間接照明になっている理由が理解できます。

モスクワのHoliday Inn Express Moscow Paveletskaya。これは壁側を照らすダウンライトがベッドの頭上にあるのであまり望ましくはない例。
モスクワのHoliday Inn Express Moscow Paveletskaya。これは壁側を照らすダウンライトがベッドの頭上にあるのであまり望ましくはない例。

ベッドの真上の天井にどうしてもダウンライトを付けるならこのモスクワのホテルの写真のように照度が低い暗めのダウンライトでなおかつ真下を照らすタイプではなく壁側を照らすタイプの物を頭(枕)の位置より後側(壁側)に寄せて設置するのが望ましいでしょう。

ベッドに寝る際に枕の上に頭を乗せると真上より多少角度が付いて真上よりやや前側の天井が視界に入る事もあり、頭の後側にダウンライトがあれば眩しさは多少軽減されます。上の写真のダウンライトの配置でも真下を照らすタイプのダウンライトや照度が高く明るいダウンライトだと当然眩しくなります。眩しくて眠れないリスクを取りたくならベッドの真上にはダウンライトを設置しない方が良いでしょう。

杭州のHoliday Inn Hangzhou Xiaoshan。ダウンライトの配置や種類がとても考えられている好例
杭州のHoliday Inn Hangzhou Xiaoshan。ダウンライトの配置や種類がとても考えられている好例

上の写真の様なダウンライトの配置であればベッド上にダウンライトが無いので眩しくない上、部屋の明暗の差がとても良い感じになっています。この部屋のダウンライトはウォールウォッシャータイプのダウンライトで真下ではなく壁を照らす様になっています。そのためベッドに寝転んでいても通常のダウンライトよりも眩しくありません。寝室でダウンライトを使うならこの写真の部屋の様にベッドの頭側を避けてダウンライトをウォールウォッシャータイプやグレアレス系のダウンライトにして光源を目立たせないのがポイントです。

手元のリモコンでオンオフ出来たり明るさが変えられる利便性とコストならシーリングライトが良いですが、ホテルライクな感じの部屋にはならないでしょう。寝室にシーリングライトを入れるならシーリングライトを選ぶ際に豆電球(最小の明るさ)が明るすぎない物を選ぶと就寝時に眩しく感じにくいので良いと思います。

ヘルシンキのHoliday Inn Helsinki Expoの別の部屋。こちらはベッドの頭側から見て右側に窓がある。間接照明を上手く使った北欧スタイルの客室ですね。
ヘルシンキのHoliday Inn Helsinki Expoの別の部屋。こちらはベッドの頭側から見て右側に窓がある。間接照明を上手く使った北欧スタイルの客室ですね。

理想的な寝室の照明は上の写真の様に間接照明を上手く使えると一気にホテルライクな寝室になりますね。県民共済住宅で上の写真の様なコーニス照明を随所に取り入れた完成度の高い間接照明にするのは折り上げ天井にする必要があるので難易度が高いですが、木の温かみが感じられるナチュラル系統の内装でここまでスタイリッシュにまとめたセンスや色使いはとても参考になります。

上海のHoliday Inn Shanghai Hongqiao。ベッドサイドのペンダントライトが面白い
上海のHoliday Inn Shanghai Hongqiao。ベッドサイドのペンダントライトが面白い

また、ベッドサイドに長いペンダントライトを吊るすのもスタイリッシュな寝室を作る上で有効そうです。この場合ベッドの配置が変えられなくなるのと地震の時揺れて怖そうなのが欠点でしょうか。

カーテンの付け方

アテネのIntercontinental Athens。カーテンが天井から床まであるので窓際がスッキリ見えて部屋が広く感じます。
アテネのIntercontinental Athens。カーテンが天井から床まであるので窓際がスッキリ見えて部屋が広く感じます。

カーテンの付け方もホテルライクな部屋にするのに重要です。窓が腰窓だったとしても天井から床までの長さのカーテンを着けてカーテンレールをカーテンボックスで隠すとかなりホテルっぽくなるはず。具体的には上のIntercontinental Athensの写真と2つ上の写真のHoliday Inn Express Helsinki Expoの様な感じです。カーテンに関しては寝室だけに限らずLDKでも天井付近から床までの長さのカーテンにすることで部屋がスッキリ視覚的に広く感じる効果も期待できます。

あるいは窓際のカーテンの収納部分を折り上げ天井にしてカーテンの上側を隠すと天井がスッキリして見えます。

寝室の主役、ベッドの選び方

Intercontinental Hong Kongのベッド。最高の寝心地でした。
Intercontinental Hong Kongのベッド。最高の寝心地でした。

毎日使うマットレスは自分に合った寝心地の良いものを選ぼう

ベッドのマットレスは実際に各社ショールームや家具屋で寝転んでみて好みの感触で選ぶのが重要です。マットレスは良い物だとシングルサイズでも10万円以上するので購入する前に実際に寝て感触を確かめてみる事が大事です。良いベッドで寝ると翌朝の疲労度が全然変わってくるのでここはケチるポイントではありません。ベッドは他の家具と違い毎日何時間も使う家具なので出来るだけ妥協せず自分に合った良いものを選んでください。

有名ベッドメーカー(シモンズ、サータ、シーリー)の寝心地ですが、結構硬めの寝心地が良いならシモンズ、やや柔らかめの寝心地が良ければサータ、かなり柔らかめの寝心地が良ければシーリーという感想です。当然同じメーカーでも商品によって硬さや寝心地が変わってくるので実際に自分で寝てみて感触を確かめてみてください。

ちなみに私はシーリー派で柔らかめの寝心地が特徴のシーリーの中でも固め(シーリーにしては硬いが、サータと比べるとやや柔らかい)のシーリーホテルスタイルというマットレスをもう8年位愛用しています。長期間使っている割にへたり具合がそれほど目立っていないので耐久性も良いと思います。

それ以前は2年位シモンズのベッドフレームとマットレスを使っていましたが、私には硬すぎて寝ていて背中が痛くなったので引っ越しを機にシーリーに買い替えました。私は県民共済住宅で新しい家を建てたらもう一度新しいシーリーホテルスタイルのマットレスとダブルクッションタイプのベッドフレームを買う予定でいます。

シーリーを知ったきっかけは昔泊まったインターコンチネンタル香港でとても寝心地の良いベッドに出会い、このベッドと同じものが欲しいと思ってシーツを剥がしてマットレスのタグを確認してみたらシーリーのタグが付いていたのがきっかけです。

寝心地に拘るならダブルクッションタイプのベッドフレームを選ぼう

本当に5つ星ホテルの様な寝心地を得たいのならベッドフレームをダブルクッションタイプにするのがオススメです。ダブルクッションの設定があるベッドメーカーは限られてきますが、例えば県民共済の宮原店で取扱のあるサータやシモンズならダブルクッションのフレームがあります。宮原店に実物が置いてあるかはわかりませんが、県民共済の取扱メーカーなら割引価格で取り寄せできるのではと思います。県民共済に拘らなければシーリーや日本ベッドなどがダブルクッションのベッドフレームを取り扱っています。

本物のホテル仕様のベッドも買える

帝国ホテルやインターコンチネンタル東京ベイ、アパホテルなどの一部のホテルでホテル仕様のベッドや寝具を販売しています。

一流ホテルが販売するベッドの金額は非常に高額ですが確実に良い寝心地を得たいなら本物のホテル仕様のベッドを買うという選択肢もあります。

ベッドの大きさ

ベッドの大きさのオススメはシングルベッドやツインベッドの様にベッド1台に大人1人が寝るなら1m幅のシングルサイズか120cmのセミダブル位の大きさが丁度良いですが、大きさのゆとりが欲しいなら140cm位のダブルサイズも良い選択です。

ダブルベッドの様に1台の広いベッドに大人2人が寝るなら最低でも160cmのクイーンサイズ以上でないと窮屈さを感じると思います。ゆとりのある広さで寝たいなら180cm幅の日本基準のキングサイズを入れるよりも1m幅のシングルサイズを2台くっつけて並べて、ベッドパッドとボックスシーツを海外のキングサイズ(200cm×200cm)の物にするとベッドの接合部分の隙間が気になりにくくなって良い感じです。

日本基準の180cm幅のキングサイズベッドの場合、大きいので搬入が難しいのと100cm幅のシングル2台を並べた方がキングサイズのベッドよりも20cm広くなって子供と3人で寝ても子供の寝相がよほど悪くない限り窮屈では無くなります。

ヘッドボードやヘッドボード側の壁紙を拘れば一気にホテルライクな部屋に近づきます

チューリッヒ近郊のHoliday Inn Express Affoltern Am Albis

ホテルライクな寝室にしたいならヘッドボードも拘ると相当ホテルっぽくなります。また、ヘッドボードのある壁側にアクセントクロスを入れるのも手っ取り早くホテルっぽくなりオシャレな感じが演出出来て良いと思います。

新築の場合はヘッドボードを木質系の壁パネルを使って造作して、ベッドをダブルクッションタイプのヘッドボードが無いものを入れるとかなりホテルっぽくなると思います。

上海のCrowne Plaza Shanghai Noah Square。壁面にアートが飾られている
上海のCrowne Plaza Shanghai Noah Square。壁面にアートが飾られている

ベッドの後側の壁にアートを飾るのも手っ取り早くホテルっぽさとオシャレ感が演出出来ますね。横長のアートはホテルの客室でよく見るので寝室と相性が良さそうです。

まとめ

  • ベッドのヘッドボード側(頭側)を窓のある壁側に配置しない
  • 間接照明を多用して明るすぎない部屋にする
  • カーテンは窓の大きさに関わらず天井から床までの高さの物を選び、壁一面を覆う
  • カーテンレールは折り上げ天井やカーテンボックスに隠して直接見せない
  • ダウンライトを使うならベッドの頭側には設置しない
  • ダウンライトを使うならグレアレスやウォールウォッシャータイプにして壁を照らす

上記の点を意識すればホテルライクな寝室に近づくはずです。その上でアクセントクロスを入れたりすれば良いと思います。部屋の見栄えも大事ですが、何よりベッドの質が快眠する上で一番重要なのでベッドも妥協せず自分自身に合った寝心地の良いベッドを選んでください。