私は海外旅行が趣味の浦和レッズファンという事もあり、2019年11月のACL決勝、2023年4月のACL決勝、2023年12月のクラブワールドカップの計3回サウジアラビアに個人旅行の一人旅で行きました。

サウジアラビアはかつては個人旅行者が最も入国しづらい国の1つで未知の国という印象でしたが、2019年にサウジアラビアの観光ビザが解禁されてからは約2万円のeVISAさえオンラインで取得すれば入国可能になりました。

サウジアラビアの都市内移動はタクシーか配車アプリの2択になるので同じ都市内を移動するにも毎回結構な金額がかかってきて地味に財布に厳しいですが、配車アプリで一番有名なUberだけでなくドバイ発のCareemという配車アプリも併用することで移動費を節約することが出来ました。

サウジアラビアでは公共交通機関が貧弱なので移動は配車アプリが基本

個人旅行でドバイやドーハに行くのとサウジアラビアのリヤドやジェッダに行くのとで一番戸惑うのがバスや地下鉄等の公共交通機関の充実度です。

ドバイは何だかんだでドバイメトロやバス路線が充実しているのでタクシーや配車アプリなしでも行きたい所に簡単に行けますが、サウジアラビアではそうも行きません。

特に首都のリヤドは最近メトロががようやく開通しそうですが、メトロが出来るまでは何とリヤド空港からリヤド市内への公共交通機関が皆無で空港バスすら存在していないという他国を旅した事がある人からするとありえない状態です。

リヤドの市内中心部ではかろうじて路線バスが存在していますが、バスの時刻表や路線マップの情報がネット上に皆無なので旅行者が使いこなせる様なものではありません。

ジェッダはメッカに近い関係でイスラム教の巡礼(ハッジ)目当ての旅行者が大量にやって来ることもあり空港に高速鉄道の駅や空港付近からジェッダ中心部に行く路線バスも一応存在していますが、バス路線も市内各所を網羅している訳ではないのでリヤドでもジェッダでも旅行者は配車アプリでの移動が基本です。

タクシーと比較した配車アプリのメリット

  • 乗る前に乗車料金が解り面倒な金額交渉が不要で明瞭会計
  • ドライバーと言葉が通じなくて会話ゼロでも確実に目的地まで行ける
  • キャッシュレス決済なのでサウジ・リヤルの現金が不要

配車アプリのデメリット

  • タクシーよりも台数が少なく、配車してから車が到着するまでの待ち時間がある
  • ピーク時は車が捕まりにくく、乗車料金も高騰する

配車アプリはメリットも多いですがピーク時の利用などデメリットも若干あるので基本的には配車アプリ1択で問題ないですが、時間がないから目の前に停まっているタクシーで今すぐ移動したい時やサッカー観戦の帰りで配車アプリの料金が高騰していて車も捕まらないようなシチュエーションではタクシー利用の方が良い事もあります。

Uberの混雑時の料金はかなり高額

ジェッダのスタジアムからホテルまで35kmの乗車で150SAR(約6,000円)もかかった
ジェッダのスタジアムからホテルまで35kmの乗車で150SAR(約6,000円)もかかった

Uberの乗車価格は距離だけでなく混雑度によって異なるダイナミックプライシングを導入していて、例えばサッカー観戦にスタジアムに行って試合終了後にスタジアム周辺からホテルまで戻る様な多くの人が一斉に配車アプリを使うようなタイミングになると乗車料金が高騰する上、車もなかなか捕まりません。

上記の領収書はジェッダのスタジアムで浦和レッズ対マンチェスター・シティーのFIFAクラブワールドカップの試合後にUberでホテルまで戻った時の領収書で同一市内移動にも関わらず6,000円位かかってしまいました。

これがきっかけで配車アプリはUberだけでなくCareemも併用することにしました。

スマホの配車アプリはUberとCareemの両刀遣いがオススメ

ジェッダ空港のCareemとUberの乗車ポイント
ジェッダ空港のCareemとUberの乗車ポイント

配車アプリで一番有名なのはUberだと思います。

私もこれまでサウジアラビアでUberを使ってきましたが、試しにCareemを使ってみたところ大抵の場合UberよりもCareemの方が料金が安いし車が捕まりやすかったのでCareemをメインに使いました。

UberとCareemの配車料金の違い

ジェッダでUberを使った時の配車料金
ジェッダでUberを使った時の配車料金

ジェッダのフローティングモスクから宿泊しているホテルに戻るタイミングでUberとCareemの配車料金を比較してみました。

当然ながら出発地、目的地は同じで同時刻での比較になります。

UberだとUberXが46.31SARで一番安くなります。

ジェッダでCareemを使った時の配車料金
ジェッダでCareemを使った時の配車料金

こちらはCareemでの配車料金になりますが同区間でもGO Budgetで41.4SARと1割位安くなりました。

Uberは混雑時に料金が高くなるダイナミックプライシングを導入しているので運賃が高くなりがちですが、Careemは値上がり幅がUberよりもマイルドだと感じました。

また、UberよりもCareemの方が現地ではメジャーなようで車も多いので車が早く捕まる様な感じもしました。

タイミングによってはCareemよりもUberが安くなる事もあるのでどちらか片方ではなく両方のアプリをインストールしておいて都度都度価格を比較することで若干節約しながら移動する事が出来ます。

上記のタイミングだと1割位しか差がありませんが、タイミングによっては半額位になることもありました。

UberもCareemも日本国内発行のVISAカードで決済出来て日本の携帯番号でSMS認証出来ました。

スマホと現地で使えるSIMは必需品

通信キャリアサウジアラビアUAEカタール月額追加費用/データ量/有効日数備考
ahamo2,970円0円/20GB/最大連続15日まで連続15日以降は128kbの速度制限あり
楽天モバイル1,078円0円/2GB/期限なし
(500円/1GBでデータ追加可)
データ追加500円/1GB
povo2.0○/△0円【レギュラートッピング】
640円/0.5GB/24時間
1,480円/1GB/3日
2,880円/2GB/5日
4,280円/3GB/7日
【ワイドトッピング】
6,980円/0.3GB/30日
○はレギュラートッピング、△はワイドトッピング対応エリア
サウジアラビア、UAE、カタールでデータ通信可能な日本国内の通信キャリア

サウジアラビアは完全な車社会なのと、近年までイスラム教徒以外の入国を厳しく制限していた事もあり公共交通機関が驚くほど貧弱です。

そのため旅行者はタクシーかUber等の配車アプリで移動することになるので配車アプリを使うためのスマホとデータ通信できるSIMはサウジアラビアを旅する上で必須のアイテムです。

SIMはサウジアラビアの現地でプリペイドSIMを契約するのも有りですが、海外ローミング出来るキャリアやMVNOのSIMを日本で用意しておき、3日程度の滞在ならpovoのレギュラートッピング、1〜2週間程度なら日本国内と同じく20GBの容量があるahamoが使いやすいと思います。

eSIMが使えるスマホならサウジアラビア対応のeSIMを契約するのも有りだと思います。

最後に

サウジアラビアを旅する上で地味に負担が大きいのが現地での移動費です。

同じ中東のUAEのドバイやアブダビならバスやメトロがあるので市内移動も安価に出来ますが、サウジアラビアのリヤドやジェッダではバスやメトロが無いもしくはあっても路線が貧弱かつチケットの買い方や乗り方、ダイヤ、路線とバス停の場所といった公共交通機関を使いこなす上で必要な情報がネット上に無かったりと実質的に使い物になりません。

UberとCareemを使い分けるだけで1回の乗車で数百円以上節約出来る事もあるのでサウジアラビアを出来るだけ安く旅したい人は両方のアプリをスマホにインストールして毎回使い分ける事をおすすめします。